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発光寿命測定装置およびその測定方法

国内特許コード P07P005522
整理番号 P2006-026/L18-H54
掲載日 2008年2月22日
出願番号 特願2006-203816
公開番号 特開2008-032440
登録番号 特許第4792580号
出願日 平成18年7月26日(2006.7.26)
公開日 平成20年2月14日(2008.2.14)
登録日 平成23年8月5日(2011.8.5)
発明者
  • 太田 信廣
  • 中林 孝和
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 発光寿命測定装置およびその測定方法
発明の概要

【課題】細胞活性度等の変化を反映した発光特性のわずかな変化を高感度かつ定量的にその場測定することができる発光寿命測定装置およびその測定方法を提供すること。
【解決手段】発光寿命測定装置は、パルス励起光を発するパルスレーザー光源部と、パルス励起光を試料に照射し、試料から放出される発光を出力する測定用光学系と、時間ゲート法によって、試料の複数地点における発光寿命の値およびその空間分布を取得する発光寿命分布画像取得手段と、時間相関単一光子計数法によって、前記試料の特定地点における発光減衰曲線を測定する発光減衰曲線測定手段とを備える構成を採る。発光寿命測定装置は、時間ゲート法により試料の特定領域内の各地点における発光寿命を測定することで発光寿命分布画像を作成し、次いで時間相関単一光子計数法により試料の特定地点における発光寿命を定量的に測定する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


細胞の特定箇所や細胞内のタンパク質などを発光分子により標識し、顕微鏡を用いてその発光強度を観察する方法は、細胞生物学や分子生物学などにおいて必須の技術となっている。



細胞内に位置する発光分子の発光特性は、発光分子の周囲の環境によって変化することが知られている。このとき、発光特性は、イオン濃度やpHなどの細胞内の生理学的なパラメーターのみではなく、発光分子とタンパク質や水などとの相互作用によっても変化する。したがって、細胞内に位置する発光分子の発光強度の変化を測定することにより、その細胞の細胞内の微視的な変化を検出することができる。例えば、非特許文献1では、蛍光タンパク質カメレオンの発光強度の変化を測定することにより、細胞内のカルシウムイオンの濃度変化を検出している。



細胞内の生理学的パラメーターおよび分子間相互作用は、細胞分裂や細胞死などの進行、光刺激や外来刺激などの種々の外来刺激による影響、および細胞の活性度など(以下「細胞活性度等」という)と相関があると考えられている。したがって、細胞内に位置する発光分子の発光強度を測定することにより、細胞活性度等を測定することができる可能性がある。



ところで、発光強度ではなく発光寿命を測定する方法として、蛍光寿命画像顕微法(Fluorescence Lifetime Imaging Microscopy:以下「FLIM」と略記する)が知られている(非特許文献2参照)。FLIMで発光寿命を算出するとき、時間ゲート法または時間相関単一光子計数法のいずれかが用いられることが多い。時間ゲート法は、迅速かつ簡便に発光寿命を算出することができるが、多成分の減衰や立ち上がり成分が存在すると、大きく異なった発光寿命を算出してしまうという問題点がある。一方、時間相関単一光子計数法は、正確な発光寿命を算出することができるが、測定時間が長くなるという問題点がある。

【非特許文献1】T. Nagai, S. Yamada, T. Tominaga, M. Ichikawa and A. Miyawaki, "Expanded dynamic range of fluorescent indicators for CA2+" Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101(29), 10554-10559.

【非特許文献2】H. Wallrabe, A. Periasamy, "Imaging protein molecules using FRET and FLIM microscopy" Curr. Opin. Biotechnol. 16(1), 19-27.

産業上の利用分野


本発明は、発光寿命測定装置およびその測定方法に関し、特に細胞内の微視的な環境変化を反映した発光寿命のわずかな変化を高感度かつ定量的に検出することができる発光寿命測定装置およびその測定方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
パルス励起光を出射するパルスレーザー光源部と、
前記パルスレーザー光源部から出射された前記パルス励起光の一部を検出してトリガー信号を生成し、前記トリガー信号を出力する励起光検出手段と、
前記パルスレーザー光源部から出射された前記パルス励起光の他の一部を試料に照射し、前記試料から放出される発光を出力する測定用光学系と、
前記トリガー信号を入力してから複数の時間帯において前記発光の光子数を計測することで発光寿命を算出する時間ゲート法によって、前記試料の複数地点における発光寿命の値およびその空間分布を取得する発光寿命分布画像取得手段と、
前記トリガー信号を入力してから前記発光の光子を検出するまでの時間、または前記発光の光子を検出してから前記トリガー信号を入力するまでの時間を測定することで発光減衰曲線を測定する時間相関単一光子計数法によって、前記試料の特定地点における発光減衰曲線を測定する発光減衰曲線測定手段と、
を有する発光寿命測定装置。

【請求項2】
前記発光寿命分布画像取得手段は、前記試料の複数地点における発光寿命の値およびその空間分布を経時的に取得する、請求項1記載の発光寿命測定装置。

【請求項3】
前記パルス励起光はフェムト秒パルスレーザー光である、請求項1記載の発光寿命測定装置。

【請求項4】
前記測定用光学系は共焦点レーザー走査型顕微鏡である、請求項1記載の発光寿命測定装置。

【請求項5】
前記発光減衰曲線測定手段は、さらに、前記試料の特定地点における時間分解蛍光スペクトルを測定する、請求項1記載の発光寿命測定装置。

【請求項6】
前記試料は細胞である、請求項1記載の発光寿命測定装置。

【請求項7】
前記試料は高分子薄膜である、請求項1記載の発光寿命測定装置。

【請求項8】
光源からパルス励起光を出射させるステップと、
前記パルス励起光の一部を検出して、トリガー信号を生成するステップと、
前記パルス励起光の他の一部を試料に照射して、前記試料から発光を放出させるステップと、
前記トリガー信号を入力してから複数の時間帯において前記発光の光子数を計測することで発光寿命を算出する時間ゲート法によって、前記試料の複数地点における発光寿命の値およびその空間分布を取得するステップと、
取得した空間分布から発光減衰曲線を測定する地点を特定するステップと、
前記トリガー信号を入力してから前記発光の光子を検出するまでの時間、または前記発光の光子を検出してから前記トリガー信号を入力するまでの時間を測定することで発光減衰曲線を測定する時間相関単一光子計数法によって、前記試料の特定された地点における発光減衰曲線を測定するステップと、
を有する発光寿命測定方法。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006203816thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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