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直列電気二重層コンデンサ装置 コモンズ

国内特許コード P07A012475
整理番号 ID5112
掲載日 2007年12月28日
出願番号 特願2005-222496
公開番号 特開2007-043770
登録番号 特許第4119985号
出願日 平成17年8月1日(2005.8.1)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
登録日 平成20年5月9日(2008.5.9)
発明者
  • 阿部 茂
出願人
  • 国立大学法人埼玉大学
発明の名称 直列電気二重層コンデンサ装置 コモンズ
発明の概要 【課題】電気二重層コンデンサC1~C6間に生じる電圧の不均一を簡単な構成で解消できる直列電気二重層コンデンサ装置を提供する。
【解決手段】2n個のコンデンサC1~C6と、2n個のダイオードD1~D6と、トランスT1と、インバータ31とを備え、トランスの二次巻線N1~N3が、コンデンサの2個とダイオードの2個との組から成るコンデンサモジュール30に誘起電圧を供給し、コンデンサの充電が、当該コンデンサモジュールに含まれるダイオードが導通したときに行われる直列電気二重層コンデンサ装置において、端子1,2間の直流電圧レベルを変換する電圧調整手段32を設け、インバータが、電圧変換された直流電圧を交流電圧に変換する。電圧調整手段の作用で二次巻線の発生電圧にダイオードの順方向電圧降下を相殺する電圧が付加され、コンデンサ充電時のダイオードの影響が排除され、コンデンサ間の電圧を均一化できる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


電気二重層コンデンサは、二次電池と違って充放電に化学反応を伴わないため、急速充放電が可能であり、長寿命である。こうした利点を生かして、近年、電気二重層コンデンサで構成された蓄電装置が、ハイブリッド自動車・電気自動車、非常用電源等に用いられている。
電気二重層コンデンサは、二次電池と異なり、充放電により電圧が大きく変化する。また、1個の電気二重層コンデンサの最大電圧は約2.5Vと低いため、通常、複数の電気二重層コンデンサを直列接続して蓄電装置が構成されている。そのコンデンサの数は、多いものでは100を超えている。



このように、電気二重層コンデンサを直列接続する場合は、蓄電装置の利用効率を高めるため、各コンデンサ間の電圧がバランスした状態で蓄電装置全体の電圧を変化させることが必要である。例えば、あるコンデンサの電圧が他のものより高い状態で蓄電装置の急速充電を行うと、そのコンデンサが最大許容電圧に達するまでの充電しかできず(そのコンデンサが過充電されると特性劣化が始まる)、蓄電装置の最大充電エネルギが制限されてしまう。また、電気二重層コンデンサは、逆充電することができないので、放電時には、いずれかの電気二重層コンデンサの電圧が0Vになると、蓄電装置は放電を停止してしまう。



蓄電装置の利用効率の向上を図るため、下記特許文献1には、直列接続した電気二重層コンデンサの各々と並列に、スイッチ手段及びインダクティブ素子の直列回路を接続し、ある電気二重層コンデンサの電圧が他よりも高い場合に、その電気二重層コンデンサの電荷を他の電気二重層コンデンサに移送して、各電気二重層コンデンサの電圧を均一化する制御方式が提案されている。この制御は、蓄電装置の用途に応じて、充電開始時、満充電時、中間電位時、充電中、放電中等の時期を選んで行われ、また、蓄電装置を使いながらコンデンサの電圧配分を修正していくことも可能である。
ただ、この制御方式では、個々の電気二重層コンデンサに対応してスイッチ手段及びインダクティブ素子を設ける必要があり、回路の大型化やコストの上昇が避けられない。



これに対して、直列接続した電気二重層コンデンサの全体に作用する回路により各電気二重層コンデンサの電圧を均一化する方式も提案されている。この方式には、フライバックコンバータ方式とフルブリッジインバータ方式とがある。
フライバックコンバータ方式は、下記特許文献2や非特許文献1に記載されている。図5は、特許文献2に記載された回路図であり、この方式では、この回路の端子1と端子18、及び、端子2と端子19をそれぞれ接続し、電気二重層コンデンサC1、C2、C3が直列接続された直列電気二重層コンデンサ装置自体を直流電源として、フライバックコンバータ33を動作させることも可能である。そうすれば、トランスT1の二次巻線N1、N2、N3の側に生じる電流を、ダイオードD1、D2、D3を介して各コンデンサC1、C2、C3に供給し、コンデンサC1、C2、C3の充電電圧を均一化することができる。



フライバックコンバータ33のスイッチSW1は、周期的にオン・オフされ、オン時には、平滑用コンデンサ11で平滑にされた直列電気二重層コンデンサ装置の電圧が、トランスT1の一次巻線N0に印加される。このとき、トランスT1の二次巻線N1、N2、N3の側では、ダイオードD1、D2、D3の非整流方向の電圧が発生するために電流は流れず、一次巻線N0の側だけに電流が流れ、この電流から生じたエネルギが磁束の形でトランスT1に蓄えられる。
次に、スイッチSW1がオフされると、トランスT1は、磁束の形で蓄えたエネルギを放出するように逆起電力を発生し、この電圧で二次巻線N1、N2、N3の側にダイオードD1、D2、D3の整流方向の電圧が印加され、コンデンサC1、C2、C3に充電電流が供給される。このとき、接続するコンデンサの電圧が低いと、そのコンデンサへの出力電流は大きく、また、コンデンサの電圧が高いと出力電流は小さくなる。その結果、コンデンサC1、C2、C3は均等に充電される。



一方、フルブリッジインバータ方式は、下記非特許文献2に記載されており、この方式の回路図を図4に示している。この回路では、電気二重層コンデンサC1~C6とダイオードD1~D6とが、C1、C2、D1、D2の組合せ、C3、C4、D3、D4の組合せ、及び、C5、C6、D5、D6の組合せにより、各々、コンデンサモジュール30を形成し、各コンデンサモジュールの二つのコンデンサの接続点3、5、7と、二つのダイオードの接続点4、6、8との間にトランスT1の二次巻線N1、N2、N3が接続している。
また、トランスT1の一次巻線N0には、方形波電圧発生装置であるフルブリッジインバータ31が接続している。このフルブリッジインバータ31は、4つの半導体スイッチ素子S1~S4及び帰還ダイオードD11~D14を備え、S1、S2の接続点とS3、S4の接続点との間に一次巻線N0が接続している。
フルブリッジインバータ31は、スイッチ素子S1及びS4の組と、S2及びS3の組とを交互にオン/オフする動作を繰り返すことにより、極性が反転する方形波電圧を発生する。この方形波電圧は、トランスT1の一次巻線N0に印加され、そのため、二次巻線N1、N2、N3に同様の方形波電圧が誘起される。
二次巻線N1、N2、N3に発生した方形波電圧は、一方の極性のとき、各コンデンサモジュールに含まれる二つのコンデンサの内、その極性で導通するダイオードに接続した一方のコンデンサに対して印加され、他方の極性のとき、その極性で導通するダイオードに接続した他方のコンデンサに対して印加される。
但し、そのコンデンサの電圧レベルが二次巻線電圧より高く、そのコンデンサに接続するダイオードが導通しない状態では、充電は行われない。即ち、トランスの二次巻線電圧より電圧が低いコンデンサのみが選択的に充電され、その結果、各コンデンサ間の電圧がバランスされる。



このように、フライバックコンバータ方式及びフルブリッジインバータ方式では、電気二重層コンデンサの直列数が増加しても、トランスの二次巻線とダイオードの数とを増やすだけで対応できる。また、制御を要する素子は、フルブリッジインバータあるいはフライバックコンバータを構成する数個のスイッチング素子のみであり、制御が簡単で、信頼性も高く、安価に構成できる。
フライバックコンバータ方式とフルブリッジインバータ方式とを比べると、トランスの利用原理が異なっている。フライバックコンバータの場合は、負荷に対して電流源として動作し、フルブリッジインバータの場合は、電圧源として動作する。また、フライバックコンバータでは、スイッチング周期の前半でトランスに一度エネルギを蓄え、後半でこれを放出する形式を取るため、トランス鉄心の容量を大きくする必要がある。これに対し、フルブリッジインバータでは、トランスを高周波トランスとして用いているため、鉄心を小形に構成することができ、また、トランスの二次巻線の個数がコンデンサ数の半分、即ち、フライバックコンバータの場合の半分で足りる。
【特許文献1】
特開平7-322491号公報
【特許文献2】
特許3238841号公報
【非特許文献1】
P. Barrade,“Series Connection of Supercapacitors: Comparative Study of Solutions for the Active equalization of the Voltages”Electrimacs 2002, 7th International Conference on Modeling and Simulation of Electric Machines, Converters and Systems, 18-21 August, Ecole de Technologie Superieure (ETS), Montreal, Canada.
【非特許文献2】
岸高嗣、清水敏久「電気二重層コンデンサ用電圧バランサ回路の研究」電気学会半導体電力変換研究会資料SPC-04-37,2004
【非特許文献3】
高橋裕司、清水敏久「同期スイッチを用いた電気二重層キャパシタ用電圧バランサ回路」平成17年電気学会全国大会講演論文集4-041

産業上の利用分野


本発明は、電気二重層コンデンサを直列接続した装置に関し、特に、各コンデンサ間に生じる電圧の不均一を、新たな方式により解消するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
2n(nは1以上の正の整数)個の直列接続された電気二重層コンデンサと、2n個のダイオードと、一次巻線及びn個の二次巻線を有するトランスと、直流電圧から交流電圧を生成して前記トランスの一次巻線に供給する交流電圧発生手段とを備え、前記トランスの二次巻線の各々が、前記電気二重層コンデンサの2個と前記ダイオードの2個との組から成るコンデンサモジュールに誘起電圧を供給し、前記コンデンサモジュールに含まれる電気二重層コンデンサの充電が、当該コンデンサモジュールに含まれるダイオードが導通したときに行われる直列電気二重層コンデンサ装置であって、
前記直列電気二重層コンデンサ装置から出力された直流電圧の電圧レベルを変換する電圧調整手段を具備し、前記交流発生手段が、前記電圧調整手段により電圧レベルが変換された直流電圧を交流電圧に変換することを特徴とする直列電気二重層コンデンサ装置。

【請求項2】
請求項1に記載の直列電気二重層コンデンサ装置であって、前記直列電気二重層コンデンサ装置の出力電圧をV、前記ダイオードの順方向電圧降下をVFとするとき、前記電圧調整手段は、前記トランスの各二次巻線の発生電圧がVF+V/(2n)となるように前記交流発生手段に出力する直流電圧の電圧レベルを調整することを特徴とする直列電気二重層コンデンサ装置。

【請求項3】
請求項2に記載の直列電気二重層コンデンサ装置であって、前記トランスの一次巻線と二次巻線との巻数比が2n:1に設定され、前記電圧調整手段が、前記直列電気二重層コンデンサ装置の出力電圧Vに2n×VFの一定電圧を加えて前記交流発生手段に出力することを特徴とする直列電気二重層コンデンサ装置。

【請求項4】
請求項2に記載の直列電気二重層コンデンサ装置であって、前記電圧調整手段が、前記直列電気二重層コンデンサ装置の電圧出力をスイッチングして前記出力電圧Vの電圧レベルを変換するとともに、そのスイッチング周波数を、前記交流発生手段のスイッチング周波数より高く設定したことを特徴とする直列電気二重層コンデンサ装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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