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ルテニウム酸ナノシートおよびその製造方法 新技術説明会

国内特許コード P08P005797
整理番号 NI0600083
掲載日 2008年8月1日
出願番号 特願2007-011248
公開番号 特開2008-174431
登録番号 特許第5070483号
出願日 平成19年1月22日(2007.1.22)
公開日 平成20年7月31日(2008.7.31)
登録日 平成24年8月31日(2012.8.31)
発明者
  • 杉本 渉
  • 高須 芳雄
  • 伊藤 賢
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 ルテニウム酸ナノシートおよびその製造方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】MRuO2(M=アルカリ金属)型の層状ルテニウム酸アルカリ金属化合物由来のルテニウム酸ナノシート、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】式:[RuO2x―(0<x<1)で表されるルテニウム酸ナノシート、及び(a)IV価以上の原子価の酸化ルテニウムとアルカリ金属化合物等との混合物を、金属ルテニウム粉末と混合し、アルカリ金属型層状ルテニウム酸化合物を得る工程、(b)前記ルテニウム酸化合物を臭素溶液で処理し、プロトン型層状ルテニウム酸を得る工程、(c)前記ルテニウム酸を水和処理してプロトン型層状ルテニウム酸水和物を得る工程、(d)前記ルテニウム酸水和物にアルキルアンモニウム化合物等を反応させてアルキルアンモニウム-層状ルテニウム酸層間化合物を得る工程、及び(e)前記ルテニウム酸層間化合物を溶媒と混合し分散させ、ルテニウム酸ナノシートコロイドを得る工程を含む、上記ルテニウム酸ナノシートの製造方法。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


従来、蓄電機能を有する電気化学素子の代表的なものとしては、電気二重層キャパシタ、擬似二重層キャパシタおよび二次電池などがあり、これらはそれぞれの特徴を生かした応用機器において実用化されている。二次電池は電気二重層キャパシタに比べ高エネルギー密度を有し、現在最も汎用の蓄電デバイスである。しかし、二次電池は電極と電解液との間の電気化学反応を利用して充放電するため、サイクル寿命が不十分であり、一定期間使用後は交換する必要がある。他方、活性炭電極表面と電解液との界面で生じる電気二重層容量に基づく電気二重層キャパシタは、二次電池に比べて高出力密度を有し寿命が長いことから、高信頼性が要求されるバックアップ電源などに用いられる。これに対し、擬似二重層キャパシタはRuO、IrO、Coなどの金属酸化物の表面と電解液との界面での電気化学吸着現象により発現する擬似容量を持っており、電気二重層キャパシタの特徴である高出力密度及び長寿命と、二次電池の特徴である高エネルギー密度とを併せ持つ蓄電デバイスとして近年開発が加速している。



特にRuOを用いる擬似二重層キャパシタは最も古くから研究開発が行われ、最近では一部で実用化されている。しかしルテニウムは貴金属であり高価なため、より一層の高活性化と有効活用が望まれている。最近、層状ルテニウム酸カリウムからイオン交換で得た層状ルテニウム酸を層間剥離してルテニウム酸ナノシートが合成され、高い電子導電性と高い静電容量が報告された(特許文献1及び非特許文献1)。



しかしこのルテニウム酸カリウム由来のルテニウム酸ナノシートのシート厚は0.5nm程度と推定され、一層の厚さ方向に含有されるRuOは2個に相当し、更に薄層化の余地が有りながら、RuO一層に相当するルテニウム酸ナノシートの製法は知られていなかった。



最近、α‐NaFeO型構造をとる新規な層状ルテニウム酸NaRuOの合成と構造解析が報告された(非特許文献2及び非特許文献3)。このNaRuOは、一層に含有されるRuOが一層で、極限まで薄いため、これを層間剥離してナノシートコロイド化出来れば、これまでのルテニウム酸ナノシートでは無駄になっていたRuとRuの層間を極限まで有効活用でき、より高い擬似二重層容量が期待できる。しかしルテニウム酸カリウム由来の層状ルテニウム酸に適用出来た層間剥離の手法はルテニウム酸ナトリウム由来の層状ルテニウム酸には適用困難であった。




【特許文献1】特開2004-315347

【非特許文献1】W. Sugimoto, H. Iwata, Y. Yasunaga, Y. Murakami, and Y. Takasu, Angew.Chem., Int. Ed., 42, 4092 (2003)

【非特許文献2】M. Shikano, R.K. Kremer, M. Ahrens, H.J. Koo, M.H. Whangbo, and J. Inorg.Chem., 43,5 (2004)

【非特許文献3】M. Shikano, C. Delmas, and J. Darriet, Inorg. Che., 43, 1214 (2004)

産業上の利用分野


本発明は、新規な構造を有するルテニウム酸ナノシート、その製造方法、および前記ルテニウム酸ナノシートを用いた電極を有する電気化学素子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
:[RuO2x―(0<x<1)で表されるルテニウム酸ナノシート。

【請求項2】
0.4nm以下の厚みを有する、請求項1に記載のルテニウム酸ナノシート。

【請求項3】
請求項1又は2のルテニウム酸ナノシートが積層して形成される層状ルテニウム酸化合物の層間にアルキルアンモニウムイオンを含むアルキルアンモニウム-層状ルテニウム酸層間化合物。

【請求項4】
X線回折図形において(00L)の各面(但し0≦2θ(CuKα)≦90°の範囲においてL=1~nでありnは基本面間隔によって決まり5≦n≦35を満たす)に回折ピークを有する請求項に記載のアルキルアンモニウム-層状ルテニウム酸層間化合物。

【請求項5】
請求項1若しくは2のルテニウム酸ナノシートおよび/または請求項3若しくは4のアルキルアンモニウム-層状ルテニウム酸層間化合物と、溶媒とからなるコロイド。

【請求項6】
上記溶媒が、水、アルコール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびプロピレンカーボネートよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項記載のコロイド。

【請求項7】
UV・可視吸収スペクトルにおいて吸収極大を340―350nmの領域に有する請求項5または6記載のコロイド。

【請求項8】
請求項1若しくは2のルテニウム酸ナノシートおよび/または請求項3若しくは4のアルキルアンモニウム-層状ルテニウム酸層間化合物を含む電極を有する電気化学素子。

【請求項9】
請求項5~7のいずれか1項記載のコロイドを用いて製造される電極を有する電気化学素子。

【請求項10】
下記工程(a)~(e):
(a)IV価以上の原子価の酸化ルテニウムとアルカリ金属化合物の混合物、またはIV価以上の原子価のルテニウム酸のアルカリ金属化合物を、金属ルテニウム粉末と混合し、得られた混合物を焼成または溶融することによって、III価のルテニウムを含むアルカリ金属型層状ルテニウム酸化合物を得る工程、
(b)前記アルカリ金属型層状ルテニウム酸化合物を臭素溶液で処理し、層間のアルカリ金属イオンの少なくとも一部を除去してプロトン型層状ルテニウム酸を得る工程、
(c)前記プロトン型層状ルテニウム酸を水和処理してプロトン型層状ルテニウム酸水和物を得る工程、
(d)前記プロトン型層状ルテニウム酸水和物にアルキルアンモニウム化合物および/またはアルキルアミンを反応させてアルキルアンモニウム-層状ルテニウム酸層間化合物を得る工程、及び
(e)前記アルキルアンモニウム-層状ルテニウム酸層間化合物を溶媒と混合し分散させて、層間剥離したルテニウム酸ナノシートコロイドを得る工程
を含む、請求項1記載のルテニウム酸ナノシートの製造方法。

【請求項11】
前記工程(a)で得られるアルカリ金属型層状ルテニウム酸化合物が0.4nm以下の厚みを有する請求項10記載の製造方法。

【請求項12】
前記工程(a)で得られるアルカリ金属型層状ルテニウム酸化合物がNaRuO2である請求項10又は11記載の製造方法。

【請求項13】
前記工程(b)が、臭素のアセトニトリル溶液による処理である請求項10~12のいずれか1項記載のルテニウム酸ナノシートの製造方法。

【請求項14】
前記工程(d)が、プロトン型層状ルテニウム酸水和物に、構造式:(R)(R’)(R’’)(R’’’)NH4-(m+n+p+q)(式中、R、R’、R’’およびR’’’は夫々独立にHまたはCH3(CH2)を示し、ここで(R)(R’)(R’’)(R’’’)は少なくとも1つのCH3(CH2)を有し、m、n、p及びqはそれぞれ0または1~4の整数で、且つ0≦m+n+p+q≦4を満たし、そしてr=0~18の整数である)で表されるアルキルアンモニウムイオンを有するアルキルアンモニウム化合物を反応させる工程である請求項10~13のいずれか1項記載のルテニウム酸ナノシートの製造方法。

【請求項15】
前記工程(d)が、プロトン型層状ルテニウム酸水和物に、構造式:(R)(R’)(R’’)NH3-(m+n+p)(式中、R、R’およびR’’は夫々独立にHまたはCH3(CH2)を示し、ここで(R)(R’)(R’’)(R’’’)は少なくとも1つのCH3(CH2)を有し、m、n及びpは0または1~3の整数で、且つ0≦m+n+p≦3を満たし、そしてq=0~18の整数である)で表されるアルキルアミンを反応させる工程である請求項10~13のいずれか1項記載のルテニウム酸ナノシートの製造方法。

【請求項16】
前記工程(e)が、アルキルアンモニウム-層状ルテニウム酸層間化合物を、水、アルコール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびプロピレンカーボネートよりなる群から選択される少なくとも1種の溶媒と混合してコロイドを得る工程である請求項10~15のいずれか1項記載のルテニウム酸ナノシートの製造方法。
産業区分
  • 無機化合物
  • 電子部品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007011248thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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