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ゾルゲル導電ガラスを具えた光導電素子および発光素子

国内特許コード P07A012453
整理番号 ID5075
掲載日 2007年12月28日
出願番号 特願2003-288132
公開番号 特開2005-056762
登録番号 特許第4371303号
出願日 平成15年8月6日(2003.8.6)
公開日 平成17年3月3日(2005.3.3)
登録日 平成21年9月11日(2009.9.11)
発明者
  • 相原 聡
  • 斎藤 信雄
  • 鎌田 憲彦
出願人
  • 日本放送協会
  • 国立大学法人埼玉大学
発明の名称 ゾルゲル導電ガラスを具えた光導電素子および発光素子
発明の概要

【課題】ゾルゲル導電ガラスにおいて、導電性高分子を局所的に高密度化し、さらに導電方向に配向させることは困難であった。
【解決手段】電極32を設けた基板30の間に配置され、溶液SFが固形化した導電性高分子を含む導電性領域34と、溶液SBが固形化した導電性高分子を含まず導電性領域34を覆って保護する保護領域36とを含むゾルゲル導電ガラスを提供する。導電性領域34は、溶液SFの曳糸性を利用して電極32間を間隔を広げることによって糸を曳くように電極32間を接続し、糸を曳くような形状で固定化することによって、中に含まれる導電性高分子の主鎖が電極方向に配向され、この部分がキャリアの伝導を担う。導電性領域34を保護領域36で覆うことによって、導電性領域34に含まれる導電性高分子を大気中の酸素や水分から効果的に保護する。
【選択図】図6

従来技術、競合技術の概要


図1は、一般的な光導電素子の構造を示す概略図である。図に示すように、従来の一般的な光導電素子は、ガラス基板上11に設けた透明電極12の上に光導電性物質層13を作製し、さらにその上に金属電極14を蒸着する方法で一般的に作製されてきた。
図2は、このような一般的な光導電素子の原理を説明するバンド図である。図に示すように、ガラス基板側から入射した光は透明電極を透過後、光導電性物質層の光導電性物質に吸収され、キャリアとして、伝導帯に電子が、価電子帯に正孔が発生する。発生した両キャリアは電界によってそれぞれ反対方向に加速され、両端の電極に達することにより外部回路に電流が流れる。これが光導電素子の原理であり、受光素子、撮像素子等に利用されている。



有機高分子を用いて光導電素子を作製する場合、光導電性物質としては感光部位を持った導電性高分子等が用いられる。この場合電気伝導を担うのは導電性高分子であるが、その導電率は一般に無機導電材料よりも低く、その改善が望まれている。導電性高分子は、主鎖方向には電気を良く流すという性質があるが、一方、分子と分子との間の伝導は主としてホッピングというあまり電気の伝導が良くない方法による。同じ材料で導電率を改善するためには、両電極間を1つの導電性高分子で直接接続することが最も望ましいがこのような薄膜の形成は非常に困難である。或いは、前述したようにホッピングはボトルネックになるため、できる限りホッピング回数を減らす必要がある。そのためには、導電性高分子の主鎖を可能な限りキャリアの伝導方向即ち電極方向(即ち電極と電極とを最短で結ぶ方向)に配向して、ホッピング回数を減らすようにする工夫が必要である。



図3は、このような理想的な導電性物質の配向状態および電荷移動過程を模式的に示す図である。後で詳細に説明するが、本発明は、ゾルゲル化可能な溶液を使用することによってこのような理想的な配向を実現させるものである。即ち、このような理想的な配向を実現できれば、キャリアは、図に示すように、電極方向へ配向された電気を良く流す主鎖を通り、一回のホッピングを経て電極へと流れる。しかしながら、従来技術ではこのような理想的な配向を実現することは非常に難しく、最も一般的なスピンコート法で導電し高分子薄膜を作製すると、主鎖方向はランダムになってしまうという問題があった。



図4は、スピンコート法で作製された導電性物質の配向状態および電荷移動過程を模式的に示す図である。図に示すように、通常のスピンコート法では、導電性高分子はランダムに配向されてしまい、主鎖は様々な方向を向いており、キャリアは、数回のホッピングを経て、主鎖や側鎖を通って電極へと流れる。従って、このような配向状態では、高い導電性を得ることは困難であった。
そこで、LB累積法や様々な配向制御技法が試みられてきた。しかしがなら、LB累積法では、限られた両親媒性分子でなければ適用できないという問題があった。また、ラビング法等の配向制御法も完全ではない上にプロセスが複雑で高度の制御技術を要し、プロセスコストを大幅に上げてしまうという問題があった。さらに、導電性高分子を含む有機材料は、一般に大気中の酸素や水分などに接触すると主鎖の酸化や分解などによる切断が起こり導電性が劣化するため、信頼性を確保するためには強固な封止技術の確立が不可欠である。この封止のコストにより製造コストが上昇するという問題があった。



この導電性高分子を封止する従来技術としては、導電性高分子をゾルゲルガラスに封入して、導電性高分子を大気中の酸素や水分から保護する技法が開示されている(特許文献1、非特許文献1を参照されたい。)。さらに、ゾルゲル法は、ウェットプロセスのため蒸着装置などの大規模成膜装置が不要であり、任意形状対応、大面積化、低コスト化などにも有利な方法である。

【特許文献1】特開2000-253721号公報(段落0004、図1)

【非特許文献1】「半導体国際会議(ICPS)、2001年大会予稿集pp. 1669-1670」(佐藤、鎌田他(H. Satoh, N. Kamata, K. Kanezaki, S. Aihara, Y. Yaoita and D. Terumura, Proc. Int. Conf. On Physics of Semiconductors, Springer Proc. In Physics, 87, pp. 1669-1670, 2001)

産業上の利用分野


本発明は、ゾルゲル導電ガラスを具えた光導電素子および発光素子に関するものである。より詳細には、本発明は、電流注入により発光を生ずるELデバイスを始めとする光通信用光源、発光・表示・照明デバイスや、光信号を電流信号に変換するフォトダイオード、撮像、画像演算デバイス等、産業上有用な広範囲に利用し得る・発光・受光材料・デバイスに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
対向する電極と、該電極間に配置されるゾルゲル導電ガラスを具える光導電素子であって、
前記ゾルゲル導電ガラスは、
前記電極方向に延伸され、かつ、前記電極間を電気伝導するように配置された、ほぼ前記電極方向に配向されている導電性高分子を含み、入射された光を吸収して吸収量に応じた電流を出力する導電性領域と、
前記導電性領域の延伸によって生じた空隙を埋めて前記導電性領域を覆い保護する、前記導電性高分子を含まない保護領域とを具える、
ことを特徴とする光導電素子。

【請求項2】
請求項に記載の光導電素子において、
前記導電性領域の前記導電性高分子は感光性側鎖を持ち、
前記ゾルゲル導電ガラスは、入射された光を受け前記感光性側鎖で定まる特定波長の光を選択的に吸収し、吸収量に応じた電流を出力する、
ことを特徴とする光導電素子。

【請求項3】
請求項に記載の光導電素子において、
前記導電性領域の前記導電性高分子の近傍には波長選択性の有機高分子が分散されており、
前記ゾルゲル導電ガラスは、入射された光を受け前記有機高分子の波長選択性で定まる特定波長の光を選択的に吸収し、吸収量に応じた電流を出力する、
ことを特徴とする光導電素子。

【請求項4】
対向する電極と、該電極間に配置されるゾルゲル導電ガラスを具える発光素子であって、
ゾルゲル導電ガラスを具える発光素子であって、
前記ゾルゲル導電ガラスは、
前記電極方向に延伸され、かつ、前記電極間を電気伝導するように配置された、ほぼ前記電極方向に配向されている導電性高分子を含み、前記電極から供給される電流に応じて発光する導電性領域と、
前記導電性領域の延伸によって生じた空隙を埋めて前記導電性領域を覆い保護する、前記導電性高分子を含まない保護領域とを具える、
ことを特徴とする発光素子。

【請求項5】
請求項に記載の発光素子において、
前記導電性領域の前記導電性高分子は発光性側鎖を持ち、
前記ゾルゲル導電ガラスは、前記電極から供給される電流に応じて、前記発光性側鎖で定まる特定波長の光を選択的に発光する、
ことを特徴とする発光素子。

【請求項6】
請求項に記載の発光素子において、
前記導電性領域の前記導電性高分子の近傍には波長選択性の有機高分子が分散されており、
前記ゾルゲル導電ガラスは、前記電極から供給される電流に応じて、前記有機高分子の波長選択性で定まる特定波長の光を選択的に発光する、
ことを特徴とする発光素子。
産業区分
  • 電力応用
  • 窯業
  • 高分子化合物
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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