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透水試験機および透水試験方法 コモンズ

国内特許コード P08A013351
整理番号 432-519
掲載日 2008年4月18日
出願番号 特願2006-224400
公開番号 特開2008-046086
登録番号 特許第4840812号
出願日 平成18年8月21日(2006.8.21)
公開日 平成20年2月28日(2008.2.28)
登録日 平成23年10月14日(2011.10.14)
発明者
  • 吉田 秀典
  • 井上 純哉
出願人
  • 国立大学法人 香川大学
発明の名称 透水試験機および透水試験方法 コモンズ
発明の概要

【課題】亀裂等の不連続面の発生成長による透水性の変化を、簡単かつ確実に、時間連続的に把握することができる透水試験機および透水試験方法を提供する。
【解決手段】直方体に整形された試験体EMの表面に密着し試験体EMを液密に密封した状態で収容して被加圧体1を形成する、伸縮性を有する収容部材2と、被加圧体1における互いに対向する一対の拘束面1B,1B´を、その法線方向の移動および変形を固定した状態で保持する拘束手段と、被加圧体1における一対の拘束面1B,1B´と異なる互いに対向する一対の圧縮面1A,1A´を、その面の法線方向に沿って圧縮する圧縮手段20と、被加圧体1における一方の拘束面1Bに液体を供給し、被加圧体1における他方の拘束面1B´から排出される液体の流量を測定する透水手段30とからなる。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


従来から、土砂等の試験体に負荷が加わった際の透水性を測定する試験装置が開発されている(例えば特許文献1,2)。
特許文献1の試験装置は、ドーナッツ状の圧密リング内に試験体を配置した状態で、圧密リング内の試験体を軸方向から加圧体によって加圧し、加圧方向から土砂等に加圧水を供給して、加圧方向における透水性を測定するものである。



また、特許文献2には、立方体に成形された試験体を、試験体の各面にそれぞれ配置された加圧板によって囲んで密封し、この加圧板内に密封された試験体の透水性を測定する装置が開示されている。この装置では、加圧板内に密封された試験体を、加圧容器内で中心方向に押圧されるように加圧した状態で保持し、この試験体に加圧水を供給することによって透水性を測定することができる。そして、特許文献2には、試験体の各面と加圧板との間に試験体の各面を複数の区画に仕切る止水板が設けられているので、試験体の所望の区画に加圧水を供給しかつ所望の区画から加圧水を排水させれば、試験体内の所望の方向における透水性を把握することができる旨の記載がある。



ところで、試験体の100年後、1000年後、そして10000年後における透水性能を評価するには、亀裂等の不連続面が透水性に与える影響を時間連続的に把握しなければならないが、特許文献1,2の装置ではかかる試験体の透水性の時間変化を測定することはできない。



まず、試験体を加圧した場合、加圧方向(図4ではP1)と直交する方向に沿って不連続面が形成されるのであるが(図4(B)参照)、不連続面が形成されると水は不連続面に沿って流れようとする。このため、不連続面の発生成長による透水性の変化を評価するには、不連続面に沿った方向(図4(B)では紙面に直交する方向)から水を供給排出しなければならない。言い換えれば、加圧方向と直交する方向から水を供給排出しなければならないのである。



しかるに、特許文献1の装置では加圧方向から加圧水を供給するように構成されているため、試験体中に不連続面が存在していたとしても、不連続面に沿った方向から水を供給することができない。したがって、不連続面が透水性に与える影響を正確に把握することはできない。
しかも、特許文献1の装置では、加圧体および濾過板によって試験体の上下両面は平面に維持されるように構成されており、また、試験体の側面は圧密リングの内面と接しておりその法線方向における移動変形ができない。したがって、特許文献1の装置では、試験体を圧縮することはできても不連続面を発生させることはできないのであるから、不連続面の発生による透水性の変化や、不連続面の成長に伴う透水性の変化を確認することはできない。



また、特許文献2の装置は、試験体の所望の面から水を供給し所望の面から排出することが可能であるから、既に不連続面が存在している試験体であってその不連続面の位置および方向が分かっていれば、その不連続面に沿った方向の透水性を把握することも可能である。
しかし、科学的には、試験体の全ての面に同じ加圧力が加わる、つまり、試験体に静水圧が作用しても、材料は破壊には至らないことが知られている。すると、特許文献2の装置では、試験体の全ての面に同じ加圧力が加わるように構成されているので、既に存在する不連続面を閉塞させることはできても不連続面を成長させることは困難である。
また、特許文献2の装置では、全方向から同じ圧力で圧縮する(静水圧を作用する)ことしかできないし、しかも、試験体の全ての面が鋼板等の剛性の高い加圧板によって囲まれており試験体の全ての面はその変形が固定されている。すると、特許文献2の装置では、試験体中に新たな不連続面を発生させたり、既に存在する不連続面を成長させたりすること自体が非常に難しい。
したがって、特許文献2の装置を使用しても、亀裂の発生による透水性の変化や、亀裂の成長に伴う透水性の変化を確認することは非常に困難である。




【特許文献1】特開昭63-70712号

【特許文献2】特開平7-198582号

産業上の利用分野


本発明は、透水試験機および透水試験方法に関する。従来から、土、岩石、コンクリート等の材料の透水性を測定することが行われている。かかる透水性を測定する目的は、主としてビル等の建造物の建設中における出水や建設当初のダム等における貯水性の評価やトンネル等の地下空洞の掘削中における出水等の現象を把握するためであった。
近年、放射性廃棄物を地層処分、つまり、地中の岩盤等に埋設して処分することが検討されている。かかる岩盤中に放射性廃棄物を処分する場合、最終的な防御壁は地下水を含む岩盤となる。なぜなら、放射性廃棄物から核種が最終防御壁である岩盤まで漏洩しても、岩盤中の水の移動が緩慢であれば漏洩核種が生態圏まで到達するまでに放射性レベルが低下し、生物種へ影響を与えるという危険性が低下するからである。しかしながら、岩盤に亀裂が発生する、あるいは既に岩盤中に存在していた亀裂が成長すると、岩盤基質部が低透水性物質であっても、こうした亀裂を介して水が拡散する可能性がある。そこで、どのぐらいの期間でどの程度岩盤から水がしみ出すかを把握する必要があるが、かかる水のしみ出しを評価するには、100年後、1000年後、そして10000年後における岩盤の透水性やその経年変化を把握しなければならない。
本発明は、かかる岩盤などを構成する人工岩石や天然岩石、ダム底あるいは堰堤における岩盤、原子力発電所等の建築物に使用される材料の透水性やその経年の変化を把握するための透水試験機および透水試験方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
直方体に整形された試験体の表面に密着し該試験体を液密に密封した状態となるように覆い被加圧体を形成する、伸縮性を有する収容部材と、
前記被加圧体における互いに対向する一対の拘束面を、その法線方向の移動および変形を固定した状態で保持する拘束手段と、
前記被加圧体における前記一対の拘束面と異なる互いに対向する一対の圧縮面を、その面の法線方向に沿って圧縮する圧縮手段と、
前記被加圧体における一方の前記拘束面に液体を供給し、該被加圧体における他方の拘束面から排出される液体の流量を測定する透水手段とからなり、
前記拘束手段は、
前記一対の拘束面および前記一対の圧縮面と異なる面の法線方向の変形が非拘束の状態となるように、前記被加圧体を保持するものである
ことを特徴とする透水試験機。

【請求項2】
前記圧縮手段は、
前記被加圧体に発生するひずみに基づいて圧縮力を制御するものである
ことを特徴とする請求項1記載の透水試験機。

【請求項3】
前記圧縮手段は、
前記被加圧体の一対の圧縮面を、その法線方向の変形を制御した状態で保持しつつ、その面の法線方向に沿って圧縮するように構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の透水試験機。

【請求項4】
前記圧縮手段は、
前記被加圧体の一対の圧縮面のうち、一方の圧縮面をその法線方向の変形を制御した状態で保持しつつ、他方の圧縮面における一部の領域を押圧するように構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の透水試験機。

【請求項5】
前記被加圧体における前記一対の拘束面および前記一対の圧縮面と異なる一対の加圧面を、その法線方向の変形を非拘束の状態で保持しつつ、その法線方向に沿って加圧する加圧手段を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の透水試験機。

【請求項6】
前記加圧手段は、
前記圧縮手段によって前記被加圧体を圧縮している間、該被加圧体における一対の加圧面に加わる圧力が一定圧力となるように調整されている
ことを特徴とする請求項5記載の透水試験機。

【請求項7】
前記収容部材と前記試験体との間に、両者の間を液密に密封する密封材が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の透水試験機。

【請求項8】
前記透水手段は、
前記被加圧体における前記収容部材と、該被加圧体の一対の拘束面に対応する前記試験体の面との間に、該試験体の面内における水頭が均一になるように調整する水頭調整部材を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の透水試験機。

【請求項9】
請求項1記載の透水試験機において、
前記圧縮手段によって前記被加圧体を圧縮したときにおいて、前記一対の拘束面に加わる圧力が、該圧縮手段から前記一対の圧縮面に加わる圧力よりも小さくなるように、前記圧縮手段から前記被加圧体に対して加わる圧力を調整する
ことを特徴とする透水試験方法。

【請求項10】
請求項5記載の透水試験機において、
前記圧縮手段によって前記被加圧体を圧縮したときにおいて、前記一対の拘束面に加わる圧力が、該圧縮手段から前記一対の圧縮面に加わる圧力よりも小さく、前記加圧手段から前記一対の加圧面に加わる圧力よりも大きくなるように、前記圧縮手段から前記被加圧体に対して加わる圧力、および、前記加圧手段から前記被加圧体に対して加わる圧力を調整する
ことを特徴とする透水試験方法。

【請求項11】
前記試験体は、
互いに平行な一対の面間を貫通する貫通部が形成されており、
該一対の面と対応する前記被加圧体における一対の面が、前記拘束面となるように収容部材に収容されている
ことを特徴とする請求項9または10記載の透水試験方法。
産業区分
  • 試験、検査
  • 原子力
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 権利存続中
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