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GANPによる癌抑制遺伝子の活性化方法

国内特許コード P08A013303
整理番号 04059AA09
掲載日 2008年4月4日
出願番号 特願2006-189043
公開番号 特開2008-011828
登録番号 特許第4982847号
出願日 平成18年7月10日(2006.7.10)
公開日 平成20年1月24日(2008.1.24)
登録日 平成24年5月11日(2012.5.11)
発明者
  • 阪口 薫雄
出願人
  • 国立大学法人 熊本大学
発明の名称 GANPによる癌抑制遺伝子の活性化方法
発明の概要

【課題】p53癌抑制遺伝子の活性化方法及び抗体の親和性を増大させる方法の提供。
【解決手段】細胞内においてGANP遺伝子の発現を促進することを特徴とする、癌抑制遺伝子の活性化方法、抗体の親和性を増大させる方法、DNA修復方法、及びゲノムの安定化方法、並びに、GANP遺伝子を含む抗腫瘍剤、抗ウイルス剤、DNA修復剤及びゲノムの安定化剤を提供する。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


哺乳動物において、細胞はDNAを損傷する薬剤やストレスに常にさらされている。これらの損傷やストレスの問題を弱めるために、細胞は、センスDNAの損傷および損傷DNAの複製に対するいわゆるチェックポイントと呼ばれる複雑な制御ネットワーク、細胞周期の停止およびDNA修復を惹起している(Zhou and Elledge, 2000)。p53タンパク質は、広範な細胞プロセスの制御においてゲノムの見張り役として働く(Lane, 1992; Vogelstein et al., 2000)。いくつかの細胞ストレスのうち最も顕著なDNA損傷は、p53の活性化であり、p53は細胞周期の停止、アポトーシス、またはDNA修復の鍵となる分子をコードするいくつかの遺伝子の転写制御を誘導する(Zhivotovsky and Kroemer, 2004)。通常、p53タンパク質は、速やかに代謝回転されるため存在量は極めて少量である。



さまざまなストレス刺激に対する応答として、p53タンパク質は、転写促進ドメインに結合し、p53のユビキチン化と分解のアンタゴニストであるMdm2、または転写後修飾にいくつかの部位においてp53をリン酸化するDNA-PKおよびATM kinaseなどの多くのタンパク質によって安定化され、活性化される(Sionov and Haupt, 1999; Lakin and Jakson, 1999)。p53は、多くの種において、腫瘍の成長を阻害するのに必須である。ヒトの乳ガンでは、p53遺伝子は高頻度の変異を示す。Li-Fraumeni患者において観察されるように、生殖細胞においてp53が変異すると、乳ガンに罹患しやすいことを示している(Srivastava et al., 1990)。



マウスのp53 nullアリールのホモ接合体は、主としてリンパ腫によって4-6月齢で死ぬが(Donehower et al., 1992)、BALB/cバックグラウンドのnull変異マウスでは、顕著な数の乳ガンが進行する(Kuperwasser et al., 2000)。p53は、すべての腫瘍の50%と計算されるとおり、生殖細胞の変異によって不活性化されるが、他の複数のメカニズムによっても不活性化される。



GANPは210-kDaのタンパク質であり、細胞増殖に重要と考えられるさまざまな興味深い領域を有する(Kuwahara et al., 2000; Abe et al., 2000)。哺乳動物のGANPは、もともと、T細胞依存的抗原で免疫した後のリンパ濾胞の胚中心のB細胞においてアップレギュレートしている核タンパク質として同定された。カルボキシル末端の700アミノ酸領域は、細胞周期の進行中のDNA複製に必要なミニ染色体の維持(MCM)複合体のMCM3に結合する。



ヒトにおいて、カルボキシル末端を切断した転写産物は、MCM3輸送複合体のコンポーネントであるMCM3APとして同定されている(Takei and Tsujimoto, 1998)。その後、MCM3APはMCM3のアセチル化による転写制御において必要であることが示された(Takei et al., 2001)。GANPのアミノ末端側の150アミノ酸領域は、従来のRNA/DNAプライマーゼα複合体のRNAプライマーゼαサブユニットp49に類似しており、α複合体は、p49, p58およびDNAポリメラーゼαのp180から構成される(Arezi and Kuchta, 2000)。GANPのRNAプライマーゼ相同領域は、in vitroでRNAプライマーを生じ、DNAポリメラーゼによってDNA鎖が開始に使用される(Kuwahara et al., 2001)。マウスおよびヒトGANPの中央部分は、Saccharomyces cerevisiae Sac3に高い相同性を有し(アミノ酸配列で23%)、Sac3のnull変異体は成長遅延および細胞周期の分裂遅延を示した(Bauer and Kolling, 1996)。Sac3はもともとアクチン変異体の相補的な遺伝子の一つとして同定されたが、このタンパク質は核のみで検出される。



最近、いくつかのグループによって、Sac3pはmRNA輸送系にとって必須であることが報告されている(Fischer et al., 2002(非特許文献1); Lei et al., 2003(非特許文献2))。Sac3pは、Thp1pと関連して、核から細胞質へのmRNAの輸送に必要である。Aguileraらが同時に発表したように、Sac3欠損変異体は、DNAのhyper recombinationを酵母細胞で示した(Gallardo et al., 2003(非特許文献3))。しかし、mRNAの核輸送の変化がどのようにDNAのhyper recombinationと関係するのかについて、その分子機構は明らかにはされていない。

【非特許文献1】Fischer et al., EMBO J. 21:5843-52, 2002;

【非特許文献2】Lei et al., Mol. Biol. Cell 14:836-47, 2003.

【非特許文献3】Gallardo et al., J. Biol. Chem. 278:24225-32, 2003

産業上の利用分野


本発明は、GANP遺伝子の発現を促進することを特徴とするp53癌抑制遺伝子の活性化方法、及び抗体の親和性を増大させる方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
細胞内においてGANP遺伝子の発現を促進することを特徴とするDNA修復方法であり、前記GANPがDNAの相同組換えを阻害することを含む、前記方法

【請求項2】
ゲノムが安定化することを含む方法であって、前記ゲノムの安定化が、GANPが損傷DNAを過剰な相同組換えから保護することによるものである、請求項に記載のDNA修復方法。

【請求項3】
GANP遺伝子を含むゲノムの安定化剤であって、前記ゲノムの安定化が、GANPが損傷DNAを過剰な相同組換えから保護することによるものである、前記安定化剤
産業区分
  • 微生物工業
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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