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表面に金微粒子を付着させた高分子材料およびその製造方法 新技術説明会

国内特許コード P08A013527
整理番号 2005-0053
掲載日 2008年6月27日
出願番号 特願2006-018721
公開番号 特開2007-197591
登録番号 特許第5114008号
出願日 平成18年1月27日(2006.1.27)
公開日 平成19年8月9日(2007.8.9)
登録日 平成24年10月19日(2012.10.19)
発明者
  • 春田 正毅
  • 皆川 歩
  • 木下 直人
出願人
  • 公立大学法人首都大学東京
発明の名称 表面に金微粒子を付着させた高分子材料およびその製造方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】表面に、粒度が均一な金微粒子を付着させた高分子材料およびその製造方法を提供することであり、このようにして得られた高分子材料は、例えば、ナノオーダーの金微粒子とした触媒に適用したときは性能の向上を図ることが期待でき、また、比較的大径の金微粒子とした顔料等の用途においては、色調の調整ができるとともに、使用量の低減化を図ることが可能になる。
【解決手段】還元剤の存在下に、高分子、好ましくは、高分子粒子の表面に金微粒子を付着させた高分子材料であり、水または有機溶媒に溶解する金の化合物と還元剤を含む溶液に、高分子を縣濁または浸漬し、溶液中では金化合物の還元が起こらない条件を設定して、高分子の表面に金微粒子を付着させた高分子材料を製造する高分子材料の製造方法である。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


貴金属は宝飾品以外にも、歯科用材料、電子回路、触媒などとして広く利用されている。近年は、特に自動車排ガス浄化や燃料電池用の触媒としての需要が急速に伸びている。貴金属は高価であるので、その重量(質量)当たりの触媒性能を最大限に引き出すため、粒子径2-10nmのナノ粒子にして露出表面積を大きくする工夫が通常なされている。実際には、比表面積が大きく、かつ熱的、化学的安定性の高いAlやSiOなどの金属酸化物、または活性炭やカーボンブラックなどの炭素材料を担体に用いて、貴金属をナノ粒子として分散・固定された状態で使用する。



一方、有機高分子を担体として、その表面に貴金属をナノ粒子として分散・固定化したものは、これまで材料として注目されておらず、関連するものとしては固体高分子電解質膜用白金電極があるに過ぎない。但し、この場合、白金は微粒子の凝集体となって、薄膜を形成しており、金属微粒子が孤立分散した構造ではない。触媒としての実用化が実現していないのは、有機高分子の耐熱温度が200℃以下と低く、基幹化成品を製造する工業反応プロセスの温度条件や自動車排ガスの温度域では使用できない上に、高分子材料の比表面積が小さく、しかも無機材料に対して高価であることに起因する。精密化成品の合成では、一般に溶液に溶解した状態で触媒が使用され(均一系触媒)、200℃以下での反応が多いので、分子レベルで触媒の設計が可能である反面、反応物と生成物から触媒を分離するプロセスにエネルギーがかかることが課題となっている。そのため、こうした均一系触媒を高分子などに固定化することが試みられている。



貴金属触媒の場合においても、ナノ粒子、さらにはもっと小さいクラスターとして反応溶液中に分散して、有機合成反応における金属の新しい触媒作用を探索するとともに、サイズ効果を探究する研究が進められている。従って、こうした研究成果を実用化していくためには、液相分散ではなく高分子固体に分散・固定化していくことが重要である。



発明者は触媒としての活性が極めて乏しいとされていた金でも、直径10nm以下の半球状ナノ粒子として種々の金属酸化物担体上に分散・固定化することにより、低温CO酸化、プロピレンの気相一段エポキシ化、低温水性ガスシフト反応、酸素と水素からの直接過酸化水素合成など、多くの反応に対して、他の貴金属より優れた触媒特性を発現することを見出している(例えば特許文献1および非特許文献1)。また、金の粒子径が2nm以下、原子数で300個以内のクラスターになると、触媒特性がさらに激変する場合があることも見出している。
このように、金は貴金属の中でも、寸法によって最も著しく物性が変動することがわかっており、かつnmレベルの寸法になっても空気中で最も安定であるので、高分子材料を担体として種々の寸法・形状の粒子として分散・固定化した材料が望まれていた。



なお、高分子と金との複合材料に関する技術としては、NaAuCl・2HOとピロールとを混合して、超音波をかけることにより、金粒子への還元とピロールの重合とを同時に行い、これにより、金ナノ粒子を高分子内部に包み込んだ複合体を製造する方法(非特許文献2)や、イオン交換樹脂の乾燥したものをアルカリ水溶液で処理した後、四塩化金酸水溶液に浸漬して、水分を蒸発させる、いわゆる含浸法によって、イオン交換樹脂に金を担持させた触媒を得ること(非特許文献3)が報告されている。
しかし、後者の方法では、瞬時に反応が終了しないので、粒度が不揃いとなり、触媒活性が低下する。
従って、これらに限らず、多くの展開が望まれるところである。

【特許文献1】特公平5-49338号公報

【非特許文献1】エム ハルタ(M.Haruta),ケミストリー レコード(Chem.Record)3(2),2003年,p75-87

【非特許文献2】ジョン‐エン パルク(Jong-Eun Park)、外2名,「ソノケミカル シンセシス オブ インオーガニック‐オーガニック ハイブリッド ナノコンポジット ベイスト オン ゴールド ナノパーティクルズ アンド ポリピロール(Sonochemical Synthesis of Inorganic-Organic Hybrid Nanocomposite Based on Gold Nanoparticles and Polypyrrole)」,ケミストリー レターズ(Chemistry Letters),第34巻(Vol.34),第1号(No.1),2005年,p96-97

【非特許文献3】フェング シ(Feng Shi)、外4名,「フロム CO オキシデイション トウ CO2 アクチベイション(From CO Oxidation to CO2 Activation):アン アンエクスペクティッド カタリティック アクティビィティ オブ ポリマー‐サポーティッド ナノゴールド(An Unexpected Catalytic Activity of Polymer-Supported Nanogold)」,ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc.)コミニュケーションズ(Communications),127,2005年,p4182-4183

産業上の利用分野


本発明は、金微粒子を表面に付着させた高分子材料の製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
水または有機溶媒に溶解する金の化合物と還元剤を含む溶液に、ビニル系高分子を縣濁または浸漬するか、又はビニル系高分子が懸濁または浸漬された、水または有機溶媒に溶解する金の化合物を含む溶液に、還元剤を含む溶液を加え、溶液中では金化合物の還元が起こらない条件を設定して、高分子の表面に平均粒子径が1nmから10nmの金微粒子を付着させる高分子材料の製造方法において、
前記溶液中では金化合物の還元が起こらない条件が、高分子の担持体を分離した上澄み液において金コロイドの生成が見られないことを判定基準とすることを特徴とする、前記高分子材料の製造方法

【請求項2】
還元剤が、重量分析で用いる金属イオンの還元剤である無機系還元剤および有機系還元剤から選択された1種以上の化合物、または易酸化性ガスであることを特徴とする請求項1に記載の高分子材料の製造方法。

【請求項3】
前記水または有機溶媒に溶解する金の化合物が、水または有機溶媒に溶解する金の塩および錯体から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子材料の製造方法。

【請求項4】
前記水または有機溶媒に溶解する金の化合物と還元剤を含む溶液に、ポリビニルピロリドンまたはポリビニルアルコールが更に含有されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の高分子材料の製造方法。

【請求項5】
前記ビニル系高分子が平均粒子径10nmから10mmの粒子であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の高分子材料の製造方法。
産業区分
  • 高分子化合物
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006018721thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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