TOP > 国内特許検索 > 変形特性を測定する方法及びそのための装置

変形特性を測定する方法及びそのための装置

国内特許コード P08P005627
整理番号 IP354
掲載日 2008年4月25日
出願番号 特願2006-281251
公開番号 特開2008-096377
登録番号 特許第4742270号
出願日 平成18年10月16日(2006.10.16)
公開日 平成20年4月24日(2008.4.24)
登録日 平成23年5月20日(2011.5.20)
発明者
  • 中田 幸男
  • 兵動 正幸
  • 吉川 直孝
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 変形特性を測定する方法及びそのための装置
発明の概要

【課題】小型模型化した供試体に荷重を付加したときの変形特性を、材料の実際状況に即した形で、かつ簡易な装置により、的確に評価する。
【解決手段】供試体の周方向で供試体の中心軸に対し垂直な面内において中心軸から等距離で相互に等間隔の位置において複数台の撮像装置をそれぞれ3次元座標の原点に撮像光軸を向けて配置し、供試体に中心軸方向の荷重を付加していない状態と付加した状態とにおいて複数台の撮像装置により供試体を同期して撮像し、撮像装置で得られた各画像における供試体周面の標点の画像座標を求め、撮像装置で得られた各画像のうち隣接する2台の撮像装置による画像を1組の左右画像としてこの左右画像における供試体の標点の画像座標から標点の3次元座標を求め、これを隣接する2台の撮像装置の全ての組み合わせについて行って、求められた全ての標点の3次元座標の変化量から供試体の変形特性を求める。
【選択図】図2

従来技術、競合技術の概要


建設工事を行う上で、地盤の強度、耐久性を調査することが重要であり、特に地盤材料の圧縮性とせん断破壊の状況のような特性について調査することは、地盤材料の評価において大きな意義をもつ。地盤材料に関しては、構成粒子が堅固なもの、脆弱なもの等さまざまであり、同じ密度レベル、拘束圧レベルにおいても、強いダイレタンシーを引き起こすものから負のダイレタンシーとなるものまであり、せん断破壊の生ずる状況も多様である。



近年、海砂の採取が困難な状況になり、建設工事に利用する砂質材料の確保が課題となりつつある。このため自然砂質材料の代替材として利用するための人工地盤材料の開発が進められている。人工地盤材料は粒子強度が低く破砕し易いため、力学的に不安定になるのではないかというような懸念もあり、試験施工程度にとどまっているのが現状である。



自然砂質材料や人工地盤材料の強度、耐久性を評価する上で、地盤材料の力学的特性を測定することが行われている。これは、地盤材料を小型模型化した圧縮試験により歪み-応力特性を求めることや、水分量を計測して間隙比を求めるというようなことがある。



対象物の変形を測定することについて特許文献1,2に記載され、また、地盤を模型化した供試体についてX線CTによる三軸圧縮試験を行い、供試体内部の局所的な間隙比を定量化することについて非特許文献1に記載されている。



特許文献1,2においては、岩盤等の対象物の計測点を任意に選び、基準計測点を含む計測対象を複数の位置で撮影して得られた複数の画像から変位計測点の3次元座標を算出して変位を求めることについて記載されている。しかしながら、これはトンネル工事等における対象物の変形状態を計測する上での手法は示しているものの、模型化した材料について、直接的な変形試験を行うのに代えて画像解析により変形特性を測定することを具体的に示すものではなく、そのまま適用できるものではない。



非特許文献1に開示される手法は、模型化された試料に対して画像解析により変形特性を求めるものであるが、X線CTの装置を用いるものであり、実施するのに多くの経費を要することが避けられない。

【特許文献1】特開平11-201752号公報

【特許文献2】特開2005-338107号公報

【非特許文献1】Desrues, J., Chambon, R., Mokni, M. & Mazerolle, F. : Void ratio evolutioninside shear bands in triaxial sand specimens studied by computed tomography, Geotechnique46, No. 3, pp. 529~546, 1996.

産業上の利用分野


本発明は、変形特性を測定する方法及びそのための装置に関し、特に荷重を受けた材料の変形を画像処理により測定する方法及びそのための装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
周面に標点を有するかまたは標点が付与されている供試体について荷重を付加していない状態及び荷重を付加した状態で撮像した画像を画像処理することにより供試体の変形特性を測定する方法であって、
3次元座標の原点を規定することと、
前記供試体を中心軸方向の上下端側で前記供試体の中心軸方向に荷重を付加し得るように前記供試体を支持することと、
前記供試体の周方向で前記供試体の中心軸に対し垂直な面内において中心軸から等距離で相互に等間隔の位置において1台ずつ計N台の撮像装置をそれぞれ前記3次元座標の原点に撮像光軸を向けて配置することと、
前記撮像装置における基準点の位置を測定することと、
前記供試体に中心軸方向の荷重を付加していない状態及び付加した状態において前記N台の撮像装置により前記供試体を撮像することと、
前記N台の撮像装置で得られた各画像における前記供試体の標点の画像座標を求めることと、
前記N台の撮像装置で得られた各画像のうち隣接する2台の撮像装置による画像を1組の左右画像とし該1組の左右画像における前記供試体の標点の画像座標から該標点の3次元座標を求めることを前記隣接する2台の撮像装置の全ての組み合わせについて行って前記供試体の周面の全ての標点の3次元座標を前記供試体に中心軸方向の荷重を付加していない状態及び付加した状態の各段階について求めることと、
求められた前記全ての標点の3次元座標の変化量から前記供試体の変形特性を求めることと、
からなることを特徴とする変形特性を測定する方法。

【請求項2】
前記供試体が可撓性の材料で形成され周面に標点が付与されたメンブレン内に砂質材料を充填し密封してなるもの供試体であり、該供試体を撮像位置に対応したN個の観察窓を有する密閉型の円筒形セル内に間に空間を有するように支持するとともに、前記セル内に圧力を付加した状態の透明流体を充填するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の変形特性を測定する方法。

【請求項3】
周面に標点を有するかまたは標点が付与されている供試体について荷重を付加していない状態及び荷重を付加した状態で撮像した画像を画像処理することにより供試体の変形特性を測定する方法であって、
3次元座標の原点を規定することと、
前記供試体を中心軸方向の上下端側前記供試体の中心軸方向に荷重を付加し得るとともに中心軸の回りに回転及び停止できるように支持することと、
前記供試体の周方向で前記供試体の中心軸に対し垂直な面内において1台の撮像装置を前記3次元座標の原点に撮像光軸を向けて配置することと、
前記撮像装置における基準点の位置を測定することと、
前記供試体を前記撮像装置により前記供試体を撮像し前記供試体を中心軸の回りに(360/N)度回転した後に再び前記撮像装置により前記供試体を撮像するという操作をN回反復して前記供試体の全周囲を撮像することを中心軸方向の荷重を付加していない状態と荷重を付加した状態とにおいてそれぞれ行うことと、
前記撮像装置で得られた各画像における前記供試体の標点の画像座標を求めることと、
前記中心軸方向の荷重を付加していない状態と荷重を付加した状態との各状態について前記撮像装置で前記供試体をN回反復して撮像して得られた各画像のうち1回目の撮像と2回目の撮像とにより得られた画像を1組の左右画像とし該1組の左右画像における前記供試体の標点の画像座標から該標点の3次元座標を求め、次いで2回目の撮像と3回目の撮像とにより得られた画像を1組の左右画像とし該1組の左右画像における前記供試体の標点の画像座標から該標点の3次元座標を求めるという操作をN回反復して前記供試体の周面の全ての標点の3次元座標を前記供試体に中心軸方向の荷重を付加していない状態及び付加した状態の各段階について求めることと、
求められた前記全ての標点の3次元座標の変化量から前記供試体の変形特性を求めることと、
からなることを特徴とする変形特性を測定する方法。

【請求項4】
前記供試体が可撓性の材料で形成され周面に標点が付与されたメンブレン内に砂質材料を充填し密封してなるもの供試体であり、該供試体を撮像位置に対応した1個の観察窓を有する密閉型の円筒形セル内に間に空間を有しかつ中心軸の回りに回転及び停止できるように支持するとともに、前記セル内に圧力を付加した状態の透明流体を充填するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の変形特性を測定する方法。

【請求項5】
前記撮像装置で得られた各画像について求められた前記供試体の標点の画像座標に対し幾何歪みを除去する内部標定を行い、さらに外部標定として画像座標から3次元座標への座標変換を行うようにしたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の変形特性を測定する方法。

【請求項6】
周面に標点を有するかまたは標点が付与されている供試体について荷重を付加していない状態及び荷重を付加した状態で撮像した画像を画像処理することにより供試体の変形特性を測定するための装置であって、
前記供試体を3次元座標における所定位置において中心軸の上下端側で支持するとともに中心軸方向の荷重を付加するように操作可能な供試体支持手段と、
前記供試体支持手段が前記供試体に中心軸方向の荷重を付加する操作を行い該付加された荷重の大きさの信号を出力する荷重付加手段と、
前記供試体の中心軸に垂直な面内において前記供試体の中心軸から等距離で相互に等間隔の位置に前記3次元座標の原点に撮像光軸を向けて支持固定されたN台の撮像装置と、
前記荷重付加手段による前記試体への荷重付加と前記撮像装置による前記N台の撮像装置による前記供試体の撮像とを対応づけて行うための撮像制御部と、
前記N台の撮像装置で得られた各画像のうち隣接する2台の撮像装置による画像を1組の左右画像として、該1組の左右画像における前記供試体の標点の画像座標から該標点の3次元座標を求めることを前記隣接する2台の撮像装置の全ての組み合わせについて行って前記供試体の周面の全ての標点の3次元座標を前記供試体に中心軸方向の荷重を付加していない状態及び付加した状態の各段階について求め、求められた前記全ての標点の3次元座標の変化量から前記供試体の変形特性を求める画像処理部と、
を備えてなることを特徴とする変形特性を測定するための装置。

【請求項7】
前記供試体が可撓性の材料で形成され周面に標点が付与されたメンブレン内に砂質材料を充填し密封してなるもの供試体であり、前記変形特性を測定するための装置は撮像位置に対応したN個の観察窓を有し前記供試体との間に空間を有する状態で前記供試体支持手段が前記供試体を支持するようにした密閉型のセルと、該密閉型のセル内に圧力を付加した状態の透明流体を充填する圧力付加手段とをさらに備えてなるものであることを特徴とする請求項6に記載の変形特性を測定するための装置。

【請求項8】
周面に標点を有するかまたは標点が付与されている供試体について荷重を付加していない状態及び荷重を付加した状態で撮像した画像を画像処理することにより供試体の変形特性を測定するための装置であって、
前記供試体を3次元座標における所定位置において中心軸の上下端側で支持するとともに中心軸方向の荷重を付加しかつ荷重を付加し前記供試体を支持した状態で前記供試体を(360/N)度ずつ回転及び停止させるように操作可能な供試体支持手段と、
前記供試体支持手段が前記供試体に中心軸方向の荷重を付加する操作を行い該付加された荷重の大きさの信号を出力する荷重付加手段と、
前記供試体を中心軸に垂直な面内において前記供試体の中心軸から所定の距離をおいた位置に前記3次元座標の原点に撮像光軸を向けて支持固定された1台の撮像装置と、
前記荷重付加手段による前記試体への荷重付加と荷重一定の状態での前記供試体支持手段による前記供試体の(360/N)度ずつの回転及び停止の動作と前記撮像装置による前記供試体の撮像とを対応づけて行うための撮像制御部と、
前記撮像装置で前記供試体をN回反復して撮像して得られた各画像のうち1回目の撮像と2回目の撮像とにより得られた画像を1組の左右画像とし該1組の左右画像における前記供試体の標点の画像座標から該標点の3次元座標を求め、次いで2回目の撮像と3回目の撮像とにより得られた画像を1組の左右画像とし該1組の左右画像における前記供試体の標点の画像座標から該標点の3次元座標を求めるという操作をN回反復して前記供試体の周面の全ての標点の3次元座標を前記供試体に中心軸方向の荷重を付加していない状態及び付加した状態の各段階について求め、求められた前記全ての標点の3次元座標の変化量から前記供試体における局所歪みを求める画像処理部と、
からなることを特徴とする変形特性を測定するための装置。

【請求項9】
前記供試体が可撓性の材料で形成され周面に標点が付与されたメンブレン内に砂質材料を充填し密封してなるもの供試体であり、前記変形特性を測定するための装置は撮像位置に対応した1個の透明な観察窓を有し前記供試体との間に空間を有する状態で前記供試体支持手段が前記供試体を支持するとともに中心軸の回りに回転及び停止できるようにした密閉型のセルと、該密閉型のセル内に圧力を付加した状態の透明流体を充填する圧力付加手段とをさらに備えてなるものであることを特徴とする請求項8に記載の変形特性を測定するための装置。

【請求項10】
前記画像処理部が前記撮像装置で得られた各画像について求められた前記供試体の標点の画像座標に対し幾何歪みを除去する内部標定を行い、さらに外部標定として画像座標から3次元座標への座標変換を行うようにしたことを特徴とする請求項6~9のいずれか1項に記載の変形特性を測定するための装置。

産業区分
  • 試験、検査
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2006281251thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close