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レゾルシノール系ポリマーを前駆体とした中空状炭素粒子の製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P07P005053
整理番号 E-027a
掲載日 2007年12月21日
出願番号 特願2006-084311
公開番号 特開2007-254243
登録番号 特許第4887489号
出願日 平成18年3月25日(2006.3.25)
公開日 平成19年10月4日(2007.10.4)
登録日 平成23年12月22日(2011.12.22)
発明者
  • 木島 剛
  • 藤川 大輔
出願人
  • 国立大学法人 宮崎大学
発明の名称 レゾルシノール系ポリマーを前駆体とした中空状炭素粒子の製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】特定合成手段によって得られる前駆体ポリマーから出発することによって、優れた機能が特異的に発現される極めて微少単位の炭素粒子であって、チューブ状ないしはバルーン状中空構造を有する炭素粒子を提供する。
【解決手段】芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択された少なくとも1種類のモノマーと、ホルムアルデヒド、フルフラールを含むアルデヒド類の中から選択された少なくとも1種類のモノマーを、カチオン界面活性剤によって形成されるミセルないしはベシクルを反応鋳型として、この反応鋳型により苛性ソーダを含む塩基性縮合剤の存在下で重合させて中空状ポリマー粒子を得、このポリマー粒子を不活性雰囲気の下で焼成することによって得る。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


カーボン材料は単一の元素から成る素材でありながら、電気的・磁気的・力学的および熱的に優れた特性をもち、研磨剤、電極材料、導電材料、耐熱材料、ゴム補強剤、顔料などの工業材料として広く用いられてきている(非特許文献1-3)。さらに、環境汚染度が低く、後処理が容易という利点をも併せ持つことから、近年、機能電極や蓄電材などの電子デバイス、高強度・高配向性を利用した生体材料や苛酷な環境で使用する極限材料などへの応用に期待が集まっている(非特許文献3)。



カーボン材料は、組織的には、グラファイト、ダイヤモンド、フラーレン、カーボンナノチューブから活性炭、カーボンブラック、煤、コークス、樹脂系炭素、さらには木炭まで幅広い。この中で、前4者は結晶性炭素であり、残りの活性炭、煤、コークスなどは規則性が全くない無定形炭素ないし一部規則性を有する炭素類に分類される。さらに、グラファイトが炭素6員環からなるグラフェン層のくり返しによる層状構造体であるのに対して、カーボンナノチューブは、グラフェン層の炭素6員環の一部が5員環となり、円筒状に巻いたチューブ状炭素であり、単独のチューブでできた直径0.4~5nmの単層型と多重円筒状で直径5~50nmの多層型が知られている(非特許文献4、5)。カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、化学蒸着法などの気相法によって合成される。



一方、高分子から誘導される炭素は多くは無定形であり、その構造は炭素微結晶の間隙にグラファイト化しにくい交差連結格子が混在する難黒鉛化性炭素であるとされ、数層の平行な炭素網面シートからなる結晶と、平行層をつくらない単一な炭素網面層および未組織な炭素で構成されている高次構造をもつと考えられている(非特許文献2、3)。また、炭素原子の不完全な配列による結晶内の微細孔、結晶粒子の不規則な配列により生じた細孔および非結晶部分が活性炭で典型的に見られる吸着現象に関与している。典型的な高分子由来炭素材料である活性炭には比表面積の大きさから吸着剤や特定の大きさの分子吸着分離機能をもつモレキュラーシービングカーボン(非特許文献6)、吸・脱着速度に優れた繊維状活性炭(非特許文献7)、高吸着能を持つ高表面積活性炭などがある(非特許文献8)。活性炭の表面にはフェノール性水酸基、カルボキシル基、ラクトン基、カルボニル基などが存在し(非特許文献9、10)、これらの官能基が化学吸着能、イオン交換機能あるいは触媒能を発現する源となっている(非特許文献1)。



最近、多孔質固体の細孔内に導入した有機ポリマーを炭化する固体鋳型法により、従来法では作製できない多孔質カーボンが開発されている。3次元的に連結した細孔をもつシリカMCM-48にスクロースと酸触媒としての硫酸を含浸し、真空下もしくは不活性ガス中800~1100℃で焼成した後、シリカ成分をアルカリで除去しメソポーラスカーボンが得られている(非特許文献11)。このようにして生成したポーラスカーボンは、直径3nmのメソ孔(細孔容積1.1cm/g)と0.5~0.8nmのミクロ孔(同0.3cm/g)をもち、BET比表面積は1380m/gに達する。骨格にAlをドープしたメソ多孔質シリカの細孔内にフェノールとホルムアルデヒドを減圧導入し、窒素中125℃に加熱することによりフェノール樹脂に変換した後、窒素中700℃に加熱し、生成した複合体のシリカ成分をフッ酸で除去することにより、比表面積1257m-1、細孔径2nmのメソポーラスカーボンSNU-1が合成されている(非特許文献12)。この多孔質カーボンを電極とするサイクリックボルタグラムは、モレキュラーシーブスカーボンMSC-25と比較して高い電気化学的応答性を示し、電気二重層キャパシタ(EDLC)としての性能に優れている。



固体鋳型法はチューブ状カーボンの合成にも応用されている。陽極酸化多孔質アルミナを鋳型として、直径30~200nmのチューブ状カーボンが合成されている(非特許文献13、14)。酒石酸アンモニウムから調製した多孔性のシリカチューブを鋳型として、メソ多孔質壁からなる直径1~数μmのチューブ状カーボンも得られている(非特許文献15)。ポリエチレンあるいはポリメチルメタアクリレートの直径数百nmの球状粒子をフェノールーホルムアルデヒド(PF)樹脂またはポリアクリロニトリル樹脂とブレンドし、310-320℃で紡糸した後、900-1000℃で炭化することにより直径10-20nmのチューブ状カーボンが作製された(非特許文献16)。同様な手法により直径数十μmの多層型チューブ状カーボンやカーボンファイバーを内臓した直径数十μmのチューブ状カーボンも得られている(非特許文献17)。



フェノールのメタ位にヒドロキシル基が置換したレゾルシノールとホルムアルデヒド等のアルデヒド類を酸またはアルカリで縮合させて得られる油状または固体状の無定形ポリマーであるレゾルシノール樹脂は、フェノール樹脂と同様に、その熱硬化性を利用して、樹脂単独で、あるいはアルコールに溶かしたワニス、または木粉、染料などとともに硬化剤を加えて処理することにより、接着剤、絶縁積層板、化粧板等に用いられてきた。これらはいずれも専ら液状または固体ポリマーとしての流動性、接着性、熱硬化性、成形性を応用したものである。



これに対して近年、レゾルシノール樹脂を多孔質化あるいは微粒子化する技術の開発が進んでいる。Pekalaらは、レゾルシノール(R)-ホルムアルデヒド(F)の加水分解・縮合反応機構と無機酸化物のゾル-ゲル反応との類似性を指摘するとともに、RF縮合体の超臨界乾燥により比表面積約700m/gのエアロゲルが得られることを見出した(非特許文献18)。そして、この多孔性のRFゲルを炭化することにより、多孔質カーボンが得られるとの報告がなされている(非特許文献19)。



さらに、関連技術として、シリカ微粒子(非特許文献20)、ポリスチレンラテックス(非特許文献21)あるいはブロックコポリマー(非特許文献22)とレゾルシノール-ホルムアルデヒド樹脂との複合体を調製後、これを炭化することにより細孔構造を制御した炭素材料を合成したとの報告がされている。



すなわち、レゾルシノール-ホルムアルデヒド樹脂を炭素源として、ポリマーの構造・形態それ自体、あるいは各種多孔体の細孔構造に樹脂を導入してできる骨格構造を炭素構造体として写し取ることにより、特異な形状や細孔構造を有する炭素材料ならびにこれを創製する技術も開発されてきている。



また最近、セチルトリメチルアンモニウムブロミド存在下で、レゾルシノール、ホルムアルデヒド、炭酸ナトリウム、エタノール、水から成る混合溶液を加熱反応させると、100nm以下の不定形のクラスター集合体を生じ、さらに、デシルトリメチルアンモニウムブロミドあるいはテトラプロピルアンモニウムブロミド存在下での同様な反応では直径1~3μmの球状のレゾルシノール-ホルムアルデヒド重合体粒子が生成し、これを不活性ガス中で焼成すると同様サイズの球状炭素粒子が得られることが報告されている(非特許文献23)。さらに、セチルトリメチルアンモニウムブロミド存在下で、レゾルシノール、ホルムアルデヒド、水から成る混合溶液を加熱反応させると、直径20nm-2μmのレゾルシノール-ホルムアルデヒド重合体粒子が3次元的に架橋した構造体が生成し、これを不活性ガス中で焼成すると、炭素粒子が得られることも報告されている(非特許文献24)。



非水溶媒中で調製した、ハニカム構造を有するブロックポリマー集合体に予め含浸結合させたレゾルシノールとホルムアルデヒド気体を反応させてRF樹脂化した後、不活性ガス中で焼成することにより細孔直径30nmのカーボンハニカム構造体が合成されている(非特許文献25)。



分子状の鋳型を用いてナノスケールの均一な細孔を有するポーラス材料を合成する手法は、無機材料分野において初めて開発された。1992年、Mobil社は界面活性剤を鋳型として2~8nmのハニカム状メソ細孔を有するメソボーラスシリカを創製することに成功した(非特許文献26)。その後、同様の手法により、シリカ以外の種々の金属酸化物や硫化物を骨格成分とする多種類のメソ多孔体が相次いで合成された(非特許文献27)。発明者らも、ドデシル硫酸イオンを鋳型として六方構造型希土類酸化物メソ多孔体を得ている(非特許文献28、非特許文献29)。



有機物質系についても、安息香酸のm,m’,p位を末端にアクリル基を付加したアルコキシ基で置換した扇形分子とベンゾトリイミダゾールを反応させて液晶様メソ複合体とし、ついでUV照射によりアルキル鎖を架橋後、ベンゾトリイミダゾール核をメタノール/塩酸混合溶液で溶解除去することにより、a=3.78nmの六方構造多孔体が得られている(非特許文献30)。さらに、骨骼にAlを導入したメソポーラスシリカAl-MCM-48を鋳型として、細孔構造を有するフェノール/ホルムアルヒド樹脂が合成されている(非特許文献31)。また、カチオン界面活性剤であるセチルトリメチルアンモニウムイオン集合体を鋳型とする同系の反応により、層状構造ならびにやや乱れた六方構造を有するフェノール/ホルムアルヒド高分子複合体が得られているが、多孔質化には至っていない(非特許文献32)。



さらに、前述した鋳型合成法が無機ナノチューブの合成にも応用され、酸化バナジウム(非特許文献33)、シリカ(非特許文献34)、チタニア(非特許文献35)などの酸化物系ナノチューブが相次いで報告されている。発明者らも、上述したドデシル硫酸イオンを鋳型として尿素を用いる均一沈澱法の反応条件を拡張適用することにより、希土類酸化物ナノチューブの合成に成功している(非特許文献36)。さら、二種類のノニオン性界面活性剤からなる液晶中で塩化白金酸を還元することにより、白金ナノチューブの合成にも成功している(非特許文献37)。



有機物質系についても、鋳型となる円筒状ミセルを高分子化するか架橋を導入して骨格構造を強化する方法、陽極酸化ポーラスアルミナ等の固体鋳型を用いる方法などが開発され、チューブ状高分子が合成されている。イソプレン、シンナモイルエチルメタクリル酸、t-ブチルアクリル酸の1:1:6トリブロックコポリマーでできた円筒状ミセルにUV照射後、その中心核のイソプレンをオゾン分解することにより、外径22nmおよび65nm(内径不祥)のチューブが得られている (非特許文献38)。ポリ(2-メチルオキサゾリン)(PMOXA)をAブロック、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)をBブロックとするトリブロックコポリマーを水溶液中で円筒状集合体とし、親水性のAブロック鎖部分を予め導入したメタクリレート基で架橋することにより、直径約40nmのナノチューブが作製されている(非特許文献39)。さらに、グルコースを親水基、長鎖フェノールを疎水基とする界面活性剤分子を反応させ、内径10~15nm、外径40~50nmの脂質ナノチューブも得られている(非特許文献40)。高分子溶液を多孔性の陽極酸化ポーラスアルミナに注入し、薄膜フィルムを孔壁面に析出させるポリスチレンやポリテトラフルオロエチレンを骨格とする外径数百nm、壁厚20-50nmのナノチューブを得たとの報告もある(非特許文献41)。



本発明者らも界面活性剤のアルキルトリメチルアンモニウムブロミドの存在下でフェノールとフルフラールを共重合することにより、チューブ状ナノ構造体を合成した(非特許文献42)。



しかし、上記の本発明者らの例を含めて、分子鋳型法により合成したチューブ状高分子を前駆体として、これを不活性ガス中で焼成することによりチューブ状カーボンを得られたとの報告はまだなされていない。



界面活性剤ミセルを鋳型として得られるメソ多孔体、および、ナノチューブの細孔径は、用いる鋳型分子の長さによってほぼ決定され、制御可能な細孔径は2nm~6nmの範囲に限られる。このため、分子鋳型法の関連技術として界面活性剤のほかにトリメチルベンゼン等の疎水性分子を添加することにより、界面活性剤ミセルを膨潤させ、細孔径の制御範囲を拡大する方法も開発されている(非特許文献43、44)。




【非特許文献1】竹内雍,多孔質体の性質とその応用技術,フジ・テクノシステム,(1999).

【非特許文献2】持田勲,炭素材の化学と工学,朝倉書店,(1990).

【非特許文献3】大谷杉郎,炭素・自問自答,裳華房,(1997).

【非特許文献4】S.Iijima、Nature、364、56~58(1991)

【非特許文献5】秋永広幸、ナノ材料科学、横山浩編著、オーム社、第4章

【非特許文献6】西野博,化学と工業,59(5),161(1985).

【非特許文献7】田井和夫,進戸規文,繊維と工業,49(5),348(1993).

【非特許文献8】音羽利郎,表面,34(2),130(1996).

【非特許文献9】W.R.Smith,Proc.Second Rubber Technol Conf.,London,403(1948).

【非特許文献10】稲垣道夫,解説・カーボンファミリー,アグネ承風社,(2001).

【非特許文献11】R.Ryoo,S.H.Joo,S.Jun,J.Phys.Chem.B,103,7743 1999).

【非特許文献12】J.Lee,S.Yoon,T.Hyeon,S.M.Oh,K.B.Kim,Chem.Commun.,2177(1999).

【非特許文献13】T.Kyotani,L.Tsai,A.Tomita,Chem.Mater.,7,1427(1995)

【非特許文献14】T.Kyotani,L.Tsai,A.Tomita,Chem.Mater.,8,2109(1996)

【非特許文献15】M.Kim,K.Sohn,J.Kim,T,Hyeon, Chem.Commun.,652(2003)

【非特許文献16】A.Oya,N.Kasahara,Carbon,38,1141(2000)

【非特許文献17】N.Patel,K.Okabe,A.Oya,N.Kasahara,Carbon,40,315(2002)

【非特許文献18】Pekala、J.Mater.Sci.、24、3221~3227(1989)

【非特許文献19】R.W.Pekala,J.Non-Cryst.Solids,145,90(1992)

【非特許文献20】S.Hanほか2名、Chem.Mater.、12、3337~3341(2000)

【非特許文献21】T.F.Baumannほか1名、J.Non-Cryst.Solids、350、120~125(2004)

【非特許文献22】C.Liangほか4名、Angew.Chem.Int.Ed.、43、5785~5789(2004)〕

【非特許文献23】Nishiyama et al.、Carbon,43, 269-274,(2005)

【非特許文献24】D.Wu et al.、Carbon,44,675-681,(2006)

【非特許文献25】C.Liang,K.Hong,G.A.Guiochon,J.W.Mays,S.Dai,Angew.Chem.Int.Ed.,43,5785(2004)

【非特許文献26】C.T.Kresgaほか4名、Nature、359、710~712(1992)

【非特許文献27】木島剛ほか1名、J.Soc.Inorg.Mater.、8、3~16(2001)

【非特許文献28】M.Yadaほか3名、Inorg.Chem.、37、6470~6475(1998)、

【非特許文献29】M.Yadaほか3名、Angew.Chem.Int. Ed.、38、3506~3509(1999)

【非特許文献30】K.Kimほか6名,Angew.Chem.Int.Ed.,40,2669~2671(2001)

【非特許文献31】J.Leeほか4名、Chem.Commun.,2177 (1999)

【非特許文献32】I.Moriguchiほか5名、Chem.Lett.、1171~1172(1999)

【非特許文献33】M.E.Spahrほか5名、Angew.Chem.Int.Ed、37、1263~65(1998)

【非特許文献34】M.Adachiほか2名、Langmuir、15、7097~7100(1999)

【非特許文献35】H.Imaiほか4名、J.Mater.Chem、9、2971(1999)

【非特許文献36】M.Yadaほか4名、Adv. Mater.、14、309~313(2002)

【非特許文献37】T.Kijimaほか5名,Angew.Chem.Intern.Ed.,43,228-232(2004).

【非特許文献38】S.Stewartほか1名,Angew.Chem.,Int.Ed.,39,340~344(2000))

【非特許文献39】Glumelard,J.et al.,Chem.Commun.,1462-1463(2004)

【非特許文献40】G.Johnほか4名、Adv.Mater.,13, 715~718(2001)

【非特許文献41】Steinhart,M.,et al.,Science, 296,1997(2002)

【非特許文献42】M.Uotaほか7名、MRS.Symp.Proc,775,29-34(2003)

【非特許文献43】B.Lindlarほか3名、Microporous and Mesoporous Mater.44-45,89-94,2001

【非特許文献44】Y.Liangほか1名、Microporous and Mesoporous Mater.44-45,72,(2004)

産業上の利用分野


本発明は、高性能分離剤、吸着剤、物質貯蔵剤、電気二重層キャパシタ、燃料電池用触媒担体、繊維・ゴム・フィルム・プラスチック製品・インキ・塗料などへの添加剤、断熱材、触媒などとして使用されるレゾルシノール/ホルムアルデヒド系共重合体を骨格成分とするチューブ状あるいはバルーン状の中空状構造を有する中空状ポリマー粒子を不活性雰囲気で焼成することにより得られる中空状炭素とその製造方法および用途に関する。



本明細書において、チューブ状、バルーン状は、何れもポリマー粒子の外形・形状であり、チューブ状は、ポリマー粒子がワイヤー状でかつその内部が中空である状態を指す。ワイヤー状の外形は、二つの軸の比が異なる構造を形成している状態で、アスペクト比が小さいロッド状等の外形をした形態も含み得る。また、バルーン状は、ポリマー粒子が球状あるいは楕円球でかつその内部が中空である状態の粒子を指す。球状の外形は、二つの軸の比がほぼ同じ構造を形成している状態を指す。

特許請求の範囲 【請求項1】
香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択される少なくとも1種類のモノマーと、アルデヒド類の中から選択される少なくとも1種類のモノマーを、アルキルアンモニウム塩、アルキルアミンからなる群から選択される少なくとも1種類のカチオン界面活性剤によって形成されたミセルあるいはベシクルを反応鋳型として、このミセルあるいはベシクルによる反応鋳型により、触媒として水酸化ナトリウムを使用し重合させて両モノマーの共重合体を骨格とするチューブ状ないしバルーン状中空構造を有する中空ポリマー粒子を得、この中空ポリマー粒子を不活性雰囲気下で焼成することによって直径10~400nm、長さ1~300μmのチューブ状、ないしは、直径50nm~10μmのバルーン状の中空構造を有する中空状炭素粒子を得ることを特徴とする、中空状炭素粒子の製造方法。

【請求項2】
前記芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類がレゾルシノールであることを特徴とする、請求項1に記載の中空状炭素粒子の製造方法。

【請求項3】
前記アルデヒド類がホルムアルデヒド及びフルフラールから選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の中空状炭素粒子の製造方法。

【請求項4】
前記アルキルアンモニウム塩がセチルトリメチルアンモニウムブロミドであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の中空状炭素粒子の製造方法。

【請求項5】
前記アルキルアミンがヘキサデシルアミンであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の中空状炭素粒子の製造方法。

【請求項6】
前記ミセルあるいはベシクルによる反応鋳型が、疎水性溶媒、あるいは両親媒性溶媒の添加によって、ミセル膜性状あるいはベシクル膜性状が調整、制御され、これによって鋳型内で生成するポリマー粒子の形態が制御されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載中空状炭素粒子の製造方法。

【請求項7】
前記疎水性溶媒が、アルキルベンゼンであることを特徴とする、請求項に記載中空状炭素粒子の製造方法。

【請求項8】
前記両親媒性溶媒が、アルコールであることを特徴とする、請求項6又は7に記載中空状炭素粒子の製造方法。

【請求項9】
前記反応鋳型による重合工程後、不活性雰囲気で焼成するまでの間に、ポリマー粒子を回収する工程、回収されたポリマー粒子を洗浄する工程を含んでいることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載中空状炭素粒子の製造方法。

【請求項10】
前記回収工程によって回収されるポリマーが、ポリマー/界面活性剤の複合体として回収され、洗浄工程によって界面活性剤が除去されることを特徴とする、請求項に記載中空状炭素粒子の製造方法。

【請求項11】
前記洗浄工程が、アルコールと酸との混合溶液を用いて行われる、請求項10に記載中空状炭素粒子の製造方法。
産業区分
  • 無機化合物
  • 高分子化合物
  • 電子部品
  • その他電子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006084311thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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