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磁性複合型制振材、及びレール制振装置

国内特許コード P07A012320
整理番号 /NO32854
掲載日 2007年12月21日
出願番号 特願平09-311359
公開番号 特開平11-132273
登録番号 特許第3679232号
出願日 平成9年10月27日(1997.10.27)
公開日 平成11年5月18日(1999.5.18)
登録日 平成17年5月20日(2005.5.20)
発明者
  • 半坂 征則
  • 御船 直人
  • 佐藤 仁
  • 滝野沢 洋臣
  • 西本 一夫
出願人
  • 財団法人鉄道総合技術研究所
  • ニチアス株式会社
発明の名称 磁性複合型制振材、及びレール制振装置
従来技術、競合技術の概要
従来、鉄道の鋼製桁橋等において、列車走行による騒音や振動を抑制するための制振材として、本願出願人らにより出願された磁性複合型制振材が知られている。この磁性複合型制振材は、剛体からなる拘束板と、着磁された磁性粉を含有する高分子粘弾性体の層とを積層させることにより形成されている(特公平7-51339号公報参照。以下、「剛体板拘束式磁性複合型制振材」という。)。
【0003】
上記の剛体板拘束式磁性複合型制振材においては、高分子粘弾性体の層はそれ自体が磁力を有しているため、高分子粘弾性体の層の側を鋼製桁橋等の表面に当接させることにより、磁力により容易に磁気吸着させることができる。この状態で鋼製桁橋等を振動させると、振動は高分子粘弾性体層内に伝達され、高分子粘弾性体層は鋼製桁橋等と一緒になって振動しようとする。しかし、高分子粘弾性体層には、剛体拘束板が接着等により積層されているので、高分子粘弾性体層は、剛体拘束板によってその動きが拘束される。このため、高分子粘弾性体層内部において振動エネルギーが熱エネルギーに変換され、熱となって発散されて失われる。したがって、振動エネルギーは、まず高分子粘弾性体層の内部損失により低減される(以下、「内部損失制振効果」という。)。
【0004】
一方、高分子粘弾性体層と鋼製桁橋等との境界面においては、両者は完全に固着されているわけではなく、磁力によって高分子粘弾性体層が鋼製桁橋等に磁気吸着されているだけなので、ある程度以上の外力が作用すると、高分子粘弾性体層は鋼製桁橋等に対して「すべり」又は「ずれ」を起こすことが可能となっている。このため、鋼製桁橋等から高分子粘弾性体層内に振動が伝達され、高分子粘弾性体層が境界面で変形しようとすると、高分子粘弾性体層と鋼製桁橋等との間にはすべり摩擦力が発生し、高分子粘弾性体層はこのすべり摩擦力を受けながら境界面上で振動(変形)することになる。この際、振動エネルギーが熱エネルギーに変換され、熱となって発散されて失われる。したがって、振動エネルギーは、高分子粘弾性体層と鋼製桁橋等との境界面のすべり摩擦によっても低減される(以下、「すべり摩擦制振効果」という。)。
【0005】
上記した剛体板拘束式磁性複合型制振材以前の制振材は、内部損失制振効果のみに頼っていたが、上記した剛体板拘束式磁性複合型制振材においては、すべり摩擦制振効果が内部損失制振効果と同等以上の役割を果たしており、両効果の相乗作用により、それまでの制振材に比べより優れた制振効果を発揮することが実験等によっても確認されている。
【0006】
また、それまでの制振材が接着剤等によって振動体に取り付けられていたのに対し、上記した剛体板拘束式磁性複合型制振材においては、振動体が鋼板等によって形成されていれば、磁力により磁気吸着されて支持されるので、接着剤等の塗布に伴う作業が一切不要となり、それまでの制振材に比べ振動体への設置施工が非常に簡易になる。
【0007】
さらに、それまでの制振材の制振効果は、高分子粘弾性体層の内部におけるエネルギーの損失によっていたが、このようなエネルギー損失を表わす損失係数は、ある所定の温度においては高いピーク値を持つが、その温度をはずれると急に減少する、という温度依存性を有していた。しかし、上記した剛体板拘束式磁性複合型制振材においては、すべり摩擦による制振効果も大きく、このすべり摩擦は広い温度範囲でほぼ一定値であるため、温度により制振効果が低減することがなく、内部損失制振効果の温度依存性が緩和され、それまでの制振材に比べ幅広い温度範囲で高い制振性能を発揮することが実験等においても確認されている。
産業上の利用分野
本発明は、弾性を有する拘束板と、着磁された磁性粉を含有する高分子粘弾性体層とを積層して構成され、曲面を有する振動体に装着可能な磁性複合型制振材、この磁性複合型制振材を用いたレール制振装置に関するものである。
特許請求の範囲 【請求項1】 鋼材からなる鉄道用レールの腹部側面である振動面に磁気吸着させて制振を行う磁性複合型制振材であって、
ヤング率300kgf/mm2以上の弾性を有する材料からなるとともに前記鉄道用レールの長手方向に延在する帯板状部材である1個又は複数個の拘束板と、
残留磁束密度25~15000ガウス程度に磁性化された磁性粉を含有する高分子粘弾性材料からなり前記鉄道用レールの長手方向に延在して前記拘束板に積層される帯板状部材であってその表面が前記鉄道用レールの腹部側面の凹曲面に合致する凸曲面状に形成され短手方向の両側端部を除く中間部分のみが磁性化されかつ前記振動面に磁気吸着可能な1層又は複数層の磁性層を
備えたことを特徴とする磁性複合型制振材。
【請求項2】 鋼材からなる鉄道用レールの腹部側面及び底部上面である振動面に磁気吸着させて制振を行う磁性複合型制振材であって、
ヤング率300kgf/mm2以上の弾性を有する材料からなるとともに前記鉄道用レールの長手方向に延在する屈曲された帯板状部材である1個又は複数個の拘束板と、
残留磁束密度25~15000ガウス程度に磁性化された磁性粉を含有する高分子粘弾性材料からなり前記鉄道用レールの長手方向に延在して前記拘束板に積層される帯板状部材であってその表面が前記鉄道用レールの腹部側面及び底部上面の凹曲面に合致する凸曲面状に形成され短手方向の両側端部を除く中間部分のみが磁性化されかつ前記振動面に磁気吸着可能な1層又は複数層の磁性層を
備えたことを特徴とする磁性複合型制振材。
【請求項3】 鋼材からなり凹曲面状の腹部側面を有する鉄道用レールの制振を行うレール制振装置であって、
ヤング率300kgf/mm2以上の弾性を有する材料からなり前記鉄道用レールの長手方向に延在する帯板状部材に形成された1個又は複数個の拘束板と、残留磁束密度25~15000ガウス程度に磁性化された磁性粉を含有する高分子粘弾性材料からなり前記拘束板に積層され表面形状が前記鉄道用レールの腹部側面に合致する凸曲面状で前記鉄道用レールの長手方向に延在する帯状部材状に形成されかつ前記鉄道用レールの腹部側面に磁気吸着可能な1層又は複数層の磁性層を有する磁性複合型制振材と、
他の腹部側面に磁気吸着している他の磁性複合型制振材へ前記鉄道用レールの底部下方を通してボルト結合作用又は弾性反発作用により係止することにより、又は前記鉄道用レールの底部にボルト結合作用又は弾性反発作用により係止することにより、反力を得て、前記鉄道用レールの上下方向又は長手方向への前記磁性複合型制振材の移動を規制する制振材規制具を
備えたことを特徴とするレール制振装置
【請求項4】 請求項3に記載のレール制振装置において、
前記制振材規制具は、前記鉄道用レールの長手方向の端部に取り付けられ、隣接する2つの磁性複合型制振材を同時に規制すること
を特徴とするレール制振装置
【請求項5】 請求項3に記載のレール制振装置において、
前記磁性複合型制振材及び前記制振材規制具のうちのいずれか一方又は両方は、前記磁性複合型制振材の前記鉄道用レールの長手方向の誤差を吸収する誤差吸収手段を有すること
を特徴とするレール制振装置。
【請求項6】 鋼材からなり凹曲面状の腹部側面を有する鉄道用レールの制振を行うレール制振装置であって、
ヤング率300kgf/mm2以上の弾性を有する材料からなり前記鉄道用レールの長手方向に延在する屈曲された帯板状部材に形成された1個又は複数個の拘束板と、残留磁束密度25~15000ガウス程度に磁性化された磁性粉を含有する高分子粘弾性材料からなり前記拘束板に積層され表面形状が前記鉄道用レールの腹部側面及び底部上面に合致する凸曲面状で前記鉄道用レールの長手方向に延在する帯板状部材に形成されかつ前記鉄道用レールの腹部側面及び底部上面に磁気吸着可能な1層又は複数層の磁性層を有する磁性複合型制振材と、
他の腹部側面及び底部上面に磁気吸着している他の磁性複合型制振材へ前記鉄道用レールの底部下方を通してボルト結合作用又は弾性反発作用により係止することにより、又は前記鉄道用レールの底部にボルト結合作用又は弾性反発作用により係止することにより、反力を得て、前記鉄道用レールの上下方向又は長手方向への前記磁性複合型制振材の移動を規制する制振材規制具を
備えたことを特徴とするレール制振装置。
【請求項7】 請求項に記載のレール制振装置において、
前記制振材規制具は、前記鉄道用レールの長手方向の端部に取り付けられ、隣接する2つの磁性複合型制振材を同時に規制すること
を特徴とするレール制振装置。
【請求項8】 請求項6に記載のレール制振装置において、
前記磁性複合型制振材及び前記制振材規制具のうちのいずれか一方又は両方は、前記磁性複合型制振材の前記鉄道用レールの長手方向の誤差を吸収する誤差吸収手段を有すること
を特徴とするレール制振装置。
産業区分
  • 機械要素
  • 機構・伝動
  • 鉄道
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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