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高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法

国内特許コード P07A013083
整理番号 12813
掲載日 2008年2月15日
出願番号 特願2006-085976
公開番号 特開2007-263613
登録番号 特許第4533980号
出願日 平成18年3月27日(2006.3.27)
公開日 平成19年10月11日(2007.10.11)
登録日 平成22年6月25日(2010.6.25)
発明者
  • 青嶋 厚
  • 藤原 孝治
  • 新原 盛弘
  • 小林 秀和
出願人
  • 独立行政法人 日本原子力研究開発機構
発明の名称 高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法
発明の概要

【課題】ガラス固化体中の廃棄物濃度を45~55wt%まで高め、従来のガラス原料を用いても均質で且つ長期間にわたって化学的に安定なガラス固化体を得ることができ、またガラス固化体の発熱を抑制し、貯蔵・地層処分のコストダウンを図る。
【解決手段】高レベル放射性廃液10をガラス溶融炉12に供給する経路の途中に、高レベル放射性廃液から固体のモリブデン酸塩及びイオンとして溶解しているモリブデンを順次分離するモリブデン除去ユニット14、次いで発熱元素でありイオンとして溶解しているセシウム及びストロンチウムを分離する発熱元素除去ユニット16を配置し、高レベル放射性廃液からモリブデン及びセシウム、ストロンチウムを供給経路内での一連の工程で分離除去処理した後の廃液をガラス溶融炉に供給することで、ガラス原料との混合・溶融固化処理により廃棄物濃度45~55wt%の高減容ガラス固化体にする。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


再処理工場で使用済核燃料を再処理する過程では高レベル放射性廃液が発生する。この高レベル放射性廃液は、濃縮した後、ガラス溶融炉へ供給し、ガラス原料と混合して溶融することで固化処理される。得られたガラス固化体は、貯蔵により短寿命核種の減衰を行った後、地層処分されることになる。



このような地層処分を行う際には、ガラス固化体は、均質で且つ長期間にわたって化学的に安定でなければならない。このため、従来技術では、廃棄物量に対するガラス原料の割合を多くすることで安定化を図っている。ガラス原料の割合を低くして廃棄物含有量を多くすると、ガラスに対する溶解度が低く(3~4wt%)、溶解度を超えると水溶性の化合物として析出する高放射性廃液中のモリブデンが、ガラス中に析出するためである。そこで具体的には、廃棄物濃度を30wt%以下に制限し、固化ガラスによる廃棄物閉じ込め性能を保持する必要があった。しかし、ガラス固化体中の廃棄物濃度が低いと、ガラス固化体の発生本数が多くなって貯蔵・地層処分のコストアップとなる問題が生じる。



このような問題を解決できる技術として、高レベル放射性廃液からMo(モリブデン)及びZr(ジルコニウム)を主成分とする沈殿物を除去した後、ガラス溶融炉に供給するガラス固化処理方法が提案されている(特許文献1参照)。これは、高レベル放射性廃液中の沈殿物の主成分がMoとZrであることに着目し、固化処理前に沈殿物(モリブデン酸ジルコニウム)を分離除去するものである。しかし、ガラス固化処理前に単に沈殿物を分離除去しただけではイエローフェーズと呼ばれる水溶性の析出物が固化ガラス中に析出する現象を防止することはできず、そのため沈殿物の除去操作のみならず、使用するガラス原料の組成を特定し従来のガラス原料とは異なる組成にしなければならない。そのために、使用実績がありデータが豊富な従来から用いられてきたガラス原料が使用できないという問題がある。しかも、固化処理前に沈殿物(モリブデン酸ジルコニウム)を分離除去し、ガラス組成を変更しても、ガラス固化体中の廃棄物濃度は45wt%までにとどまっている。



更に、ガラス固化体は、その発熱量が約0.35kw以下となるまで冷却しながら貯蔵し、その後、地層処分することになるが、廃棄物濃度を高めると発熱量も上昇するため、貯蔵時の冷却や貯蔵期問の長期化に伴うコストが増加するという問題が生じる。

【特許文献1】特開平8-233993号公報

産業上の利用分野


本発明は、使用済燃料の再処理工程で発生する高レベル放射性廃液をガラス溶融炉へ供給しガラス固化処理する方法に関し、更に詳しく述べると、高レベル放射性廃液に含まれているモリブデン及びセシウム、ストロンチウムを供給経路内での一連の工程で分離除去処理してガラス溶融炉に供給することにより、安定な高減容ガラス固化体を得ることができるようにする高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
高レベル放射性廃液をガラス溶融炉に供給する経路の途中に、高レベル放射性廃液から固体として存在するモリブデン酸塩及びイオンとして溶解しているモリブデンを順次分離するモリブデン除去ユニット、次いで発熱元素でありイオンとして溶解しているセシウム及びストロンチウムを分離する発熱元素除去ユニットを配置し、高レベル放射性廃液からモリブデン及びセシウム、ストロンチウムを供給経路内での一連の工程で分離除去処理し、それらが含まれていない廃液をガラス溶融炉に供給することで、ガラス原料との混合・溶融固化処理により廃棄物濃度45~55wt%の高減容ガラス固化体にすることを特徴とする高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法。

【請求項2】
前記モリブデン除去ユニットは、上流側に位置し固体として存在するモリブデン酸塩を沈殿除去する沈降分離器と、下流側に位置しイオンとして溶解しているモリブデンを析出除去する電解析出器とを具備し、前記発熱元素除去ユニットは、セシウム吸着カラムとストロンチウム吸着カラムを具備している請求項1記載の高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法。

【請求項3】
前記発熱元素除去ユニットは、主にランタノイド及びアクチノイドを析出させる脱硝器と、その析出物を分離する濾過器と、セシウム吸着カラム及びストロンチウム吸着カラムと、廃液の濃度調整を行う組成調整槽からなり、前記濾過器による堆積物を組成調整槽に戻すようにした請求項2記載の高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法。

【請求項4】
セシウム吸着カラムは吸着材にフェリフェライトを使用したカラムであり、ストロンチウム吸着カラムは吸着材にA型ゼオライトを使用したカラムである請求項2又は3記載の高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法。
産業区分
  • 原子力
  • 放射性物質処理
画像

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JP2006085976thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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