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画像解析を利用した植物体の色素含有量の定量方法 新技術説明会

国内特許コード P08A013428
掲載日 2008年5月30日
出願番号 特願2005-104222
公開番号 特開2005-315877
登録番号 特許第4696223号
出願日 平成17年3月31日(2005.3.31)
公開日 平成17年11月10日(2005.11.10)
登録日 平成23年3月11日(2011.3.11)
優先権データ
  • 特願2004-103729 (2004.3.31) JP
発明者
  • 杉山 慶太
  • 亀岡 孝治
  • 橋本 篤
  • 川頭 洋一
出願人
  • 国立大学法人三重大学
発明の名称 画像解析を利用した植物体の色素含有量の定量方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】根菜類、果実などの植物体に含まれるカロチノイド、クロロフィル等の色素の定量方法を提供する。
【解決手段】植物体表面全体の色値を評価するのに適した装置としてデジタル画像撮影機を用いて、ニンジン、ホウレンソウなどの植物体のデジタル画像を撮影し、このデジタル画像から算出した色彩情報と植物体の色素量との相関に関する情報に基づいて、色素量未知の植物体の色彩情報から色素含有量を算出する。このとき色彩情報はRGB色空間及び/又はHSL色空間の色座標系を用いるのがよい。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


植物体に含まれる色素含有量を測定するには、測定試料の作成において煩雑な操作を必要とする。例えば、カロテン、キサントフィルなどの色素の含有量を測定する場合、まず試料を乳鉢で石英砂(CaCO)を加えて磨砕し、クロロフィラーゼ活性の強いものは熱湯で数分煮沸し、酵素活性を失わせる。また、組織汁液の酸度が高い場合は中和してから抽出する。磨砕物に最終濃度が80%になるようにアセトンを加え、濾過して、残渣の緑色が無くなるまでアセトンで抽出、濾過を繰り返す。次に、アセトン抽出液にエーテルを加えて混和し、水を徐々に加えて色素をエーテル層に移す。このエーテル層を水が入った容器に加えてアセトンを除く。この水洗操作を3回繰り返し、エーテル層のみをフラスコに移して無水硫酸ナトリウムを加えて暗所で30分以上脱水後濾過する。得られたエーテル抽出液を減圧乾固し、水酸化カリウム-メタノール溶液を加え、暗所で2時間放置する。最後に、この反応液に水とエーテルを加えて、カロテンをエーテル層に移す。最後に、エーテル層を再び減圧乾固後、メタノールと石油エーテルを加えて、カロテンは石油エーテル層を定溶して、分光光度計で吸光度の測定を行い、キサントフィルはメタノール層を定溶して、分光光度計で吸光度を測定するという方法が採られてきていた。



また、カロテンの含有量を測定する場合は、上記の他に次のような方法が挙げられる。始めにアセトンやテトラヒドロフランなどの有機溶剤を加えて試料を乳鉢で磨砕して濾過する。試料残渣が無色になるまで有機溶剤を加えて磨砕と濾過を繰り返す。このカロテンを含む抽出液に石油エーテルと食塩水を加えて転溶し、石油エーテル層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレーターによって減圧乾固させる。これに、高速液体クロマトグラフフィー(以下HPLCとする)で用いる溶離液で溶離させた後測定する。



このように、HPLCや分光光度計によって測定するには、試料の磨砕、有機溶剤による抽出、脱水、減圧乾固等の煩雑な操作を必要とするとともに、1試料の測定に非常に多くの時間がかかってしまう。このため、試料を短時間で分析する必要がある場合には、利用することができないという問題がある。



色彩色差計によるカロテン含有量との関係を報告した例としては、色彩色差計によってサツマイモのL*a*b*値を測定し、β-カロテン量が推定可能と報告されている(非特許文献1参照)。また、色彩色差計によってニンジンのL*a*b*値を測定し、β-カロテンとa値が高い相関があることを報告されている(非特許文献2参照)。

【非特許文献1】ジャパニーズ ジャーナル オブ ブリーディング(Japanease Journal of Breeding. 43:421-427, 1993)

【非特許文献2】ジャーナル オブ ソサエティ オブ ハイテクノロジー インアグリカルチャー(Journal of Society of High Technology in Agriculture.12(2)、134-137、2000)

産業上の利用分野


本発明は、植物体に含まれる色素の含有量の定量方法に関し、より詳しくは植物体を撮影したデジタル画像を画像解析し得られた色彩情報から色素含有量を定量する方法である。

特許請求の範囲 【請求項1】
記憶手段と制御手段と処理手段とデジタル画像撮影機と表示手段とを備える色素定量装置に対して、植物体に含まれる色素の定量方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
色素濃度が既知の複数の標準試料を、前記デジタル画像撮影機に対して、前記標準試料のデジタル画像を撮影させる撮影工程と、
この撮影工程で撮影されたそれぞれのデジタル画像から、前記標準試料の色彩情報に分解する分解工程と、
前記色彩情報と、前記標準試料の色素濃度と、に基づいて直線重回帰法により検量線を算出させる検量線算出工程と、
前記検量線に、説明変数を変数とする関数を補正項として加える工程と、
色素濃度が未知の対象試料を前記標準試料と同じ撮影条件で撮影したデジタル画像から色彩情報を得た後、この色彩情報から前記補正項が加えられた検量線に基づいて前記対象試料における任意の一種の色素濃度を算出させる濃度算出工程と、
この濃度算出工程で得られた色素濃度を前記表示手段に表示させる表示工程と、を前記処理手段に対して実行させるものである植物体に含まれる色素含有量の定量方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【請求項2】
前記色彩情報は、明度と色相である請求項1に記載のプログラム。

【請求項3】
前記色素は、カロテノイド、クロロフィル、フラボノイド、キノン、フラビン、及びジヒドロフラビンからなる群から選ばれる1種以上のものである請求項1に記載のプログラム。

【請求項4】
前記色素はカロテノイド、クロロフィルから選ばれる1種以上のものである請求項1から3のいずれかに記載のプログラム。

【請求項5】
植物体に含まれる色素の定量方法であって、
デジタル画像撮影機を用いて、色素濃度が既知の複数の標準試料のデジタル画像を撮影し、それぞれのデジタル画像から、前記標準試料の色彩情報を得て、前記色彩情報と、前記標準試料の色素濃度と、に基づいて直線重回帰法により得られる検量線を用い、
前記検量線に、説明変数を変数とする関数を補正項として加える工程と、
色素濃度が未知の対象試料を前記標準試料と同じ撮影条件で撮影したデジタル画像から色彩情報を得た後、この色彩情報から前記補正項が加えられた検量線に基づいて前記対象試料における任意の一種の色素濃度を算出する濃度算出工程と、
を有する植物体に含まれる色素含有量の定量方法。

【請求項6】
前記検量線の情報は、定期的又は常時更新するものであることを特徴とする請求項1に記載の植物体に含まれる色素含有量の定量方法。
産業区分
  • 試験、検査
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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