TOP > 国内特許検索 > 導電性沈殿物を抜き出すための炉内構造物を有するガラス溶融炉及びこれを用いた高レベル放射性廃液のガラス固化処理方法

導電性沈殿物を抜き出すための炉内構造物を有するガラス溶融炉及びこれを用いた高レベル放射性廃液のガラス固化処理方法

国内特許コード P07A013092
整理番号 12850
掲載日 2008年2月15日
出願番号 特願2006-133814
公開番号 特開2007-302525
登録番号 特許第4496356号
出願日 平成18年5月12日(2006.5.12)
公開日 平成19年11月22日(2007.11.22)
登録日 平成22年4月23日(2010.4.23)
発明者
  • 捧 賢一
出願人
  • 日本原子力研究開発機構
発明の名称 導電性沈殿物を抜き出すための炉内構造物を有するガラス溶融炉及びこれを用いた高レベル放射性廃液のガラス固化処理方法
発明の概要 【課題】ガラス溶融炉の炉底部に導電性沈殿物が堆積するのを防止して、導電性沈殿物に起因する種々の問題点を解消する。
【解決手段】溶融槽4内に、略円錐状または角錐状でその先端及び底面に開口部を有する中空の炉内構造物8を、その先端を下向きにして流下ノズル12の上方に配置することにより、流下ノズル12の上方位置に、溶融ガラスの流路として、炉内構造物8の内部及び先端開口部8bを通って流下ノズル12に至る第1流路と、炉内構造物8の外周面と炉底傾斜面6との間隙を通って流下ノズル12に至る第2流路とをそれぞれ形成する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要 【背景技術】従来より、高レベル放射性廃液等の廃棄物の処理方法として、廃棄物をガラス原料とともにガラス溶融炉の溶融槽に投入して混合・溶融し、その溶融物をステンレス製の容器に注入して固化処理する方法が知られている。このガラス固化処理に用いるガラス溶融炉としては、その溶融槽の壁の材料に、金属を用いるガラス溶融炉と、耐火レンガを用いるガラス溶融炉が挙げられる。また、ガラスの加熱方法を加味すると、表1の方式に大別でき、各々長所、短所を持ったものとなっている。概して、金属溶融槽は大型化には不向きであり、商業規模で利用する場合には耐火レンガ溶融槽が向いている。また、耐火レンガ溶融槽は、金属溶融槽と比較して寿命が長いという利点を有している。しかしながら、耐火レンガ溶融槽の寿命を担保するためには、直接通電に影響を及ぼす導電性沈殿物を抜き出す工夫が必要とされる。
【表1】
高レベル放射性廃液中には白金族元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム)が含まれているが、これらは比重の大きい導電性沈殿物として沈降することが知られている(例えば、特許文献1参照)。耐火レンガ溶融槽においては、溶融ガラスに直接電流を流すことにより生じるジュール熱を利用して加熱しているため、それら導電性沈殿物が溶融槽から抜き出されずに炉底部に堆積してゆくと、やがて電極にまで到達して電気的な短絡を招いてしまう虞がある。図9および図10は、従来のガラス溶融炉の底部電極付近を示すもので、図中符号2は炉本体、6は炉底傾斜面、7は底部電極、11は流下孔、13はくず受け、Zは耐火レンガ片、Yは導電性沈殿物である。これら図面に示すように、溶融ガラスの流れは、溶融炉の中心軸付近で最も流速が大きく、炉底傾斜面6に近づくにつれて流速が小さくなる。したがって、炉底傾斜面6の導電性沈殿物Yを上記溶融ガラスの流れ方向に押し出す力F(導電性沈殿物Yに働く力)も、溶融炉の中心軸付近と比べて小さくなる。溶融ガラスは導電性沈殿物を多く含有することにより粘性が高くなって流動性が低下するため、炉底部に導電性沈殿物が堆積すると、溶融炉から溶融ガラスを流し出し難くなる。さらに堆積が進むと、流下ノズルの流下孔11が閉塞し、溶融ガラスの流下(流し出し)に支障をきたす懸念もある。また、日本型LFCMの場合、流下ノズルの閉塞に至らなくても、導電性沈殿物の堆積が炉底部からその周囲に拡がることにより、溶融ガラスに電流を流すための主たる電極間(主電極間)及び溶融ガラスを流下する際に炉底部の溶融ガラスに電流を流すために補助的に用いる電極間(補助電極間)に電気的な短絡経路が形成され、溶融ガラスの加熱に支障をきたしガラス溶融炉の安全な運転が妨げられるほか、該主電極が局所的に浸食されるためガラス溶融炉の寿命(耐用年数)が短くなる。このため、導電性沈殿物の堆積については、(1)導電性沈殿物を溶融ガラス中の溶解させて堆積することを防止する方法、(2)導電性沈殿物を溶融ガラス中に分散させて堆積することを防止する方法、または堆積した導電性沈殿物を再び溶融ガラス中に分散させる方法、(3)炉底部を冷却することにより溶融ガラスの粘性を高くして導電性沈殿物の堆積を抑制する方法、(4)炉底部の傾斜面が滑らかに流下ノズル開口部に連続するような構造としたり、炉底稜線部の目地を無くして滑らかにすることにより導電性沈殿物を流し出し易くする方法、(5)上記(3)の方法とは対照的に炉底部を特に加熱することにより溶融ガラスの粘性を低くして流動性を高くすることにより堆積した導電性沈殿物を流し出す方法、(6)電極の形状を変えることにより堆積した導電性沈殿物が電気的な短絡経路を形成することを抑制する方法、(7)導電性沈殿物の堆積を検出する方法、(8)堆積した導電性沈殿物により閉塞した流路を回復させる方法など、種々の対策が検討されている。 しかしながら、いずれの対策によっても十分な効果を期待することは難しく、導電性沈殿物の影響を大幅に改善することは困難な状況であった。
【特許文献1】特開2003-286031号公報
産業上の利用分野 本発明は、高レベル放射性廃液等の廃棄物をガラス固化する際に用いるガラス溶融炉に係るもので、特に、二酸化ルテニウム(RuO2 )、金属ロジウム(Rh)及び金属パラジウム(Pd)を主成分とする導電性沈殿物を溶融ガラスとともに抜き出すための炉内構造物を有するガラス溶融炉及びこれを用いた高レベル放射性廃液のガラス固化処理方法に関するものである。
特許請求の範囲 【請求項1】 下端に流下ノズルが設けられ、この流下ノズルに向けて内径が漸次狭まるよう傾斜する炉底部を有する溶融槽と、該溶融槽内の被溶融物に接触し得る状態で配置された少なくとも一対の電極とを備え、該電極間に電圧を印加して上記溶融槽内の被溶融物に電流を流すことにより、上記被溶融物を発熱・溶融させて溶融ガラスとするガラス溶融炉において、 上記溶融槽内に、略円錐状または角錐状でその先端及び底面に開口部を有する中空の炉内構造物を、その先端を下向きにして上記流下ノズルの上方に配置することにより、上記流下ノズルの上方位置に、上記溶融ガラスの流路として、上記炉内構造物の内部及び先端開口部を通って上記流下ノズルに至る第1流路と、上記炉内構造物の外周面と上記炉底部の傾斜面との間隙を通って上記流下ノズルに至る第2流路とをそれぞれ形成し、上記溶融ガラスに含まれる導電性沈殿物を上記炉内構造物内の上記第1流路に集める構成としたことを特徴とするガラス溶融炉。
【請求項2】 上記第2流路に溶融ガラスが流れる際にベルヌーイの定理により上記炉内構造物の先端開口部において圧力低下が生じるのを利用して、上記炉内構造物内の導電性沈殿物を上記炉内構造物の先端開口部から吸い出す構成としたことを特徴とする請求項1に記載のガラス溶融炉。
【請求項3】 上記一対の電極には、水平方向に対向する状態で上記溶融槽の壁部に配置された一対の主電極を含み、 上記炉内構造物は、その側壁の外側から内側に60度以上の傾斜角度で斜め下方に向かって貫通する複数の貫通孔を有し、それら貫通孔の側壁外側の開口が上記主電極の下端位置よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス溶融炉。
【請求項4】 上記炉内構造物の内部には、その先端の開口部よりも大きい固形物による当該開口部の閉塞を防止するための紡錘状の閉塞防止用くず受けが配設されていることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載のガラス溶融炉。
【請求項5】 上記炉内構造物の上方には、当該炉内構造物の外周面と上記炉底部の傾斜面との間隙に固形物または導電性沈殿物が落下して流入するのを阻止するための庇状構造物が配設されていることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載のガラス溶融炉。
【請求項6】 請求項1~5の何れかに記載のガラス溶融炉を用いたガラス固化処理方法であって、上記溶融槽内に高レベル放射性廃液とガラス原料とを投入して両者を混合・溶融し、その溶融物を上記流下ノズルから所定の容器に注入して固化させることを特徴とする高レベル放射性廃液のガラス固化処理方法。
産業区分
  • 窯業
  • 原子力
  • 加熱冷却
  • 放射性物質処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記問合せ先にご相談下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close