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硬質膜の製造方法

国内特許コード P07A013259
整理番号 NUBIC-2006000017
掲載日 2008年3月14日
出願番号 特願2006-149158
公開番号 特開2007-320776
登録番号 特許第5000199号
出願日 平成18年5月30日(2006.5.30)
公開日 平成19年12月13日(2007.12.13)
登録日 平成24年5月25日(2012.5.25)
発明者
  • 西出 利一
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 硬質膜の製造方法
発明の概要

【課題】プラスチック、金属などの表面保護等に有効な硬質膜であって紫外線照射や高温処理を必要としないで高い硬度を持つ硬質膜の製造方法およびこの硬質膜の製造方法に好適に使用できるゾルの提供。
【解決手段】有機酸と無機酸とを含むハフニアおよび/またはジルコニアゾルに、好ましくはゾル中のハフニウムおよび/またはジルコニウム1モルに対して有機酸の存在量が0.1~20モルである前記ゾルを基材に塗付し、相対湿度50~100%の雰囲気下で存置させることによる硬質膜の製造方法、および有機酸と無機酸とを含みハフニウムおよび/またはジルコニウム1モルに対して有機酸の含有量が0.1~20モルであるゾル。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


各種の設備、装置、機械器具等には、表面の傷を防止したり曇り止めなどを目的として、表面に被膜を形成した材料が使用されている。外観の美しさや透明性を必要とされる材料の表面は擦過傷などの小さな傷でも問題とされるため、ハードコート材で被覆することが多い。また、ガラスの曇り止めなどには撥水性の被覆材が使用されている場合も多い。特に、プラスチック材料のように表面が比較的やわらかい材料には表面被覆は多用されている。このような表面被覆材としては、金属酸化物薄膜が多用されている。金属酸化物薄膜として、例えば硬度を要求される表面被覆材としてはシリカ膜、チタニア膜、ジルコニア膜、ハフニア膜などが、撥水性の表面被覆材としてはハフニア膜、ジルコニア膜またはイットリア膜が、光触媒機能の表面被覆材としてはチタニア膜または酸化ニオブ膜などが、高誘電性の表面被覆材としては酸化ニオブ膜または酸化タンタル膜などが知られている。特に、最近はアナターゼ結晶を持つチタニアが光触媒としての作用を持つことが知られて注目されている。また、機能性の薄膜としては、金属酸化物薄膜以外にもダイアモンド薄膜などもよく知られている。



これらの薄膜の製造方法としては、乾式法として蒸着法、スパッタ法、CVD法などが知られており、湿式法として電析法、ゾル-ゲル法などがある。一般に、乾式法は大掛かりな製膜設備を必要とするが、湿式法、特にゾル-ゲル法は複雑な設備を必要とせず、比較的簡単に薄膜を形成することができる。ゾル-ゲル法では、金属化合物をエタノールや水などの溶媒に溶解して、加水分解し金属酸化物ゾルを作製する。得られたゾルを基材表面に塗布し、ゲル膜を作製し、加熱処理や紫外線照射などの処理により硬質膜を形成することができる。



硬度や撥水性に優れたハフニア膜および/またはジルコニア膜の表面被覆膜としての効果は知られているが、まだ、あまり一般的に利用はされていない。ハフニア膜および/またはジルコニア膜の製造方法としては、ゾル-ゲル法の利用がいくつか提案されている。例えば、特許文献1には、「周期表3族、4族および5族から選ばれた少なくとも一種の金属の酸化物ゾルを、低くとも50%相対湿度環境下で基材の表面に塗布し、次いで、前記基材の表面に塗布された前記金属の酸化物ゾルを硬化処理することを特徴とする硬質塗膜の製造方法」が開示されている。周期表4族元素にはハフニウムやジルコニウムが含まれており、この特許文献1には、実施例として具体的にハフニアおよび/またはジルコニアの硬質膜が好適に製造できることが記載されている。しかし、この方法によれば、基材に塗付したゲル膜を硬化させるために紫外線照射や加熱処理が必要とされている。特許文献2には、「ハフニウムおよび/またはジルコニウムを含有する無機化合物ならびにトリアルコキシアルキルシランを含有する溶媒溶液と水と酸とを混合して加熱することを特徴とするハフニアおよび/またはジルコニアならびにアルキルシリカを含有するゾル組成物の製造方法。」が開示されている。そして、このゾルは硬質膜の製造に利用できることが開示されている。この場合も、膜の硬化のためには紫外線照射を行うこととしている。特許文献3には、「ゾル-ゲル法により形成されたところの、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、及びハフニウムより成る群から選択される少なくとも一種の元素の無機化合物を含有するゾル液を、基材上に塗布し、200℃を超えない温度に加熱処理しながら、大きくとも100mJ/cm2の紫外線を照射することを特徴とするハードコート膜形成方法。」が開示されている。特許文献4には、「ハフニアおよび/またはジルコニアとタンニン若しくはウルシオールを構成成分とする天然高分子、及び/又は光硬化性モノマーとを含有するゾルを基材の表面に塗布することを特徴とする硬質塗膜の製造方法」が、開示されている。




【特許文献1】特開2005-54116号公報

【特許文献2】特開2003-183634号公報

【特許文献3】特開2002-187738号公報

【特許文献4】特開2005-52774号公報



上述のように、ハフニアおよび/またはジルコニアの硬質膜をゾル-ゲル法で製造するには基材に塗付したゲル膜を紫外線照射したり、加熱処理したりすることにより硬化させることが必要であった。プラスチックをはじめとする基材の中には、紫外線により分解、変形や変質が起こる場合が多い。また、加熱処理によっても基材の分解、変形や変質が起こったり、溶融や反応が起こったりするおそれがある。

産業上の利用分野


本発明は、硬質膜の製造方法に関し、さらに詳しくはプラスチック、金属などの表面保護等に有効な硬質膜であって、紫外線照射や高温処理を施すことなく高い硬度を持つ硬質膜の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
有機酸と無機酸とハフニアおよび/またはジルコニアとを含むゾル中の、ハフニウムおよび/またはジルコニウム1モルに対する有機酸の含有量が0.1~20モルであるゾルを基材に塗付し、得られた塗布膜を紫外線照射による硬化処理及び加熱による硬化処理をすることなく、相対湿度50~100%の雰囲気下で存置させることにより硬化させる硬質膜の製造方法。

【請求項2】
相対湿度50~100%の雰囲気下で存置させる時間が1~120時間である請求項に記載の硬質膜の製造方法。

【請求項3】
有機酸がギ酸、酢酸およびシュウ酸よりなる群から選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の硬質膜の製造方法。
産業区分
  • 無機化合物
  • 塗料・接着剤
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006149158thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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