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多視点立体ディスプレイ装置 新技術説明会

国内特許コード P07A013081
掲載日 2008年2月8日
出願番号 特願2006-185022
公開番号 特開2008-015121
登録番号 特許第4660769号
出願日 平成18年7月5日(2006.7.5)
公開日 平成20年1月24日(2008.1.24)
登録日 平成23年1月14日(2011.1.14)
発明者
  • 掛谷 英紀
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
発明の名称 多視点立体ディスプレイ装置 新技術説明会
発明の概要

【課題】輻輳調節矛盾を解消する多視点立体ディスプレイの構築法を提案し、それを簡単な構成とするために、新たな光学系の提案を行なう。また、輻輳調節矛盾については、多視点立体映像に重ねて、多層のバックグラウンドエッジを提示する。
【解決手段】画素を表示する表示面と、表示面からの光を入射して概ね平行である平行光線を出射する集光系の複数で形成された集光系アレイと、集光系アレイからの平行光線を入射して、観察者の両眼のそれぞれに出射する大口径集光系と、とを備え、大口径集光系は、大口径集光系と観察者との間の結像面上に結像させる。また、表示面あるいは結像面の近傍に、画像表示面またはエッジパターン表示面を複数設けて、表示面の画像またはエッジパターン表示面のエッジパターンの全てが観察者から見えるようにすることで、輻輳調節矛盾を解消する。
【選択図】図11

従来技術、競合技術の概要


立体ディスプレイ装置は、より実物に近い表示ができることから、展示用の表示の他に、コンピュータゲーム、訓練用シミュレータ、装置の遠隔操作の表示装置、などに用いられており、さらにその応用分野は拡大している。しかし、立体ディスプレイ装置を長時間使用すると、通常の平面ディスプレイ装置によるものとは異なる疲労が残ることが知られている。



空間上のある点を凝視した際における、目線の向き(輻輳:近くのものを見るときに寄り目になる動き)、左右の目に映る像のずれの量(両眼視差)、水晶体の厚さ(焦点距離)の3つによって立体が知覚されていることが知られている。例えば、メガネを使用する方式の立体ディスプレイでは、偏光フィルタや液晶シャッターなどを用いて左右の目それぞれに異なる画像を入力することにより、両眼視差と輻輳角の提示を実現している。しかし、これらの立体表示方式では、輻輳と焦点調節との間に生理的矛盾が生じるという問題があり、この立体視特有の目の疲労は、両眼の輻輳角と各眼の焦点調節の間に生じる輻輳調節矛盾によるところが大きいと言われている。この問題を解決する目的で、既に多くの手法が提案されている。



そのひとつは光線再現型解決法であり、その代表例として、ホログラムがある。しかし、ホログラムでは、処理すべき情報が膨大であるため、電子ディスプレイでこれを実現するのは現時点では困難である。また、電子的に細かな光線再現を実現する方法として、超多眼方式が知られている(非特許文献1,2)。ただし、この方式でも用意すべきデータの量は非常に多く、実現するためには、画像の解像度(画素数)を犠牲にせざるをえない。



処理すべき情報量を抑えた上で輻輳調節矛盾を解決する方法として、シリンダーレンズと高周波パターンを組み合わせる方法が提案されている(非特許文献3)。この方法は、必要なデータ数の増加は大幅に減らすことが可能であるが、元画像に高周波パターンを重畳することから、それによる画質の低下は避けられない。



一方、映像を高速に回転させたり、複数枚のスクリーンを重ねたりすることにより、ボリュームディスプレイを実現する方式もいくつか提案されている(非特許文献4、5、6)。これらの方式では、対応する奥行きに光源が置かれるので、輻輳調節矛盾は生じない。しかし、ボリュームディスプレイの場合、一般に物体間の隠蔽関係(occlusion ; オクルージョン)や光沢を表現することができないという問題が生じる。また、ボリューム表示を実現するためには、当然映像空間のボリューム情報が必要となる。実世界に対して実時間での正確な3次元計測は困難であり、実写をボリュームディスプレイに表示するのは一般には難しい。



以上の問題を全て同時に解決する手法として、本発明の発明者らはエッジ領域のみをボリュームディスプレイで表示し、フラット領域(エッジ以外の領域)をステレオ方式で表示する立体映像表示方法を提案している(非特許文献7)。しかし、この方法はボリューム表示に多数のモノクロ液晶を並べて表示するため、装置はある程度高価とならざるをえない。また、フラット領域をステレオ式で表示するための多視点立体ディスプレイをいかにコンパクトかつ安価に構築するかの問題も残る。




【非特許文献1】梶木善裕,吉川浩,本田捷夫, 集束化光源列(FLA)による超多眼式立体ディスプレイ,3次元画像コンファレンス1996 講演論文集,pp.108-113, 1996.

【非特許文献2】高木康博, 64眼式三次元カラーディスプレイとコンピューター合成した三次元物体の表示 ,3次元画像コンファレンス2002講演論文集, pp. 85-88, 2002.

【非特許文献3】掛谷英紀, 阿久津剛, 輻輳調節矛盾がない立体映像提示を安価に実現する方法, 3次元画像コンファレンス2004講演論文集, pp. 9-12, 2004.

【非特許文献4】S. Suyama, M. Date, H. Takada, Three-dimensional Display System with Dual-Frequency Liquid-Crystal Varifocal Lens,Jpn.J. April. Phys., 39, pp. 480-484, 2000.

【非特許文献5】Actuality System, Perspecta Spacial 3D, http://www.actuality-systems.com/

【非特許文献6】A. Sullivan, LightSpace Technologies, Inc., DepthCube solid state 3D volumetric display ,Stereoscopic Display and Virtual Reality Systems XI, SPIE Vol.5291, pp. 279-284, 2004.

【非特許文献7】R. Yasui, I Matsuda, H Kakeya, Combining volumetric edge display and multiview display for expression of natural 3D images, SPIE proceeding Volume 6055: Stereoscopic Displays and Virtual Reality Systems XIII, pp. 0Y1・0Y9, 2006.

【非特許文献8】大越孝敬, 三次元画像工学, 朝倉書店, 1991.

【非特許文献9】T. Hattori, T. Igarashi, K. Shimamoto, A. Sawaki, T. Ishiguchi, H. Kobayashi, Advanced autostereoscopic display for G-7 pilot project, SPIE proceedings Volume 3639: Stereoscopic Displays and Virtual Reality Systems VI, pp.66-75,1999.




【特許文献1】特開2005-165236号公報

産業上の利用分野


この発明は、同時に複数人が固有視点からの立体像を見ることが出来、また、立体視特有の目の疲労を感じずに観賞でき、しかも簡単な構造をもった多視点立体ディスプレイに関している。

特許請求の範囲 【請求項1】
画素を表示する表示面と、
前記表示面からの光を入射して平行光線を出射する集光系の複数が前記の表示面に沿って隣接して形成された集光系アレイと、
前記の集光系アレイからの平行光線を入射して、観察者の両眼のそれぞれに向かって出射する大口径集光系と、
上記表示面と上記観察者とを結ぶ線上で、上記観察者から見て上記集光系アレイよりも遠方にあって上記表示面の前または後の位置に設けた複数の表示面、あるいは、上記表示面と上記観察者とを結ぶ線上で、上記大口径集光系と上記観察者の間にあって上記大口径集光系の結像面の前または後の位置に設けた複数の表示面と、備え、
上記集光系から出射される平行光線は、上記集光系アレイと上記大口径集光系との間では結像せず、上記大口径集光系と上記観察者の間で結像する範囲にある平行光線であり、
前記の大口径集光系は、上記大口径集光系と前記の観察者との間の結像面上に結像することを特徴とする多視点立体ディスプレイ装置。

【請求項2】
上記の集光系アレイは、凸レンズアレイであることを特徴とする請求項1に記載の多視点立体ディスプレイ装置。

【請求項3】
上記の集光系アレイは、複数のレンズを組み合わせた集光系のアレイであることを特徴とする請求項1に記載の多視点立体ディスプレイ装置。

【請求項4】
上記の大口径集光系は、凸レンズであることを特徴とする請求項1に記載の多視点立体ディスプレイ装置。

【請求項5】
上記の大口径集光系は、複数のレンズあるいはミラーを組み合わせた集光系であることを特徴とする請求項1に記載の多視点立体ディスプレイ装置。

【請求項6】
上記の表示面と前記の複数の表示面とを用いて3次元画像情報を表示し、
前記の複数の表示面には、上記の表示面に表示される画像の奥行き位置に対応した画像を表示するものであって、
上記の表示面の画像とさらに設けた複数の表示面の全てが上記の観察者から見える構成を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の多視点立体ディスプレイ装置。

【請求項7】
上記表示面と観察者を結ぶ線上で、上記観察者から見て上記集光系アレイよりも遠方にあって上記の表示面の前または後の位置に、あるいは、上記表示面と上記観察者とを結ぶ線上で、上記大口径集光系と上記観察者の間にあって上記大口径集光系の結像面の前または後の位置に、上記の表示面に表示される画像のエッジパターンを表示するエッジパターン表示面を複数設けて、上記の画像の奥行き位置に対応したエッジパターン表示面にあらかじめ決められた細かなエッジパターンを表示するものであって、
上記の表示面の画像と上記のエッジパターン表示面のエッジパターンの全てが上記の観察者から見える構成を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の多視点立体ディスプレイ装置。
産業区分
  • 光学装置
  • 写真映画
  • テレビ
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006185022thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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