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医学教育用腹部診察シミュレータ

国内特許コード P07A013256
整理番号 NUBIC-2006000008
掲載日 2008年3月14日
出願番号 特願2006-114556
公開番号 特開2007-286416
登録番号 特許第5257726号
出願日 平成18年4月18日(2006.4.18)
公開日 平成19年11月1日(2007.11.1)
登録日 平成25年5月2日(2013.5.2)
発明者
  • 荒川 素行
  • 矢久保 修嗣
  • 木下 優子
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 医学教育用腹部診察シミュレータ
発明の概要

【課題】漢方医学の腹診訓練に用いる新規な漢方医学用腹部検診模型及び新規な漢方医学用腹部診察シュミレータの提供。
【解決手段】漢方医学の腹診の際に病状が発現れている部位を、「剣状突起上部付近から臍下約30cmまでの腹部の状態が異なる平均の人体」とし、腹部に診られる腹証を、(1)胸脇苦満(きょうきょうくまん)、(2) 腹皮攣急(ふくひれんきゅう)、(3)心下痞鞭(しんかひこう)、(4)小腹硬満(しょうふくこうまん)、(5)小腹不仁(しょうふくふじん)、(6)心下部振水音皮とし、(イ)人工皮革、(ロ)パイル生地、(ハ)木綿生地、ジャージ、(ニ)ポリウレタン又は天然ゴム、(ホ)可塑性ポリエステル系樹脂及び(ヘ)中綿により構成した漢方医学用腹部検診模型とし、
これに圧力センサーのデータ処理手段を設置した漢方医学用腹部診察シュミレータ。
【選択図】図9

従来技術、競合技術の概要


医療教育過程の臨床教育内容の充実及び高度な医療に取り組むために医師の訓練及び再訓練が積極的に行われている。この訓練では、訓練或いは再訓練される医師が実際の患者により診察をさせるということはできない。そこで、人体モデルなどのモデルによって、診察の仕方を会得することが必要となり、そのための人体モデルが開発されている。



血流などの状態を実感するためには、以下の人体モデルが既に開発されている。
米国特許第3662076号明細書では、疾患に伴う心拍音を同期して発生する音響装置を有しする人体モデルを提供している。十分な配慮がなされて完成されたものと考えられるが、人体モデルが的確に人体の状態を表わしていないこと、装置が大きく、複雑であり、実用的でないとされる。
特開昭63-38978号は、正常及び異常両方の種々の心臓血管の状態、これらに関連した生理学的状態の臨床に用いられる訓練装置である。同じく、十分な配慮がなされて完成されたものと考えられるが、人体モデルが複雑な人体の状態を的確に表わしていないとされる。
特許2990602号は、表面にスキン層を設けた発泡体からなる生体検診用模型において、チューブ内に空気を供給する脈動動作装置を備えた生体検診用模型である。同じく、十分な配慮がなされて完成されたものと考えられるが、人体モデルが複雑な人体の状態を的確に表わしていないとされる。
上記の人体モデルでは血流などに着目して、血流に影響を与える諸因子を調べ、相互の関係を調べ、それらに基づいて人体の血流の状態を再構成して、再構成される状態から診断行為の訓練が行われることとなる。複雑な人体について、血流に影響を与える諸因子を調べ、相互の関係を調べ、それらに基づいて人体の血流の状態を再構成することは、困難なことであり、限界が生ずることはやむをえないことである。



診断では、聴診、触診、視診等の診断が採用されるが、これらについても人体モデルの開発が進められている。この場合においても、診断の研修に患者の診察を行うことは、前記同様に不可能である。以下の特許が知られている。
触診の際の前記人体モデルに加えられる前記触診手技の圧迫力を測定する触診訓練用装置も開発されている(特許第3725887号)。
この発明では、人体モデルは健常な状態にあるのか、病気の状態にあるのかということの区別はなされておらず、専ら、この発明では医師がどの程度の力で診察時に患者を押すかということを把握しようとするものである。この装置を用いて研修する医師は健康な人の場合の人体モデルにより、患者に対してどの程度の力で押すかを知ることができるにすぎない。



漢方医学では、患者から身体所見を得ることが重視される。臨床では、この所見を得ることが基本となる。漢方医学では、日本で独自に発達してきた腹部の触診である「腹診」が行われる。腹診は、患者の腹部を医師が触診し、腹証という腹部所見を得る方法である。医師は腹証の所見から漢方医学的病態解析、治療すべき漢方薬剤を決定する。漢方医学では現代医学とは相違して、全身状態としての虚、実を診ること、特定の腹証を把握することで生薬や処方の決定の指針となる(非特許文献1から3)。
これに対して、現代医学では腹部内蔵臓器の形状や腫瘍などを触診、筋性防御、圧痛点の反応を確かめ、この結果ら更に医用機器を用いて観察し、病巣の部分を特定し、病名が定まり、対処方針が決定される。
このように漢方医学と現代医学では触診の内容及び触診を行うことの目的そのものが相違する。



漢方医学で腹診を行う際には、患者を仰臥位にし、下肢は伸展し、両手も身体の両側で伸展させ、腹部に力が加わらないように十分にリラックスさせるようにする。下肢を伸展させることで患者の腹部には緊張が生じる。
この腹部を医師の手指により軽くあるいは強く圧迫し、このとき捉えられる医師に伝わる手の感覚や、患者の圧迫に対する反応などにより、腹証という独特の腹部所見を得ることができる。腹診では患者の病状により示される腹部の状態であり、仮に人体モデルを作製しようとするのであれば、これを如何にして再現するかということが重要となる。



漢方医学の腹診の所見を得る腹診訓練のための人体モデルを作成することの重要性は理解されつつあるようであるが、複雑な病状に応じて、その状態を感知するための漢方医学診療用腹部診察模型を作成し、この人体モデルをどのように作製すればよいのかということさえ、把握されておらず、この分野ではこれらの点については、手付かずの状態にあった。
又、人体モデルにより、その腹診の操作について何らかの手段で適切に行われていることを示すことができれば、それを用いて腹部の触診時に加えられる適切な力及び患者から伝わる手の感覚、患者の圧迫に対する反応を把握できるであろうし、その結果を何らかの手段で出力することにより、付加される圧力測定装置及び漢方医学診療用腹部診察シミュレータを完成することができると考えられる。
このようなことから、漢方医学の腹診の人体モデルを作製すること及び腹診の操作が適切に行われていることを示す漢方医学診療用腹部診察模型の開発が切望されている

産業上の利用分野


本発明は、漢方医学診療用腹部診察模型、付加される圧力に応じて出力する圧力センサー又は付加される特定の範囲にある圧力に応じて出力する圧力センサーが設けられている漢方医学診療用腹部診察模型、付加される圧力測定装置を備える漢方医学診療用腹部診察模型及び漢方医学診療用腹部診察シミュレータ関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
漢方医学の腹証の症状が胸脇苦満(きょうきょうくまん)であることを感得するための漢方医学診療の症状を感得する腹部診察模型は、右側或いは左側の季肋部に重圧感があることを患者が自覚し、医師がこの部位にある抵抗を蝕知し、医師が肋骨弓下内側に指をいれることにより、患者の痛みや重圧感を感じ、鈍痛や圧迫感を伴い抵抗圧痛を感じさせるものであり、最表面の表皮は塩化ビニルやポリエステルのシートからなる人工皮革により全体が覆われており、表皮の内部には、パイル生地からなる皮下組織、木綿生地又はジャージからなる腹膜や筋膜、ポリウレタン又は天然ゴム(ラテックス)からなる筋組織、可塑性があるポリエステル系樹脂からなる肋骨、及び中綿をつめられて形成される腹腔内臓器とから構成されてなり、左右の季肋部を押したときに感得される抵抗が、抵抗を感得させる部位に一致させて、表層からパイル生地、天然ゴム,ポリウレタン綿,ポリウレタンの多層構造が形成されており、胸脇苦満の症状を感得することができることを特徴とする漢方医学診療用腹部診察模型。

【請求項2】
漢方医学の腹証の症状が腹皮攣急(ふくひれんきゅう)であることを感得するための漢方医学診療用の症状を感得する腹部診察模型は、患者の腹直筋の部位に見られる筋緊張について医師が皮下を蝕知することにより、過度の緊張状態にあることを感得し、交感神経の過緊張の蓄積や身体の虚弱、疲労の兆候を感知するために用いられものであり、最表面の表皮は塩化ビニルやポリエステルのシートからなる人工皮革により全体を覆われており、表皮の内部には、パイル生地からなる皮下組織、木綿生地又はジャージからなる腹膜及び筋膜があり、前記筋膜は天然ゴム(ラテックス)により被覆されており、ポリウレタン又は天然ゴムにより形成した腹直筋の部位である筋緊張を表現するために、可塑性のあるポリエステル系樹脂により再現している肋骨、中綿により再現している腹腔内臓器により形成されており、腹皮攣急の症状を感得することができることを特徴とする漢方医学診療用腹部診察模型。

【請求項3】
漢方医学の腹証の症状である心下痞鞭(しんかひこう)であることを感得するための漢方医学診療用の症状を感得する腹部診察模型は、心窩(か)部につかえ感の存在を患者が自覚し、医師がこの部位に存在する抵抗感を触知し、この部分を圧迫することによる患者が圧痛を訴えることを感得するためのものであり、最表面の表皮は塩化ビニルやポリエステルのシートからなる人工皮革により全体が覆われており、表皮の内部には、パイル生地にポリエステルを併せて使用しているパイル生地からなる皮下組織、及び皮下の抵抗部位に一致させて、心窩(か)部にあるつかえ感である抵抗感を、ポリエステルを使用して感得でき、木綿生地、ジャージにより再現する腹膜及び筋膜、ポリウレタン又は天然ゴムにより再現する筋組織、可塑性のあるポリエステル系樹脂により再現する肋骨、中綿により再現する腹腔内臓器を有しており、心下痞鞭(しんかひこう)の症状を感得することができることを特徴とする漢方医学診療用腹部診察模型。

【請求項4】
漢方医学の腹証の症状である小腹硬満(しょうふくこうまん)であることを感得するための漢方医学診療用の症状を感得する腹部診察模型は、患者の下腹部に見られる馬蹄形の膨隆で、被験者がこの部分に抵抗を蝕知し、回盲部、S字結腸部を医師の指頭により圧迫すると、患者が圧痛を訴えことを感得するためのものであり、最表面の表皮は塩化ビニルやポリエステルのシートからなる人工皮革により全体が覆われており、表皮の内部には、パイル生地からなる皮下組織、木綿生地又はジャージからなる腹膜や筋膜、ポリウレタン又は天然ゴム(ラテックス)からなる筋組織、可塑性があるポリエステル系樹脂による肋骨、及び中綿をつめて形成される腹腔内臓器からなり、下腹部に見られる馬蹄形の抵抗を表現するため皮下の抵抗の部位に一致させて硬めなポリエステルシートを用いて皮下組織であるパイル生地にポリエステルシートを併せて使用している、小腹硬満の症状を感得することができることを特徴とする漢方医学診療用腹部診察模型。

【請求項5】
漢方医学に用いられる腹証の症状である小腹不仁(しょうふくふじん)であることを感得するための漢方医学診療用の症状を感得する腹部診察模型は、患者が下腹部の知覚低下を感じ、患者の下腹部正中で験者がこの部分を圧迫して、抵抗の減弱を蝕知できることを感得し、五臓の考え方による病態解析から加齢性変化による腎虚の所見を得るためのものあり、最表面の表皮は塩化ビニルやポリエステルのシートからなる人工皮革により全体が覆われており、表皮の内部には、パイル生地からなる皮下組織、木綿生地又はジャージからなる腹膜や筋膜、ポリウレタン又は天然ゴム(ラテックス)からなる筋組織、可塑性のあるポリエステル系樹脂による肋骨、中綿をつめて形成される腹腔内臓器から構成されてなり、下腹部正中部において、下腹部の抵抗を表現するために柔らかい中綿を使用しており、小腹不仁(しょうふくふじん)の症状を感得することができることを特徴とする漢方医学診療用腹部診察模型。

【請求項6】
漢方医学に用いられる腹証の症状が、心下部振水音の水分が揺れる音を感得して判断するものであり、心下部振水音は患者の心下部を医師の指頭によりスナップをきかせて叩打することにより聴かれる水分の揺れる音を感知し、気血水理論による病態解析から水滞の症状を判断するための所見を得る漢方医学診療用の症状を感得する腹部診察模型であり、最表面の表皮は塩化ビニルやポリエステルのシートからなる人工皮革により全体が覆われており、表皮の内部には、パイル生地からなる皮下組織、木綿生地やジャージからなる腹膜や筋膜、ポリウレタン又は天然ゴム(ラテックス)からなる筋組織、可塑性のあるポリエステル系樹脂に肋骨、中綿をつめて腹腔内臓器から構成され、心下部振水音は、内部の部位に20mlの水を含む100mlのゴム風船が内部に設置され、腹証モデルを適切に叩打することにより、水分の揺れる音を再現するにより、心下部振水音を感得できることを特徴とする漢方医学診療用腹部診察模型。

【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項記載の方医学診療用腹部診察模型に、付加される圧力に応じて出力する圧力センサーが設けられていることを特徴とする漢方医学診療用腹部診察模型

【請求項8】
請求項7記載の漢方医学診療用腹部診察模型による付加される圧力に応じて圧力センサーからの出力を、増幅装置を介して接続されている測定装置に送ることを特徴とする付加される圧力測定装置を備える漢方医学診療用腹部診察模型。

【請求項9】
請求項7記載の漢方医学診療用腹部診察模型に付加される圧力に応じて圧力センサーからの出力を、予め記憶部に記憶されている経験の豊かな医師による漢方医学診療用模型に付加される特定の範囲にある圧力に応じて圧力センサーより出力される模範データである出力と比較して、適切な範囲にあるかどうかを判断し、その結果を出力することを特徴とする漢方医学診療用腹部診察模型に付加される圧力を測定する漢方医学診療用腹部診察シミュレータ。
産業区分
  • 運動娯楽用
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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