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パルス中性子非弾性散乱実験の高効率測定方法

国内特許コード P07A013088
整理番号 12856
掲載日 2008年2月15日
出願番号 特願2006-131238
公開番号 特開2007-303909
登録番号 特許第5105342号
出願日 平成18年5月10日(2006.5.10)
公開日 平成19年11月22日(2007.11.22)
登録日 平成24年10月12日(2012.10.12)
発明者
  • 新井 正敏
  • 中村 充孝
  • 梶本 亮一
  • 中島 健次
出願人
  • 独立行政法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 パルス中性子非弾性散乱実験の高効率測定方法
発明の概要

【課題】
通常の単一エネルギーのみを使用するパルス中性子非弾性散乱測定では、使用したいエネルギーのパルス時間幅とチョッパーの開口時間幅をほぼ等しくなるように調節することで最適な実験条件を実現させてきたが、複数の入射エネルギーを使用するRRM法においては、チョッパーの開口時間幅が常に一定になってしまうため、パルス中性子の有する複数の入射エネルギーで同時に最適な実験条件を実現させることができなかった。
【解決手段】
スリットパッケージを構成する中性子吸収材の両面に中性子スーパーミラーを貼付することにより、透過できなかった中性子ビームをミラーによる反射で透過させ、実効的なチョッパー開口時間幅の中性子エネルギー依存性を、中性子源におけるパルス時間幅の中性子エネルギー依存性に、広いエネルギー範囲に亘って近付けようとするものである。
【選択図】 図5

従来技術、競合技術の概要


パルス中性子非弾性散乱測定で用いられるフェルミチョッパーは、磁気ベアリングによりローターを真空中に浮上させ、600Hzもの高速回転が実現されており、そのローターには中性子透過窓に相当するスリットパッケージが装填される。最も代表的なスリットパッケージは図1に示したもので、中性子透過材1としてAl、中性子吸収材2としてBやGdが用いられている。



パルス中性子源におけるチョッパーの役割は、従来、それを高速回転させ、その透過窓を通して中性子ビームを透過することにより、中性子源での中性子発生時刻とチョッパーでの中性子透過時刻を同期させ、単一エネルギーの中性子ビームを取り出すことである。図2からわかるように、チョッパーの中性子透過窓を、利用したい中性子エネルギーの速度に見合った時間だけ中性子発生時刻から遅らせて開けることにより、望みの単一エネルギーの中性子ビームが得られる。試料により散乱された中性子は、中性子発生時刻を基点とした時間の現象として、飛行時間法により計測される。試料内部で中性子との間にエネルギーのやり取りが生じた場合、中性子の速度は変化するので、計測される時刻に変化が生じ、そのことから試料内のエネルギー状態についての知見が得られる。これがチョッパーを利用したパルス中性子非弾性散乱測定の原理である。



一般に、少量の試料で高精度のパルス中性子非弾性散乱測定を行うことは中性子ビームの強度不足の点で困難であった。パルス中性子非弾性散乱測定の効率を上げる工夫として、複数の入射中性子エネルギーをチョッパーにより選択して、複数の非弾性散乱測定を同時に行う手法(Repetition Rate Multiplication法、以後RRM法と呼ぶ)が提案されている(非特許文献1)。図3にRRM法によるパルス中性子非弾性散乱測定の距離-飛行時間相関図を示す。



図3には、パルス中性子ビームが40ミリ秒毎に発生し、それに含まれる複数のエネルギーを有する複数の入射中性子ビームをチョッパーを使用して選択して取り出し、それぞれが異なった入射エネルギーを持つ複数の中性子ビームとして試料に照射した場合の各入射中性子ビームに関する飛行時間と飛行距離との関係が示されている。



中性子ビームが中性子源から実験装置に到達するまでには、かなりの強度ロスが生じてしまうが、このロスをできるだけ低減するため、中性子ビームの全反射を用いた輸送デバイスとして中性子ミラーが利用される。材質としてNiを用いた中性子ミラーの臨界角は、1.73×λ[mrad]で表わされる。ここで、λは中性子の波長であり、単位はオングストロームである。具体的には1オングストロームの波長を持つ中性子は、1.73[mrad]以下の角度で入射したとき全反射を受ける。近年ではNi/Ti多層膜をミラーの材質として使用した高性能の中性子スーパーミラーが作製されており、Niミラーのm倍の臨界角という意味でmQcという指標でその性能を表わしている。すなわち、mQcの中性子スーパーミラーの臨界角は1.73×m×λ[mrad]となる。

【非特許文献1】F. Mezei, Journal of Neutron Research, 6(1997) 3.

産業上の利用分野


本発明は、パルス中性子源における中性子非弾性散乱実験の測定効率を大きく向上させる方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数の入射中性子エネルギーをフェルミチョッパーにより選択して、複数の非弾性散乱測定を同時に行うパルス中性子源における中性子非弾性散乱測定方法において、
Ni/Ti多層膜を成膜してなる中性子スーパーミラーを両面に設けた中性子吸収材と中性子透過材とを交互に積層してなるスリットパッケージを中性子透過窓としてローターに装填したフェルミチョッパーを用いることを特徴とする中性子非弾性散乱測定方法。

【請求項2】
回転する前記スリットパッケージの下端から、中性子ビームを入射させ、
当該中性子ビームを、前記中性子スーパーミラーで反射させて前記スリットパッケージの上端から複数の入射エネルギーを有する中性子ビームとして取り出し、
前記フェルミチョッパーの実効的な開口時間幅を、複数の入射エネルギーに亘って変化させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
産業区分
  • 原子力
  • 原子力
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006131238thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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