TOP > 国内特許検索 > ホワイトスポットの形成方法、およびホワイトスポットを有する歯科研究材料

ホワイトスポットの形成方法、およびホワイトスポットを有する歯科研究材料

国内特許コード P07A012165
整理番号 P05-020
掲載日 2007年12月21日
出願番号 特願2005-252726
公開番号 特開2007-061021
登録番号 特許第4820986号
出願日 平成17年8月31日(2005.8.31)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
登録日 平成23年9月16日(2011.9.16)
発明者
  • カイルール マティン
  • シャミム スルタナ
  • 暁 万里子
  • 小野 雅洋
  • 田上 順次
出願人
  • 国立大学法人 東京医科歯科大学
発明の名称 ホワイトスポットの形成方法、およびホワイトスポットを有する歯科研究材料
発明の概要

【課題】一様な形状(uniform)のホワイトスポットを有するスタンダード試料を、短時間に、且つ、再現性よく得ることができ、更に、得られる試料のホワイトスポット形成領域の周囲は健全な状態であるホワイトスポットの形成方法、およびホワイトスポットを有する歯科研究材料を提供する。
【解決手段】ホワイトスポット形成基材10に、コーティング材11を積層後、その一部を除去してエナメル質露出部を形成し、エナメル質露出部にバイオフィルム17を形成して脱灰した後、コーティング材11を除去することにより、ホワイトスポット形成基材10の表面の一部のみにホワイトスポットを形成する。
【選択図】 図6

従来技術、競合技術の概要


従来より、う蝕の初期段階であるホワイトスポットは、種々のう蝕または脱灰の研究に利用されるばかりでなく、う蝕の発生および進行過程において、様々な研究情報を得るための研究材料として用いられてきた。ホワイトスポットとは、いわゆる初期う蝕の段階に発生する、目視では白斑状または白濁して観察される部位であり、適切な歯科処置、例えばフッ素処理等を施すことにより、再石灰化による健全な歯への回復可能性を有する部位である。



このような研究材料となるホワイトスポットを得る方法としては、これまで、試料のpHを低下させて酸性状態とし、更にバッファーを追加して酸性状態を一定期間維持することにより、エナメル質からリン酸とカルシウムを溶解(脱灰)させる方法が採用されてきた。また、この方法においては、脱灰させたくない領域をマニュキュアでコーティングして保護し、マニュキュアにより保護されていない領域(ウィンドウ)を、ホワイトスポットの形成領域としていた。



ところで、脱灰を引き起こす病原因子として、従来からバイオフィルムが注目されている(特許文献1参照)。「バイオフィルム」とは、菌と糖とを構成材料の一部とする、エナメル質の基材(歯)の上に形成される膜状の蓄積物である。バイオフィルムは、通常、う蝕の病原因子として捉えられており、口腔内では、バイオフィルムの直下のエナメル質に、う蝕の初期段階であるホワイトスポットが形成され、やがて、う蝕へと進行していく。



ここで、「バイオフィルム」の形成過程について、図1に基づいて説明する。先ず、バイオフィルムの形成にあたっては、エナメル質1上に、バイオフィルムの構成単位となる菌2が付着する(図1(A))。次に、エナメル質1上において、菌2が増殖し、コロニーが形成される。この菌2で形成されるコロニーに、ショ糖や砂糖等の糖が供給されると、糖は菌2によって分解され、水あめのようなグルカン4に変化する。また、菌2はショ糖や砂糖等の糖の化学変化を起こし、酸を生成する。グルカン4は水に溶けないことから、菌2、その他の菌3、および酸を内部に取り込んで、エナメル質1上にバイオフィルムの形成を始める(図1(C))。引き続き、菌2によるグルカン4の形成が行なわれることにより、グルカン4は、菌2、その他の菌3、および酸を内部に保護する形で蓄積を続け、やがて、バイオフィルムが完成する(図1(D))。

【特許文献1】特開2003-116516号公報

産業上の利用分野


本発明は、ホワイトスポットの形成方法、およびホワイトスポットを有する歯科研究材料に関する。より詳しくは、一様な形状(uniform)のホワイトスポットを有するスタンダード試料を、短時間に、経済的に、且つ、再現性よく得ることができ、更に、得られる試料のホワイトスポット形成領域の周囲は健全な状態であるホワイトスポットの形成方法、および当該方法によって得られるホワイトスポットを有する歯科研究材料に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
エナメル質の表面に、菌と糖とを構成材料の一部とするバイオフィルムを形成し、白斑および/または白濁部を人工的に形成するホワイトスポットの形成方法であって、
エナメル質からなるホワイトスポット形成基材の表面に、コーティング材を積層するコーティング材積層工程と、
前記コーティング材の一部の領域を除去することにより、前記エナメル質の表面の一部が露出したエナメル質露出部を形成する露出部形成工程と、
前記エナメル質露出部において所定の細菌を培養することにより、人工的なバイオフィルムの形成を促すバイオフィルム形成工程と、
前記バイオフィルムの形成を開始した前記ホワイトスポット形成基材を、環境管理することにより、前記エナメル質露出部に白斑および/または白濁部を形成する脱灰工程と、を含むホワイトスポットの形成方法。

【請求項2】
さらに、脱灰工程の後に、
前記コーティング材を前記ホワイトスポット形成基材から除去するコーティング材除去工程、および/または、
前記バイオフィルムを前記ホワイトスポット形成基材から除去するバイオフィルム除去工程、を含むものである請求項1記載のホワイトスポットの形成方法。

【請求項3】
前記環境管理は、人工口腔装置において行なわれるものである請求項1または2記載のホワイトスポットの形成方法。

【請求項4】
前記人工口腔装置は、pHメーターによりpHの変化を記録しつつ、温度、時間、及び、酸性度を自動制御するものである請求項3記載のホワイトスポットの形成方法。

【請求項5】
前記コーティング材は、パラフィンワックスである請求項1から4いずれか記載のホワイトスポットの形成方法。

【請求項6】
前記細菌は、ミュータンス菌を含むものである請求項1から5いずれか記載のホワイトスポットの形成方法。

【請求項7】
請求項1から6いずれか記載のホワイトスポットの形成方法により得られた歯科研究材料。

【請求項8】
請求項1から6いずれか記載のホワイトスポットの形成方法により得られたホワイトスポットを、Quantitative Light-Fluorescence(QLF)装置および/またはナノインデンターによって評価するホワイトスポットの評価方法。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2005252726thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記問合せ先にご相談下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close