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ZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法

国内特許コード P08A013571
整理番号 12921
掲載日 2008年8月1日
出願番号 特願2006-293314
公開番号 特開2008-111677
登録番号 特許第4791935号
出願日 平成18年10月27日(2006.10.27)
公開日 平成20年5月15日(2008.5.15)
登録日 平成23年7月29日(2011.7.29)
発明者
  • 片桐 政樹
  • 中村 龍也
  • ニゲル・ローズ
  • エリック・シューネヴェルド
出願人
  • 独立行政法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 ZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法
発明の概要

【課題】ZnS蛍光体を用いた中性子イメージ検出器において、計数率特性を維持したままガンマ線感度の低減を図る。
【解決手段】中性子用シンチレータとしてZnS:Ag/LiF中性子検出シートを用い、この検出シートの背後に64本の波長シフトファイバ束をおき、その下面に直交して64本の波長シフトファイバを配置し、縦軸と横軸の波長シフトファイバ束とする。波長シフトファイバ束はそれぞれ64チャンネル光電子増倍管に接続される。マルチアノード光電子増倍管から出力された信号は高速アンプと波高弁別器で10倍に増幅し、波高弁別する。その後、AND回路、ゲート時間発生回路、ゲート回路及びOR回路から構成される回路を用いて、ガンマ線と認識した場合には中性子信号を無効とする。その場合にも、XとYの出力信号のうち少なくとも1つの信号が所定のゲート時間内に計数される場合には中性子信号として計数する。
【選択図】図8

従来技術、競合技術の概要


中性子線量計測や中性子散乱実験に使用される中性子検出器あるいは中性子イメージ検出器としては、He検出管あるいは位置敏感型He検出管が用いられてきた。これらの検出管はガンマ線感度を低くくすることができるが、計数率特性が最大で10Kcpsが限界である。



計数率特性を向上した中性子検出器としては、ZnS蛍光体とLiF中性子コンバータを混合した中性子検出シートを用いた中性子検出器あるいは中性子イメージ検出器が使用されてきた。また、ZnS蛍光体とLiF中性子コンバータを混合した中性子検出シートと波長シフトファイバを用いた高分解能中性子イメージ検出器が開発された。



しかし、ガンマ線感度はHe検出管あるいは位置敏感型He検出管と比較すると計数率特性を良い状態を保持したままでは十分低減する事ができなかった。ガンマ線感度を低減するためには図17の従来の信号処理例に示すように大きな時定数で積分する必要があり、計数率特性が低下することが理由である。



また、10Bを中性子コンバータとしてプラスチックシンチレータに入れた中性子検出器が、最近が開発されゼロクロッシング法とチャージ比較法を用いたガンマ線弁別が試みられた(非特許文献1参照)。しかし、複雑な回路構成を必要としているため、本発明の最終的目的である多チャンネルの2次元中性子検出器には適用することがなかなか困難である。

【非特許文献1】Nucl. Instr. And Methods, A484(2002)342-350

産業上の利用分野


本発明は、中性子検出体としてZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
ZnS蛍光体とLiあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号をZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測し中性子信号する共に、平行して時間幅20nsから40nsの時間幅で同時計測を行い、同時計測信号が得られた場合には、先に蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測して得られた中性子信号を無効とし、次にこの同時計測信号を用いてZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅から先に設定した20から40nsを差し引いた時間のゲート信号を作製し、2つの光電子増倍管からのフオトン(光子)に基づくパルス信号のうち少なくとも1つのフオトン(光子)に基づくパルス信号をそのゲート時間の間に計数した場合に再度中性子信号とすることを特徴とするZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。

【請求項2】
ZnS蛍光体とLiあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されたパルス信号の内片方の信号のみを20nsから40ns遅延した後、ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測を行い、同時計測信号を計数した場合に、中性子信号することを特徴とするZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子・ガンマ線弁別方法。

【請求項3】
ZnS蛍光体とLiあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号について、それぞれ最初に来たパルス信号をもとにZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅のゲート信号を作製し、それぞれのゲート信号を使って次にくるパルス信号と同時計測し、両者とも同時計測信号が計数された場合に、中性子信号とすることを特徴とするZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。

【請求項4】
ZnS蛍光体とLiあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測すると同時に、波長シフトファイバにガンマ線が入った場合に波長シフトファイバの蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号をZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測し中性子信号する共に、平行して時間幅20nsから40nsの時間幅で同時計測を行い、同時計測信号が得られた場合には、先に蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測して得られた中性子信号を無効とし、次にこの同時計測信号を用いてZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅から先に設定した20から40nsを差し引いた時間のゲート信号を作製し、2つの光電子増倍管からのフオトン(光子)に基づくパルス信号のうち少なくとも1つのフオトン(光子)に基づくパルス信号をそのゲート時間の間に計数した場合に再度中性子信号とすることを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。

【請求項5】
ZnS蛍光体とLiあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測すると同時に、波長シフトファイバにガンマ線が入った場合に波長シフトファイバの蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されたパルス信号の内片方の信号のみを20nsから40ns遅延した後、ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測を行い、同時計測信号を計数した場合に、中性子信号することを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子ガンマ線弁別方法。

【請求項6】
ZnS蛍光体とLiあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測すると同時に、波長シフトファイバにガンマ線が入った場合に波長シフトファイバの蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号について、それぞれ最初に来たパルス信号をもとにZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅のゲート信号を作製し、それぞれのゲート信号を使って次にくるパルス信号と同時計測し、両者とも同時計測信号が計数された場合に、中性子信号とすることを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。

【請求項7】
ZnS蛍光体とLiあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、計数回路を用いて、ガンマ線が入射した場合には、20ns以下の時間幅を持つパルス信号が必ず1個のみ計数されるのに対し、中性子が入射した場合にはZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅内に、フォトンパルス信号があらかじめ設定した2個以上の設定値に到達した際に発生する信号を中性子信号として検出することを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。

【請求項8】
請求項1乃至3のいずれか1項記載のZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器又は請求項4乃至7のいずれか1項記載のZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法において、前記ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、波長シフトファイバを蛍光検出に用いる場合に波長シフトファイバにガンマ線が入った場合に波長シフトファイバの蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測する場合に、光電子増倍管からのアナログ信号を波高弁別器でデジタル化した後50MHzないし200MHzのクロックを用いてこれらの信号をサンプリングし、サンプリングした後は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の信号処理をクロックと同期したモードで行うことによりガンマ線信号を弁別し、中性子信号として検出することを特徴とする中性子/ガンマ線弁別方法。

【請求項9】
請求項8記載の中性子/ガンマ線弁別方法において、光電子増倍管からのアナログ信号を波高弁別器でデジタル化した後50MHzないし200MHzのクロックを用いてこれらの信号をサンプリングする場合に、中性子の入射によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命に従って20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)が重畳して連続した波形となって出力された場合に、サン連続した波形をクロックに基づいてサンプリングし、2個以上のパルス信号列として取り出し、前記信号処理をクロックと同期したモードで行うことによりガンマ線信号を弁別し、中性子信号として検出することを特徴とする中性子/ガンマ線弁別方法。
産業区分
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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