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多和音の音名と音高推定手法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P07P005376
整理番号 06046P
掲載日 2008年3月14日
出願番号 特願2006-227773
公開番号 特開2008-052023
登録番号 特許第5011526号
出願日 平成18年8月24日(2006.8.24)
公開日 平成20年3月6日(2008.3.6)
登録日 平成24年6月15日(2012.6.15)
発明者
  • 田所 嘉昭
  • 夏井 雅典
  • 松山 大仁郎
出願人
  • 国立大学法人豊橋技術科学大学
発明の名称 多和音の音名と音高推定手法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】
4和音以上の多和音について各音高を精度良く推定するために、縦続接続くし形フィルタシステムを用い、フィルタ出力の時間波形における振幅の変化や周波数の変化から多和音の音高を推定する手法を提供することである。
【解決手段】
実楽器音の多和音を縦続接続くし形フィルタで処理する時、入出力振幅比だけでなく、入出力周波数比にも注目する。その周波数比の大きな変化点を示すくし形フィルタから、対応する音名が推定され、さらに、そのくし形フィルタの次数を各オクターブに対応するように変化させ、その出力波形の振幅変化か周波数変化からその音のオクターブが推定され、多和音のうちの1音の音高が推定できる。次に、推定した1音に対応するくし形フィルタをフィルタシステムの先頭に移動させる。この操作を繰り返して、すべての音高を推定する。
【選択図】図6
従来技術、競合技術の概要


音楽信号を楽譜に書き起こす処理のことを採譜と呼ぶ。従来、採譜は、音楽に関する知識や経験を持つ専門家にしか行えないものであった。この作業を計算機によって自動的に行う技術が自動採譜である。ここで、自動採譜システムを計算機上に実現するためには、楽音の音の高さ(音高)を推定する処理が必要となる。音楽信号は、基本周波数成分とその整数倍の周波数を有する多数の高調波成分から構成されており、音高推定とは主に基本周波数(ピッチ)を推定する処理のことを指す。



従来技術として、マイクなどの入力装置、あるいはCD再生などによって入力された音響信号を楽譜に直す採譜システム、例えば、ヤマハ社のXGワークスV2.0、USAワイルドキャットキャニオン社のオートスコアなどがある。これらのほとんどは独唱や単独の楽器によって演奏される単音を対象にしたものであり、周波数特性の異なる複数の音源によって構成された和音までを扱うことが可能なものは、いまだ実用化されていない。単音に関する特許文献として、特開平05-108062号公報、特開平05-127668号公報、特開平05-165464号公報、特開平09-072779号公報がある。



一方、これまでの和音を対象とした音高推定のための技術として、和音の採譜に関する特許文献では、特開平04-278544号公報、特開平05-1006602号公報、特開平05-173557号公報、特開2005-202354A号公報がある。しかし、これらに開示されている技術では、10和音などの多和音に対応することは難しい。



また、非特許文献1では、楽音のすべての成分を消去することができるくし形フィルタを使用し、1オクターブにある12音の各音に対応する12個のくし形フィルタを用いることで、何和音でもその各音の音高を推定する方法が提案されている。しかし、使用されている楽音はMIDI音源(電子楽器)に対する多和音の音高推定手法に関するものである。この手法を実楽器音源データ(RWC音楽データベースに収録、非特許文献3を参照)に使用した場合、実楽器のもつ非定常性のため、フィルタの振幅に注目した音高推定は困難になる。



最後に、非特許文献2では、非特許文献1で明らかになった実楽器の非定常性に対応するための音高推定法が提案されている。並列構成くし形フィルタの入出力振幅比を基本にして音高を推定する方法である。しかしながら、和音の数だけのくし形フィルタが接続されることになり、和音数の増加とともに音高を推定する能力は低下する。
【非特許文献1】
三輪、田所、斉藤、「くし形フィルタを利用した採譜のための異楽器音中のピッチ推定」、信学論、Vol.J81-D-II、No.9、pp.1965-1974、1998
【非特許文献2】
森田、山口、田所、「並列構成くし形フィルタの出力値に注目した採譜のための音高推定法」、信学論、Vol.J87D-II、No.12、pp.2271-2279、2004
【非特許文献3】
後藤、橋口、西村、「RWC研究用音楽データベース:音楽ジャンルデータベースと楽器音データベース」、情処研報、2002-MUS-45、pp.19-26、2002

産業上の利用分野


本発明は、楽音を解析し楽譜として出力する採譜システムの実現において、出力波形における振幅の変化や周波数の変化に注目して多和音を対象とした音高推定手法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
音名推定のための処理方法であって、
対象音域の最低オクターブにある12音の各音を消去するくし形フィルタを音名の高い順に並べて縦続接続して初期状態とする第一の工程と、
縦続接続されたくし形フィルタに対象多和音を入力し、前記各くし形フィルタの入出力周波数比の変化を検出する第二の工程と、
前記第二の工程により検出された入出力周波数比の変化が大きく、縦続接続の末尾に近いくし形フィルタを特定する第三の工程と、
前記第三の工程により特定されたくし形フィルタを、縦続接続の先頭に移動させて縦続順序を変更する第四の工程と、
を含み、第三の工程により特定されたくし形フィルタが最初に特定されたくし形フィルタと一致するまで、前記第二の工程から第四の工程を繰り返すことを特徴とする音名推定のための処理方法。

【請求項2】
請求項1に記載の処理方法において、
前記第三の工程により特定されたくし形フィルタについて、該くし形フィルタの次数(遅延数)を半減させる第五の工程と、
前記第五の工程により次数が半減されたくし形フィルタの入出力周波数比の変化または入出力振幅比を検出する第六の工程と、
前記第六の工程により、入出力周波数比の変化が生じないか、または、入出力振幅比が1以上になるまで、前記第五および第六の工程を繰り返すことを特徴とする音高推定のための処理方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006227773thum.jpg
出願権利状態 登録
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