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希土類金属の抽出剤と抽出方法

国内特許コード P07A013093
整理番号 12837
掲載日 2008年2月15日
出願番号 特願2006-157842
公開番号 特開2007-327085
登録番号 特許第5035788号
出願日 平成18年6月6日(2006.6.6)
公開日 平成19年12月20日(2007.12.20)
登録日 平成24年7月13日(2012.7.13)
発明者
  • 長縄 弘親
  • 須郷 由美
  • 下条 晃司郎
  • 三田村 久吉
出願人
  • 独立行政法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 希土類金属の抽出剤と抽出方法
発明の概要

【課題】環境負荷を最小限に抑えつつ、希土類金属を効果的に抽出・分離できる抽出剤およびそれらを用いた抽出方法として、水への溶解度が非常に小さく、完全焼却処分が可能であるとともに、既存のリン系化合物(PC88A 、D2EHPA)に匹敵する、優れた抽出能と選択的分離能を有し、合成コストの低い、新規抽出剤を提供し、これらを用いた抽出方法を提供する。
【解決手段】次式:
【化1】

で表されるジグリコールアミド酸の骨格を持つ CHON型抽出剤(炭素、水素、酸素、窒素のみから構成され、完全焼却処分が可能な抽出剤)であって、水への溶解度が極端に小さい抽出剤(たとえば、ジオクチルジグリコールアミド酸(DODGAA))をもって、希土類金属の抽出・分離に使用する。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


希土類金属と呼ばれる元素群(ランタノイド系列)は、物理的、化学的性質が互いに似通っていることから相互分離が困難で、また、高価な金属であり、とくにわが国は希土類金属の資源に乏しいことから、その回収・再利用が求められている。



工業的な希土類金属の抽出・分離には、従来、主に溶媒抽出法(液-液分配法)が用いられてきている。その際の抽出剤としては、従来よりさまざまなものが用いられており、現在では、希土類金属の抽出剤として主にリン系の化合物が利用されている。例えば、ホスホン酸エステルである 2-エチルヘキシル-2-エチルヘキシル-ホスホン酸 [2-ethylhexyl-2-ethylhexyl-phosphonic acid] やその類似体であるビス(2-エチルヘキシル)リン酸 [bis(2-ethylhexyl)phosphoric acid] が最も効果的な抽出剤としてよく知られている。これらの抽出剤は、希土類金属に対する抽出能、選択的分離能が非常に優れている。しかし、その反面、抽出剤自身の水への溶解が少なくないこと、劣化した抽出剤を完全焼却できず腐食性残渣を残してしまうことなどの問題点がある。



一方、リン系以外の抽出剤としては、カルボン酸系の抽出剤が注目されている。例えば、2-メチル-2-エチル-1-ヘプタン酸:ネオデカン酸 [2-methyl-2-ethyl-1-heptanoic acid:neodecanoic acid] が実用化されている。このものは、ホスホン酸エステルやリン酸エステルといったリン系抽出剤と比較すれば水への溶解度が低く、かつ炭素、水素、酸素のみから構成される化合物なので、残渣を残すことなく完全焼却処分が可能である。しかし一方で、中性以上の高pH条件下でしか抽出が起こらず、リン系抽出剤と比べれば抽出能が著しく劣る。また、選択的分離能もリン系抽出剤には到底及ばない。



また、高硝酸濃度の高レベル放射性廃液中からの超ウラン元素の抽出を目的として、ジグリコールアミド(以下 DGA と省略する)の骨格(>N-CO-CH2-O-CH2-CO-N<)を有する抽出剤である N,N,N',N'-テトラオクチル-3-オキサペンタン-1,5-ジアミド:テトラオクチルジグリコールアミド [N,N,N',N'-tetraoctyl-3-oxapentane-1,5-diamde:tetraoctyldiglycolamide] (以下 TODGA と省略する)が開発されている(非特許文献1記載)。この TODGA は、強酸性条件(pH=0以下)において、超ウラン元素に限らず希土類金属も抽出できることが確認されている。ただ、この TODGA の場合には、抽出のために pH=0以下の強酸性条件を必要とするため、このための設備、プロセスとその管理の負担が大きく、実際的ではないという問題点がある。

【非特許文献1】館盛勝一、日本原子力学会誌、42巻、1124-1129(2000年)

産業上の利用分野


本願発明は、環境への負荷を最小限に抑え、希土類金属を効果的に抽出・分離することができる新規抽出剤とこれを用いた抽出方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
pH1~3の範囲の条件下において希土類金属を抽出する抽出剤であって、
無極性アルカン系有機溶媒に次式
【化学式1】



(R1およびR2は、各々、同一または別異のアルキル基を示し、少なくともいずれか一方は炭素数6以上のアルキル基であることを示す。なお、アルキル基は直鎖でも分鎖でも良い。)
で表されるジグリコールアミド酸が溶解している溶液であることを特徴とする希土類金属の抽出剤。

【請求項2】
無極性アルカン系有機溶媒が、ヘキサンであることを特徴とする請求項1に記載の希土類金属の抽出剤。

【請求項3】
pH1~3の範囲に調整した抽出すべき希土類金属を含む水溶液を抽出剤に接触させて希土類金属を抽出剤に抽出した後、抽出剤を分液し、次いで分液した抽出剤を前記水溶液よりも酸濃度の高い水溶液に接触させて希土類金属を水溶液に逆抽出する希土類金属の抽出方法であって、
前記抽出剤は、無極性アルカン系有機溶媒に次式
【化学式2】



(R1およびR2は、各々、同一または別異のアルキル基を示し、少なくともいずれか一方は炭素数6以上のアルキル基であることを示す。なお、アルキル基は直鎖でも分鎖でも良い。)
で表されるジグリコールアミド酸が溶解している溶液であることを特徴とする希土類金属の抽出方法。

【請求項4】
前記抽出剤の無極性アルカン系有機溶媒が、ヘキサンであることを特徴とする請求項3に記載の希土類金属の抽出方法。
産業区分
  • 冶金、熱処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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