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新規P450遺伝子およびそれを用いた有用イソキノリンアルカロイド生産 コモンズ

国内特許コード P08A013537
整理番号 1407
掲載日 2008年7月4日
出願番号 特願2006-238805
公開番号 特開2008-054644
登録番号 特許第5098008号
出願日 平成18年9月4日(2006.9.4)
公開日 平成20年3月13日(2008.3.13)
登録日 平成24年10月5日(2012.10.5)
発明者
  • 佐藤 文彦
  • 池澤 信博
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 新規P450遺伝子およびそれを用いた有用イソキノリンアルカロイド生産 コモンズ
発明の概要

【課題】イソキノリンアルカロイド生合成に関与する新規なP450酵素、および該酵素を触媒として作用させ、コリツベリンの産生方法の提供。
【解決手段】オウレン由来である特定の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含む遺伝子、および特定のアミノ酸配列からなる炭素-炭素カップリング反応を触媒するP450酵素の活性を有するタンパク質。該タンパク質を触媒として作用させ、基質であるレチクリンをコリツベリンに変換する、コリツベリンの産生方法。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


シトクロームP450(本明細書および特許請求の範囲において、P450と称する)は、細菌から高等生物に至るまで広く存在するヘムタンパク質であり、その反応は多岐にわたる。高等植物は、極めて多様な化学構造や生理活性を有する二次代謝産物を生産する。二次代謝産物は、医薬品、着色料、芳香料として用いられている。植物における二次代謝産物の生合成には、多くのP450が関与していることが示されている。



例えば、P450は、内在性基質および生体異物基質の酸化的、過酸化的、および還元的代謝を含む多様な範囲の化学的に異なる基質の酵素反応を触媒する。植物では、P450は、フェニルプロパノイド、アルカロイド、テルペノイド、脂質、シアン発生性配糖体、グルコシノラートのような、植物生成物の合成を含む生化学的経路に関与する(非特許文献1)。P450に触媒される特異的反応には、脱メチル化、水酸化、エポキシ化、N-酸化、スルホオキシデーション;N-、S-、およびO-脱アルキル化、脱硫酸化、脱アミノ化、ならびにアゾ、ニトロ、およびN-オキシド群の還元が知られている。



薬用植物であるオウレンは、抗菌性アルカロイドであるベルベリン等、主に7種類のイソキノリンアルカロイドを生産する。これら7種の産物は、イソキノリンアルカロイド生合成系において重要な中間産物であるレチクリンを経由して生合成されると考えられる。



イソキノリンアルカロイド生合成系に特異的なP450としては、メギ科植物から単離された、炭素-酸素カップリングを触媒するCYP80A1、ケシ科ハナビシソウから単離された、水酸化反応を触媒するCYP80B1、キンポウゲ科オウレンから単離された、メチレンジオキシ環形成を触媒するCYP719A1等が知られている(図1参照)。しかし、炭素-炭素カップリング反応を触媒するP450は未だに知られていない。



P450酵素の多様性、即ちその異なる構造および機能により、P450酵素についての研究は非常に困難なものであった。さらに、P450酵素のクローニングは、これらの膜局在化タンパク質は通常低量で存在し、精製するにはしばしば不安定であるため、少なくとも部分的に阻止されてきた。



一方、イソキノリンアルカロイドのひとつであるマグノフロリンは、ホウノキやオウレンなどに含まれるイソキノリンアルカロイドであり、薬効性があることが知られているが、その生産は天然物からの抽出に依存しており、利用は生薬などに限定されている(特許文献1)。

【特許文献1】特開平6-183983号公報

【非特許文献1】Chapple, Annu. Rev. Plant Physiol. Plant Mol. Biol. 1998, 49: 311-343

産業上の利用分野


本発明は、イソキノリンアルカロイド生合成系に存在する炭素-炭素カップリング反応を触媒するP450、該P450をコードする遺伝子、および該P450を用いた有用イソキノリンアルカロイドの生産に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドを含む遺伝子。

【請求項2】
配列番号1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、レチクリンからコリツベリンへの変換反応を触媒するP450酵素をコードするポリヌクレオチドを含む遺伝子。

【請求項3】
オウレン由来である請求項1または2のいずれかの遺伝子。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかの遺伝子を含む組換えベクター。

【請求項5】
請求項1~3のいずれかの遺伝子または請求項4の組換えベクターを含む宿主細胞。

【請求項6】
酵母ならびに、ケシ科植物、キンポウゲ科植物、メギ科植物、ツヅラフジ科植物、ミカン科植物、モクレン科植物からなる群から選択される請求項5の宿主細胞。

【請求項7】
以下の(a)または(b)のタンパク質:
(a)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、レチクリンからコリツベリンへの変換反応を触媒するP450酵素の活性を有するタンパク質。

【請求項8】
請求項5または6の宿主細胞を培養する工程、および、
該宿主細胞において請求項7のタンパク質を発現させる工程、
を含む、請求項7のタンパク質の産生方法。

【請求項9】
請求項7のタンパク質を触媒として作用させ、基質であるレチクリンをコリツベリンに変換する工程を含む、コリツベリンの産生方法。

【請求項10】
請求項7のタンパク質を触媒として作用させ、基質であるレチクリンをコリツベリンに変換する工程、および、
コクラウリン-N-メチルトランスフェラーゼを触媒として作用させ、基質であるコリツベリンをマグノフロリンに変換する工程、
を含む、マグノフロリンの産生方法。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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