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プロトン伝導性芳香族高分子、プロトン伝導性芳香族高分子膜及びそれを用いた燃料電池 UPDATE

国内特許コード P08P005864
整理番号 P07-002
掲載日 2008年7月25日
出願番号 特願2007-005226
公開番号 特開2008-169337
登録番号 特許第5211317号
出願日 平成19年1月12日(2007.1.12)
公開日 平成20年7月24日(2008.7.24)
登録日 平成25年3月8日(2013.3.8)
発明者
  • 渡辺 政廣
  • 宮武 健治
出願人
  • 国立大学法人山梨大学
発明の名称 プロトン伝導性芳香族高分子、プロトン伝導性芳香族高分子膜及びそれを用いた燃料電池 UPDATE
発明の概要 【課題】 高温、無加湿条件下においても優れたプロトン伝導性を示す高分子膜を提供する。
【解決手段】 窒素原子上に水素を有するトリアゾール基を分子中に少なくとも1つ以上含む化学的に極めて安定な芳香族高分子に酸性基を結合させることにより、高温かつ無加湿の条件下でも高いプロトン伝導度と耐熱性、化学安定性を併せ持たせることができ、また、トリアゾール基と芳香族高分子の主鎖及び/又は側鎖との結合を共有結合とすることで、膜外への漏れ出しを防ぐことができる。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


プロトン伝導性の高分子は、イオン交換膜、食塩電解隔膜、燃料電池隔膜、水素センサー隔膜などに有効に用いられている。なかでも燃料電池は、温室ガスや有害物質を発生しないクリーンな次世代の発電装置として、早期の実用化と広範な普及が望まれている。



燃料電池の実用化と普及には高効率化と高出力化が不可欠であり、そのために現在の80℃以下の運転温度を120℃以上の高温で運転することが求められている。現在燃料電池に用いられている高分子膜は、主にパーフルオロアルキルスルホン酸高分子からなる膜である。この膜は含水状態では高いプロトン伝導度を示すが、100℃以上では含水率が低下するためにプロトン伝導度が低下し、また膜強度も弱くなるため、高温で使用することができないという課題がある。
さらにパーフルオロアルキルスルホン酸高分子からなる膜は、燃料や酸化剤の高い透過性、フッ素樹脂であるため高コスト・低環境適合性などの問題点もあり、燃料電池の高性能化と実用化を阻んでいる要因の一つとなっている。



このような問題を解決するため、水の影響を受けにくいプロトン伝導体の開発が進められている。易動性水素を有する化合物において水素結合の組み替えやホッピングを活用すれば、水が全くあるいはほとんどない状態でも比較的高いプロトン伝導性が得られることが知られており、特に、イミダゾールなどの複素環化合物に関する報告例が多い。
例えば、酸ドープしたポリベンズイミダゾールは無加湿条件でも10-3S/cm程度のプロトン伝導度を示し、150℃を超える温度でもその値を保持する(非特許文献1)。
また、イミダゾールやピラゾールの誘導体(イオン液体、高分子も含む)を、酸性基を持つ高分子と複合させた系なども報告されている(非特許文献2、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。しかし、燃料電池に供するために必要とされるプロトン伝導度は少なくとも10-2S/cm以上が必要となるが、これらのプロトン伝導体はかかる伝導度を示す条件として100℃以下、あるいは湿度80%以上等の条件下でないと必要な伝導度が確保されないとう問題がある。



イミダゾールやピラゾールよりも酸性度が高いトリアゾールを利用する試みも検討されてきており、1H-1,2,3-トリアゾールを側鎖に導入した脂肪族高分子(非特許文献3)や1H-1,2,4-トリアゾールを側鎖に導入したポリシロキサン(非特許文献4)が無加湿条件下でプロトン伝導性を示すことが見出されている。
これらのプロトン伝導度は10-5S/cm以下であるが、リン酸や酸性基を持つ高分子と複合させることによって10-2S/cm程度まで向上するとされている。しかしながら、酸性化合物や低分子化合物の漏れ出しについては解決されておらず、また、高分子主鎖が柔軟な脂肪族やシロキサン結合で構成されているため、十分な耐熱性や化学安定性を持たせることができない。



【非特許文献1】
J. Electrochem. Soc., 142, L121, 1995; J. New Mater. Electrochem. Sys., 2, 95, 1999; J. Membr. Sci., 185, 41, 2001
【非特許文献2】
Electrochim. Acta, 43, 1281, 1998; CHem. Mater., 16, 329, 2004; Chem. Rev., 104, 4637, 2004; 特開2005-44548; 特開2005-44550; 特開2005-222890
【非特許文献3】
J. Am. Chem. Soc., 127, 10824, 2005
【非特許文献4】
Chem. Mater., 17, 5884, 2005
【特許文献1】
特開2005-44548
【特許文献2】
特開2005-44550
【特許文献3】
特開2005-222890

産業上の利用分野


本発明は、窒素原子上に水素を有するトリアゾール基を含む新規なプロトン伝導性芳香族高分子とそれを成膜することにより得られるプロトン伝導性芳香族高分子膜、およびそれを用いた燃料電池に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
窒素原子上に水素を有するトリアゾール基をポリアリーレンエーテル類、ポリアリーレンスルホン類、ポリイミド類のいずれか又はそれらの共重合体を含む構造の主鎖又は側鎖中の芳香族基と共有結合、または脂肪族基、エーテル基、スルフィド基、ケトン基、エステル、スルホン基のいずれかを介した結合により、1つ以上含み、かつ、スルホン酸基、ホスホン酸基、またはカルボン酸基のいずれかの酸性基を1つ以上含むことを特徴とするプロトン伝導性芳香族高分子。

【請求項2】
前記酸性基はプロトン伝導性芳香族高分子1g当たり0.1mmolから5mmolであることを特徴とする請求項に記載のプロトン伝導性芳香族高分子。

【請求項3】
前記トリアゾール基が有機又は無機酸化合物とイオン結合状態にあることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のプロトン伝導性芳香族高分子。

【請求項4】
前記トリアゾール基が有機又は無機酸化合物と混合状態にあることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のプロトン伝導性芳香族高分子。

【請求項5】
前記有機又は無機酸化合物の含量がトリアゾール1基当たり0.01mmolから20mmolであることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のプロトン伝導性芳香族高分子。

【請求項6】
重量平均分子量が5000以上であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のプロトン伝導性芳香族高分子。

【請求項7】
請求項1からのいずれかに記載のプロトン伝導性芳香族高分子により製造されたことを特徴とするプロトン伝導性芳香族高分子膜。

【請求項8】
請求項7に記載のプロトン伝導性芳香族高分子膜を含むことを特徴とする燃料電池。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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