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二核化配位子及びその二核亜鉛錯体

国内特許コード P07A012990
整理番号 DP1211
掲載日 2008年1月18日
出願番号 特願2006-129241
公開番号 特開2007-302564
登録番号 特許第5046550号
出願日 平成18年5月8日(2006.5.8)
公開日 平成19年11月22日(2007.11.22)
登録日 平成24年7月27日(2012.7.27)
発明者
  • 小寺 政人
  • 前田 邦浩
出願人
  • 学校法人同志社
発明の名称 二核化配位子及びその二核亜鉛錯体
発明の概要

【課題】リン酸エステルの加水分解活性、特に核酸に含まれるリン酸ジエステルの加水分解活性が高く、制限酵素モデルとして利用可能であるとともに、リン酸の選択的結合が期待できる金属錯体を提供する。
【解決手段】ジピリジルエタンスペーサーを有する二核化配位子及びその二核化配位子に亜鉛イオンが配位した二核亜鉛錯体である。なお、溶液中の二核亜鉛錯体の構造式を以下に示す。
【化2】

【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


自然界にはさまざまな酵素が存在し、常温常圧という穏和な条件下で複雑な化学反応を触媒している。また、酵素の多くは活性中心に金属イオンを有しており、酵素の機能発現に金属イオンが深く関わっていると考えられている(非特許文献1~3を参照)。



このような金属含有酵素の一つとして、pH8からpH9の水溶液中でリン酸モノエステルを加水分解するアルカリホスファターゼ(以下、APと省略する。)があげられる。APの構造はColemam等によるX線結晶構造解析によって決定されており、活性中心に2個のZn(II)イオンと1個のMg(II)イオンを有していることが明らかにされている(非特許文献4~5を参照)。



ここで、前記Mg(II)イオンは直接加水分解には関与しないものの、活性中心の構造因子として、基質であるリン酸モノエステルのジアニオンを結合させる静電的働きに関わっていると考えられている。



また、2個のZn(II)イオンは、協同的に作用することにより、基質の捕捉や加水分解反応の活性種の生成を効率的に行っていると考えられている(非特許文献1を参照)。Zn(II)イオンは、その高いLewis酸性によって、配位した水分子やアルコールのpHを低下させ、求核種として作用するヒドロキソ基やアルコキソ基を弱アルカリ性溶液中で生じさせるのに役立っている。また、Zn(II)イオンの電子構造はd10であり、2価の状態が安定であるため酸化還元されることはなく、酸素活性化などは行わないので、生体分子を傷付けることなく触媒反応を行うことができる。これらの性質を有するため、Zn(II)イオンは加水分解反応だけでなく構造因子や分子認識に働く金属イオンとしても適していると言える。



前記APの2個のZn(II)イオンの一方には、二つのヒスチジン残基のイミダゾール基が単座で配位し、一つのアスパラギン酸残基のカルボキシラト基が二座で配位している。もう一方のZn(II)イオンには一つのイミダゾール基と二つのカルボキシラト基がそれぞれ単座で配位しており、その近傍にはセリン残基のヒドロキシル基が存在している。このヒドロキシル基はZn(II)イオンのLewis酸性によってpkaが低下し、脱プロトン化してアルコキソ基となり、リン酸エステルを求核攻撃すると考えられている。また、イミダゾール基やカルボキシラト基が配位することによりZn(II)イオンのLewis酸性が調節され、リン酸エステル加水分解反応に適した反応性を持つ求核種を生成していると考えられている。



さて、金属含有酵素の触媒機構を解明するため、これまでに金属含有酵素のモデルとしてさまざまな金属錯体が合成され、その構造や機能発現の機構について分光学的手法やX線結晶構造解析を用いて詳細な研究が行われている。そして、APのようなリン酸エステル加水分解酵素についても、そのモデルとしてさまざまな金属錯体がこれまでに合成され、その反応性について研究されてきた。その結果、多核化やヒドロキシル基の導入によって加水分解活性が上昇することが報告されている(非特許文献6~12を参照。)



しかし、従来からある金属錯体はリン酸エステルの加水分解活性が低く、中でも核酸に含まれるリン酸ジエステルの加水分解は大変困難であった。そのため、従来からある金属錯体は、制限酵素モデルとして利用するには不十分、かつ不適切であった。

【非特許文献1】Lipscomb,W.L.; Strater,N. Chem.Rev. 1996, 96, 2375-2433.

【非特許文献2】Strater,N.; Lipscomb,W.; Klabunde,T.; Krebs,B. Angew. Chem. Int.Enl. 1996, 35, 2024.

【非特許文献3】Wilcox,D.E.Chem.Rev.1996,96,2435.

【非特許文献4】Coleman,J.E.Annu.Rev.Biophys.Biomol.Struct.1992,21,441.

【非特許文献5】Coleman,J.E.;Gettins,P.Adv.Enzymol.1993,55,381.

【非特許文献6】Parkin,G.Chem.Rev.2004,104,699.

【非特許文献7】Molenveld, P.; Stikvoort, W.M.G; Kooijman ,H.; Spek ,A.L.; Endbersen,J.E; Reinhoundt,D.N. J.Org.Chem. 1999,64,3896.

【非特許文献8】Zhu, L.; Santos, O.d.; Koo, C.W.; Rybstein, M.; Pape, L.; Canary,J. W.Inorg.Chem. 2003,42,7912.

【非特許文献9】Iranzo, O.; Elmer, T.; Richard, J.P.; Morrow, J.R. Inorg.Chem. 2003,42,7737.

【非特許文献10】Kimura,E; Nakamura,I.; Koike,T.; Shionoya,M.; Kodama,Y.; I keda,T.; Shiro,M. J.Am.Chem.Soc.1994,116,4764.

【非特許文献11】Koike,T.; Kajitani,S.; Nakamura,I.; Kimura,E.; Shiro,M. J.Am.Chem.Soc.1995,117,1210.

【非特許文献12】Kimura,E.; Kodama,Y.; Koike,T.; Shiro,M. J.Am.Chem.Soc.1995,117,8304.

産業上の利用分野


この発明は、二核化配位子及びその二核亜鉛錯体に関するものであり、特に制限酵素モデルとして遺伝子工学的な応用の可能性があるとともに、非対称構造を持つことからリン酸の選択的結合が期待できる二核化配位子及び二核亜鉛錯体に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
式(1)
【化学式1】


で示される二核化配位子。

【請求項2】
式(2)
【化学式2】


で示される二核亜鉛錯体。
産業区分
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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