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核酸応答性ゲルおよびその製造方法ならびにその利用 新技術説明会 外国出願あり

国内特許コード P08P005683
整理番号 KANDAI-153
掲載日 2008年7月18日
出願番号 特願2007-005227
公開番号 特開2007-244374
登録番号 特許第5234887号
出願日 平成19年1月12日(2007.1.12)
公開日 平成19年9月27日(2007.9.27)
登録日 平成25年4月5日(2013.4.5)
優先権データ
  • 特願2006-006712 (2006.1.13) JP
発明者
  • 宮田 隆志
  • 浦上 忠
  • 大川 香織
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 学校法人 関西大学
発明の名称 核酸応答性ゲルおよびその製造方法ならびにその利用 新技術説明会 外国出願あり
発明の概要

【課題】構造設計によって体積変化の向上が可能であるとともに、核酸の認識能を調節することができ、感度が向上し、標的DNAの配列などに応じてデザインしやすい核酸応答性ゲルを提供する。
【解決手段】ハイブリダイズしている2本の一本鎖核酸からなるプローブが、高分子ゲルの網目構造内に固定されている核酸応答性ゲルであって、当該プローブは、2本の一本鎖核酸が可逆的に結合している。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


pHや温度等の外部環境変化に応答して構造変化する刺激応答性ゲルは、センサー機能、プロセッサー機能およびエフェクター機能を同時に併せ持つ次世代型ソフトマテリアルとして注目されている。特に、最近では医療分野や環境分野に関連した特定分子を認識して膨潤または収縮する分子認識能を有する刺激応答性ゲルの合成が試みられ始めている。例えば、本願発明者らは、これまでに生体分子に応答する分子刺激応答性ゲルを合成する方法として、標的分子を、リガンドモノマーを結合させた状態でゲル中に組み込み、結合状態を記憶させる分子インプリント法を提案し、生体分子に応答して膨潤または収縮するゲルの合成に成功している。



一方、個人の遺伝情報を基にしてそれに応じた病気の予防や治療を可能にするテーラーメード医療を実現するために、疾病に関与するDNAの突然変異をより効果的かつ簡便に検出できる遺伝子診断技術や材料の開発が求められている。このような遺伝子診断材料として刺激応答性ゲルも有望な材料であるが、これまでに標的DNAを認識して応答するDNA応答性ゲルに関する報告は数例しか報告されていない。



これまでに報告されているDNA応答性ゲルとしては、網目構造体を構成する高分子化合物に、プローブとなる一本鎖核酸が、その末端において結合により固定されているゲルが挙げられる(例えば、特許文献1、非特許文献1等参照。)。かかるゲルでは、被検体核酸がゲルに固定された一本鎖核酸とハイブリダイズする場合に、脱水により水分子がゲル外部へ排除されてゲルが収縮することを利用して、ハイブリダイゼーションの有無を検出できることが報告されている。



また、DNAに応答して、収縮するだけでなく、収縮または膨潤する刺激応答性ゲルとして、ゲルを架橋する形で(架橋点として)一本鎖DNAが導入されている刺激応答性ゲルについての報告がある(例えば、非特許文献2等参照。)。この報告では、導入する一本鎖DNAがステム・ループ構造を有する場合に、相補的な一本鎖DNAに応答して刺激応答性ゲルが膨潤し、導入する一本鎖DNAが分子内塩基対を有しない場合には、相補的な一本鎖DNAに応答して刺激応答性ゲルが収縮することが記載されている。また、かかるゲルが膨潤または収縮するのは、ゲルに導入されている一本鎖DNAが二本鎖になることにより形状変化するためであることが記載されている。



さらに、ビニル化二本鎖DNAが網目構造内に固定化されたゲルが開示されている(例えば、非特許文献3等参照。)。この報告では、DNAの二本の塩基鎖を不可逆的に結合させるDNA結合性ビニル化ソラレンがDNA全体(末端以外の特に限定しない部位)に分布して導入され、その結果得られた「全体がビニル化された」DNAがゲル内に固定化されていることが記載されている。そして、このようにして得られたDNA固定化ゲルによって、様々なDNA結合性物質を捕捉することができることが報告されている。しかし、かかるゲルでは、ゲル内に導入されている二本の塩基鎖が不可逆的に結合されてしまうため、ゲル内に形成されたDNAの塩基認識能は完全に消失していると考えられる。それゆえかかるゲルは核酸に対する応答性を有さない。

【特許文献1】特開2005-106533号公報(平成17年4月21日公開)

【非特許文献1】Y. Murakami, M. Maeda, Macromolecules, 38, 1535-1537(2005)

【非特許文献2】Y. Murakami, M. Maeda, Biomacromolecules, 6, 2927-2929(2005)

【非特許文献3】Umeno et al., Analytica Chimica Acta, 365, 101-108(1998)

産業上の利用分野


本発明は、核酸応答性ゲルおよびその製造方法ならびにその利用に関し、特に一塩基多型を認識可能な核酸応答性ゲルおよびその製造方法ならびにその利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ハイブリダイズしている2本の一本鎖核酸からなるプローブが、高分子ゲルの網目構造内に固定されている核酸応答性ゲルであって、
当該プローブは、2本の一本鎖核酸のそれぞれが、高分子ゲルの網目構造を形成する高分子化合物に結合することによって、架橋を形成するように、ゲルの網目構造内に固定されており、
当該プローブの2本の一本鎖核酸は互いに可逆的に結合していることを特徴とする核酸応答性ゲル。

【請求項2】
上記プローブは、2本の一本鎖核酸がハイブリダイズしている部分において、1塩基以上のミスマッチを有することを特徴とする請求項1に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項3】
2本の一本鎖核酸のそれぞれは、5’末端が高分子ゲルの網目構造を形成する高分子化合物に結合していることを特徴とする請求項1または2に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項4】
2本の一本鎖核酸のそれぞれは、3’末端が高分子ゲルの網目構造を形成する高分子化合物に結合していることを特徴とする請求項1または2に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項5】
上記核酸は、DNA、RNAまたはPNAであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項6】
上記高分子ゲルは、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、N,N’-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、およびアリルアミンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーを含むモノマーを重合させることによって得られる高分子ゲル、
または、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ-2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ-アルキル(メタ)アクリレート、ポリ-N,N’-ジメチル(メタ)アクリルアミド、ポリ-N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、セルロース、キトサン、アルギン酸およびそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の高分子化合物を架橋剤と反応させて網目構造を形成させることによって得られる高分子ゲルであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項7】
上記プローブを形成する2本の一本鎖核酸の塩基数は、10000以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項8】
核酸に応答して膨潤することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項9】
核酸に応答して架橋密度が減少することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項10】
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、N,N’-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、およびアリルアミンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーを含むモノマーと、反応性官能基が導入された2本の一本鎖核酸をハイブリダイズさせてなるプローブとを、架橋剤の存在下または不存在下で、共重合させることにより得られ、
前記反応性官能基は、前記2本の一本鎖核酸がハイブリダイズしたときにゲルの網目構造に架橋を形成するように、2本の一本鎖核酸のそれぞれを、高分子ゲルの網目構造を形成する高分子化合物に結合するための反応性官能基であることを特徴とする核酸応答性ゲル。

【請求項11】
ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ-2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ-アルキル(メタ)アクリレート、ポリ-N,N’-ジメチル(メタ)アクリルアミド、ポリ-N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、セルロース、キトサン、アルギン酸およびそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の高分子化合物に、反応性官能基が導入された2本の一本鎖核酸をハイブリダイズさせてなるプローブを結合させた後、架橋剤と反応させて網目構造を形成させることによって得られ、
前記反応性官能基は、前記2本の一本鎖核酸がハイブリダイズしたときにゲルの網目構造に架橋を形成するように、2本の一本鎖核酸のそれぞれを、高分子ゲルの網目構造を形成する高分子化合物に結合するための反応性官能基であることを特徴とする核酸応答性ゲル。

【請求項12】
ハイブリダイズする2本の一本鎖核酸にそれぞれ反応性官能基を導入する反応性官能基導入工程と、
前記反応性官能基が導入された2本の一本鎖核酸をハイブリダイズさせてプローブを作製する二本鎖形成工程と、
得られたプローブを、高分子ゲルを形成するモノマーと、架橋剤の存在下または不存在下で、共重合させて核酸応答性ゲルを得る重合工程とを含み、
前記反応性官能基は、前記2本の一本鎖核酸がハイブリダイズしたときにゲルの網目構造に架橋を形成するように、2本の一本鎖核酸のそれぞれを、高分子ゲルの網目構造を形成する高分子化合物に結合するための反応性官能基であることを特徴とする核酸応答性ゲルの製造方法。

【請求項13】
ハイブリダイズする2本の一本鎖核酸にそれぞれ反応性官能基を導入する反応性官能基導入工程と、
前記反応性官能基が導入された2本の一本鎖核酸をハイブリダイズさせてプローブを作製する二本鎖形成工程と、
得られたプローブを高分子化合物と結合させるプローブ結合工程と、
上記プローブ結合工程によりプローブが結合された高分子化合物を、架橋剤と反応させて網目構造を形成する架橋工程とを含み、
前記反応性官能基は、前記2本の一本鎖核酸がハイブリダイズしたときにゲルの網目構造に架橋を形成するように、2本の一本鎖核酸のそれぞれを、高分子ゲルの網目構造を形成する高分子化合物に結合するための反応性官能基であることを特徴とする核酸応答性ゲルの製造方法。

【請求項14】
請求項1~11のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲルと核酸を含有する検体とを接触させる工程と、標的核酸による鎖交換の有無を核酸応答性ゲルの体積変化で検出する工程とを含むことを特徴とする標的核酸の検出方法。

【請求項15】
請求項1~11のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲルを含有する核酸検出キット。

【請求項16】
請求項1~11のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲルを含有する核酸検出装置。
産業区分
  • 微生物工業
  • 高分子化合物
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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