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鉄道車輌用ブレーキ装置

国内特許コード P07A012273
整理番号 /NO30392
掲載日 2007年12月21日
出願番号 特願平09-092791
公開番号 特開平10-273046
登録番号 特許第3488802号
出願日 平成9年3月28日(1997.3.28)
公開日 平成10年10月13日(1998.10.13)
登録日 平成15年10月31日(2003.10.31)
発明者
  • 熊谷 則道
  • 内田 清五
  • 仲野 政志
出願人
  • (財)鉄道総合技術研究所
発明の名称 鉄道車輌用ブレーキ装置
従来技術、競合技術の概要 図3を参照しつつ従来技術の一例を説明する。図3は、従来の空-油圧増圧式の滑走防止機能付き鉄道車輌用ブレーキ装置の構成を模式的に示す系統図である。この図のブレーキ装置は、制輪子15(ブレーキ作動部材)をブレーキシリンダ21を用いて車輪11に押し付けて制動する形式としているが、ディスクブレーキ式であってもよい。各車輪11には、回転センサ13(パルスジェネレーター等)が取り付けられており、各車輪11の回転数を常時検出している。そして、回転センサ13の信号は滑走防止コントローラ103に送られ、コントローラ103は、別途検出される車輌の走行速度と各車輪11の速度とを比較して、車輪11の滑走(ブレーキ時に列車速度>車輪速度)を検知している。ブレーキ制輪子15は鋳鉄製等のブロックであり、車輪11の踏面に押し付けて車輪11の制動を行う。このような制輪子方式の他に、ディスク方式のブレーキも多用されるようになってきている。なお、本発明はブレーキ方式の相違にかかわらず適用可能である。制輪子15を駆動するシリンダ21は油圧式である。以前は、ブレーキシリンダは空圧式が主流であったが、車輌の車輪11周りに多くの部品が配置されるようになってきた昨今の高速車輌では、ブレーキシリンダの寸法を小さくする等の必要が生じ油圧式が主流となっている。なお、その場合にも、詳しくは後述するように、ブレーキ動力の根幹においては空圧を用いている。そうしている理由は、圧縮空気の持つ高いエネルギー貯留性により、動力発生源停止時あるいは車輌分離(動力源も分離される)といった最悪時においてもブレーキを作動させることが可能でなければならないという保安上の要請からである。油圧ブレーキシリンダ21のロッド17の先端は、制輪子15に接続されており、後端はピストン25に接続されている。ピストン25とブレーキシリンダ21の前側エンドプレート22間にはバネ23が押し勝手に設置されている。このバネ23によって、ピストン25は後退方向(制輪子15が車輪11から離れる方向)に付勢されている。ピストン25の反ロッド側は、油圧室27となっており、同室27に油圧が立つと、ピストン25はバネ23の付勢力に抗して前進(制輪子15が車輪11に接する方向)する。このブレーキシリンダ21は、車輌床下の車輪11の近傍に配置されている。ブレーキシリンダ21の油圧室27は、連通管29を介して、増圧シリンダ31の油圧室35と連通している。連通管29の途中には油圧制御弁101が設置されている。この油圧制御弁101は滑走防止コントロールの際に動作するものであるが、それについては後述する。増圧シリンダ31は、空圧(5~9kgf/cm2)を動力源として高圧の油圧(90~140kgf/cm2)を発生させる(増圧する)ものである。すなわち、増圧シリンダ31は、油圧シリンダ部33と空圧シリンダ部41とからなり、両シリンダの油圧ピストン37と空圧ピストン43は連結ロッド39で連結されている。油圧ピストン37は、油圧部33内に摺動自在に収められており、油圧室35内の油を押す。空圧ピストン43は空圧部41内に摺動自在に収められており、空圧室45内の圧縮空気によって押される。油圧ピストン37と空圧ピストン43の面積比(一般的に10~20)がこの増圧シリンダの増圧比となる。なお、空圧室45内の空圧が低下すると、空圧ピストン43及び油圧ピストン37は、ブレーキシリンダ21内のバネ23の付勢力により(油圧を介して)後退する。増圧シリンダ31の空圧室45には空圧配管47が接続されている。この空圧配管47から圧縮空気が出入りする。この空圧配管47には給排締切弁105が設置されている。給排締切弁105も、油圧制御弁101同様に、滑走防止制御時に動作するものであり、詳細は後述する。空圧配管47は空圧配管55に接続されており、空圧配管55の元端には主ブレーキ制御弁57(Dポート)が接続されている。主ブレーキ制御弁57には、その他に、給気元管65(Aポート)、給気管61(Bポート)、排気管59(Cポート)が接続されている。給気元管65は元空気溜81に繋がっており、空気のそもそもの供給源である。元空気溜81は、機関車や動力車などに設置されており、列車全体に動力空気を供給する。元空気溜81には空気圧入用のコンプレッサ83が設置されている。給気管61は、補助空気溜63に繋がっている。補助空気溜63は、列車の各車輌毎に設けられており、動力用の空気を一時貯留するタンクである。なお、元空気溜の他に補助空気溜を必要とするのは、列車分離のような突発事故で各車輌が機関車等との連結が外れた場合にも、各車輌に最低限の動力源を残しておくためである。主ブレーキ制御弁57の作用について説明する。主ブレーキ制御弁57は、電磁弁であって、ブレーキユルメ(不制動)位置とブレーキ(制動)位置の2つの位置をとることができる。主ブレーキ制御弁57の操作は、運転室内に設置されているブレーキ指令器85を運転士が操作することにより行う。ブレーキユルメ位置では、ポートCとDをつないで増圧シリンダ31の空圧室45内の空気を排気管59から大気へ排出する。この際、前述のとおり、制輪子15はバネ23の付勢力によって車輪11から離れる。同時に、ポートBとAをつないで元空気溜81から空気を補助空気溜63に補給する。一方、ブレーキ位置では、ポートAとCは閉としておき、BとDをつないで補助空気溜63から空圧を増圧シリンダ31の空圧室45に導入する。これにより、ブレーキシリンダ21のバネ23の付勢力に抗して、ピストン43、37、25が前進して、ブレーキ制輪子15を車輪11に押し付け制動する。なお、主ブレーキ制御弁励磁時にブレーキユルメ位置となり、非励磁時にはブレーキ位置となるのでフェールセイフとなっている。次に滑走防止動作について説明する。ブレーキ時の滑走とは、車輪のブレーキ操作が強すぎた時に、車輪がレール上を滑ってしまう現象である。この滑走が生じると、制動距離が長くなるとともに、車輪踏面に摩耗フラット部が生じるので好ましくない。そこで、最近の鉄道車輌では、滑走が発生したときに、それを防止するブレーキ動作を行うこととしている。まず、ブレーキ中に車輪11が滑走したこと(列車速度>車輪速度)を、回転センサ13と滑走防止コントローラ103で検知したら、油圧制御弁101を動作させてブレーキシリンダ21の油圧室27から油圧を少量抜いて、制輪子15の押し付け圧力を瞬時低下させてブレーキ力を弱める。これにより、車輪が加速してレールと滑らなくなったら(再粘着という)油圧制御弁101からの圧抜きを停止し再びブレーキ力を強める。上述の滑走防止油抜き時には、油圧制御弁101の油抜き動作時に、増圧シリンダの空圧ピストン43も前進する(図の左方向に移動する)。一例では、油圧制御弁101が約12回作動すると、空圧ピストン43の行程は全ストローク近くまで進み、増圧シリンダ31が押し切ってしまい、ブレーキ制輪子15を押せなくなってしまう。このときは、給排締切弁105を作動させて増圧シリンダ31の空圧室45内の空圧を抜く。これによって、空圧ピストン43は、ブレーキシリンダ21のバネ23の付勢力で後退する。なお、この際に、図示されていない油補充装置によって、先に抜いた油が、増圧シリンダ31の油圧室35内に戻される。その結果、空圧ピストン43は後退限まで戻り、再びブレーキ動作及び滑走防止動作が可能となる。なお、油圧制御弁101及び給排締切弁105の制御は、滑走防止コントローラ103が行う。
産業上の利用分野 本発明は、空圧を動力源として車輪に制動をかける鉄道車輌用の滑走防止機能付きブレーキ装置に関する。特には、滑走防止制御の応答性に優れ、かつ構造のシンプルな鉄道車輌用ブレーキ装置に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 ブレーキ作動部材を駆動する油圧ブレーキシリンダと、この油圧ブレーキシリンダに油圧を抜き/入れするサーボ油圧ポンプと、空圧源から空圧供給を受けて増圧された油圧を発生させ、油圧ブレーキシリンダに油圧を供給する油圧空圧増圧シリンダと、増圧シリンダの空圧を速やかに低下させる空気流入遮断及び排気手段と、上記油圧の圧力を検知する圧力センサと、車輪の滑走を検知するとともに、上記空気流入遮断、排気手段及びサーボ油圧ポンプを制御する滑走防止コントローラであって、ブレーキ作動時に車輪滑走が発生した場合に、滑走防止のための適正油圧シリンダ内圧力を設定し、サーボ油圧ポンプを動作させて油圧シリンダ内の圧力を減圧又は昇圧することにより滑走車輪の滑走を停止させて再粘着させるコントローラと、を具備し、上記ブレーキ装置において、空気ブレーキ系統がフェールした場合にも、サーボ油圧ポンプから油圧を送り続けることによってブレーキ制御が可能であり、また、油圧ブレーキ系統がフェールした場合にも、空気ブレーキ系統によってブレーキ制御が可能であることを特徴とする鉄道車輌用ブレーキ装置。
【請求項2】 空圧を動力源として車輪に制動をかける鉄道車輌用の滑走防止機能付きブレーキ装置であって;空圧源から空圧供給を受けて増圧された油圧を発生させる増圧シリンダと、この増圧シリンダから油圧供給を受けてブレーキ作動部材を駆動する油圧ブレーキシリンダと、増圧シリンダの空圧を速やかに低下させる空気流入遮断及び排気手段と、車輪の滑走を検知するとともに、上記空気流入遮断及び排気手段を制御する滑走防止コントローラと、を具備し、上記空気流入遮断及び排気手段を、上記増圧シリンダに対して直接取り付け、該手段と増圧シリンダの間に空気が蓄積される空間を設けないことを特徴とする鉄道車輌用ブレーキ装置。
【請求項3】 上記空気流入遮断及び排気手段が選択的に取り外し取り付け可能な構造を有する請求項2記載の鉄道車輌用ブレーキ装置。
産業区分
  • 鉄道
  • 自動車
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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