TOP > 国内特許検索 > リチウムイオン二次電池

リチウムイオン二次電池 新技術説明会

国内特許コード P07P006008
整理番号 IU050100JP01
掲載日 2007年12月21日
出願番号 特願2006-116028
公開番号 特開2007-287570
登録番号 特許第4852700号
出願日 平成18年4月19日(2006.4.19)
公開日 平成19年11月1日(2007.11.1)
登録日 平成23年11月4日(2011.11.4)
発明者
  • 熊谷 直昭
  • 三神 文宣
出願人
  • 国立大学法人岩手大学
発明の名称 リチウムイオン二次電池 新技術説明会
発明の概要

【課題】黒鉛粉末として炭素六角網面構造が発達した高結晶性炭素材料を用いて、該黒鉛粉末に予め被覆処理を施すことなく、そのままバインダーと混合して塗布、乾燥して形成した負極を用いて、PC電解液の分解反応を抑制することができる新規なバインダーを提供すること。
【解決手段】正極、負極、セパレータ及び有機溶媒を含む非水電解液を有するリチウムイオン二次電池において、前記負極は、黒鉛化度0.8以上の黒鉛質炭素粉末をポリアクリル酸(PAA)とポリアリルアミン塩酸塩(PAH)との脱水重縮合物を含む水溶性ポリアクリル酸、又はポリアクリル酸(PAA)とポリアクリルアミド(PAAd)の脱水重縮合物を含む水溶性ポリアクリル酸、をバインダーとして負極集電体に結着されたものからなり、前記有機溶媒はプロピレンカーボネートを50容積%以上含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
【選択図】図4

従来技術、競合技術の概要


リチウムイオン二次電池は、正極の活物質として主にリチウムコバルト複合酸化物等の
リチウム含有複合金属酸化物が用いられ、負極の活物質としてはリチウムイオンの層間へ
の挿入及び層間からのリチウムイオンの放出が可能な多層構造を有する天然黒鉛、人造黒
鉛などの炭素材料が主に用いられている。



リチウムイオン二次電池の正極及び負極の極板は、活物質とポリフッ化ビニリデン(以
下、「PVDF」と略す)等のバインダー樹脂とをN-メチル-2-ピロリドン又は水等
の溶剤に分散させてスラリーとしたものを集電体である銅やニッケルなどの金属箔上に両
面塗布し、溶剤を乾燥除去して合剤層を形成後、これをロールプレス機で圧縮成形して作
製されている。



リチウムイオン二次電池に使用される有機溶媒は、電解質を電離させるために誘電率が
高い必要があること、及び、広い使用温度範囲でイオン伝導度が高い必要があるというこ
とから、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)等のカーボネ
ート類、γ-ブチロラクトン等のラクトン類、その他、エーテル類、ケトン類、エステル
類などが使用されている。特に、ECにジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカー
ボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)等の粘度の低い非環状炭酸エ
ステルを加えた混合溶媒は広く使用されているが、これらの有機化合物は蒸気圧が低いた
めに高温状態で電池を放置すると電池が膨れやすいという問題点を有していた。



一方、ECと比較してPCは、蒸気圧が高く、また酸化電位も高くなるために分解し難
いので、ガスの発生量が少なく、電池が膨れ難いという優れた効果を奏すると共に、凝固
点が低いために低温特性も優れ、コストが低いというメリットがある。そのため、PCを
主溶媒とする電解液を用いたリチウムイオン二次電池についての数多くの研究が行われて
いる。



負極活物質として黒鉛、非晶質炭素などの炭素質材料を用いた負極は、材料コストが安
価であり、サイクル寿命に優れていることからリチウムイオン二次電池の負極として広く
用いられている。しかし、バインダーとしてPVDFを用いて炭素材料を集電体に塗布し
て形成した負極を用い、かつ、PCを主成分とする非水溶媒系電解液を用いた場合、充電
時のPCの還元分解により電池の容量低下が発生する。特に、黒鉛化が進んだ高容量の炭
素質物質(天然黒鉛、人造黒鉛)では、PCがより激しく分解してしまい、充電が良好に
進行しないという問題点が存在していた。



この問題に対処する一つの手段として、様々な化合物を非水溶媒系電解液に添加して、
負極表面に被膜(SEI:Solid Electrolyte Interface. SEI表面被膜)を形成し、
負極活物質が有機溶媒と直接反応しないようにする手段が採用されている(非特許文献1
)。このSEI表面被膜は、不働態化層とも称される。



また、負極活物質として用いる炭素質粉末を他の物質で被覆する方法が数多く提案され
ている。例えば、リチウムイオンの透過が可能で電子伝導度の低いナイロン、ポリアクリ
ロニトリル、ポリカプロラクトン、ポニフェニレンオキシドなどの材料を黒鉛粉末のバイ
ンダーとして使用するか、炭素負極表面に被覆すること(特許文献1)、イオン導電性高
分子、水溶性高分子、アルカリ金属塩、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物など
の被覆層を炭素負極表面に設けること(特許文献2)などが知られている。



また、黒鉛粒子自体を他の物質で被覆したものをPDVF等のバインダーと混合して炭
素負極を形成したもの(特許文献3~8、非特許文献2)が知られている。



活物質を集電体に接合するためのバインダー樹脂としては、正極、負極の両極ともPV
DFが主に使用されてきた。しかし、PVDFは、電池使用時に温度が上昇した場合の安
全性に問題があり、ポリアクリロニトリル(PAN)やポリアクリル酸(PAA)系樹脂
(特許文献9~14)、ポリアクリルアミド(PAAd)系樹脂(特許文献15)などの
使用が提案されている。




【特許文献1】特開平07-201357号公報

【特許文献2】特開平11-120992号公報

【特許文献3】特開2002-134171号公報

【特許文献4】特開2002-231241号公報

【特許文献5】特開2002-241117号公報

【特許文献6】特開2002-246020号公報

【特許文献7】特開2003-163005号公報

【特許文献8】特開2003-308838号公報

【特許文献9】特開平11-135129号公報

【特許文献10】特開平11-238505号公報

【特許文献11】特開平11-354125号公報

【特許文献12】特開平11-354126号公報

【特許文献13】特開2002-373701号公報

【特許文献14】特開2004-281055号公報

【特許文献15】特開2005-203370号公報

【非特許文献1】中村 博吉他「アセテート類を含む電解液を用いるリチウムイオン電池用電解液の分解抑制」、電気化学および工業物理化学、Vol.73,No.9、pp.788-790(2005年9月)

【非特許文献2】江口 邦彦他「リチウムイオン二次電池負極用黒鉛へのアミン系高分子被覆による不可逆容量の低減」、電気化学および工業物理化学、Vol.73,No.6、pp.429-434(2005年6月)

産業上の利用分野


本発明は、黒鉛質炭素を負極活物質として含有する負極と、溶媒としてプロピレンカー
ボネート(PC)を主成分として含有する非水電解液を用いた、安定した充放電能を有す
るリチウムイオン二次電池に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
正極、負極、セパレータ及び有機溶媒を含む非水電解液を有するリチウムイオン二次電池
において、
前記負極は、黒鉛化度0.8以上の黒鉛質炭素粉末をポリアクリル酸(PAA)とポリア
リルアミン塩酸塩(PAH)との脱水重縮合物を含む水溶性ポリアクリル酸、
又はポリアクリル酸(PAA)とポリアクリルアミド(PAAd)の脱水重縮合物を含む
水溶性ポリアクリル酸、
をバインダーとして負極集電体に結着されたものからなり、前記有機溶媒はプロピレンカ
ーボネートを50容積%以上含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。

【請求項2】
前記有機溶媒はプロピレンカーボネート90~100容積%からなることを特徴とする請
求項1記載のリチウムイオン二次電池。

【請求項3】
前記黒鉛質炭素粉末は天然黒鉛であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二
次電池。

【請求項4】
黒鉛化度0.8以上の黒鉛質炭素粉末とポリアクリル酸(PAA)を蒸留水によりスラリ
ー状にした後、PAA量に対する重量%で0.1~5.0%のポリアリルアミン塩酸塩(
PAH)を添加して脱水重縮合物を形成したスラリーを集電体に塗布、乾燥させることを
特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池に用いる負極の製造方法。

【請求項5】
黒鉛化度0.8以上の黒鉛質炭素粉末とポリアクリル酸(PAA)を蒸留水によりスラリ
ー状にした後、PAA量に対する重量%で0.1~5.0%のポリアクリルアミド(PA
Ad)を添加して脱水重縮合物を形成したスラリーを集電体に塗布、乾燥させることを特
徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池に用いる負極の製造方法。
産業区分
  • その他電子
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2006116028thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
岩手大学地域連携推進センターでは、岩手大学における知的財産の創出・管理・活用のマネジメントをしております。上記の特許等にご興味がありましたら、下記問い合わせ先にご相談ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close