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超伝導フォトン検出器

国内特許コード P07A012502
整理番号 ID5086
掲載日 2007年12月28日
出願番号 特願2005-028261
公開番号 特開2006-216795
登録番号 特許第4822715号
出願日 平成17年2月3日(2005.2.3)
公開日 平成18年8月17日(2006.8.17)
登録日 平成23年9月16日(2011.9.16)
発明者
  • 田井野 徹
  • 明連 広昭
  • 高田 進
  • 吉田 昌代
  • 仲川 博
  • 菊地 克弥
  • 青柳 昌宏
  • 赤穗 博司
出願人
  • 国立大学法人埼玉大学
  • 国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明の名称 超伝導フォトン検出器
発明の概要 【課題】フォノンイベントによる低エネルギーのノイズを除去することができる超伝導フォトン検出器を提供する。
【解決手段】基板14上に積層された下部超伝導電極13、トンネルバリア12及び上部超伝導電極11を有する超伝導フォトン検出器であって、基板14と下部超伝導電極13との間に介在し、基板14から入射する音響波の反射係数が透過係数よりも大きい材料で形成されたフォノン遮蔽層20を備える。このフォノン遮蔽層20は、基板14から下部超伝導電極13に入力するフォノンを遮断する。そのため、フォノンイベントによる低エネルギーのノイズを除去することができ、低エネルギーの可視光を正確に観測することができる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


フォトン検出器は、医学分野でのレントゲン撮影や、未知の天体から飛来する光や宇宙線のエネルギーの検出、あるいは、半導体製造プロセス中の汚染物質の分析などに幅広く応用されている。
従来、フォトンを計測する検出器として、主に半導体検出器が用いられて来たが、超伝導トンネル接合を利用してフォトンを検出する超伝導フォトン検出器は、半導体検出器に比較して、エネルギー分解能(近接するエネルギーを弁別する分解能)が高く、高速での観測が可能であるため、次世代のフォトン検出器として期待を集めている。



超伝導フォトン検出器は、図7の模式図に示すように、超伝導体31及び33が絶縁体32で隔てられたサンドイッチ構造の超伝導トンネル接合素子を有している。この素子は、超伝導転移温度の1/10程度の温度に冷却され、また、磁場が印加されて、超伝導状態を担うクーパー対によるトンネル電流が流れないようにされている。この素子に光子が入射すると、クーパー対が壊れて準粒子が生成され、準粒子によるトンネル電流が増加する。このトンネル電流の増加を測定することにより、入射した光子の数やエネルギーを知ることができる。
半導体のエネルギーギャップは1eV程度であるが、超伝導フォトン検出器の場合、超伝導エネルギーギャップが数meVと小さいため、光子のエネルギーで励起されるキャリアー数(準粒子数)が多く、半導体フォトン検出器に比べて高精度の検出が可能になる。



下記非特許文献1には、超伝導トンネル接合素子の製造方法が記載されている。この方法では、フォトリソグラフィ技術を用いて、直径が7.5cmのSi基板上に面積が50μm×50μmの接合素子を多数個形成している。
図8は、この製造方法で形成された超伝導トンネル接合素子の1つの断面を示している。この素子は、Si基板14上に、Si基板14をエッチングから保護するMgO膜15を備え、その上に、微細形状にエッチング加工された、Nbから成る下部超伝導電極13、Al/AlOxから成るトンネルバリア12、及び、Nbから成る上部超伝導電極11の積層体を備え、その上にコーティングされた絶縁用のポリイミド膜16と、ポリイミド膜16のビアホールを通じて下部超伝導電極13及び上部超伝導電極11に接続する配線電極17、18とを備えている。
Si基板14の厚さは400mmであり、MgO膜15は50nm、下部超伝導電極13及び上部超伝導電極11はそれぞれ200nm、トンネルバリア12は15nmの各厚さを有している。



ポリイミド膜16は、ポリイミドの状態で溶媒可溶性を有するポリイミド材料にジアゾナフトキノン系の感光材を添加した感光性溶媒可溶ポリイミドを塗布し、溶媒を飛ばすための加熱処理を施して形成している。このポリイミド膜16は、配線電極層を下層から絶縁する絶縁層として設けられており、ポリイミド膜の厚さは、200nm~600nmである。この膜にフォトリソグラフィ技術でビアホールを形成し、その上の全面に配線電極層を600nmの厚さに堆積し、不要部分をエッチングで除いて、所定パターンの配線電極17、18を形成している。
素子の加工を終えたSi基板を5mm四方のチップに切断し、このチップを用いて超伝導フォトン検出器が作成される。このように超伝導トンネル接合素子をアレイ化することで検出器の有感面積を稼ぐことができる。
また、従来の超伝導トンネル接合素子では、配線電極の絶縁層をSiO2で形成したものや、Si基板14上のエッチング保護膜をAl23で形成したもの、また、基板にAl23(sapphire)を使用したものなども知られている。
【非特許文献1】
IEEE TRANSACTIONS ON APPLIED SUPERCONDUCTIVITY,VOL.13,NO.2,JUNE 2003,pp.119~122

産業上の利用分野


本発明は、可視光からX線領域までのフォトンの測定が可能な超伝導フォトン検出器に関し、特に、低ノイズ化を実現したものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
基板上に積層された下部超伝導電極、トンネルバリア及び上部超伝導電極を有する超伝導フォトン検出器であって、
前記基板と前記下部超伝導電極との間に介在し、前記基板から入射する音響波の反射係数の絶対値が透過係数の絶対値よりも大きい材料で形成されたフォノン遮蔽層を備える超伝導フォトン検出器。

【請求項2】
請求項1に記載の超伝導フォトン検出器であって、前記上部超伝導電極の上に積層された絶縁層と、前記絶縁層の上に形成され、前記絶縁層の孔を通じて前記下部超伝導電極または上部超伝導電極に接続する配線電極とを備え、前記絶縁層の一部が除去されて、前記上部超伝導電極または下部超伝導電極の少なくとも一部が露出している超伝導フォトン検出器。

【請求項3】
請求項1または2に記載の超伝導フォトン検出器であって、前記フォノン遮蔽層がポリイミドの膜から成る超伝導フォトン検出器。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005028261thum.jpg
出願権利状態 登録
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