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逆ミセル抽出系において逆ミセルサイズを制御する方法 新技術説明会

国内特許コード P07A013097
整理番号 12851
掲載日 2008年2月15日
出願番号 特願2006-164769
公開番号 特開2007-330874
登録番号 特許第5382563号
出願日 平成18年6月14日(2006.6.14)
公開日 平成19年12月27日(2007.12.27)
登録日 平成25年10月11日(2013.10.11)
発明者
  • 長縄 弘親
  • 下条 晃司郎
出願人
  • 独立行政法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 逆ミセル抽出系において逆ミセルサイズを制御する方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】 抽出・分離機能を付加した逆ミセルを液-液抽出に利用すると、水相中の低濃度の目的物質を選択的に抽出媒体相中の逆ミセルナノ反応場に抽出・濃集した後、ナノ粒子化などの化学反応にあずからせることができる。しかしながら、このような2液相系では、逆ミセルのサイズ制御に大きな難があった。たとえば、金属の抽出率を大きく保ったまま、逆ミセルのサイズを小さくすることはできなかった。
【解決手段】 分子性配位子の持つ逆ミセル内核水相を縮小させる効果を利用すると、添加する分子性配位子の濃度を変化させるだけで、逆ミセルのサイズ制御が可能になる。この方法では、金属に対する大きな抽出能を持ちながら、逆ミセルサイズを小さくできる。しかも、水相には何も足さないので、水相を排出する際、脱酸処理などを要しない。さらに、界面活性剤も分子性配位子もほとんど水相に溶出しないため、抽出媒体相を繰り返し利用することができる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


逆ミセルは、不活性媒体(アルカン、超臨界流体二酸化炭素など)中で生成する界面活性剤の集合体であり、多くの場合、その内側には内核水相と呼ばれるナノメーターサイズの微小水滴を有する。別の言い方をすると、逆ミセルとは、界面活性剤の形成する単分子膜に覆われたナノ水滴である。このようなナノ反応場を利用して、たとえば、金属のナノ粒子を製造する方法がある。逆ミセルを用いるナノ粒子製造法には、大量生産が可能、生成するナノ粒子の均質性が高い、種々の化学反応を利用して多様な形態の粒子を製造できる、粒子の表面を修飾できるなど、いくつかの利点がある。具体的には、高濃度の金属イオンを含む水溶液を界面活性剤を含む溶媒に微量注入する方法(微量注入法)によって、高濃度の金属イオンを含む逆ミセルを生成させた後、還元剤などを作用させてナノ粒子を生成させる方法が一般的である(例えば、非特許文献1)。



一方、液-液分配(2液相分配)によって水相中の金属イオンを抽出溶媒相に抽出した後、還元剤などを作用させてナノ粒子を製造する方法(液-液分配法)がある(例えば、非特許文献2及び3)。液-液分配法には、目的物質の抽出とそのナノ粒子化を同じ媒体相で行うことができるという利点がある。液-液分配法を逆ミセルと組み合わせて用いることもできる。すなわち、逆ミセルに抽出・分離機能を付加し、液-液分配を利用して逆ミセル中に目的とする物質を選択的に抽出・濃集した後、ナノ粒子化を行う方法である。この方法を利用すれば、低濃度でしか目的物質(ナノ粒子化したい物質)を含まず且つ不純物も多い水溶液(たとえば廃水など)からであっても、高品質なナノ粒子を効率的に製造することが可能になると期待できる。しかしながら、水相と平衡にある抽出媒体相中で生成する逆ミセルを利用する場合、上記のような利点がある一方で、微量注入法のように自在に逆ミセルのサイズを変えられない、という欠点があった。微量注入法では、界面活性剤の濃度や注入する水溶液の体積を変えることにより、容易に逆ミセルのサイズを変化させることができる。一方、液-液分配法では、界面活性剤の濃度を変えても逆ミセルの数が変化するのみで逆ミセルそのもののサイズは変化しない。



また、2液相系の抽出媒体相で生成する逆ミセルの内核水相の大きさは、抽出媒体相での水の活量(自由水の濃度に対応する量)に依存するが、液-液平衡にある抽出媒体相は常に水相中の水と同じ活量の水によって飽和されているため、水相での水の活量がそのまま抽出媒体相での水の活量に相当することになる。たとえば、逆ミセルサイズを小さくするには抽出媒体相での水の活量を下げる必要があり、そのためには水相に大量の電解質(自由水を束縛する物質)を添加しなければならない。しかしながら、大量の電解質を加えると金属イオンの抽出率が著しく減少するため、高濃度の金属イオンを含む逆ミセルを作成することができなくなる(例えば、非特許文献4)。すなわち、従来の液-液分配法では、サイズの小さい逆ミセルに高濃度の金属イオンを導入することは不可能であった。また、廃水などに対する適用を考えるのならば、大量の電解質を加えなければならないことは、実用面において大きなマイナスである。以上のように、2液相系では逆ミセルのサイズの制御に大きな難があった。【非特許文献1】小泉光恵ら、ナノ粒子の製造・評価・応用・機器の最新技術、(株)シーエムシー出版(2002年)【非特許文献2】M. Brustら、Journal of Chemical Society, Chemical Communications、801-802(1994年)【非特許文献3】近藤和生ら、Solvent Extraction Research and Development, Japan、7巻、176-184(2000年)【非特許文献4】鈴木英哉ら、Solvent Extraction and Ion Exchange、21巻、527-546(2003年)

産業上の利用分野


本発明は、ナノテクノロジーに関する発明であり、特に、本発明は、水と抽出媒体(有機溶媒など)の2液相系の抽出媒体相中で生成する逆ミセルのサイズを制御する方法を提案するものであり、たとえば、低濃度の金属イオンを水溶液中から逆ミセルに抽出・濃集してからナノ粒子化する際、生成するナノ粒子の粒径コントロールに利用できる。

特許請求の範囲 【請求項1】
水と抽出媒体からなる2液相抽出系である逆ミセル抽出系に、電気的に中性な分子性配位子を添加して、抽出媒体中の逆ミセルのサイズを小さくする方法。
【請求項2】
前記分子性配位子は、抽出目的物質に対して配位子として作用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分子性配位子は、1個ないしは複数個の同一又は別異の官能基を有し、逆ミセルを含む2液相系で逆ミセル内に強く保持され、水相にほとんど溶出しない化合物である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記分子性配位子は、N,N’-ジオクチル-N,N’-ジメチル-2-(3’-オキサペンタデシル)プロパン-1,3-ジアミドである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記分子性配位子の添加量が多いほど、抽出媒体中の逆ミセルのサイズが小さくなる、請求項1に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006164769thum.jpg
出願権利状態 登録
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