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複素誘電率の非破壊測定方法及び装置

国内特許コード P07A013049
掲載日 2008年1月25日
出願番号 特願2001-009468
公開番号 特開2002-214161
登録番号 特許第3787615号
出願日 平成13年1月17日(2001.1.17)
公開日 平成14年7月31日(2002.7.31)
登録日 平成18年4月7日(2006.4.7)
発明者
  • 平野 誠
出願人
  • 防衛装備庁長官
発明の名称 複素誘電率の非破壊測定方法及び装置
発明の概要 【課題】 マイクロ波およびミリ波領域における損失誘電体の複素誘電率を、簡単な装置を用いて非破壊で測定する。
【解決手段】 導波管の開口部にフランジを装着したフランジ付導波管で構成された誘電体内挿部2へ測定対象の誘電体を挿入し、2つのフランジ付導波管で誘電体を押さえ、一方の開口面の反射係数及びもう一方の開口面の透過係数を反射・透過特性測定装置1により測定する。そして処理装置3により、測定された反射係数及び透過係数の絶対値と位相角を、マックスウェルの方程式を解くことにより導出した連立方程式に代入して、誘電体の誘電率を算出する。本構造による反射係数や透過係数は、誘電率と1対1に対応していることから、この関係を利用して容易に複素誘電率が求められる。
従来技術、競合技術の概要


各種材料の誘電率測定方法としては、低周波領域では誘電体材料を電極間に挟み、電極間の静電容量を測定して、その測定値と材料の寸法から誘電率を算出する方法が用いられる。



また、高周波領域では測定周波数範囲に共振点をもつ共振器を用意し、誘電体材料をその共振器に内挿したときとしないときの共振周波数、Q等を測定し、それらの測定値の変化から複素誘電率を算出する方法、あるいは測定周波数がその通過帯域内にあるような同軸伝送路または導波管伝送路を用意し、誘電体材料をその伝送路に内挿したときとしないときの伝送特性を測定して、誘電率を算出する方法が用いられる。

産業上の利用分野


本発明は、複素誘電率の非破壊測定方法及び装置に係り、特にマイクロ波帯・ミリ波帯における複素誘電率の測定方法及び装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
2つのフランジ付導波管の間に被測定試料である平板形状の誘電体を挿入して隙間無く密着するように押さえ、かつ各々のフランジ及び誘電体の寸法は入射される電磁波が前記誘電体の端部に至るまでに充分減衰する寸法を有するものとし、
一方の前記導波管の開口面から一定の周波数の電磁波を入射させた際の反射係数及び透過係数を計測し、
マックスウェルの方程式から導出されたヘルムホルツ方程式を、前記2つのフランジ付導波管と前記誘電体の各領域について立て、これらをそれぞれのフランジ付導波管の開口面及びフランジ面上の境界条件式に代入するという厳密解法によって得られた連立方程式を用いて、
前記計測により得られた反射係数及び透過係数の絶対値と位相角から、前記挿入した誘電体の複素誘電率を求めることを特徴とする複素誘電率の非破壊測定方法。

【請求項2】
2つのフランジ付導波管の間に被測定試料である平板形状の誘電体を挿入して隙間無く密着するように押さえ、かつ各々のフランジ及び誘電体の寸法は入射される電磁波が前記誘電体の端部に至るまでに充分減衰する寸法を有するものとし、
一方の前記導波管の開口面から当該導波管で伝搬可能な周波数範囲の電磁波を入射させた際の反射係数及び透過係数を計測し、
マックスウェルの方程式から導出されたヘルムホルツ方程式を、前記2つのフランジ付導波管と前記誘電体の各領域について立て、これらをそれぞれのフランジ付導波管の開口面及びフランジ面上の境界条件式に代入するという厳密解法によって得られた連立方程式を用いて、
前記計測により得られた反射係数及び透過係数の絶対値と位相角の周波数特性から、前記挿入した誘電体の複素誘電率の周波数特性を求めることを特徴とする複素誘電率の非破壊測定方法。

【請求項3】
前記被測定試料から得られた反射係数及び透過係数の絶対値と位相角から、複素誘電率と誘電正接(tanδ)を求める作業をコンピュータによる演算処理で実行することを特徴とする請求項1又は2記載の複素誘電率の非破壊測定方法。

【請求項4】
2つのフランジ付導波管の間に被測定試料である平板形状の誘電体を挿入して隙間無く密着するように押さえ、かつ各々のフランジ及び誘電体の寸法は入射される電磁波が前記誘電体の端部に至るまでに充分減衰する寸法を有するものとし、
一方の前記導波管の開口面の反射係数及び透過係数を反射・透過係数測定手段で計測し、
マックスウェルの方程式から導出されたヘルムホルツ方程式を、前記2つのフランジ付導波管と前記誘電体の各領域について立て、これらをそれぞれのフランジ付導波管の開口面及びフランジ面上の境界条件式に代入するという厳密解法によって得られた連立方程式を用いて、
前記計測により得られた反射係数及び透過係数の絶対値と位相角から、誘電率特定手段により前記挿入した誘電体の複素誘電率を求めることを特徴とする複素誘電率の非破壊測定装置。

【請求項5】
2つのフランジ付導波管の間に被測定試料である平板形状の誘電体を挿入して隙間無く密着するように押さえ、一方のフランジ付導波管の開口面から電磁波を入射させ、該開口面から前記誘電体に入射した電磁波が、それぞれのフランジ付導波管の開口面以外の位置から前記誘電体の外部に漏れることがなく、よって計測系以外の外界の電磁波的な悪影響を受けることなく反射係数及び透過係数を反射・透過係数測定手段で計測し、
マックスウェルの方程式から導出されたヘルムホルツ方程式を、前記2つのフランジ付導波管と前記誘電体の各領域について立て、これらをそれぞれのフランジ付導波管の開口面及びフランジ面上の境界条件式に代入するという厳密解法によって得られた連立方程式を用いて、
前記計測により得られた反射係数及び透過係数の絶対値と位相角から、誘電率特定手段により前記挿入した誘電体の複素誘電率を求めることを特徴とする複素誘電率の非破壊測定装置。

【請求項6】
その開口面より被測定試料である平板形状の誘電体の表面に電磁波を入射して、当該開口面からの反射波を計測するための第1のフランジ付導波管を有し、当該第1のフランジ付導波管のフランジが前記誘電体の表面に隙間無く密着する電磁波入力手段と、
前記誘電体を透過した電磁波を計測するための第2のフランジ付導波管を有し、当該第2のフランジ付導波管のフランジが前記誘電体の反対面に隙間無く密着する電磁波出力手段と、
前記電磁波入力手段へ電磁波を供給して、その基本モードに対する挿入された前記誘電体の反射特性を測定するとともに、前記電磁波出力手段からの電磁波を受信して、基本モードに対する前記誘電体の透過特性を測定するための反射・透過係数測定手段と、
マックスウェルの方程式から導出されたヘルムホルツ方程式を、前記2つのフランジ付導波管と前記誘電体の各領域について立て、これらをそれぞれのフランジ付導波管の開口面及びフランジ面上の境界条件式に代入するという厳密解法によって得られた連立方程式を用いて、
前記反射・透過係数測定手段により測定された反射特性及び透過特性から、前記誘電体の複素誘電率を求めるために、反射係数及び透過係数と複素誘電率の関係を算出するための反射・透過係数算出手段と、
該反射・透過係数算出手段により算出された反射係数及び透過係数と複素誘電率の関係から前記誘電体の複素誘電率を特定するための誘電率特定手段とを備えたことを特徴とする複素誘電率の非破壊測定装置。

【請求項7】
前記電磁波入力手段は、高周波発生手段により発生した高周波を前記第1のフランジ付導波管の導波管部に導くためのコネクタと、該導波管部内において前記高周波を電磁波に変換するためのロッドアンテナとを有し、前記第1のフランジ付導波管の前記導波管部は前記ロッドアンテナから放射された電磁波を前記誘電体に入射させるためにその開口面まで導き、前記第1のフランジ付導波管のフランジは前記誘電体内部に入射した電磁波が、前記開口面以外の位置から前記誘電体の外部に漏れることを防ぐ構成である請求項6記載の複素誘電率の非破壊測定装置。

【請求項8】
前記電磁波出力手段は、前記第2のフランジ付導波管の導波管部内に設けられて電磁波を高周波に変換するための受信用ロッドアンテナと、該受信用ロッドアンテナで受信した高周波を、高周波受信手段に導くためのコネクタとを有し、前記第2のフランジ付導波管の前記導波管部はその開口面より入射した電磁波を、前記受信用のロッドアンテナまで導き、前記第2のフランジ付導波管のフランジは前記誘電体を透過した電磁波が、前記開口面以外の位置から誘電体の外部に漏れることを防ぐ構成である請求項6又は7記載の複素誘電率の非破壊測定装置。

【請求項9】
前記反射・透過係数算出手段は、マックスウェルの方程式から導出されたヘルムホルツ方程式を、前記第1及び第2のフランジ付導波管と前記誘電体の各領域について立て、これらをそれぞれの前記フランジ付導波管の開口面及びフランジ面上の境界条件式に代入するという厳密解法によって得られた連立方程式を、基本モードだけでなく2つの開口面で発生する高次モードを含めた上で、基本モードの反射係数及び透過係数を算出することを特徴とする請求項6,7又は8記載の複素誘電率の非破壊測定装置。

【請求項10】
前記誘電率特定手段は、前記反射・透過係数算出手段により算出された複素誘電率と反射係数及び複素誘電率と透過係数の対応関係を用い、前記反射・透過係数測定手段により得られた反射係数及び透過係数の絶対値と位相角から、複素誘電率を直接求めることを特徴とする請求項6,7,8又は9記載の複素誘電率の非破壊測定装置。

【請求項11】
被測定試料から得られた反射係数及び透過係数の絶対値と位相角から、複素誘電率と誘電正接(tanδ)を求めるコンピュータを備えることを特徴とする請求項10記載の複素誘電率の非破壊測定装置。
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 登録
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