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凍結精子幹細胞由来の子孫を作成する方法

国内特許コード P08S000084
整理番号 619
掲載日 2008年6月27日
出願番号 特願2005-513442
登録番号 特許第4389027号
出願日 平成16年8月25日(2004.8.25)
登録日 平成21年10月16日(2009.10.16)
国際出願番号 PCT/JP2004/012177
国際公開番号 WO 2005/020679
国際出願日 平成16年8月25日(2004.8.25)
国際公開日 平成17年3月10日(2005.3.10)
優先権データ
  • 特願2003-303168 (2003.8.27) JP
発明者
  • 篠原 隆司
  • 篠原 美都
出願人
  • 京都大学
発明の名称 凍結精子幹細胞由来の子孫を作成する方法
発明の概要 【要約】本発明は、凍結精子幹細胞由来の子孫を作成する方法であって、ドナー動物由来の凍結精子幹細胞を用いて雄性レシピエント動物の生殖器官内で精子を形成させて繁殖用雄性個体を得、該個体を用いてドナー動物の精子幹細胞由来の動物個体を作成する方法を提供する。
従来技術、競合技術の概要 【背景技術】現在、ヒトを含む脊椎動物における生殖異常の治療や家畜等の生産、種の維持等において、凍結保存した精子を用いる方法が利用可能であり、実際に、マウス等の実験動物や牛等の家畜の系統保存には胚凍結法と精子凍結法が行われている。通常、精子を凍結し、液体窒素中で保存し、融解し、人工授精や体外受精を行い、得られた卵細胞を偽妊娠仮親の卵管に移植し、移植された動物を飼育して目的の子孫を得ている。しかしながら、精子の保存法は種によって著しく異なっており、一般的な方法は確立されていない。例えば実験に用いられるC57BL/6(B6)マウスの精子などはまだ有効な精子凍結法がない状態である。また、精子の凍結保存には、液体窒素の供給が必要であるため、長期間の保存はコストが高くつき、また、その輸送には梱包等に特別な配慮が必要である。しかも、受精には一定量以上の精子が必要であるが、凍結保存した精子をインビトロで増やすことはできず、多量に採取し凍結保存しなければならない。しかし、比較的精子の採取が容易な家畜の場合でも精子を多量に得ることは容易でなく、特に、ヒトにおいては、化学療法や放射線療法による精巣障害が原因となって起こる不妊の治療のために、事前に精子を多量に保存することは困難である。さらに、精子を使用する方法の場合、精子が形成されていない未成熟な個体や何らかの原因で精子形成が阻害されている個体の場合には、生殖細胞系列(germline)を保存することができない。凍結乾燥した精子の使用も試みられ、水で戻した精子の受精能がマウスで確認されているが、保存期間が長くなるほど受精能が低下するなど未だ確立された方法になっていないのが実情である。動物における精子形成は、通常、成体内のヒトにおける精巣またはそれに相当する雄性生殖器官に存在する生殖幹細胞(例、精原細胞)が増殖して形態的に変化することからなる一連の分化発達過程を経て行われる。ヒト等の場合、精子幹細胞(精原細胞)は精母細胞となり、減数分裂によって精子細胞が形成され、この精子細胞が形態的に変化して精子となる。以下、生殖幹細胞を精子幹細胞として説明する。精子幹細胞は、他の幹細胞と同様に、凍結・融解に対して安定であり、試験管内で容易に増殖させることができる(特願第2003-110821号)ばかりか、放射能や温度等に対する安定性が極めて高く、保存、運搬などの取扱が容易である。すなわち、精子幹細胞は、精子が形成されていない、あるいは精子量が少ない個体からも採取でき、また、たとえ少量しか得られなくても試験管内で増殖させて量を増やすことができるという利点を有する。従って、精子幹細胞由来の個体を得る生殖技術が確立されれば、家畜の育種、希少動物の種の保存、さらにはヒトの男性不妊の治療、化学療法、放射線療法などで不妊になる恐れのある患者等の不妊回復処置などに極めて有用と考えられる。現在、精子幹細胞の凍結に関しては、ハムスター、ラット、サル、ヒト、ウシ、ブタなど種を越えてほぼ同一の方法で精子形成能を維持して凍結保存できることが知られている。精子幹細胞の移植法はブリンスターら(非特許文献1)により紹介された。この文献には、精巣から生殖幹細胞を含む細胞浮遊液を調製し、精細管に注入する方法が記載されているが、凍結精子幹細胞からの精子形成については記載されていない。ブリンスターらは、その後凍結精子幹細胞の精子形成能に関してインビボで確認している(非特許文献2)。しかし、凍結精子幹細胞から発生した精子由来の子孫を得たという報告はない。なお、凍結保存した精巣断片の精巣内への移植により形成された精子を用いて顕微受精によりその精子由来の仔を得た例はある(非特許文献3)が、支持細胞等も含む精巣断片を用いる例である。また、顕微受精は費用がかかる上、特殊な技術を必要とするため、適用対象が限られる。従って、再現性良く経済的に精子幹細胞由来の仔を得る方法の開発が強く求められている。
【非特許文献1】Brinster,R.L.and Zimmermann,J.W.Spermatogenesis following male germ-cell transplantation.Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1994)91,11298-11302
【非特許文献2】Avarbock,M.R.,Brinster,C.J.and Brinster,R.L.Reconstitution of spermatogenesis from frozen spermatogonial stem cells.Nat.Med.(1996)2,693-696
【非特許文献3】Shinohara,T et al..Birth of offspring following transplantation of cryopreserved immature testicular pieces and in-vitro microinsemination.Hum.Reprod.(2002)17,3039-3045
産業上の利用分野 本発明は、生殖技術に関し、さらに詳しくは動物の凍結精子幹細胞由来の子孫を作成する方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 ドナー動物由来の凍結精子幹細胞を融解して凍結・融解細胞調製物を得、該凍結・融解細胞調製物より生存細胞を選択し、選択された生存細胞を未成熟な雄性レシピエント動物の生殖器官に輸精管をガイドとして移植し、該生殖器官内で精子を形成させることにより繁殖用雄性個体を得、該繁殖用雄性個体と雌性動物との自然交配によって受精卵を得、該受精卵から動物個体を発生させることを特徴とする、ドナー動物の精子幹細胞由来の動物個体を作成する方法(但し、動物はヒト以外の哺乳動物である)。
【請求項2】 未成熟な雄性レシピエント動物が不稔性である、請求項1記載の方法。
【請求項3】 未成熟な雄性レシピエント動物の生殖器官が精細管または精巣網である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】 動物が、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ヤギ、ブタ、マウス、ラット、スナネズミ、ハムスター、ウサギ、厚皮動物、ウマ、ヒツジ、ウシ、および海生哺乳類から成る群から選択される哺乳動物である、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
産業区分
  • 畜産
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 権利存続中
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