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多重ホログラム転写装置および多重ホログラム転写方法

国内特許コード P07P005515
整理番号 P2005-293/L18-H48
掲載日 2007年12月28日
出願番号 特願2006-143051
公開番号 特開2007-316152
登録番号 特許第4815595号
出願日 平成18年5月23日(2006.5.23)
公開日 平成19年12月6日(2007.12.6)
登録日 平成23年9月9日(2011.9.9)
発明者
  • 伊藤 輝将
  • 岡本 淳
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 多重ホログラム転写装置および多重ホログラム転写方法
発明の概要

【課題】空間スペクトル拡散多重方式を用いたコヒーレント一括転写の具体的手法を実現する。
【解決手段】空間スペクトル拡散多重方式によってホログラムメモリ1に記録されている多重ホログラムを、コピーとなるホログラムメモリ2に転写する。この時、ホログラムメモリ2に第二光源から第一参照光を照射して、記録されている多重ホログラムを一括再生し、コピーとなるホログラムメモリ2に上記多重ホログラムと第三光源5から第二参照光とを照射する。これにより、ホログラムメモリ2には、ホログラムメモリ1から再生された多重ホログラムがコヒーレント一括転写される。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


ホログラムメモリは、物体をレーザ光などの干渉性の高い光で照明し、3次元の立体画像を記録できる技術(ホログラフィー)を応用し、2次元画像として表される情報を何層にも記録できるようにした記憶装置である。情報の再生は、ホログラムメモリに対して、情報を読み書きするための参照光を当てることによって、情報をもった画像が読み出されることによって実現される。



例えば従来のCDやDVDなどの光ディスク記録装置は、回転する光ディスクにレーザを当て、ビット単位でデータの読み出し・書き込みを行う一方、ホログラムメモリは、レーザを一度当てるだけで同時に何千ビットもの読み出し・書き込みを行う。すなわち、ホログラムメモリは、従来の光ディスク記録装置と比較して、高速なデータ転送が可能となっている。



また、ホログラムメモリは、情報としての2次元画像のホログラムをホログラム媒質中の同一個所に多重記録することが可能である。よって、情報の記録密度を極めて高くすることができるので、大容量化を実現することができる。



以上のように、ホログラムメモリは、2次元データのダイレクトな記録再生方式に由来する高速性と、同一箇所への多重記録に由来する大容量性とを有しているので、次世代光メモリとして注目されている。



このように、大容量、高速転送レートを併せ持つホログラムメモリの商用化に向けて、ROM(Read Only Memory)の作成技術が重要な検討課題となっている(例えば、非特許文献1参照)。従来提案されているホログラム転写方式の一例では、ROMの作成時に、空間的に重なるホログラムの数(多重数)と同じ回数だけ転写作業を繰り返す。すなわち、この方法では、インコヒーレント(非干渉)にホログラムを重ね書きする必要がある。



一方、多重ホログラムを、多重化されたままの状態で転写することは容易でない。例えば非特許文献2では、角度多重、シフト多重、位相相関多重など、多くの多重記録方式に対して、体積ホログラムにおけるBragg回折条件の選択性を用いて一つのホログラムに対応した回折光のみを取り出すことが記載されている。そのような通常の多重記録を用いた場合、コヒーレント(干渉)に多重ホログラムを転写した後のホログラムを再生すると、多重ホログラム全てに対してBragg条件が満たされ、再生光の照射領域から全てのホログラムが同時に読み出される。すなわち、多重ホログラムから同時に再生した回折光を、そのまま一括転写(コヒーレント転写)すると、コピーのホログラムを再生した時に、隣接するホログラム同士で許容できないほど大きなクロストークが発生し、再生信号の区別が全くつかなくなる。



このため、多重ホログラムを一括に転写する手法としては、これまでに、各ホログラムの記録に用いる光波の相互時間コヒーレンスをなくすことによって、クロストークなく一括転写する手法(インコヒーレント一括転写)が提案されている(例えば、非特許文献3参照)。



しかしながら、同一の波長で時間コヒーレンスだけを変えるには、各ホログラムに対応する参照光の光路長を、レーザのコヒーレンス長以上に離さなければならず、結果として光学系が複雑化するという問題がある。これらのインコヒーレント転写については、非特許文献4にて詳細に比較検討されているが、事実上、どの方法で転写しても、転写後に得られる最大回折効率は変わらないことが示されている。



一方、本願出願人は、ホログラム媒質中のBragg条件ではなく、ランダムディフーザを用いた信号光自身の位相変調・復調によってホログラムを多重記録および選択再生する空間スペクトル拡散多重(以下、SSS多重)方式を提案している(非特許文献5,6参照)。



尚、多重ホログラム記録について開示する他の文献としては、例えば、以下の非特許文献7ないし9が挙げられる。

【非特許文献1】H. Horimai and X. Tan,“Duplication technology for secured read-only holographic versatile disc”, Proc. International Symposium on Optical Memory and Optical Data Storage Topical Meeting, ISOM/ODS2005, no.M-B7, Hawaii, USA, Jul. 2005

【非特許文献2】L. Solymar, D. J. Webb and A. Grunnet-jepsen,“The Physics and Applications of Photorefractive Materials”, Oxford Unversity Press, New York, 1996.

【非特許文献3】S. Piazzolla, B. K. Jenkins and A. R. Tanguay, Jr.,“Single-step copying process for multiplexed volume holograms”, Opt. Lett., 17, pp.676-678, 1992.

【非特許文献4】S. Campbell, Y. Zhang, P. Yeh,“Writing and Copying in Volume holographic memories: approaches and analysis”, Opt. Commun., 123, pp.27-33, 1996

【非特許文献5】T. Ito and A. Okamoto,“Volume holographic recording using spatial spread-spectrum multiplexing”, Jpn. J. Appl. Phys. 45 Part 1, pp.1270-1276, 2006

【非特許文献6】T. Ito and A. Okamoto, “Volume holographic recording using spatial spread-spectrum multiplexing technique”, Proc. ISOM/ODS2005, MP-20, Honolulu, USA, Jul.2005

【非特許文献7】F. H. Mok, G. W. Burr and D. Psaltis,“System metric for holographic memory systems”, Opt. Lett., 21, pp.896-898, 1996

【非特許文献8】K. M. Johnson, M. Armstrong, L. Hesselink and J. W. Goodman,“Multiple multiple-exposure hologram”, Appl. Opt., 24, pp.4467-4472, 1985

【非特許文献9】K. Anderson and K. Curtis,“Polytopic multiplexing”, Opt. Lett., 29, pp.1402-1404, 2004

産業上の利用分野


本発明は、例えばフォトリフラクティブ結晶を用い、該結晶中へのホログラムの記録・再生を行うことのできるホログラムメモリにおいて、多重ホログラムをマスターメディアからコピーメディアへ転写する装置および方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
空間スペクトル拡散多重方式によってマスターホログラムメモリに記録されている多重ホログラムを、コピーホログラムメモリに転写する多重ホログラム転写装置において、
上記マスターホログラムメモリに第一参照光を照射して、記録されている多重ホログラムを一括再生する第一参照光光源と、
上記コピーホログラムメモリに上記第一参照光と干渉を生じることが可能な第二参照光を照射する第二参照光光源と備え、
上記コピーホログラムメモリに、上記マスターホログラムメモリから再生された多重ホログラムと、上記第二参照光とを同時に照射し、該コピーホログラムメモリに上記多重ホログラムを一括転写するものであって、
上記多重ホログラムがM枚のホログラムを多重化したものであり、
マスターホログラムメモリから再生される多重ホログラムの全ての信号光の強度和をMI、コピーホログラムメモリに照射される第二参照光の強度Irefとし、コピーされる全ての信号光の強度和と第二参照光の強度Irefとの光強度比をr=MI/Irefとする時、
上記光強度比rが、r=1となるように、上記第一参照光光源および第二参照光光源の出射光強度が設定されることを特徴とする多重ホログラム転写装置。

【請求項2】
空間スペクトル拡散多重方式によってマスターホログラムメモリに記録されている多重ホログラムを、コピーホログラムメモリに転写する多重ホログラム転写方法において、
上記マスターホログラムメモリに第一参照光を照射して、記録されている多重ホログラムを一括再生し、
上記コピーホログラムメモリに上記多重ホログラムと第二参照光とを照射して、該コピーホログラムメモリに上記マスターホログラムメモリから再生された多重ホログラムを一括転写することを特徴とする多重ホログラム転写方法。

【請求項3】
上記多重ホログラムがM枚のホログラムを多重化したものであり、
マスターホログラムメモリから再生される多重ホログラムの全ての信号光の強度和を
MI、コピーホログラムメモリに照射される第二参照光の強度Irefとし、コピーされる全ての信号光の強度和と第二参照光の強度Irefとの光強度比をr=MI/Irefとする時、
上記光強度比rが、r=1に設定されることを特徴とする請求項に記載の多重ホログラム転写方法。
産業区分
  • 光学装置
  • 電子応用機器
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006143051thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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