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ペプチド化合物PYY3-36の存否の確認方法 コモンズ

国内特許コード P08P005410
整理番号 I019P006
掲載日 2008年5月30日
出願番号 特願2006-304529
公開番号 特開2008-122163
登録番号 特許第4762114号
出願日 平成18年11月9日(2006.11.9)
公開日 平成20年5月29日(2008.5.29)
登録日 平成23年6月17日(2011.6.17)
発明者
  • 井上 佳久
  • ミハイル レハルスキー
  • キムーン キム
  • ヨンホー コー
  • ナラヤナン セルバパラン
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 ペプチド化合物PYY3-36の存否の確認方法 コモンズ
発明の概要

【課題】本発明は、ペプチド化合物PYY3-36の存否を簡便に、且つ、精度良く確認する方法を提供する。
【解決手段】被検薬剤中において、下記アミノ酸配列
H-Ile-Lys-Pro-Glu-Ala-Pro-Gly-Glu-Asp-Ala-Ser-Pro-Glu-Glu-Leu-Asn-Arg-Tyr-Tyr-Ala-Ser-Leu-Arg-His-Tyr-Leu-Asn-Leu-Val-Thr-Arg-Gln-Arg-Tyr-X
(アミノ酸配列中、XはOH、又はカルボン酸保護基を示す)
で表されるペプチド化合物PYY3-36の存否を確認する方法であって、
(1)前記被検薬剤及びキューカービチュリル[7]を溶媒とともに混合することにより溶液を調製する工程、及び
(2)工程(1)で得られた溶液を熱分析する工程
を含む、ペプチド化合物PYY3-36の存否の確認方法。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


近年、肥満が健康に対して与える悪影響について問題となっている。減量を行い、さらにそれを維持するためには、長期間或いは侵襲的な治療が必要となる。米国保健社会福祉省は、年間およそ30万人の米国人が肥満が原因で死亡していると報告している。アメリカ合衆国内における肥満よる直接費及び間接費は、1000億ドルを突破している。



従来より、シブトラミン、フェンテルミン、オルリスタット等の食欲抑制剤が市販されている。しかし、これら抑制剤の抑制効果は不十分である。



そこで、近年、食欲の調整に効果的な天然ペプチドホルモンを医学的に応用することに期待が集まっている。製薬会社数社は、天然ペプチドホルモンに関する肥満の臨床試験及び前臨床試験を行っている。



特に、天然のペプチドホルモンとして、下記アミノ酸配列
H-Ile-Lys-Pro-Glu-Ala-Pro-Gly-Glu-Asp-Ala-Ser-Pro-Glu-Glu-Leu-Asn-Arg-Tyr-Tyr-Ala-Ser-Leu-Arg-His-Tyr-Leu-Asn-Leu-Val-Thr-Arg-Gln-Arg-Tyr-X
(アミノ酸配列中、XはOH、又はカルボン酸保護基を示す)
で表されるペプチド化合物PYY3-36(以下「PYY3-36」と略記する場合がある)が注目されており、PYY3-36を鼻内へ注入するという新しい肥満治療の方法がすでに提供されている。PYY3-36は、人間の内臓(特に胃)の内分泌細胞によって作られる分泌物(以下「分泌物」と略記する場合がる)に含まれる。この分泌物は、人間の食物摂取量等に応じて分泌されやすい。



前記分泌物には、通常、下記アミノ酸配列
H-Tyr-Pre-Ile-Lys-Pro-Glu-Ala-Pro-Gly-Glu-Asp-Ala-Ser-Pro-Glu-Glu-Leu-Asn-Arg-Tyr-Tyr-Ala-Ser-Leu-Arg-His-Tyr-Leu-Asn-Leu-Val-Thr-Arg-Gln-Arg-Tyr-NH
で表されるペプチド化合物PYY1-36(以下「PYY1-36」と略記する場合がある)が含まれる。PYY1-36は、PYY3-36のN末端にさらに「Tyr-Pre-」が結合したものであり、PYY3-36と類似のアミノ酸配列を有する。
また、分泌物にトリプシンが含まれる場合、トリプシンがPYY1-36及びPYY3-36を分解し、ペプチド分解物が新たに生成することがある。



PYY3-36を含む薬剤は、例えば、前記分泌物からPYY3-36を抽出して、製造することができる。しかし、該薬剤を製造する際、PYY1-36並びにPYY1-36及びPYY3-36由来のペプチド分解物が薬剤に混入するおそれがある。



また、PYY3-36を含有する薬剤が固形状(錠剤、粉末物等)の場合、長期間保存により、PYY3-36が分解し、PYY3-36由来のペプチド分解物が該薬剤中に存在するおそれがある。従来より、固体状のペプチド化合物は、水溶液中のものより不安定であることが知られている(非特許文献1~4)。固体状のペプチド化合物は、内部のペプチド結合が分解しやすく(非特許文献5)、特に、ペプチド化合物が内部にアルギニン残基を有する場合、アルギニン残基とそれに隣接するアミノ酸残基間の結合は切れやすい(非特許文献6)。



よって、PYY3-36を含む薬剤は、製造時や長期間保存後に、PYY3-36の存否、すなわち、PYY3-36由来のペプチド分解物が存在しているかどうか確認することが重要である。加えて、PYY3-36を分泌物から抽出して薬剤を製造する場合、PYY1-36及びPYY1-36由来のペプチド分解物の存否を、薬剤製造時に確認することが望ましい。



確認方法としては、例えば、HPLC法や電気泳動が考えられる。



しかしながら、PYY3-36、PYY1-36及び前記ペプチド分解物は、C末端からのアミノ酸配列が共通するため、従来の方法によって、PYY3-36の存否を確認することは困難を要する。また、薬剤に含まれるペプチド化合物全ての全アミノ酸配列を決定する場合、時間がかかり煩雑である。

【非特許文献1】Pearlman, R.; Nguyan, T.J. J.Pharm. Pharmacol.. 1992, 44, 178

【非特許文献2】Strickley, R.G.; Visor, G.C.; Lin, L.; Gu, L. Pharm. Res. 1989, 6, 971

【非特許文献3】Bhatt, N.; Patel, K.; Borchart, R.T. Pharm. Res. 1990, 7, 593

【非特許文献4】Jordan, G.M.; Yoshioka, S.; Terao, T. J. Pharm. Pharmacol. 1994, 46, 182

【非特許文献5】Lai, M. C.; Topp, E. M. J. Pharm. Sci. 1999, 88 489

【非特許文献6】Kertscher, U.; Bienert, M.; Krause, E.; Sepetov, N.F.; Mehlis, B. Int. J. Pept. Protein Res. 1993, 41, 207

産業上の利用分野


本発明は、ペプチド化合物PYY3-36の存否の確認方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被検薬剤中において、下記アミノ酸配列
H-Ile-Lys-Pro-Glu-Ala-Pro-Gly-Glu-Asp-Ala-Ser-Pro-Glu-Glu-Leu-Asn-Arg-Tyr-Tyr-Ala-Ser-Leu-Arg-His-Tyr-Leu-Asn-Leu-Val-Thr-Arg-Gln-Arg-Tyr-X
(アミノ酸配列中、XはOH、又はカルボン酸保護基を示す)
で表されるペプチド化合物PYY3-36の存否を確認する方法であって、
(1)前記被検薬剤及びキューカービチュリル[7]を溶媒とともに混合することにより溶液を調製する工程、及び
(2)工程(1)で得られた溶液を熱分析する工程
を含む、ペプチド化合物PYY3-36の存否の確認方法。

【請求項2】
さらに、被検薬剤中において、下記アミノ酸配列
H-Tyr-Pre-Ile-Lys-Pro-Glu-Ala-Pro-Gly-Glu-Asp-Ala-Ser-Pro-Glu-Glu-Leu-Asn-Arg-Tyr-Tyr-Ala-Ser-Leu-Arg-His-Tyr-Leu-Asn-Leu-Val-Thr-Arg-Gln-Arg-Tyr-NH
で表されるペプチド化合物PYY1-36及び/又はペプチド化合物PYY1-36が分解することにより生成したペプチド分解物の存否を確認する請求項1に記載の確認方法。

【請求項3】
ペプチド化合物PYY3-36が分解することにより生成したペプチド分解物を検知する、請求項1に記載の確認方法。
産業区分
  • 治療衛生
  • 有機化合物
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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