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画像処理により対象物の表面状態を検査する方法及びそのための画像処理プログラム 新技術説明会

国内特許コード P08P005625
整理番号 IP338
掲載日 2008年4月4日
出願番号 特願2006-254418
公開番号 特開2008-076167
登録番号 特許第4992081号
出願日 平成18年9月20日(2006.9.20)
公開日 平成20年4月3日(2008.4.3)
登録日 平成24年5月18日(2012.5.18)
発明者
  • 宮本 文穂
  • 後藤 悟史
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 画像処理により対象物の表面状態を検査する方法及びそのための画像処理プログラム 新技術説明会
発明の概要

【課題】対象物の表面を撮像した画像について画像処理を行うことにより、対象物の表面状態を精度よく識別し、経験、知識あるいは特殊な装置を要することなく対象物の表面状態を検査できるようにする。
【解決手段】対象物の表面を撮像して得られ評点が付与されている画像について水平方向及び鉛直方向にウェーブレット変換を行い、最大解像度をkとして全解像度の周波数エネルギー和に対する解像度mにおける画像全体の周波数エネルギーEmの比Eと全解像度の周波数エネルギー和に対する解像度mにおける斜め方向の周波数エネルギーの比Eとの解像度mごとの値を成分とする2k次元の特徴ベクトルEを複数の画像の各々に対して求める。求められた特徴ベクトルをサポートベクトルマシンにより評点にしたがって分類して時別モデルを構築する。構築された識別モデルを用いて評点が未知の画像の評点をその特徴ベクトルEにより識別する。
【選択図】図6

従来技術、競合技術の概要


耐候性鋼材は、大気中において乾湿を適切に繰り返すうちに、その表面に緻密で密着性に優れたさび(保護性さび)が形成されてさびが安定化し、腐食速度が著しく遅くなるという特性をもつ。このため適切な使用方法と維持管理を施せば、橋梁等の構造物が半永久的に無塗装で使用可能になり、LCC(Life Cycle Cost:初期建設費用、維持管理費用、更新費を含めたトータルコスト)の面でも優れた鋼材である。このような塗装の塗り替えを必要としない耐候性鋼材の鋼橋への適用は年々増加しており、2002年には年間10万tを超え、全鋼橋に占める割合は15%に至っているが、このことは、旧建設省土木研究所により提唱され、架け替えを前提とせず将来にわたりLCCを最小限に抑えるというミニマムメンテナンス橋構想に相応したものであると言える。



耐候性鋼材のさび安定化度の評価についてこれまでに種々研究がなされており、外観検査、さび厚測定、透明テープ試験、イオン透過抵抗法等さまざまな手法が提案されている。このうちの外観検査以外の手法では、対象とする部位に直接接触して試験、測定を行う必要があり、そのため足場を設置するというような煩雑な作業が不可欠となる。直接接触できないか、著しく困難な場合には、外観検査のみで評価せざるを得ないことにもなる。しかし、外観検査は「目視でよく観察」し、さび評価の目安を示す基準写真によって判別する方法であり、定量性、客観性の面で劣り、点検者による評価のばらつきが大きかった。



耐候性鋼材のさび安定化度を表することについて、次のような文献に記載されている。



非特許文献1には、さび層の塩化物イオンに対する抵抗力を計測する環境遮断性に着目した評価手法について記載されており、非特許文献2には、鋼材の電位を計測し、電気化学的な特性からさび層の防食性能を評価する手法について記載されている。これらは、さびの化学反応論から導かれた技術であり信頼性が高いが、測定に関する知識、経験や特殊な装置が必要であり、一般的な日常点検で使用されるには至っていない。また、非特許文献3には、画像処理技術を利用して鋼橋の塗膜劣化度を定量的に評価することについて記載されているが、画像パターンとしてさび外観のような不規則性をもつ対象物の表面状態を精度よく検査するのに適切なものではない。

【非特許文献1】紀平寛「耐候性鋼上の安定さび形成状況評価と診断」(材料と環境、vol.48、pp.697-700、1999年)

【非特許文献2】鹿島和幸他「耐候性さび層の安定化評価法とその実構造物への適用」(材料と環境‘99,A-107、pp.25-28、1999年)

【非特許文献3】藤原博他「画像処理による鋼橋塗膜の劣化度判定法に関する研究」(土木学会論文集No.598/I-44、pp.85-96、1998年)

産業上の利用分野


本発明は、材料の表面を検査する方法及びそのためのプログラムに関し、特に耐候性鋼材のさび外観のような材料の表面状態を評価する場合に有効な画像処理を用いて材料の表面を検査する方法及びそのための画像処理のプログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
表面状態が評点により分類される対象物の表面状態を撮像した画像について画像処理を行って表面状態を表す評点の識別により対象物の表面状態を検査する方法であって、
対象物の表面を撮像して得られ評点が付与されている画像について水平方向及び鉛直方向にウェーブレット変換を行い、最大解像度をkとして全解像度の周波数エネルギー和に対する解像度mにおける画像全体の周波数エネルギーEmの比Eと解像度mにおける水平方向及び鉛直方向の周波数エネルギー和に対する斜め方向のエネルギーの比Eとの解像度mごとの値を成分とする2k次元の特徴ベクトルEを求めるウェーブレット解析を複数の画像の各々に対して行うことと、
多次元の複数のベクトルを超平面により2つのクラスに分類するサポートベクトルマシンにより前記複数の画像にそれぞれ対応する2k次元の特徴ベクトルEを評点にしたがって分類して評点が未知の画像の評点をその特徴ベクトルEにより識別するための識別モデルを構築することと、
構築された前記識別モデルにより評点が未知の画像についての特徴ベクトルEからその評点を識別することと、
からなることを特徴とする対象物の表面状態を検査する方法。

【請求項2】
前記対象物の表面状態が耐候性鋼材のさびの状態であることを特徴とする請求項1に記載の対象物の表面状態を検査する方法。

【請求項3】
表面状態が評点により分類される対象物の表面状態を撮像した画像について画像処理を行って表面状態を表す評点の識別により対象物の表面状態を検査することをコンピュータ上で実行するための画像処理プログラムであって、対象物の表面を撮像して得られ評点が付与されている複数の画像の各々について水平方向及び鉛直方向にウェーブレット変換を行い、最大解像度をkとして全解像度の周波数エネルギー和に対する解像度mにおける画像全体の周波数エネルギーEmの比Eと解像度mにおける水平方向及び鉛直方向の周波数エネルギー和に対する斜め方向のエネルギーの比Eとの解像度mごとの値を成分とする2k次元の特徴ベクトルEを求め、多次元の複数の特徴ベクトルを超平面により2つのクラスに分類するサポートベクトルマシンの機能により前記複数の画像にそれぞれ対応する2k次元の特徴ベクトルEを評点にしたがって分類して評点が未知の画像の評点をその特徴ベクトルEにより識別するための識別モデルを構築し、構築された前記識別モデルにより評点が未知の画像についての特徴ベクトルEからその評点を識別することにより、表面状態が評点により分類され対象物の表面状態を撮像した画像について画像処理を行って表面状態を表す評点の識別により対象物の表面状態を検査することを特徴とするコンピュータ上で実行するための画像処理プログラム。
産業区分
  • 試験、検査
  • 計算機応用
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006254418thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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