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等輝度測定装置、等輝度測定方法、ディスプレイ装置およびコンピュータグラフィックス処理装置 UPDATE

国内特許コード P08A013374
整理番号 PA18-055
掲載日 2008年5月9日
出願番号 特願2006-236920
公開番号 特開2008-054996
登録番号 特許第4859043号
出願日 平成18年8月31日(2006.8.31)
公開日 平成20年3月13日(2008.3.13)
登録日 平成23年11月11日(2011.11.11)
発明者
  • 田森 佳秀
出願人
  • 学校法人金沢工業大学
発明の名称 等輝度測定装置、等輝度測定方法、ディスプレイ装置およびコンピュータグラフィックス処理装置 UPDATE
発明の概要 【課題】被験者にとって等輝度と感じられる二つの色の輝度値(色座標)を測定するには手間と時間がかかっていた。
【解決手段】動く縞模様パターンを画面に表示して被験者に見せる。この動く縞模様パターンは、第一の色のライン50a~50gと第二の色のライン52a~52gとが交互に配置されてなる横縞のパターンであり、第一の色の輝度は右方向に徐々に明るくなり、第二の色の輝度は左方向に徐々に明るくなる。縞模様は上方向または下方向に一定の速度で動く。被験者は、縞模様の動きがはっきりしない水平方向の位置x0を指定する。被験者の指定した位置における第一の色の輝度Y1と第二の色の輝度Y2を、被験者にとって等輝度となる輝度値の組合せとして取得する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


人間の視覚神経系は輝度情報と色情報が分離されて伝達され、輝度情報よりも色情報が遅れて伝達されて知覚されることが知られている。人間の視覚神経系の研究において、色に対する神経系の反応活動を詳しく研究するためには、神経系に伝達される輝度情報を一定に保ち、色彩のみを変化させることが必要となる。輝度に反応する神経系と色に反応する神経系が同時に活動すると、色に反応する神経系の反応活動の部位だけを検出することが難しくなるからである。



また、医療の分野において、患者の視覚神経系の内、色に反応する神経系に問題があり、輝度に反応する神経系には問題がない場合、輝度に反応する神経系と色に反応する神経系の神経活動を分離した上で、検査を行わないと、色に反応する神経系の問題を正確に把握することができない。視覚神経活動から輝度に依存する活動を分離して、色に依存する活動のみを取り出すためには、患者に見せる色の輝度を一定にしておくことが必要となる。



このように視覚神経系の研究や治療においては、輝度を一定にして色彩のみを変えることが必要になるが、人間は、物理的に同じ輝度の二つの色を見ても、主観的に同じ輝度であるとは感じないことが古くから知られている。たとえば、物理的に同じ輝度でも、青より緑をより明るく感じることがある。すなわち、光のエネルギーで決まる物理量としての輝度(「客観的輝度」あるいは「物理的輝度」と呼ぶことができる)と、人間が感じる色の明るさを示す主観的な輝度とは一般には一致せず、人間の輝度感覚(人間の主観的輝度)にはかなりの個人差もあることが知られている。そのため、視覚神経系の活動を正確に分析するために、被験者にとって主観的に同じ輝度として感じる二つの色の物理的な輝度を測定することが必要となり、数多くの測定結果が報告されている(たとえば、非特許文献1や非特許文献2参照)。



被験者の主観的輝度を測定する従来の方法として、被験者に二つの色を交互に点滅させながら提示し、被験者にとって点滅していないように見えるまで、被験者に二つの色の輝度の比を手動で調整させる方法がある。人間の視覚神経系では、色情報は輝度情報よりも伝わるのが遅い。二つの色の点滅速度が、色情報が視覚神経系に伝達され知覚される速度よりも速ければ、人間は二つの色の点滅を色情報からは知覚することができなくなり、輝度情報を頼りにして、色の点滅を知覚するようになる。被験者は、二つの色の輝度が異なる限り、色情報が知覚されない点滅速度であっても、二つの色の点滅を知覚することができる。



このように、被験者が点滅感をもつのは二色の輝度の違いのゆえであって、色彩の違いからではない。点滅がゆっくりならば色彩にもとづいて点滅していることがわかるが、点滅が速くなると、色の変化を知覚できなくなり、輝度の変化で点滅を知覚するようになる。被験者が二つの色の輝度の比を調整していき、主観的に等輝度に感じられるところまで二つの色の輝度の比が調整されると、二つの色の輝度の違いが知覚されなくなり、被験者にとって点滅感がなくなる。



また、別の測定方法として、二つの色のラインを交互に配置した縞模様を一定速度で動かしながら提示し、被験者にとって縞の動きが見えなくなるまで、被験者に二つの色の輝度の比を手動で調整させる方法がある。二色の点滅の場合と同様、被験者は縞模様の動きを色情報からは知覚することができず、輝度情報から知覚している。そのため、二つの色の輝度の比を調整した結果、被験者にとって二つの色のラインが主観的に同じ輝度に見える縞模様パターンになると、縞模様の動きを知覚することができなくなる。これらの従来の測定方法によって、被験者毎に主観的に同じ輝度として感じる二つの色の物理的な輝度を求めることができる。



【非特許文献1】
D. H. Kelly and D. van Norren, "Two-band model of heterochromatic flicker", J. Opt. Soc. Am., Vol. 67, No. 8, August 1977.
【非特許文献2】
Cavanagh et al., "Perceived velocity of moving chromatic gratings", J. Opt. Soc. Am., A/Vol. 1, No. 8, August 1984.

産業上の利用分野


この発明は、被験者にとって等輝度と感じられる色の輝度値(色座標)を測定するための等輝度測定装置と方法、ならびにその等輝度測定装置を利用したディスプレイ装置およびコンピュータグラフィックス処理装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
第一の色のラインと第二の色のラインとが交互に配置されてなる縦縞もしくは横縞のパターンであって、前記第一の色と前記第二の色の輝度の比をライン方向の位置によって異ならせた縞模様パターンがラインに垂直な方向に所定の速度で動く動画を生成する動画生成部と、
前記動画を画面に表示する表示制御部と、
前記画面に表示された前記縞模様パターンにおいて、被験者にライン方向の位置を指定させるユーザインタフェースを提供するインタフェース部と、
前記ユーザインタフェースを介して、前記画面に表示された縞模様が所定の速度で動く前記縞模様パターンにおいて、前記被験者にとってその縞模様の動きが不明なライン方向の位置座標を取得する動き不明位置取得部と、
前記動き不明位置取得部により取得されたライン方向の動き不明位置座標における前記第一の色の輝度と前記第二の色の輝度を算出する輝度算出部と、
前記動き不明位置座標における前記第一の色の輝度と前記第二の色の輝度を、前記被験者にとって等輝度となる輝度値の組合せとして記憶する等輝度情報記憶部とを含むことを特徴とする等輝度測定装置。

【請求項2】
前記縞模様パターンは、前記第一の色の輝度はラインの正方向に徐々に明るくなり、前記第二の色の輝度はラインの負方向に徐々に明るくなるように二色の輝度を異ならせたパターンであることを特徴とする請求項1に記載の等輝度測定装置。

【請求項3】
ある二つの色の組合せについて前記被験者にとって等輝度となる輝度値の組合せと、別の二つの色の組合せについて前記被験者にとって等輝度となる輝度値の組合せとを前記等輝度情報記憶部から取得して、前記被験者にとって等輝度に感じられる色を定めた心理物理学的等輝度面を算出する等輝度面算出部をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の等輝度測定装置。

【請求項4】
第一の色のラインと第二の色のラインとが交互に配置されてなる縦縞もしくは横縞のパターンであって、前記第一の色と前記第二の色の輝度の比をライン方向の位置によって異ならせた縞模様パターンがラインに垂直な方向に所定の速度で動く動画を生成する動画生成部と、
前記動画を画面に表示する表示制御部と、
前記画面に表示された前記縞模様パターンにおいて、被験者にライン方向の位置を指定させるユーザインタフェースを提供するインタフェース部と、
前記ユーザインタフェースを介して、前記画面に表示された縞模様が所定の速度で動く前記縞模様パターンにおいて、前記被験者にとってその縞模様の動きが不明なライン方向の位置座標を取得する動き不明位置取得部と、
前記動き不明位置取得部により取得されたライン方向の動き不明位置座標における前記第一の色の輝度と前記第二の色の輝度を算出する輝度算出部と、
前記動き不明位置座標における前記第一の色の輝度と前記第二の色の輝度を、前記被験者にとって等輝度となる輝度値の組合せとして記憶する等輝度情報記憶部と、
表示すべき色の輝度を調整する輝度調整部を含み、
前記輝度調整部は、第一の二色の組合せと、第一の二色の組合せとは異なる第二の二色の組合せについて、前記動画生成部、前記表示制御部、前記インタフェース部、前記動き不明位置取得部、前記輝度算出部を動作させることにより、前記第一の二色の組合せについて前記被験者にとって等輝度となる輝度値の組合せと、前記第二の二色の組合せについて前記被験者にとって等輝度となる輝度値の組合せとを前記三原色の主観的な等輝度情報として取得し、その主観的な等輝度情報にもとづいて、表示すべき色を前記被験者にとって等輝度となる輝度値で出力することを特徴とするディスプレイ装置。

【請求項5】
三次元オブジェクトをレンダリングするコンピュータグラフィックス処理装置であって、
第一の色のラインと第二の色のラインとが交互に配置されてなる縦縞もしくは横縞のパターンであって、前記第一の色と前記第二の色の輝度の比をライン方向の位置によって異ならせた縞模様パターンがラインに垂直な方向に所定の速度で動く動画を生成する動画生成部と、
前記動画を画面に表示する表示制御部と、
前記画面に表示された前記縞模様パターンにおいて、被験者にライン方向の位置を指定させるユーザインタフェースを提供するインタフェース部と、
前記ユーザインタフェースを介して、前記画面に表示された縞模様が所定の速度で動く前記縞模様パターンにおいて、前記被験者にとってその縞模様の動きが不明なライン方向の位置座標を取得する動き不明位置取得部と、
前記動き不明位置取得部により取得されたライン方向の動き不明位置座標における前記第一の色の輝度と前記第二の色の輝度を算出する輝度算出部と、
前記動き不明位置座標における前記第一の色の輝度と前記第二の色の輝度を、前記被験者にとって等輝度となる輝度値の組合せとして記憶する等輝度情報記憶部と、
ある二つの色の組合せについて前記被験者にとって等輝度となる輝度値の組合せと、別の二つの色の組合せについて前記被験者にとって等輝度となる輝度値の組合せとを前記等輝度情報記憶部から取得して、前記被験者にとって等輝度に感じられる色を定めた心理物理学的等輝度面を算出する等輝度面算出部と、
所定の速度よりも速く動く三次元オブジェクトについては、前記等輝度面算出部により算出された前記被験者の主観的な等輝度面を参照して、描画色の輝度が主観的な等輝度面上に位置しないように、描画色の輝度を変更する輝度変更部とを含むことを特徴とするコンピュータグラフィックス処理装置。

【請求項6】
第一の色のラインと第二の色のラインとが交互に配置されてなる縦縞もしくは横縞のパターンであって、前記第一の色と前記第二の色の輝度の比をライン方向の位置によって異ならせた縞模様パターンがラインに垂直な方向に所定の速度で動く映像を画面に表示し、前記画面に表示された縞模様が所定の速度で動く前記縞模様パターンにおいて、被験者にとってその縞模様の動きが不明なライン方向の位置を被験者に特定させ、被験者によって特定されたライン方向の動き不明位置座標における前記第一の色の輝度と前記第二の色の輝度を前記被験者にとって等輝度となる輝度値の組合せとして取得することを特徴とする等輝度測定方法。

【請求項7】
第一の色のラインと第二の色のラインとが交互に配置されてなる縦縞もしくは横縞のパターンであって、前記第一の色と前記第二の色の輝度の比がライン方向の位置によって異なる縞模様パターンがラインに垂直な方向に所定の速度で動く動画を生成する動画生成機能と、
前記動画を画面に表示する表示制御機能と、
前記画面に表示された前記縞模様パターンにおいて、被験者にライン方向の位置を指定させるユーザインタフェースを提供するインタフェース機能と、
前記ユーザインタフェースを介して、前記画面に表示された縞模様が所定の速度で動く前記縞模様パターンにおいて、前記被験者にとってその縞模様の動きが不明なライン方向の位置座標を取得する動き不明位置取得機能と、
前記動き不明位置取得部により取得されたライン方向の動き不明位置座標における前記第一の色の輝度と前記第二の色の輝度を算出する輝度算出機能と、
前記動き不明位置座標における前記第一の色の輝度と前記第二の色の輝度を、前記被験者にとって等輝度となる輝度値の組合せとして記憶する等輝度情報記憶機能とをコンピュータに実現させることを特徴とするプログラム。
国際特許分類(IPC)
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