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使用済酸化物燃料の乾式再処理方法

国内特許コード P07A013090
整理番号 12843
掲載日 2008年2月15日
出願番号 特願2006-131830
公開番号 特開2007-303932
登録番号 特許第4487031号
出願日 平成18年5月10日(2006.5.10)
公開日 平成19年11月22日(2007.11.22)
登録日 平成22年4月9日(2010.4.9)
発明者
  • 水口 浩司
  • 福嶋 峰夫
  • 明珍 宗孝
出願人
  • 独立行政法人 日本原子力研究開発機構
発明の名称 使用済酸化物燃料の乾式再処理方法
発明の概要

【課題】燃料溶解に先立って予め脱被覆を行う必要が無く、工程を簡素化でき、溶解速度が速く、高レベル廃棄物発生量を大幅に削減できるようにする。
【解決手段】使用済酸化物燃料を溶媒に溶解させ、電解によってウラン・プルトニウム混合酸化物を回収する使用済酸化物燃料の乾式再処理方法である。この方法では、金属被覆管内に酸化物燃料が充填されている使用済燃料ピンを機械的に破砕する破砕工程と、燃料ピン破砕片を、溶媒として用いるモリブデン酸溶融塩もしくはタングステン酸溶融塩に投入して不活性ガス雰囲気下で燃料成分の溶解を行うことにより、燃料溶解と同時にハル分離を行うハル分離・燃料溶解工程と、前記溶媒に溶解した燃料成分に酸化処理を施す酸化工程と、酸化処理後の溶媒に電解処理を施すことによってウラン・プルトニウム混合酸化物を陰極上に析出・回収する電解工程とを備えている。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


現在、商業用原子炉では酸化物燃料が使用されているために、使用済核燃料の再処理方法としては、酸化物燃料が処理でき且つウラン及びプルトニウムを混合酸化物として回収できる方法が必要とされている。この目的のために、酸化物電解による乾式再処理法が開発されている。



従来方法では、使用済酸化物燃料を溶解させる溶媒としてNaCl-2CsClの組成を有する塩を使用している。この塩を650℃程度に加熱して溶融させ、そこに使用済酸化物燃料を供給して溶解させ、電解によってウラン及びプルトニウムの混合酸化物を回収する。ここで、使用済酸化物燃料をNaCl-2CsCl溶融塩に溶解させる際には、塩素ガスを用いている。



例えば非特許文献1には、「塩サイクル法」として、「酸化物燃料はCl2 -HClガスが吹き込まれている塩化物混合溶融塩中に溶解され、溶解したウランとプルトニウムは500ないし700℃における陰極電着により酸化物として回収される。」と記述されている。



しかし、この溶解反応は、気体である塩素ガスと固体の使用済酸化物燃料との間で生じる気固反応であるため、溶解が遅く溶解に長時間を要し(溶解に4~6時間かかる)経済性が悪い欠点がある。また、腐食性の高い塩素ガスを用いるため、処理装置の構成材料が腐食される問題もある。



このような問題を解決できる方法として、本発明者らは先に、溶媒として加熱溶融したモリブデン酸塩又はタングステン酸塩を用い、該溶媒に溶融助剤を添加すると共に酸素含有ガスを吹き込みながら使用済酸化物燃料を溶解させ、電解によってウラン・プルトニウム混合酸化物を回収する方法を開発した(特願2005-200590参照)。そのフローを図3に示す。



この方法は、前記のような従来技術の欠点を解消できるものの、解決すべき幾つかの問題が残っている。その一つは、燃料溶解に先立って、予め被覆管から使用済酸化物燃料を取り出す脱被覆工程が必要なことである。商業用原子炉で使用されている燃料ピンは、ステンレス鋼やジルカロイなどからなる被覆管内に酸化物燃料を充填した構造であり、そのため燃料溶解に先立って燃料ピンを機械的に破砕(例えば、せん断)し、被覆管片から酸化物燃料を分離する(脱被覆する)必要がある。しかし、現在の脱被覆技術では、被覆管に燃料成分が多く残留・付着するため、高い燃料回収率を得るためにはハル洗浄工程等を追加する必要があり、工程の複雑化とコスト増大を招いている。



また、この方法は、燃料溶解の際に、反応の遅い酸化反応を伴うため、溶解速度が比較的遅くなる問題がある。更に、使用済酸化物燃料に含まれている高発熱体で高レベル廃棄物の要因であるCsが溶媒(溶融塩)に溶け込むため、大量の溶媒が高レベル廃棄物となる問題もある。

【非特許文献1】「燃料再処理と放射性廃棄物管理の化学工学」原子力化学工学第4分冊 Manson Benedict 他著、清瀬量平訳、昭和58年12月、日刊工業新聞社発行、p.16

産業上の利用分野


本発明は、原子炉で生成する使用済酸化物燃料からウラン及びプルトニウムを酸化物として回収する方法に関し、更に詳しく述べると、燃料ピン破砕片を溶媒であるモリブデン酸溶融塩もしくはタングステン酸溶融塩に投入し、不活性ガス雰囲気下で燃料成分の溶解を行うことにより、予め脱被覆処理を行うことなく、ハル(被覆管片など)分離と燃料溶解を同時に行うようにした使用済酸化物燃料の乾式再処理方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
使用済酸化物燃料を溶媒に溶解させ、電解によってウラン・プルトニウム混合酸化物を析出・回収する使用済酸化物燃料の乾式再処理方法において、
金属被覆管内に酸化物燃料が充填されている使用済燃料ピンを機械的に破砕する破砕工程と、燃料ピン破砕片を、溶媒として用いるモリブデン酸溶融塩もしくはタングステン酸溶融塩に投入して不活性ガス雰囲気下で燃料成分の溶解を行うことにより、燃料溶解と同時にハル分離を行うハル分離・燃料溶解工程と、前記溶媒に溶解した燃料成分に酸化処理を施す酸化工程と、酸化処理後の溶媒に電解処理を施すことによってウラン・プルトニウム混合酸化物を陰極上に析出・回収する電解工程とを備えていることを特徴とする使用済酸化物燃料の乾式再処理方法。
産業区分
  • 原子力
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2006131830thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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