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口腔癌の頚部リンパ節転移予測方法およびその予測に用いる診断キット

国内特許コード P08A013395
整理番号 NIRS-269
掲載日 2008年5月16日
出願番号 特願2006-237793
公開番号 特開2008-054628
登録番号 特許第5046150号
出願日 平成18年9月1日(2006.9.1)
公開日 平成20年3月13日(2008.3.13)
登録日 平成24年7月27日(2012.7.27)
発明者
  • 今井 高志
  • 岩川 眞由美
  • 澁谷 均
  • 三浦 雅彦
  • 吉村 亮一
  • 渡邊 裕
出願人
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
発明の名称 口腔癌の頚部リンパ節転移予測方法およびその予測に用いる診断キット
発明の概要 【課題】口腔癌と診断された個々の症例について、頚部リンパ節転移の可能性を早期かつ客観的に予測する方法の提供。
【解決手段】口腔癌の原発病変から採取された試料について、口腔癌が頚部リンパ節に転移する症例からなる転移群と、転移しない症例からなる非転移群との間で発現量が変化する転移予測遺伝子群の発現量を測定する工程と、転移予測遺伝子群の発現量を、転移群および/または非転移群における転移予測遺伝子の発現量と比較することにより、口腔癌が頚部リンパ節に転移する可能性を予測する工程と、を含み、転移予測遺伝子群は、MSR1(NM_138716.1)およびRET(M31213.1)の2つの遺伝子を含むことを特徴とする口腔癌の頚部リンパ節転移予測方法。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


口腔癌は、口腔内に発生する悪性腫瘍であって、その90%以上は口腔粘膜より発生する扁平上皮癌である。口腔癌は、根治治療として外科療法や放射線療法があり、UICC(Union International Contre Cancer)分類(2002年)におけるI期、II期での局所制御率が80~90%程度と、比較的高く治癒が望める癌である。



口腔癌が治療後にどのような経過をたどるのかを予測するための重要な予後因子として、頚部リンパ節転移が挙げられる。
頚部リンパ節は、口腔原発巣からのリンパ液を流れてくる癌細胞が身体全体に播種しないような、いわば関所の役割を担っており、癌細胞を捉えるとそこで腫大する性質をもっている。腫大した頚部リンパ節は、手術により外科的に摘出される場合が多いが、術後に病理学的に明らかとなる転移リンパ節の数およびリンパ節皮膜外への癌細胞の進展の有無は、予後に直結すると言われている。



従って、口腔癌患者の頚部リンパ節への転移を早期に知ることができれば、口腔癌の予後の改善が期待できる。そのために、従来、治療前に頚部リンパ節転移を予測する方法が試みられてきた。以下、従来行われていた2つの頚部リンパ節転移の予測方法について説明する。



1つ目の予測方法は、その臨床上の分類により転移予測を行うものである。例えば、舌癌(口腔癌に含まれる)は、臨床上の分類により、腫瘍の形態が3種類(表在性、外向性、内向性)に分類される。このとき、内向性の腫瘍は表在性のものより転移しやすいことが知られている(非特許文献1~3参照)。すなわち、1つ目の予測方法によれば、臨床上の分類により、頚部リンパ節への転移発生率を推定することができる。



2つ目の予測方法は、分子病理学的な検索により転移予測を行うものである。癌遺伝子や癌抑制遺伝子、シグナル伝達因子、細胞接着に関わる遺伝子の発現状態を解析することによって、転移するか否かが未知の症例に対して転移予測する試みが行われている。最近では、ポストゲノム時代を迎えて網羅的に発現解析を行うことが可能となり、マイクロアレイ技術を用いた研究も行われつつある(非特許文献4~8参照)。
【非特許文献1】
Shibuya H., Hoshina M., Takeda M., Matsumoto S., Suzuki S., Okada N. Brachytherapy for stage I and II oral tongue cancer: An analysis of past cases focusing on control and complications. Int J Radiat Oncon Biol Phys 1993; 26: 51-8.
【非特許文献2】
Nakagawa, T., Shibuya H., Yoshimura R., Miura M., Okada N., Kishimoto S., Amagasa M., Omura K. Neck node metastasis after successful brachytherapy for early stage tongue carcinoma. Radiotherapy and Oncology 2003; 68, 129-135.
【非特許文献3】
日本口腔腫瘍学会学術委員会編 舌癌取扱い指針 口腔腫瘍, 2005; 17(1), 13-85.
【非特許文献4】
Katayama A., Bandoh N., Kishibe K., Takahara M., Ogino T., Nonaka S., Harabuchi Y. Expressions of matrix metalloproteinases in early-stage oral squamous cell carcinoma as predictive indicators for tumor metastases and prognosis. Clinical Cancer Res 2004; 10, 634-640.
【非特許文献5】
Myo K., Uzawa N., Miyamoto R., Sonoda I., Yuki Y., Amagasa T. Cyclin D1 gene numerical aberration is a predictive marker for occult cervical lymph node metastasis in TNM stage I and II squamous cell carcinoma of the oral cavity. Cancer 2005; 2709-2716.
【非特許文献6】
Chung C., Parker J., Karaca G., Wu J., Funkhouser W., Moore D., Butterfoss D., Xiang D., Zanation A., Yin X,. Shockley W., Weisser M., Dressler L., Shores C., Yarbrough W., Perou C. Molecular classification of head and neck squamous cell carcinomas using patterns of gene expression. Cancer Cell 2004; 5, 489-500.
【非特許文献7】
O'Donnell R., Kupferman M., Wei S., Singhal S., Weber R., O'Malley B., Cheng Y., Putt M., Feidman M., Ziober B., Muschel R. Gene expression signature predicts lymphatic metastasis in squamous cell carcinoma of the oral cavity. Oncogene 2005; 24, 1244-1251.
【非特許文献8】
Roepman P., Wessels F., Kettelarij N., Kemmeren P., Miles A., Lijnzaad P., Tilanus M., Koole R., Hordijk G,. Vliet P., Reinders M., Slootweg P., Holstege F. An expression profile for diagnosis of lymph node metastases from primary head and neck squamous cell carcinomas. Nature Genetics 2005; 37, 182-186.

産業上の利用分野


本発明は、口腔癌の頚部リンパ節転移予測方法およびその予測に用いる診断キットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
MSR1(NM_138716.1;配列番号1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)およびRET(M31213.1;配列番号2で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)の2つの遺伝子にそれぞれ特異的にハイブリダイズ可能な2種類のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする口腔癌の頚部リンパ節転移予測用診断キット。

【請求項2】
さらに、FARP1(CD675885.1;配列番号3で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)の遺伝子に特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項に記載の口腔癌の頚部リンパ節転移予測用診断キット。

【請求項3】
さらに、ARG1(NM_000045.2;配列番号4で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、FARP1(NM_005766.2;配列番号5で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、H19(R83431.1;配列番号6で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、NULL(BC019018.2;配列番号7で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、NULL(AW820586.1;配列番号8で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、HHLA2(NM_007072.2;配列番号9で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、SGCD(NM_172244.2;配列番号10で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、SFRP4(NM_003014.2;配列番号11で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、ALOX12(NM_000697.1;配列番号12で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、LOC146429(AL137382.1;配列番号13で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、PDZRN3(AL137307.1;配列番号14で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、NCAM1(AV702977.1;配列番号15で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、WNT11(NM_004626.2;配列番号16で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド、SORCS2(NM_020777.1;配列番号17で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド、MUC15(NM_145650.2;配列番号18で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、および、NULL(H08012.1;配列番号19で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)の16の遺伝子のうち少なくとも1つの遺伝子に特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項に記載の口腔癌の頚部リンパ節転移予測用診断キット。

【請求項4】
さらに、ARG1(NM_000045.2;配列番号4で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、FARP1(NM_005766.2;配列番号5で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、H19(R83431.1;配列番号6で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、NULL(BC019018.2;配列番号7で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、NULL(AW820586.1;配列番号8で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、HHLA2(NM_007072.2;配列番号9で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、SGCD(NM_172244.2;配列番号10で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、SFRP4(NM_003014.2;配列番号11で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、ALOX12(NM_000697.1;配列番号12で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、LOC146429(AL137382.1;配列番号13で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、PDZRN3(AL137307.1;配列番号14で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、NCAM1(AV702977.1;配列番号15で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、WNT11(NM_004626.2;配列番号16で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド、SORCS2(NM_020777.1;配列番号17で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド、MUC15(NM_145650.2;配列番号18で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)、および、NULL(H08012.1;配列番号19で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド)の16の遺伝子にそれぞれ特異的にハイブリダイズ可能な16種類のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項に記載の口腔癌の頚部リンパ節転移予測用診断キット。
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