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多孔質シリコン膜の製造方法 新技術説明会

国内特許コード P07P005134
整理番号 IP17-075
掲載日 2007年12月28日
出願番号 特願2006-131763
公開番号 特開2007-305748
登録番号 特許第4392505号
出願日 平成18年5月10日(2006.5.10)
公開日 平成19年11月22日(2007.11.22)
登録日 平成21年10月23日(2009.10.23)
発明者
  • 安達 定雄
出願人
  • 群馬大学
発明の名称 多孔質シリコン膜の製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】可視発光が可能で膜厚の均一な多孔質シリコン膜とこの多孔質シリコン膜を簡便かつ再現性よく製造する製造方法とを提供する。また、この多孔質シリコン膜を用いた高発光効率の半導体発光素子を提供する。
【解決手段】酸化還元電位が+0.4eV~+1.5eVの範囲にある酸化剤を含有するフッ化水素酸(HF)水溶液を処理溶液として使用して、短時間(約1~15分)の光照射により光アシストエッチングを実施し、シリコン結晶の表面に均一な膜厚の多孔質シリコン膜を形成する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要 【背景技術】シリコン結晶基板表面の多孔質膜が赤色発光するという発見は1990年にCanhamによってなされた(非特許文献1を参照)。従来、多孔質シリコン膜は、半導体基板を電解質溶液中で電気化学エッチング(陽極化成)することにより形成されていた。陽極化成では、p型シリコンの場合はシリコン基板の背面がプラス、水溶液中の白金(Pt)電極がマイナスとなるように電気配線する。電解質溶液としては、普通はフッ化水素酸(HF)水溶液が用いられるが、場合によってはHF水溶液にアルコール類(メタノール、エタノール等)を混合することがある。アルコール類の混合は、均質な多孔質膜を得るためである。しかしながら、陽極化成法は電解装置が必要であるという欠点を有している。第1に、高価なPt(白金)電極や直流電源回路を必要とする。第2に、これら電極や電源回路で試料に電流を流すためには、試料の背面にオーム性電極となる金属を取り付ける必要がある。オーム性電極は、普通は金属をシリコン結晶の背面に真空蒸着し、その後、1000℃近くの温度でシンターリングして作製される。背面電極は、その形成自体が面倒なことはもちろん、試料の平坦性も損ねるため、その後のプロセスの観点、特に微細デバイスを作製するときの大きなマイナス要因となる。また、陽極化成法では、電源回路によって試料表面の電位を制御して適当な濃度の正孔を供給することで、電気化学反応による多孔質化をうながす。したがって、試料表面に電位分布のムラがあれば、このムラを反映して、多孔質膜の厚さにムラが生じることになる。試料表面の電位分布のムラを無くすことは困難で、特に試料サイズが大きい場合は困難である。このため、より簡便に多孔質膜を形成する方法が種々検討されてきた。陽極化成法以外の多孔質膜を形成する方法としてはステイン(腐食)エッチング法がある。ステインエッチング法は、硝酸(HNO)を含有するフッ化水素酸(HF)の水溶液中にシリコン結晶を浸漬して、結晶表面をエッチングで腐食させるだけの極めて簡単なものである。HF:HNO:HO水溶液の組成比は、多くは1:3:5あるいは1:5:10である。ここで、ステインエッチング法で多孔質層が形成される原理を簡単に説明する。先ず、フッ化水素酸水溶液中に含まれる硝酸でシリコン結晶の表面が化学酸化される。次に、この結晶表面の酸化膜(SiO)がエッチング液中のHF成分で除去される。この過程が繰り返して進行することで、結晶表面に凹凸、すなわち多孔質層が形成されるのである。したがって、ステインエッチング用に使われるエッチング液は、通常のシリコン結晶の化学エッチングに使われるものと同じである。ただ、薬品の組成比を通常のシリコン結晶の化学エッチング液と同じにすると、シリコン結晶の表面が鏡面にエッチングされて多孔質膜が形成されないため、適当に変える必要がある。分りやすく言えば、通常のエッチングでは使われないような、表面を荒らす組成比の液が使われることになる。上記のステインエッチング法は簡便性には優れているが、多孔質膜の構造制御はほとんど不可能と言える。表面がただ不均一に荒れただけで、可視発光しない試料が作製されることも多い。ステインエッチング法に類似した方法として、光アシストエッチング法が提案されている。光アシストエッチング法は、フッ化水素酸(HF)水溶液中にシリコン結晶を浸漬し、上部から所定波長の光を照射するものである(非特許文献2を参照)。光アシストエッチング法では、光照射によりエッチング速度を制御することにより、光照射された部分に均一な厚さで多孔質膜が形成される。光照射の波長は590nm以上とされ、これよりも短波長の場合には多孔質膜は形成されない。逆に、波長が1000nm以上の光の場合にも、電子-正孔対が励起されないため、多孔質膜が形成されない。
【非特許文献1】L. T. Canham, Appl. Phys. Lett. Vol. 57, p. 1046, 1990年
【非特許文献2】N. Noguchi and I. Suemune, Appl. Phys. Lett. Vol. 62, pp. 1429-1431, 1993年
産業上の利用分野 本発明は、多孔質シリコン膜及びその製造方法並びに半導体発光素子に関し、特に、処理溶液中に浸漬したシリコン結晶に光を照射しながらエッチングを行う光アシストエッチングにより多孔質シリコン膜を形成する技術に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 酸化還元電位が+0.4eV~+1.5eVの範囲にある酸化剤を1リットルあたり1×10-5~5×10-2モル含有するフッ化水素酸水溶液を処理溶液として用い、シリコン結晶を前記処理溶液に浸漬し、前記シリコン結晶の表面に光を照射して、エッチングによりシリコン結晶の表面に多孔質シリコン膜を形成することを特徴とする多孔質シリコン膜の製造方法。
【請求項2】 前記酸化剤の酸化還元電位が+0.5eV~+1.0eVであることを特徴とする請求項1に記載の多孔質シリコン膜の製造方法。
【請求項3】 前記酸化剤の酸化還元電位が+0.521eV~+0.564eVであることを特徴とする請求項1に記載の多孔質シリコン膜の製造方法。
【請求項4】 前記酸化剤が、塩化銅(CuCl,CuCl)、ヨウ素(I)、臭素酸銀(AgBrO)、硝酸銀(AgNO)、ヨウ素酸カリウム(KIO)、臭素(Br)、二クロム酸カリウム(KCr)、及び臭素酸カリウム(KBrO)からなる群から選択されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多孔質シリコン膜の製造方法。
【請求項5】 前記酸化剤が、塩化銅(CuCl,CuCl)、ヨウ素(I)、臭素酸銀(AgBrO)、及び硝酸銀(AgNO)からなる群から選択されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多孔質シリコン膜の製造方法。
【請求項6】 下記式(1)で与えられる電気化学ポテンシャルχ1が-4.8eV~-5.0eVの範囲にあるフッ化水素酸水溶液又はフッ化物塩水溶液を処理溶液として用い、シリコン結晶を前記処理溶液に浸漬し、前記シリコン結晶の表面に光を照射して、エッチングによりシリコン結晶の表面に多孔質シリコン膜を形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の多孔質シリコン膜の製造方法。 χ1(γ)=-4.5+0.059γ(eV) 式(1) 式(1)中、γはフッ化水素酸水溶液又はフッ化物塩水溶液のpH値である。
【請求項7】 シリコン結晶の表面に吸着した水素ガスを除去しながら前記多孔質シリコン膜を形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の多孔質シリコン膜の製造方法。
産業区分
  • 固体素子
  • 表面処理
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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