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溶液プラズマ反応装置及び該装置を使用したナノ材料の製造方法

国内特許コード P07P005771
掲載日 2008年3月28日
出願番号 特願2006-250221
公開番号 特開2008-071656
登録番号 特許第5286517号
出願日 平成18年9月15日(2006.9.15)
公開日 平成20年3月27日(2008.3.27)
登録日 平成25年6月14日(2013.6.14)
発明者
  • 新原 ▲皓▼一
  • 中山 忠親
  • 江 偉華
  • 末松 久幸
  • 鈴木 常生
出願人
  • 国立大学法人長岡技術科学大学
発明の名称 溶液プラズマ反応装置及び該装置を使用したナノ材料の製造方法
発明の概要 【課題】低コストで有害廃棄物の発生を防止しながら、ナノ材料を効率良く製造する溶液プラズマ反応装置及び該装置を使用したナノ材料の製造方法を提供する。
【解決手段】反応装置は、溶液反応槽1及び反応槽1内に配置されるプラズマ発生電極2を具備するもので、プラズマ発生電極2は、中心部に配置したガス導入管3及びその周囲に配置した円柱状の電極部4により構成される。電極部4の中心には冷却媒体導入部5が設置されており、空冷もしくは水冷等により冷却可能となっている。電極部4には高周波電源から高周波を印加する高周波入力端子6が、電極部4の外側から電極部4の中心部の空洞9に達するように設けられている。ガス導入管3から入ったガスが高周波入力端子6から導入された電場によりプラズマ化し、このプラズマが反応槽1内の反応液8に導入され、反応液の一部が直接プラズマ化して溶液プラズマを形成する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年の電源ならびに電極構造の開発の進展に伴い、大気圧あるいはそれ近傍における高圧ガス雰囲気および、水溶液などの溶液中においてプラズマあるいは放電を発生させる技術が盛んに提唱されている。気相中でのこれら現象を大気圧プラズマ、液相中でのこれら現象は溶液プラズマと呼ばれている。しかし、それらの多くは高電圧な直流を利用したいわゆるコロナ放電あるいは、ナノ~ミクロ秒程度のパルス幅を有するパルス電源によるストリーマー放電を利用したものである。それらは、簡単な構造を有する有機物質(例えばメタン、一酸化窒素など)の分解や、低融点の有機化合物の表面構造の破壊などによる表面処理などに応用されている。



大気圧プラズマによる表面洗浄の例としては、平行平板電極への直流の印加による放電現象による低融点の有機物の分解と、フローされたガスによる吹き飛ばし効果の相乗効果による表面洗浄が提案されている(特許文献1参照)。しかし、一般にこれらの放電現象においては、主としてプラズマのエネルギー密度が低いことに起因し、簡単な分解反応しか起こすことが出来ない。このように、直流またはパルス電源を利用した大気圧プラズマあるいは溶液プラズマにおいては、その応用範囲は主として物質の分解を基本とした現象の利用にとどまっている。
【特許文献1】
特開2006-159009号公報



一方、材料自体に関しては、近年、工業技術の発展に伴い、フラーレン、金属ナノ粒子又は薄膜、無機ナノ粒子又は薄膜と呼ばれる、直径1nm~1μm程度の微粒子又はこれが堆積することで形成せられた粒子状または膜状物質の製造が可能となっている。特に、これらの中で結晶粒径が10nm未満の物質はシングルナノレベル材料と呼ばれており、二次電子放出材料、発光体、吸熱体、触媒、エネルギー貯蔵、電池の電極、分離分級のためのフィルター又は吸着物質などとして広範な適用が試みられている。これらの多くは、その表面を他の材料で修飾することができれば大幅な機能の向上を図ることができる。ところが、このような微細な構造を有する材料の製造は、核形成とその成長過程を厳密に制御せしめる必要があるため、極めて困難であることが知られている。



例えば、金属塩を水に溶解させ、これを乾燥、仮焼又は還元雰囲気中での焼成を経ることにより、1~10nm程度の微粒子を製造できることが知られている。ところが、このような溶液法においては溶液の濃度が高まるにつれ、形成した核の密度ならびにそのサイズが大きくなるため、最終的に得られる粒子が大きくなる。したがって、一般的にはシングルナノレベル材料を得るためには、金属濃度としてo.o1mol/l 以下程度の極めて希薄な溶液中での製造が必要である。このため、溶液法においてシングルナノレベル材料を得るためには、大量の溶媒が必要となり、装置もスケールアップせざるを得ない。また、場合によってはpH調整剤や還元剤などを添加する必要があるが、一般的にこれらの添加剤は人体に有害な場合が多いため、溶液をそのまま排水することは出来ない。これらのことが本質的には安価な手法であるはずの溶液法のコストを上昇させてしまうことにつながっている。



また、気相法と称して、金属を減圧下で蒸発することにより、シングルナノレベル材料を作製する試みも多数報告されている。加熱の方法などにより様々な材料系の製造が報告されているが、これらの何れもが、真空装置などを必要とするため、大量の製造を行うためには高額な装置を必要としている。このことが、気相法のコストを大幅に向上させてしまうことにつながっている。
溶液法により安価にシングルナノレベル材料を製造するための試みとして、シングルナノレベルのシリカ粒子を製造するための溶液法が提案されているが(特許文献2参照)、この場合には、アルカリ調整剤としてアンモニアを添加する必要があるため、廃液をそのまま排水することは出来ない。
また、気相法により安価にシングルナノレベル材料を製造するための試みとしては、レーザーアブレーション法を用いたナノ粒子製造の例があるが(特許文献3参照)、反応容器内を不活性ガス、または酸素、オゾン、水蒸気、アンモニア雰囲気にするために真空装置を要するため、高価な装置が必要となる問題がある。
このように、シングルナノレベル材料の製造方法に関しては、コスト面や有害廃棄物発生の問題が存在している。
【特許文献2】
特開2004-315300号公報
【特許文献3】
特開2006-075979号公報

産業上の利用分野


本発明は、特殊な形状を有する高周波電極を使用し、溶液中に熱、電界、ラジカル種、紫外線の複合化したプラズマ状態を発生する装置、および、このプラズマ状態によって原料化合物を溶媒に溶解又は分散した反応液からナノ材料を製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
原料化合物を溶媒に溶解又は分散させた反応液を収容する溶液反応槽、及び前記溶液反応槽内にプラズマ発生電極を装置の垂直方向に移動可能に設けた溶液プラズマ反応装置において、前記プラズマ発生電極を下端部にプラズマ化されたガスの出口を有するガス導入管及びその周囲に配置した高周波電源に接続する柱状の電極部により構成すると共に、前記プラズマ発生電極の中心部において前記ガス導入管の周囲に冷却媒体導入部及び空洞部を設け、前記空洞部には高周波電源から高周波を印加する高周波入力端子を設置したことを特徴とする溶液プラズマ反応装置。

【請求項2】
さらに、溶液反応槽内に他のエネルギー発生源を設けたことを特徴とする請求項1に記載の溶液プラズマ反応装置。

【請求項3】
他のエネルギー発生源が超音波発生源であることを特徴とする請求項2に記載の溶液プラズマ反応装置。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載された溶液プラズマ反応装置内で、原料化合物を溶媒に溶解又は分散した反応液にガス導入管からガスのプラズマを導入することを特徴とするナノ材料の製造方法。

【請求項5】
前記反応液が、有機金属錯体、金属アルコキシド及び金属塩から選択された少なくとも1種の化合物を、水、油、アルコールから選択された溶媒に溶解又は分散した反応液であることを特徴とする請求項4に記載のナノ材料の製造方法。

【請求項6】
前記ガス導入管から導入されるガスが、水蒸気、水素、アンモニア、ヘリウム、アルゴン、窒素、酸素、炭化水素から選択された少なくとも1種のガスであることを特徴とする請求項4又は5に記載のナノ材料の製造方法。

【請求項7】
溶液プラズマ反応装置のプラズマ発生電極を反応液中に浸漬させた状態で反応液にガスのプラズマを導入することを特徴とする請求項4~6のいずれかに記載のナノ材料の製造方法。

【請求項8】
溶液プラズマ反応装置のプラズマ発生電極を反応液の液面から上方に離間した状態で反応液にガスのプラズマを導入することを特徴とする請求項4~6のいずれかに記載のナノ材料の製造方法。

【請求項9】
前記反応液にプラズマとともに他のエネルギーを照射することを特徴とする請求項4~8のいずれかに記載のナノ材料の製造方法。

【請求項10】
他のエネルギーが超音波であることを特徴とする請求項9に記載のナノ材料の製造方法。

【請求項11】
ナノ材料が、平均粒径1nm~10μmの微粒子であることを特徴とする請求項4~10のいずれかに記載のナノ材料の製造方法。

【請求項12】
反応液中に配置した基材の表面に平均粒径1nm~10μmの微粒子からなる被膜を形成することを特徴とする請求項4~10のいずれかに記載のナノ材料の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006250221thum.jpg
出願権利状態 登録
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