TOP > 国内特許検索 > 軟骨細胞培養用の培地組成物と培養組成物

軟骨細胞培養用の培地組成物と培養組成物

国内特許コード P07P005516
整理番号 P2005-208/L18-H44
掲載日 2007年12月28日
出願番号 特願2006-144698
公開番号 特開2007-312657
登録番号 特許第5228187号
出願日 平成18年5月24日(2006.5.24)
公開日 平成19年12月6日(2007.12.6)
登録日 平成25年3月29日(2013.3.29)
発明者
  • 高木 睦
  • 鍵田 恵梨奈
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 軟骨細胞培養用の培地組成物と培養組成物
発明の概要

【課題】 軟骨細胞を体外で培養する際に、細胞外マトリックス、特にII型コラーゲンを効率的に多量に生産、蓄積させることのできる培養手段を提供する。
【解決手段】 グリコサミノグリカンを構成する単糖、特にグルクロン酸、N-アセチルガラクトサミンおよびコンドロイチン硫酸の少くとも1種を含む培地組成物により軟骨細胞を培養する。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


近年ヒト細胞などの動物細胞を用いた組織再生に関する基礎的知見が多々発見されその臨床応用に期待が寄せられている。それに用いる細胞としては、分化がほぼ終了した細胞と未分化で多分化能を有した細胞とがある。前者の分化がほぼ終了した細胞を応用する例としては、皮膚表皮細胞を用いた培養皮膚形成、患者の関節軟骨を正常部位から採取し増殖させた後、疾患部位へ移植する軟骨移植などがある。また、後者の未分化で多分化能を有した細胞を応用する例として、骨髄中にある造血幹細胞を用いた血液系、免疫系細胞の増殖、移植、同じく骨髄中にある間葉系幹細胞から骨、軟骨、筋肉の再生などが考えられる。さらに受精卵中の細胞に由来する胚由来幹細胞(ES細胞)はすべての組織のすべての細胞に分化する能力を保持していると考えられており、組織再生に利用できる可能性がある。



ここで、軟骨組織に注目すると、少数の軟骨細胞の他に多量の細胞外マトリックス(アグリカン、II型コラーゲンなど)が蓄積されており、それらマトリックスが緩衝材の働きをするために軟骨が骨自体の損傷、磨耗を防ぐことができる。軟骨組織の再生方法を考えると、(1)患者の正常部位から採取し増殖させた関節軟骨細胞、(2)間葉系幹細胞やES細胞を分化させて得られた軟骨細胞のいずれかを疾患部位へ移植し、移植された細胞が患部で細胞外マトリックスを蓄積することが期待される。



しかしながら、移植された細胞が患部で細胞外マトリックスを多量に生成し蓄積するには長時間を要する。このため、細胞培養時間の短縮、タイプIIコラーゲンなどの有用な細胞外マトリックスの早期形成などの改善が望まれている。したがって、上記のいずれかの軟骨細胞を体外で培養し、細胞外マトリックスを蓄積させて、軟骨細胞以外に細胞外マトリックスを多量に含有する軟骨組織を体外で予め作成した後に患部に移植するほうが治療効果がよいことが期待できる。



だが、現状においては、軟骨細胞を体外で培養して細胞外マトリックスを多量に生成、蓄積させる技術が十分に確立されていない。



その理由としては、軟骨細胞の培養系になんらかの操作を加えることによりその分裂、増殖能を高め、結果として細胞外マトリックスの産生能を高めようとする研究が行われているが、細胞外マトリックスの産生能力には限界があると認識されてきた(特許文献1、段落0006)からである。



このため、細胞外マトリックスの不足状態を補い、強度を高めるための方策として、天然あるいは合成高分子を培養担体とすることや、細胞外マトリックスとして、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、グルクロン酸等の酸性生体高分子とキトサン、ポリアミン等の塩基性生体高分子の複合体の成形物を培養担体として用いること(特許文献1)や、生体吸収性の多孔質に脂質結合性グリコサミノグリカンを結合して軟骨培養用基材とすること(特許文献2)が提案されている。



しかしながら、これらの試みにおいても、軟骨細胞の体外での培養において、細胞外マトリックス、とりわけII型コラーゲンを効率的に多量に生成、蓄積させることのできる技術としては確立されていないのである。

【特許文献1】特開2002-291461号公報

【特許文献2】特開2002-345455号公報

産業上の利用分野


本発明は、軟骨細胞の培地組成物とこれを用いた培養組成物に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
グルクロン酸を含むことを特徴とする軟骨細胞培養用培地組成物。

【請求項2】
グルクロン酸の濃度が0.1~1000mg/Lであることを特徴とする請求項1に記載の軟骨細胞培養用培地組成物。

【請求項3】
グルクロン酸が脱硫化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の軟骨細胞培養用培地組成物。

【請求項4】
N-アセチルガラクトサミンを含むことを特徴とする軟骨細胞培養用培地組成物。

【請求項5】
N-アセチルガラクトサミンの濃度が0.1~1000mg/Lであることを特徴とする請求項3に記載の軟骨細胞培養用培地組成物。

【請求項6】
N-アセチルガラクトサミンが脱硫化されていることを特徴とする請求項4または5に記載の軟骨細胞培養用培地組成物。

【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の培地組成物に軟骨細胞を含むことを特徴とする軟骨細胞培養組成物。

【請求項8】
軟骨細胞は、間葉系幹細胞または胚性幹細胞から分化したものであることを特徴とする請求項7の軟骨細胞培養組成物。

【請求項9】
請求項1から6のいずれかに記載の培地組成物に、間葉系幹細胞または胚性幹細胞を含むことを特徴とする軟骨細胞培養組成物。

【請求項10】
請求項7または8の組成物により軟骨細胞を培養し、細胞外マトリックスであるII型コラーゲンを生成、蓄積させることを特徴とする軟骨細胞の培養方法。

【請求項11】
請求項9の組成物により間葉系幹細胞または胚性幹細胞を培養して、細胞外マトリックスであるII型コラーゲンが生成、蓄積した軟骨細胞に分化させることを特徴とする軟骨細胞の培養方法。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close