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胸腺腫合併重症筋無力症の診断方法

国内特許コード P07A013161
整理番号 KUTLO-2006-018
掲載日 2008年3月10日
出願番号 特願2006-211045
公開番号 特開2008-039472
登録番号 特許第4734647号
出願日 平成18年8月2日(2006.8.2)
公開日 平成20年2月21日(2008.2.21)
登録日 平成23年5月13日(2011.5.13)
発明者
  • 吉川 弘明
  • 岩佐 和夫
  • 山田 正仁
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 胸腺腫合併重症筋無力症の診断方法
発明の概要

【課題】胸腺腫合併MGの免疫学的特徴を解明し、MG患者における胸腺腫合併の有無を簡便かつ早期に診断する方法を提供すること。
【解決手段】被験者から単離した末梢血中における、IL-12p40及び/又は抗IL-12p40抗体のレベルを指標として、当該被験者の重症筋無力症と胸腺腫の合併の有無を検査する。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


重症筋無力症(Myasthenia Gravis:MG)とは、狭義には神経伝達物質であるアセチルコリンの筋肉側受容体(ニコチン性アセチルコリン受容体)に抗アセチルコリン受容体抗体が結合することで、アセチルコリンによる神経・筋伝達が阻害され、筋肉の易疲労性や脱力が起こる自己免疫疾患である。



MGの検査方法としては、テンシロンテスト、誘発筋電図検査、血液検査が使用されている。一般には、抗アセチルコリン受容体抗体陽性であり、テンシロンテストで陽性であることがMG診断の一応の目安となるが、アセチルコリン受容体抗体陰性の重症筋無力症というものも存在する。実際、抗アセチルコリン受容体抗体はMG患者の約80%に検出されるが、眼瞼に限局した眼筋型では約50%にしか検出されない。



MGには胸腺異常が高率で合併し、患者の約70%に胸腺の細胞成分が増加して胚中心を形成する「過形成」が、約20%に腫瘍である胸腺腫が見られる。胸腺腫は比較的早期に診断されれば、遠隔転移や隣接臓器への浸潤を防いで、外科的に胸腺を全摘出することで根治が期待されるが、その時期を逃すと予後が悪くなり、化学療法、放射線療法を併用してもその治療が困難となる。



一方、胸腺腫発症例の中には、種々の神経細胞成分に対する自己抗体(抗神経抗体)を伴って、多彩な神経症状が出現する例が知られており、その一つの症状として神経筋接合部シナプス後膜上のアセチルコリン受容体を標的とした自己免疫疾患であるMGがある。胸腺腫を伴ったMGは、他のMGとは免疫学的な背景が異なると言われていたが、その根拠は臨床的に他の自己免疫性神経疾患を合併しやすいことなどで、はっきりした病態としての理由に乏しかった。



これまで、後期発症MG患者、胸腺腫患者、及び胸腺腫合併MG患者の血清中にインターフェロンαやインターロイキン12(特に、IL-12p70)に対する自己抗体が存在することが報告されている(非特許文献1~3参照)。しかしながら、胸腺腫合併MG患者と胸腺腫非合併MG患者について、その免疫学的特徴を比較した報告はなく、両者を区別する有用なマーカーについても知られていなかった。




【非特許文献1】Buckley C., Willcox N., et al., (2001) “Do titin and cytokine antibodies in MG patients predict thymoma or thymoma recurrence?” Neurology 57, p1579-1582.

【非特許文献2】Meager A., Willcox N., et al., (2003) “Anti-cytokine autoantibodies in autoimmunity: preponderance of neutralizing autoantibodies against interferon-alpha, interferon-omega and interleukin-12 in patients with thymoma and/or myasthenia gravis” Clin Exp Immunol. Apr, 132(1), p128-36

【非特許文献3】Shiono H., Willcox N., et al., (2003) “Spontaneous production of anti-IFN- and anti-IL-12 autoantibodies by thymoma cells from myasthenia gravis patients suggests autoimmunization in the tumor International” Immunology, Vol. 15, No. 8, p903-913.

産業上の利用分野


本発明は、胸腺腫合併重症筋無力症の診断方法に関する。より詳細には、重症筋無力症と胸腺腫の合併の有無を、被験者の末梢血を用いて非侵襲的に診断する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被験者から単離した末梢血中における、IL-12p40及び/又は抗IL-12p40抗体のレベルを指標として、当該被験者の重症筋無力症と胸腺腫の合併の有無を検査する方法。

【請求項2】
前記IL-12p40及び/又は抗IL-12p40抗体の量が健常人に比較して有意に高い場合に、前記被験者は胸腺腫を合併した重症筋無力症である可能性が高いと評価することを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記IL-12p40及び/又は抗IL-12p40抗体に加えて、抗IL-12p70抗体、抗アセチルコリン受容体抗体、及び抗リアノジン受容体抗体から選ばれる1又は2以上のレベルをさらに指標とすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
前記IL-12p40レベル及び/又は抗IL-12p40抗体のレベルと、前記抗IL-12p70抗体、抗アセチルコリン受容体抗体、及び抗リアノジン受容体抗体から選ばれる1又は2以上のレベルがともに健常人に比較して有意に高い場合に、前記被験者は胸腺腫を合併した重症筋無力症である可能性が高いと評価することを特徴とする、請求項3に記載の方法

【請求項5】
前記IL-12p40、抗IL-12p40抗体、抗IL-12p70抗体、抗アセチルコリン受容体抗体、及び抗リアノジン受容体抗体のレベルが免疫学的方法によって測定されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。

【請求項6】
前記免疫学的方法が、免疫沈降法、ならびにウェスタンブロット法、ドットブロット法、スロットブロット法、ELISA法、及びRIA法を含む固相免疫法あるいはこれらの変法から選ばれるいずれかの方法である、請求項5に記載の方法。

【請求項7】
重症筋無力症又は胸腺腫の検査用キットであって、IL-12p40あるいはその断片、及び/又は抗IL-12p40抗体を含み、被験者の重症筋無力症と胸腺腫の合併の有無を検査できることを特徴とする前記キット。

【請求項8】
さらに、IL-12p70あるいはその断片、アセチルコリン受容体あるいはその断片、及びリアノジン受容体あるいはその断片から選らばれる1又は2以上を含むことを特徴とする請求項7に記載のキット。
産業区分
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 権利存続中
(有)金沢大学ティ・エル・オーは、金沢大学の研究者の出願特許を産業界へ技術移転することを主目的として、金沢大学の教官の出資により設立された技術移転機関です。
ご興味のある方は、下記「問合せ先」へ整理番号と共にご連絡願います。
なお、既に活用のお申し込み・お打合わせ等の段階に入っている場合もございますので、予めご承知おきください。


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