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作物の生育方法

国内特許コード P08A013320
掲載日 2008年4月18日
出願番号 特願2006-063471
公開番号 特開2007-236290
登録番号 特許第4843338号
出願日 平成18年3月9日(2006.3.9)
公開日 平成19年9月20日(2007.9.20)
登録日 平成23年10月14日(2011.10.14)
発明者
  • 廣田 知良
  • 岩田 幸良
  • 鈴木 伸治
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 作物の生育方法
発明の概要

【課題】簡易な方法により土壌温度を推定し、適切な土壌温度又は土壌凍結深に制御を行うことによって作物を効率的に生育させる方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、収穫後、作付けまでの間に、畑地の表層下所定深さの温度を所定の温度に制御する温度制御工程を含む作物の生育方法を提供する。さらに、前記温度制御工程は、除雪工程、圧雪工程、堆積工程のいずれか一又は二以上の組み合わせを含む作物の生育方法を提供する。本発明により、土壌温度を実測することなく、また新たに装置等を設置することなく、除雪・圧雪・堆雪という作業により、土壌温度を制御することができる。これにより、病原虫等の発生を防いだり、後作する作物に合わせた適切な土壌環境を提供することができる。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


従来、冬季に雪が少なく、寒さの厳しい地域において、土壌凍結が発達することが知られている。凍結土壌では、春に作付けする作物の生育ができないため、凍結期間が長いと作付けできる期間が短くなってしまう、水を通さないので雪解け水が表面に溜まり作物が被害を受ける、越冬作物が被害を受ける等の問題があった。



ところが、近年、土壌凍結が減少傾向にあることが知られている。図11は、1986年から2005年までの、北海道十勝郡芽室町の最大凍結深の推移を示している。年々、土壌凍結が減少傾向にあることを、このグラフもはっきりと示している。これは、冬季の気温が高くなったわけではなく、初雪の時期が早くなり、雪が早く積もるようになったためであると考えられている。つまり、雪は熱伝導が悪く、寒気から断熱の効果を発揮するため、積雪量が多くなると、寒気が土壌に伝わらず土が凍りにくくなることによる。



このように土壌凍結が生じなくなる中で、土壌生態系にも大きな変化が現れ始めている。例えば、土壌凍結は、前記の問題点のみではなく、イモの「野良生え」を防ぐという役目も果たしていたため、この野良生えが目立つようになっている。「野良生え」とは、収穫されずに残った作物の根や地下茎などから春先に作物が生えてくることをいう。野良生えは、後作作物の生育を阻害する場合がある他、ジャガイモシストセンチュウなどの病害虫密度を高めることにもつながっていると言われている。

【非特許文献1】T. Hirota, et al., J. Geophys. Res., 107, 4767,2002

産業上の利用分野


本発明は、土壌温度及び土壌凍結深を制御することにより、作物を効率的に生育させる方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
収穫後、作付けまでの間に、畑地の表層下の野良生えの被害を抑えたい深さの温度を少なくとも1回、土壌凍結温度に制御する温度制御工程を含む畑地の土壌環境の管理方法

【請求項2】
越冬作物の越冬期間に、越冬作物の畑地の表層下の野良生えの被害を抑えたい深さの温度を少なくとも1回、土壌凍結温度に制御する温度制御工程を含む畑地の土壌環境の管理方法

【請求項3】
前記温度制御工程は、
積雪を除雪することによって土壌と大気との熱交換を促進し、土壌温度を低下させる除雪工程、
積雪を圧雪することによって、雪の熱伝導率を高めて土壌と大気との熱交換を促進し、土壌温度を低下させる圧雪工程、
積雪を堆積することによって、土壌と大気との熱交換を抑制し、土壌温度を維持又は上昇させる堆積工程
のいずれか一又は二以上の組み合わせを含む請求項1からのいずれか一に記載の畑地の土壌環境の管理方法

【請求項4】
除雪工程・圧雪工程を行ってから畑地の表層下の野良生えの被害を抑えたい深さの土壌温度が、土壌凍結温度になるまでの期間を算出する期間算出工程をさらに有し、
前記温度制御工程は、
除雪工程又は圧雪工程を行ってから期間算出工程により算出された期間が経過した後に堆積工程を行う請求項3に記載の畑地の土壌環境の管理方法。

【請求項5】
前記期間算出工程は、計算機シミュレーションにより行われる請求項4に記載の土壌環境の管理方法。

【請求項6】
前記温度制御工程は、
畑地の畝部の積雪を除去して溝部に堆積することによって、畝部の土壌と大気との熱交換を促進して畝部の土壌温度を低下させ、溝部の土壌と大気との熱交換を抑制して溝部の土壌温度を維持又は上昇させる第一工程と、
前記溝部に堆積した雪を除去して畝部に堆積することによって、畝部の土壌と大気との熱交換を抑制して畝部の土壌温度を維持又は上昇させ、溝部の土壌と大気との熱交換を促進して溝部の土壌温度を低下させる第二工程と、を含む請求項1からのいずれか一に記載の畑地の土壌環境の管理方法

【請求項7】
前記温度制御工程は、
畑地の溝部の積雪を除去して畝部に堆積することによって、畝部の土壌と大気との熱交換を抑制して畝部の土壌温度を維持又は上昇させ、溝部の土壌と大気との熱交換を促進して溝部の土壌温度を低下させる第三工程と、
前記畝部に堆積した雪を除去して溝部に堆積することによって、畝部の土壌と大気との熱交換を促進して畝部の土壌温度を低下させ、溝部の土壌と大気との熱交換を抑制して溝部の土壌温度を維持又は上昇させる第四工程と、
を含む請求項1からのいずれか一に記載の畑地の土壌環境の管理方法
産業区分
  • 農林
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2006063471thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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