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細胞動態の観察装置

国内特許コード P08A013321
掲載日 2008年4月18日
出願番号 特願2006-069789
公開番号 特開2007-244250
登録番号 特許第5024777号
出願日 平成18年3月14日(2006.3.14)
公開日 平成19年9月27日(2007.9.27)
登録日 平成24年6月29日(2012.6.29)
発明者
  • 松永 茂
  • 町田 幸子
  • 榊原 祥清
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 細胞動態の観察装置
発明の概要

【課題】高分解能の油浸対物レンズによる生きた細胞などの細胞の長時間連続観察および刺激に対する瞬時から長時間にわたる反応の観察が可能なチャンバー付き細胞動態の観察装置を提供すること。
【解決手段】細胞を収容するチャンバー4を有し、チャンバー4内での細胞を観察するための装置である。熱伝導性の基板2と、基板2に設けられたチャンバー4と、チャンバー4に培地を供給するための培地貯留部6とを有する。チャンバー4は、基板2に形成された開口部8の壁部と、開口部8の上端開口を閉塞し得る透明板12と、開口部8の下端開口を閉塞し得るカバーガラス14とによって形成される。培地貯留部6からチャンバー4へ培地を供給し得る流路18を有し、チャンバー4内に供給された培地を排出する排出流路20を有する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


従来の生物学、薬学、医学の分野では、細胞の状態の変化、あるいは細胞の薬物等に対する応答を観察するために、細胞を収容するチャンバーを備えた培養容器(培養チップともいう)を用いて、顕微鏡の試料台(ステージ)上で観察することが行われている。



この培養チップにおいて、細胞培養を維持するために、温度などの培養環境や、培養細胞の代謝により変化する培地の状態をモニターしなければならない。培養環境が一定に維持されていないと実験の再現性が低くなり、信頼できるデータが得られない。また、培地内の組成物が枯渇したり、老廃物が蓄積した状態になると、培養細胞の分裂速度が低下する。細胞分裂速度が低下した培養細胞は、良好な培養状態における培養細胞に比して培養細胞の代謝能が大きく劣り、研究に適さない。



それゆえ、細胞を長期間培養、観察するために、培養チップに培地交換手段を設けたものも従来から利用されている。



例えば、特許文献1(特開2004-113092号公報)には、顕微鏡の試料台上に載置可能な大きさの透明の板材からなり、内部にウエルを有するとともに、ウエルへの液体の供給口及び液体の排出口を有する細胞培養チップにおいて、ウエル内の培地を検出するセンサを設けた細胞培養チップが開示されている。



しかし、特許文献1に開示された細胞培養チップでは、ウエル内の細胞をチップの底板である透明部材を通して顕微鏡で観察しているので、得られた画像の画質が劣るという欠点がある。また、このような細胞培養チップでは、油浸のレンズが使用できないという欠点もある。



すなわち、動物の組織や培養細胞の観察では対物レンズがステージの下から上向きに出ている倒立型の顕微鏡が通常用いられる。この倒立顕微鏡で油浸式のレンズを用いる場合には、カバーガラスはレンズ側に来るようにセットすることが必要である(対物レンズの作動距離などの制約による)が、特許文献1に開示された細胞培養チップでは、チップの透明部材がレンズ側に位置しているので、油浸のレンズが使用できない。



特許文献2(特開平10-28576号公報)には、温度制御可能な透明発熱カバーガラスを上下に配置してそれらの間に空間を形成し、カバーガラスの周囲を封止して密閉な容器を形成し、空間内の湿度を保つために蒸発皿を容器内に配置した恒温培養容器が開示されている。



しかし、この容器においては、透明発熱カバーガラスが発熱ガラスとカバーガラスとを接着剤で接合して構成されているので、透明発熱カバーガラスを通して顕微鏡観察するために、画像の画質が劣るという欠点がある。さらに恒温培養容器の作製コストも高いものとなる。



特許文献3(特開2002-153260号公報)には、基板上に多数のウエル状の穴を設けて細胞培養部を形成し、この細胞培養部上に半透膜を配置し、半透膜上に培地交換部を有する細胞培養容器を配置し、細胞培養容器への細胞培地の供給手段を設け、細胞培養部内の細胞を顕微鏡により長期間観察するようにした装置が開示されている。



しかし、この特許文献3に開示の装置においても、基板を通して細胞を顕微鏡観察するので、画像の画質が劣る、油浸のレンズが使用できない、という欠点がある。

【特許文献1】特開2004-113092号公報

【特許文献2】特開平10-28576号公報

【特許文献3】特開2002-153260号公報

産業上の利用分野


本発明は、生物、医療又はバイオテクノロジーの研究分野において、細胞の状態の変化、あるいは細胞の薬物等に対する応答を観察するための細胞動態の観察装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
細胞を収容するチャンバーを有し、該チャンバー内での細胞動態を観察するための装置であって、
熱伝導性の基板と、該基板に設けられた該チャンバーと、該基板に設けられ、該チャンバーに培地を供給するための培地貯留部と、を有し、
該チャンバーは、該基板に形成された開口部の壁部と、該開口部の上端開口を閉塞する透明板と、該開口部の下端開口を閉塞し得るカバーガラスと、によって形成され、該カバーガラス上に細胞が培養され、該カバーガラスは該開口部の周囲下面にシリコーン系のグリースまたは両面粘着テープによって取外し可能に取り付けられ、該培地貯留部から該チャンバーへ培地を供給し得る流路が該基板を貫通して形成され、該チャンバー内に供給された培地を排出する排出流路が該基板を貫通して形成されている、チャンバー内での細胞動態を観察する装置。

【請求項2】
前記カバーガラスの周囲にシリコーン系の処理剤が塗布されている、請求項1に記載の装置。

【請求項3】
前記カバーガラスの周囲にフッ素樹脂系テープが貼り付けられている、請求項1に記載の装置。

【請求項4】
前記透明板が基板の開口部の上部の周囲に固定されている、請求項1に記載の装置。

【請求項5】
前記透明板が、ガラス板またはアクリル板である、請求項1に記載の装置。

【請求項6】
前記培地貯留部は、基板の上面に配置された枠材にて形成されている、請求項1に記載の装置。

【請求項7】
前記チャンバーにおける前記流路の入口と前記排出流路の出口が対角線上に位置する、請求項1に記載の装置。

【請求項8】
前記細胞が、生細胞、固定化細胞、微生物、または動植物の組織である、請求項1に記載の装置。

【請求項9】
前記基板が温度を制御可能な装置上に装着可能である、請求項1に記載の装置。

【請求項10】
細胞を収容するチャンバーを有する装置を用いたチャンバー内での細胞動態を観察するための方法であって、
該装置は、基板と、該基板に設けられた該チャンバーと、該チャンバーに培地を供給するための培地貯留部と、を有し、
該チャンバーは、該基板に形成された開口部の壁部と、該開口部の上端開口を閉塞する透明板と、該開口部の下端開口を閉塞し得るカバーガラスと、によって形成され、該カバーガラス上に細胞が培養され、該カバーガラスは該開口部の周囲下面にシリコーン系のグリースまたは両面粘着テープによって取外し可能に取り付けられ、該培地貯留部から該チャンバーへ培地を供給し得る流路が該基板を貫通して形成され、該チャンバー内に供給された培地を排出する排出流路が該基板を貫通して形成され、
薬剤を入れた注射シリンジに装着した注射針を該流路の入り口からチャンバー内へ挿入し、該チャンバー内における観察視野の目的箇所に薬剤を添加する工程、を包含する細胞動態の観察方法。

【請求項11】
さらに、洗浄用の培地の入った瓶の先につけたノズルを流路の入り口からチャンバー内へ挿入し、該ノズルからチャンバー内へ培地を噴射すると同時に排出流路における培地の流速を上げる工程、を包含する請求項10に記載の方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006069789thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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