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表面プラズモン測定装置および測定方法

国内特許コード P07A012460
整理番号 ID5081
掲載日 2007年12月28日
出願番号 特願2004-263457
公開番号 特開2006-078364
登録番号 特許第4420335号
出願日 平成16年9月10日(2004.9.10)
公開日 平成18年3月23日(2006.3.23)
登録日 平成21年12月11日(2009.12.11)
発明者
  • 飛田 達也
  • 澤田 雅弘
  • 田部井 久男
  • 武居 修
  • 坂井 貴文
出願人
  • エヌ・テイ・テイ・アドバンステクノロジ株式会社
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 学校法人埼玉大学
発明の名称 表面プラズモン測定装置および測定方法
発明の概要

【課題】より簡易な構成によって環境要因および夾雑物質の影響を排除する。
【解決手段】表面に測定抗原および参照抗原のそれぞれに対応する2種類の抗体が固定された金薄膜1と、金薄膜1の抗体が固定された表面に溶液を接触させた状態で金薄膜1の裏面に光を照射する光照射装置20と、金薄膜1からの反射光を受光する受光装置30と、受光装置30の出力に基づき溶液中の抗原の濃度に応じた応答を検出する応答検出部と、標準溶液に第1の濃度の参照抗原を添加した第1の溶液および標準溶液に第2の濃度の参照抗原を添加した第2の溶液のそれぞれに対する応答のデータを記憶するデータ記憶部と、測定溶液に第1の濃度の参照抗原を添加した第3の溶液および測定溶液に測定抗原が含まれる第4の溶液のそれぞれに対する応答とデータ記憶部に記憶されているデータとに基づき、第4の溶液中の測定抗原の濃度を算出する濃度算出部とを備える。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


図11は、従来の表面プラズモン測定装置の構成を示す図である。
従来の表面プラズモン測定装置は、被測定物質105に接する金属薄膜101が一表面に形成されたプリズム103と、P偏光光をプリズム103に入射させ入射角θで金属薄膜101に照射する光照射装置120と、金属薄膜101からの反射光を受光する受光装置130とを有する。



光照射装置120は更に、光源121と、光源121からの光のうちP偏光のみを通過させる偏光板122と、偏光板122を通過したP偏光光を集光するレンズ123とを有する。また、受光装置130は更に、金属薄膜101からの反射光を平行光にするレンズ131と、P偏光のみを通過させる偏光板132と、偏光板132を通過したP偏光光を受光する受光素子133とを有する。なお、金属薄膜101はプリズム103の一表面に直接蒸着されているのではなく、金属薄膜101を蒸着させたガラス基板(測定基板)をプリズム103の一表面に貼り付けたものが用いられる。



光照射装置120からプリズム103に入射された光は、プリズム103と金属薄膜101との界面でエバネッセント波を生起させる。エバネッセント波の波数kevは、式(1)により定義される。
ev=kppsinθ …(1)
ここで、kpは入射光の波数、npはプリズム103の屈折率、θは入射角である。
一方、金属薄膜101の表面では、表面プラズモン波が生じる。表面プラズモン波の波数kspは、式(2)により定義される。
sp=(c/ω){εn2/(ε+n2)}1/2 …(2)
ここで、cは光速、ωは角振動数、εは金属薄膜101の誘電率、nは被測定物質105の屈折率である。



エバネッセント波の波数kevと表面プラズモン波の波数kspとが一致する入射角θのときに、エバネッセント波のエネルギーが表面プラズモンの励起に使われ、反射光の強度が減少する。したがって、入射角θを変化させることにより、所定の角度θ0で極小をもつ入射角-反射強度曲線が得られる。
このSPR現象は、金属薄膜101に接する被測定物質105の屈折率nに依存する。このため、極小値をとる角度θ0から、被測定物質105の化学的濃度変化による屈折率変化等を測定することができる。
さらに、表面に抗体を固定した金属薄膜を用いて、溶液中の抗原と結合した抗体の屈折率変化を測定することにより、溶液中の抗原濃度を測定することもできる(例えば、特許文献1を参照)。



従来の表面プラズモン測定装置を用いた溶液中の抗原濃度測定は、温度変化や測定溶液の流速変化等の環境要因や、測定溶液(例えば血液等)中に存在する夾雑物質による抗体との非特異応答等に影響を受けやすい。
このうち、環境要因を排除するためには、従来の表面プラズモン測定装置は、光学系や測定溶液の温度を一定に制御する温度制御装置や、測定溶液の流速を一定に制御する微小流路制御装置を装備する必要がある。または、参照光と測定光を用いたマルチチャンネル化による環境要因に対する補正も可能である。なお、マルチチャンネル化を実現するには、参照光用および測定光用として、光照射装置120および受光装置130を2組設ける必要がある。



また、測定溶液中に存在する夾雑物質の影響を排除するためには、フィルター濾過、吸着、遠心分離作業による事前のサンプル調製等が必要である。加えて、表面プラズモン測定に用いる測定基板として、夾雑物質による抗体との非特異応答の少ない基板の作製が不可欠である。



なお、上述した従来技術のうち、環境要因や夾雑物質の影響を排除・補正する技術は、出願人が出願時点で知る限りにおいて文献公知ではない。
また、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。

【特許文献1】特開2001-255267号公報

産業上の利用分野


本発明は、被測定物質に接した金属薄膜での表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance:SPR)現象を利用して被測定物質の屈折率変化を検出する表面プラズモン測定装置および測定方法に関し、特に、表面に抗体を固定した金属薄膜を用いて溶液中の抗原濃度を測定する表面プラズモン測定装置および測定方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
表面に測定抗原および参照抗原のそれぞれに対応する少なくとも2種類の抗体が固定された金属薄膜と、
この金属薄膜の前記抗体が固定された表面に溶液を接触させた状態で前記金属薄膜の裏面に光を照射する光照射手段と、
前記金属薄膜からの表面プラズモン共鳴現象による吸収を含んだ反射光を受光する受光手段と、
この受光手段の出力に基づき前記溶液中の抗原の濃度に応じた応答を検出する応答検出手段と、
標準溶液に第1の濃度の前記参照抗原を添加した第1の溶液および前記標準溶液に第2の濃度の前記測定抗原を添加した第2の溶液をそれぞれ前記金属薄膜の表面に接触させて得られる第1および第2の応答のデータを記憶するデータ記憶手段と、
測定溶液に前記第1の濃度の前記参照抗原を添加した第3の溶液および前記測定溶液に前記測定抗原が含まれるもしくは添加された第4の溶液をそれぞれ前記金属薄膜の表面に接触させて得られる第3および第4の応答と、前記データ記憶手段に記憶されている前記データとに基づき、前記第4の溶液中の前記測定抗原の濃度を算出する濃度算出手段と
を備えることを特徴とする表面プラズモン測定装置。

【請求項2】
請求項1に記載の表面プラズモン測定装置において、
前記濃度算出手段は、前記第1の応答と前記第3の応答との比を用いて、前記第4の応答から前記第4の溶液と同じ濃度の前記測定抗原が前記標準溶液に含まれる溶液に対する応答を推定し、この推定結果および前記第2の応答に基づき前記濃度を算出することを特徴とする表面プラズモン測定装置。

【請求項3】
請求項1または2に記載の表面プラズモン測定装置において、
前記標準溶液は、夾雑物質が含まれない溶液であることを特徴とする表面プラズモン測定装置。

【請求項4】
測定抗原および参照抗原のそれぞれに対応する少なくとも2種類の抗体が固定された金属薄膜の表面に、標準溶液に第1の濃度の前記参照抗原を添加した第1の溶液を接触させ、前記金属薄膜の前記裏面に光を照射し、前記金属薄膜からの表面プラズモン共鳴現象による吸収を含んだ反射光を受光し、前記第1の溶液中の前記参照抗原の濃度に応じた第1の応答を検出するステップと、
前記金属薄膜の前記表面に、前記標準溶液に第2の濃度の前記測定抗原を添加した第2の溶液を接触させた状態で前記金属薄膜の前記裏面に光を照射し、前記金属薄膜からの表面プラズモン共鳴現象による吸収を含んだ反射光を受光し、前記第2の溶液中の前記測定抗原の濃度に応じた第2の応答を検出するステップと、
前記測定溶液に前記第1の濃度の前記参照抗原を添加した第3の溶液および前記測定溶液に前記測定抗原が含まれるもしくは添加された第4の溶液をそれぞれ前記金属薄膜の前記表面にを接触させ、前記金属薄膜の前記裏面に光を照射し、前記金属薄膜からの表面プラズモン共鳴現象による吸収を含んだ反射光を受光し、前記第3および第4の溶液中の前記参照抗原および前記測定抗原の濃度に応じた第3および第4の応答を検出するステップと、
検出された前記第1、第2、第3および第4の応答に基づき前記第4の溶液中の前記測定抗原の濃度を算出するステップと
を備えることを特徴とする表面プラズモン測定方法。

【請求項5】
請求項4に記載の表面プラズモン測定方法において、
前記濃度を算出するステップは、前記第1の応答と前記第3の応答との比を用いて、前記第4の応答から前記第4の溶液と同じ濃度の前記測定抗原が前記標準溶液に含まれる溶液に対する応答を推定し、この推定結果および前記第2の応答に基づき前記濃度を算出することを特徴とする表面プラズモン測定方法。

【請求項6】
請求項4または5に記載の表面プラズモン測定方法において、
前記標準溶液は、夾雑物質が含まれない溶液であることを特徴とする表面プラズモン測定方法。
産業区分
  • 試験、検査
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004263457thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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