TOP > 国内特許検索 > 磁性微粒子を用いた触媒化学加工方法及び装置

磁性微粒子を用いた触媒化学加工方法及び装置 新技術説明会

国内特許コード P08A013305
整理番号 06008AA11
掲載日 2008年4月4日
出願番号 特願2006-247659
公開番号 特開2008-071857
登録番号 特許第4982742号
出願日 平成18年9月13日(2006.9.13)
公開日 平成20年3月27日(2008.3.27)
登録日 平成24年5月11日(2012.5.11)
発明者
  • 久保田 章亀
出願人
  • 国立大学法人 熊本大学
発明の名称 磁性微粒子を用いた触媒化学加工方法及び装置 新技術説明会
発明の概要

【課題】本発明は、被加工物表面に格子欠陥が導入されない化学的な反応が可能な触媒作用を利用した加工原理に基づき、難加工物、特にSiCやGaN等を、加工効率が高く且つ高精度に加工することができ、結晶学的に優れた加工面が得られる磁性微粒子を用いた触媒化学加工方法及び装置を提案する。
【解決手段】酸化剤2の溶液中に被加工物7を配し、定盤4若しくは加工ヘッドに磁場により拘束し、空間的に制御された遷移金属の磁性微粒子9を、被加工物の被加工面に極低荷重のもとで接触させるとともに、被加工面と磁性微粒子とを相対的に変位させ、前記磁性微粒子の触媒作用により、磁性微粒子表面上で生成した酸化力を持つ活性種と被加工物の表面原子との化学反応で生成した化合物を除去、あるいは溶出させることによって被加工物を加工する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


従来から、被加工物の被加工面に格子欠陥や熱的変質層を導入することなく、高精度に加工する方法が提案されている。例えば、超微粉体を分散した懸濁液を被加工物の被加工面に沿って流動させて、該超微粉体を被加工面上にほぼ無荷重の状態で接触させ、その際の超微粉体と被加工面界面での相互作用(一種の化学結合)により、被加工面原子を原子単位に近いオーダで除去して加工する、いわゆるEEM(Elastic Emission Machining)による加工は既に知られている(特許文献1~3)。



EEMは、その加工原理から考えて高周波の空間波長に対して非常に平滑な面を得ることが可能である。EEMは、超純水により粒径0.1μm程度のSiO2等の微粒子を表面に供給し、微粒子の表面の原子と加工物表面の原子が化学的に結合することで加工が進むことが特徴である。このとき、微粒子は被加工面に沿って超純水の剪断流によって供給され、被加工面の微小突起が選択的に除去されるため、原子配列を乱すことなく、原子サイズのオーダで平坦な表面を作ることが可能となる。



一方、化学機械研磨(CMP)は、SiO2やCr23を砥粒として用い、機械的作用を小さくし、化学的作用によって無擾乱表面を形成しようとするものである。例えば、特許文献4に示すように、酸化触媒作用のある砥粒を分散させた酸化性研磨液にダイヤモンド薄膜を浸漬し、砥粒で薄膜表面を擦過しながらダイヤモンド薄膜を研磨する方法が開示されている。ここで、砥粒として酸化クロムや酸化鉄を用い、この砥粒を過酸化水素水、硝酸塩水溶液又はそれらの混合液に分散させた研磨液を用いることが開示されている。



また、特許文献5には、CMPを行う際に用いられる研磨布にCMP用スラリーに含まれる酸化剤の酸化力を促進させる触媒機能を持たせる点が記載されている。この触媒作用は、スラリーと研磨布とが接触した瞬間からスラリーが被処理物に到達するまで触媒効果を発揮するものであり、具体的には、酸化剤として過酸化水素、過硫酸塩、過ヨウ素塩酸の少なくとも1種類用い、触媒作用のある成分として鉄、銀、チタン、ルテニウム、白金からなる金属を用いるのである。ここで、触媒作用のある成分は、研磨布の所定の領域に格子状、ドーナツ状に存在させるか、あるいは研磨布の全ての領域に均一に存在させている。



また、特許文献6には、酸化剤として過酸化水素と、研磨剤としてアルミナやシリカ等を含む溶液を用い、複数の酸化状態を有する少なくとも1つの可溶性金属触媒を含む研磨パッドを用いてCMPを行う点が記載されている。具体的には、最も好ましい触媒は、複数の酸化状態をもつ鉄、銅、銀の化合物及びこれらのいずれかの組み合わせであり、特に好ましい触媒は硝酸第二鉄であることが開示されている。

【特許文献1】特公平2-25745号公報

【特許文献2】特公平7-16870号公報

【特許文献3】特開2000-167770号公報

【特許文献4】特許第3734722号公報

【特許文献5】特開2002-299294号公報

【特許文献6】特表2004-526302号公報

産業上の利用分野


本発明は、磁性微粒子を用いた触媒化学加工方法及び装置に係わり、更に詳しくは処理液中の分子を触媒で分解して生成した活性種を用いて被加工物を加工する磁性微粒子を用いた触媒化学加工方法及び装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
酸化剤としてH22の溶液中に結晶性SiC、焼結SiC、GaN、サファイヤ、ルビー、ダイヤモンド、ガラスの内から選ばれた1種である被加工物を配し、定盤若しくは加工ヘッドに磁場により拘束し、空間的に制御されたFe、Ni、Coから選択した1種又は2種以上の組み合わせ、あるいはFe、Ni又はCoを含む合金からなる磁性微粒子を、被加工物の被加工面に極低荷重のもとで接触させるとともに、被加工面と磁性微粒子とを相対的に変位させ、前記磁性微粒子の触媒作用により、磁性微粒子表面上で生成した酸化力を持つ活性種と被加工物の表面原子との化学反応で生成した化合物を除去、あるいは溶出させることによって被加工物を加工することを特徴とする磁性微粒子を用いた触媒化学加工方法。

【請求項2】
前記磁性微粒子がFe、被加工物がSiC、GaN又はダイヤモンドであり、フェントン反応を利用して加工する請求項1記載の磁性微粒子を用いた触媒化学加工方法。

【請求項3】
結晶性SiC、焼結SiC、GaN、サファイヤ、ルビー、ダイヤモンド、ガラスの内から選ばれた1種である被加工物を平坦化加工する加工装置であって、
酸化剤としてH22を入れた加工槽と、
前記加工槽内の底面部に設け、回転あるいは偏心運動が可能なマグネット定盤と、
前記加工槽内に前記マグネット定盤と対面させて配し、前記マグネット定盤の回転軸に対して偏心した回転軸を有する被加工物のホルダーと、
前記マグネット定盤の表面にFe、Ni、Coから選択した1種又は2種以上の組み合わせ、あるいはFe、Ni又はCoを含む合金からなる磁性微粒子を磁場により拘束し、前記ホルダーに保持した被加工物の被加工面を前記磁性微粒子に極低荷重のもとで接触させ、前記マグネット定盤とホルダーの双方又は一方を回転させて、被加工物の被加工面を平坦化加工することを特徴とする磁性微粒子を用いた触媒化学加工装置。

【請求項4】
結晶性SiC、焼結SiC、GaN、サファイヤ、ルビー、ダイヤモンド、ガラスの内から選ばれた1種である被加工物を平坦化加工する加工装置であって、
酸化剤としてH22を入れた加工槽と、
前記加工槽内の底面部に設け、被加工物を保持するとともに、平面内で往復移動あるいは回転可能な被加工物のホルダーと、
前記加工槽内に前記ホルダーと対面させて配し、回転可能なマグネット加工ヘッドと、
前記マグネット加工ヘッドの表面にFe、Ni、Coから選択した1種又は2種以上の組み合わせ、あるいはFe、Ni又はCoを含む合金からなる磁性微粒子を磁場により拘束し、前記ホルダーに保持した被加工物の被加工面を前記磁性微粒子に極低荷重のもとで接触させ、前記マグネット加工ヘッドを回転させながら前記ホルダーを往復移動あるいは回転させて、被加工物の被加工面を任意の自由曲面形状に加工することを特徴とする磁性微粒子を用いた触媒化学加工装置。

【請求項5】
前記磁性微粒子がFe、被加工物がSiC、GaN又はダイヤモンドであり、フェントン反応を利用して加工する請求項3又は4記載の磁性微粒子を用いた触媒化学加工装置。
産業区分
  • 固体素子
  • 切削
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2006247659thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」まで直接ご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close