TOP > 国内特許検索 > ガス拡散組成物の製造方法、ガス拡散組成物、及びガス拡散電極、膜電極接合体、並びにこれを用いた電気化学デバイス

ガス拡散組成物の製造方法、ガス拡散組成物、及びガス拡散電極、膜電極接合体、並びにこれを用いた電気化学デバイス UPDATE

国内特許コード P07P005866
整理番号 P06-023
掲載日 2008年3月14日
出願番号 特願2006-229047
公開番号 特開2008-053089
登録番号 特許第5167532号
出願日 平成18年8月25日(2006.8.25)
公開日 平成20年3月6日(2008.3.6)
登録日 平成25年1月11日(2013.1.11)
発明者
  • 渡辺 政廣
  • 宮武 健治
  • 内田 裕之
出願人
  • 国立大学法人山梨大学
発明の名称 ガス拡散組成物の製造方法、ガス拡散組成物、及びガス拡散電極、膜電極接合体、並びにこれを用いた電気化学デバイス UPDATE
発明の概要 【課題】 カーボンブラックに担持した触媒上にイオン伝導性の高分子電解質薄膜が被覆された構造を持ち、触媒の利用率が高く高温でも長期間安定に作動する優れたガス拡散電極とその製造法、およびそれを用いた電気化学デバイスを提供する。
【解決手段】 触媒担持カーボンを高分子化合物で被覆した後に、イオン化剤を用いて該高分子化合物被膜をイオン化する方法で、カーボン担体の細孔に均一に電解質薄膜が被覆された電極触媒層が形成される。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


固体高分子形燃料電池(以下、PEFC)は、水素と酸素の化学反応エネルギーを直接電気エネルギーに変換する電気化学デバイスにひとつであり、温室ガスや有害物質を発生しないクリーンな次世代エネルギー源として有望視されている。PEFCはプロトンのみを透過するイオン交換膜を電解質に用い、燃料に水素、酸化剤に空気中の酸素を供給して次式の化学反応により電気エネルギーを得る。
アノード:H → 2H + 2e
カソード:2H +1/2O + 2e → H



一般に燃料電池の電極構造は、カーボンブラック等のカーボン担体上に白金等の金属触媒微粒子を担持させ、この担体粒子をナフィオン(デュポン社の登録商標)等のイオン伝導性高分子化合物と混合しガス拡散組成物を作成し、このガス拡散組成物を集電体及びイオン交換膜とともに積層し、これらをホットプレスにより一体化することにより、カソード用集電体/カソードガス拡散電極/高分子固体電解質(イオン交換膜)/アノードガス拡散電極/アノード用集電体の5層サンドイッチ構造となっている。



燃料電池の性能を向上させるためには、電極触媒の高性能化が重要課題である。金属触媒担持カーボンは、一般に凝集体を形成しており、これ以上分離することのできない最小の凝集体(以下、一次凝集体という)から成り、かかる一次凝集体には一次凝集体の内部の穴(以下、一次孔(100nm以下の細孔))と一次凝集体間の穴(以下、二次孔(数十nm以上の細孔))が存在する。
これらの細孔中に存在する触媒により、アノード電極、カソード電極において電気化学反応が起こるが、この反応を効率よく行わせるには、ガスを効率よく触媒に供給するとともに、反応により生じたイオンをイオン交換膜に効率よく通過させるガス拡散電極の微細構造制御が必要となる。ここで、ガス拡散電極の触媒微粒子の約80%は一次孔中に存在しており、一次孔の内壁に均一かつ薄膜の電解質薄膜を形成させることが、燃料電池の電極性能を決める重要な要因となる。



従来、触媒担持カーボンを高分子電解質薄膜で被覆する方法としては、高分子電解質化合物と触媒担持カーボンを溶液中で混合する方法、コロイド吸着法、スプレードライ法、スプレーコート法、など様々な方法がある(下記特許文献1から7)。
また、高分子電解質化合物と白金イオンを含むガス拡散組成物をカーボンブラック上に付着させた後に、白金イオンを還元する方法も提案されている(下記特許文献8から10)。しかし、高分子電解質化合物は高極性溶媒(アルコール、アミド系、水等)にのみ溶解するため、溶液中でのイオン解離が起こり分子サイズが大きくなる。この結果、一次孔中へ充分に被覆させることが難しい。このため、上記いずれの方法によっても、全触媒の20%程度しか反応に寄与することができていない。図1(a)は上述した従来方法で作成した場合のガス拡散組成物の様子を模式的に示した図である。図1(a)に示すように一次孔の内壁にはイオン化された高分子(イオン導電性高分子)が被覆されていない。



一次孔への被覆を増やすために、触媒に対して高分子電解質化合物の混合割合を多くするとイオン伝導性の向上が見られ、触媒の利用率は向上する。しかし一方で、気体の拡散性が悪くなってしまうため、高電流密度で燃料電池を運転することができなくなる。
【特許文献1】
特許3275652
【特許文献2】
特開2002-373665
【特許文献3】
米国特許第4185131
【特許文献4】
米国特許第4233181
【特許文献5】
米国特許第3943006
【特許文献6】
米国特許第3259839
【特許文献7】
米国特許第4185131
【特許文献8】
特許3049267
【特許文献9】
特許3395356
【特許文献10】
特開2003-036858

産業上の利用分野


本発明は、ガス拡散組成物の製造方法、ガス拡散組成物に関する。また、上記ガス拡散組成物を含むガス拡散電極、及び上記ガス拡散電極を備えた膜電極接合体、電気化学デバイス(電流の通過に伴う化学変化や、逆に電流を発生させるのに使われる化学反応を取り扱う装置、以下、電気化学デバイス)に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
触媒担持カーボンの一次凝集体を含むガス拡散組成物の製造方法であって、前記一次凝集体を重量平均分子量が5,000以上、かつ芳香族基を含み、イオン化することで電解質になる非電解質の高分子化合物を溶解させた溶液と混合し、一次凝集体表面を前記高分子化合物により被覆し、前記高分子化合物をイオン化剤によりイオン交換基を導入することを特徴とするガス拡散組成物の製造方法。

【請求項2】
前記芳香族基を含む非電解質の高分子化合物は、ポリスチレン、ポリトリフルオロスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリーレンエーテル、ポリアリーレンスルフィド、ポリフェニレン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、および、それらの架橋体であり、この中から選ばれる単一、または複数種の混合物または共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のガス拡散組成物の製造方法。

【請求項3】
前記イオン化剤が、クロロ硫酸、硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、または三酸化硫黄/塩基錯体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス拡散組成物の製造方法。

【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のガス拡散組成物の製造方法により製造されたことを特徴とするガス拡散組成物。

【請求項5】
前記一次凝集体内部の穴(以下、一次孔)にイオン化された高分子膜(以下、電解質膜)が均一に被覆されていることを特徴とする請求項4に記載のガス拡散組成物。

【請求項6】
前記一次孔の孔径が1nmから100nmであることを特徴とする請求項4又は5に記載のガス拡散組成物。

【請求項7】
前記一次孔に被覆されている電解質膜の膜厚が1~50nmであることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載のガス拡散組成物。

【請求項8】
請求項4から7のいずれかに記載のガス拡散組成物を含むことを特徴とするガス拡散電極。

【請求項9】
請求項8に記載のガス拡散電極を含むことを特徴とする膜電極接合体、又は電気化学デバイス。

【請求項10】
触媒が担持されたカーボン(以下、触媒担持カーボン)の一次凝集体を含むガス拡散層及び/又は触媒層を備えたガス拡散電極であって、前記一次凝集体を重量平均分子量が5,000以上、かつ芳香族基を含み、イオン化することで電解質になる非電解質の高分子化合物を溶解させた溶液と混合し、一次凝集体表面を前記高分子化合物により被覆した後に、イオン化剤を用いて前記非電解質の高分子化合物にイオン交換基を導入することを特徴とするガス拡散電極の製造方法。

【請求項11】
前記イオン化剤が、クロロ硫酸、硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、または三酸化硫黄/塩基錯体であることを特徴とする請求項10に記載のガス拡散電極の製造方法。

【請求項12】
イオン化後の高分子化合物により被覆された膜厚が1~50nmであることを特徴とする請求項10から11のいずれかに記載のガス拡散電極の製造方法。

【請求項13】
請求項10から12のいずれかに記載の方法で製造されたことを特徴とするガス拡散電極。

【請求項14】
請求項10又は13に記載のガス拡散電極を備えたことを特徴とする膜電極接合体、又は電気化学デバイス。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2006229047thum.jpg
出願権利状態 登録
上記の特許・技術に関心のある方は、下記問合せ先にご相談下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close