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避難誘導システム 新技術説明会

国内特許コード P08P005632
整理番号 IP366
掲載日 2008年6月13日
出願番号 特願2006-320258
公開番号 特開2008-134806
登録番号 特許第5109119号
出願日 平成18年11月28日(2006.11.28)
公開日 平成20年6月12日(2008.6.12)
登録日 平成24年10月19日(2012.10.19)
発明者
  • 三浦 房紀
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 避難誘導システム 新技術説明会
発明の概要

【課題】インテリジェントタイプの避難誘導装置を用いた分散方式の避難誘導システムを提供する。
【解決手段】周辺の状況を検知するセンサ手段と、前記センサ手段の検知結果に基づき、当該避難誘導装置周辺の避難経路を閉塞すべきか判定する判定手段と、近接する他の避難誘導装置から受信した避難経路情報に基づいて、最適避難誘導経路を求める経路演算手段と、当該避難装置周辺の避難者に、前記最適避難経路を含む避難誘導情報を伝達する伝達手段と、を有し、前記避難経路閉塞判定手段により避難経路を閉塞すべきと判定された場合、前記送信手段は避難経路情報の送信を停止する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


非常災害には、地震災害、風水害、雪害、火山災害、地盤災害、塩害などの自然災害と、火災、爆発、物体の飛来・衝突、危険物質の流出・拡散などの突発的な事故がある。我が国においては自然災害の中でも特に地震による被害が多く、現在に至るまで多くの人命を奪ってきた。地震により構造物が倒壊すると、中にいる人間の生命が著しく危険となるので、地震により構造物が倒壊しないようにしておくことは、構造設計によって最低限確保されなければならない。ただし、構造物が倒壊しなくても設備類の破損、家具や機器の転倒、建築部材の変形や落下などによって直接人的被害が生じたり、避難路を塞いで避難を困難とすることは、1995年の阪神・淡路大震災や2003年の宮城県沖地震などの際に顕著に示されている。また、突発的な事故の代表例としては、1995年に東京都で起こった地下鉄サリン事件や、海外では2001年9月にアメリカで起こった同時多発テロなどがあり、この同時多発テロでは、ビルに旅客機が激突し発生した爆発的火災により多数の死者が出た。
このような閉空間内において災害が発生した場合、市民は急いで安全な場所へ避難しようとする。避難訓練は、避難場所や避難経路を事前に把握する手法として有効であり、市民の避難行動の迅速・円滑化に貢献してきた。しかし、現実の災害事象においては、火災延焼や通路閉塞、群集の殺到などにより、あらかじめ定められた避難経路・避難場所の安全性は変化する。そのため、災害状況に応じた避難誘導手法として、消防隊や警察隊などが拡声器を用いた音声による情報伝達手法を行うことが多い。しかし、この手法は非常に混乱した状況である災害発生時には、情報が正確に伝達されない状況が生じることが課題として指摘されており、携帯電話などの一般市民に広く普及した個人情報端末を活用した情報伝達手法の併用が期待されている。



2003年2月18日9時55分頃、韓国大邱(テグ)市都心の中央路(チュアンノ)駅構内で発生した電車火災は死者192名、負傷者148名と、鉄道火災としては国際的にも史上希にみる惨事となった。この火災の特徴の一つとして、地下鉄駅構内及びその周辺に相当の煙損を及ぼしていることが挙げられる。大邱市地下鉄火災を見るまでもなく、地下やトンネルで火災が発生すると人命危険が極めて高いことは常識である。濃煙や一酸化炭素が発生しやすく、また充満しやすいこと、煙が流れていく方向(上方)に避難しなければならないこと、照明が消えると真っ暗になることなど、避難者に不利な条件がそろっている。
我が国の地下駅については、火災対策基準により、排煙設備や避難通路に関する基準などが定められているが、韓国の地下鉄火災事故を受けて、我が国の地下駅に関する調査を行った結果、地下駅総数684に対し、火災対策基準にすべて適合している駅の数は416あり、残りの268の駅に対しては一部基準に適合していないことが明らかになった(平成15年2月28日現在)。これらの地下駅では、排煙設備や避難誘導設備などが不備であることが指摘されているが、表1、表2にそれらの詳細について示す(不適合事項に対する駅数の中には重複しているものがあるため、不適合駅数の合計とは合致していない)。

表1 基準を満たさない駅の内容(排煙設備)
【表1】


表2 基準を満たさない駅の内容(避難誘導設備)
【表2】




避難誘導設備に関しては、地上までの避難通路が1通路のみという地下駅が77あるが、それらの地下駅では避難通路を塞ぐような火災が発生した場合、旅客は地上までの避難通路を閉ざされ安全な避難が困難となり、また、排煙設備が設置されていない地下駅では、地下空間に煙が充満し、避難する上で危険な状況となる可能性がある。韓国の地下鉄火災においても、濃煙と有毒ガスの充満が死因の直接の原因であったため、排煙設備がいかに重要な対策であるかが分かる。しかし、いくら排煙対策を徹底していても、火災の盛期に発生する煙の量は、可燃物量によっては完全に排出できるような量ではなく、必ずしも排煙設備が有効であるとは言えない。
日本の場合、地下火災で、防災関係者が最もマークしているのは地下街の火災である。多数の買い物客や通行人がいる可能性があり、可燃物が非常に多く、避難誘導にあたるべき店員は素人である。初期にできた地下街には避難経路が複雑なものも多い。このため、万が一起きてしまった災害に備えて、すでに避難誘導システムを導入している地下街もある。広島県広島市中区にある紙屋町では、光点滅走行式による避難誘導システムを設置しており、火災が発生した場合には、火元を特定し床に埋め込まれた光の流れにより、火元から遠ざかる方向に誘導するというものである。



既にいくつかの避難誘導システムが稼動しているが、ほとんどの避難誘導システムでは災害発生状況や避難誘導情報などを一箇所で集中管理している。集中管理方式は災害状況の把握や避難指示を効率的に管理できるが、何らかの事情で集中管理しているシステムがダウンしたり、集中管理システムとの通信が遮断してしまうと機能しなくなってしまう。また、集中管理方式の場合、システム変更に対する柔軟性がなくコストも高くなってしまう。



従来技術として特許文献1がある。特許文献1には、センサノード間で通信することで複数の通信経路を確保することが記載されている(図6、段落0046~0053)。しかし、センサノード間で通信することは記載されているものの、あくまでセンサ情報の通信であり、基本は集中管理方式になっている。したがって、各センサノードが、避難経路情報を交換したり最適避難経路を求めるものではない。

【特許文献1】特開2005-316533号公報

産業上の利用分野


本発明は、非常災害時に人々の避難誘導を行う避難誘導システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
避難誘導路に複数個配置され、災害時に避難者に避難誘導情報を伝達する避難誘導装置であって、
近接する他の避難誘導装置から避難経路情報を受信する受信手段と、
受信した避難経路情報に当該避難誘導装置の情報を付加した避難経路情報を、近接する他の避難誘導装置に送信する送信手段と、
前記避難誘導装置内又は装置外に設置され、周辺の状況を検知するセンサ手段と、
前記センサ手段の検知結果に基づき、当該避難誘導装置周辺の避難経路を閉塞すべきか判定する避難経路閉塞判定手段と、
近接する他の避難誘導装置から受信した避難経路情報に基づいて、最短避難経路を求める最短避難経路演算手段と、
当該避難誘導装置周辺の避難者に、前記最短避難経路を含む避難誘導情報を伝達する避難誘導情報伝達手段と、
を有し、
前記受信手段は近接する他の避難誘導装置から少なくとも通路閉塞情報の有無を含む避難経路情報を受信し、
前記避難経路閉塞判定手段により当該避難誘導装置周辺の避難経路を閉塞すべきと判定された場合には、前記送信手段は近接する他の避難誘導装置に通路閉塞情報有りを含む避難経路情報を送信し、前記避難経路閉塞判定手段により当該避難誘導装置周辺の避難経路を閉塞すべきと判定されていない場合には、前記送信手段は先に通路閉塞情報有りを含む避難経路情報を送信した避難誘導装置を除く近接する他の避難誘導装置に通路閉塞情報なしを含む避難経路情報を送信する
ことを特徴とする避難誘導装置。

【請求項2】
前記送信手段及び前記受信手段は、無線LANにより通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の避難誘導装置。

【請求項3】
前記送信手段及び前記受信手段は、赤外線により通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の避難誘導装置。

【請求項4】
前記センサ手段は、煙センサ、火災センサ、においセンサ及び群集密度センサの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の避難誘導装置。

【請求項5】
前記避難誘導情報伝達手段は、当該避難誘導装置周辺の携帯端末に情報を伝達する手段を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の避難誘導装置。

【請求項6】
前記避難誘導情報伝達手段は、避難誘導情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の避難誘導装置。

【請求項7】
前記避難誘導情報伝達手段は、音声により避難誘導情報を伝達する手段を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の避難誘導装置。

【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の避難誘導装置を避難誘導路に複数個配置し、避難誘導路の出口付近に配置された避難誘導装置から近接する避難誘導装置へ順次避難経路情報を送信し、各々の避難誘導装置が最適避難経路を求めて避難者に伝達することを特徴とする避難誘導システム。

【請求項9】
前記避難経路情報は、出口情報、経由した避難誘導装置の履歴、経由した避難誘導装置間の距離の合計を含むことを特徴とする請求項8に記載の避難誘導システム。
産業区分
  • その他通信
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006320258thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


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