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PID制御装置及びPID制御方法 新技術説明会

国内特許コード P08P006001
掲載日 2008年8月15日
出願番号 特願2007-017376
公開番号 特開2008-186113
登録番号 特許第4528984号
出願日 平成19年1月29日(2007.1.29)
公開日 平成20年8月14日(2008.8.14)
登録日 平成22年6月18日(2010.6.18)
発明者
  • 山本 透
出願人
  • 国立大学法人広島大学
発明の名称 PID制御装置及びPID制御方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】予測モデルに基づいて、PID制御対象への入力の差分に対する重み係数を含む制御則を用いてPIDパラメータを決定して、上記制御対象を制御する場合に、上記重み係数を適切にかつ容易に設定できるようにして、所望の制御性能が確実に得られるようにする。
【解決手段】制御誤差の分散と制御対象への入力の差分の分散とに関するトレードオフ曲線を描くとともに、このトレードオフ曲線上において、予め設定された所定の条件を満足する位置を求めかつ該位置に対応する重み係数及びPIDパラメータを求めて、該PIDパラメータを、制御対象を制御するためのPIDパラメータとして決定する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


近年、化学プロセスや石油精製プロセスに代表されるプロセス産業界においては、国際競争の激化の煽りを受けて、生産性の向上や省エネルギー・省力化、品質向上、生産コストの低減がより一層進められている。このような現状において、制御システムが果たす役割はこれまで以上に重要視されてきている。とりわけ化学プロセスや石油精製プロセス等においては、操業条件の変更(製品銘柄の変更等)、原料及び環境の変化、又はシステムそのものが持つ非線形性等により、対象とするシステムの特性が変化することが往々にして存在する。そのようなシステムに対して高精度な制御性を得るためには、本来、システムの特性に対応して制御システム(PIDパラメータ)が自己調整されることが望ましい。その一つのアプローチとしてセルフチューニング制御法があり、非特許文献1には、この考え方に基づいたセルフチューニングPID制御法が開示されている。この非特許文献1のセルフチューニングPID制御法は、一般化最小分散制御(GMVC)に基づくPIDパラメータ調整法であって、評価規範の最小化に基づいて制御則(GMVC則)を導出する。そして、PID制御対象への入力と該入力に対する該制御対象からの出力とに基づいて構築した予測モデルに基づいて、上記制御則(GMVC則)を用いてPIDパラメータを決定する。このとき、上記制御則には、PID制御対象への入力の差分に、値を変更設定可能な係数を掛けた項が含まれているため、PIDパラメータの決定に際しては、この係数を設定する必要がある。

【非特許文献1】山本、兼田,「一般化最小分散制御則に基づくセルフチューニングPID制御器の一設計」,システム制御情報学会論文誌,1998年,第11巻,第1号,p.1-9

産業上の利用分野


本発明は、PID制御対象の予測モデルを構築して、この予測モデルに基づいてPIDパラメータを決定し、このPIDパラメータを用いて上記制御対象を制御するPID制御装置及びPID制御方法に関する技術分野に属する。

特許請求の範囲 【請求項1】
PID制御対象への入力と該入力に対する該制御対象からの出力とに基づいて、該制御対象の予測モデルを構築するとともに、該予測モデルを構築する際の上記入力に対して、該構築された予測モデルを用いた場合の出力と、該入力に対する該制御対象からの出力との差である推定誤差を算出する予測モデル構築手段と、該予測モデル構築手段により構築された予測モデルに基づいて、上記入力の差分に、値を変更設定可能な係数を掛けた項を含む制御則を用いてPIDパラメータを決定するPIDパラメータ決定手段と、該PIDパラメータ決定手段により決定されたPIDパラメータを用いて、上記制御対象を制御する制御手段とを備えたPID制御装置であって、
上記PIDパラメータ決定手段は、上記予測モデルに基づいて、上記係数を変化させながら該各係数毎に上記PIDパラメータを算出しかつ該算出したPIDパラメータと上記推定誤差とを用いて、該各係数に対応した制御誤差の分散と上記入力の差分の分散とを計算して、上記制御誤差の分散と上記入力の差分の分散との2軸のグラフ上に上記計算値をプロットすることで、上記係数を変化させたときの、上記制御誤差の分散と上記入力の差分の分散とに関するトレードオフ曲線を描くとともに、該トレードオフ曲線上において、予め設定された所定の条件を満足する位置を求めかつ該位置に対応する係数及びPIDパラメータを求めて、該PIDパラメータを、上記制御手段が用いるPIDパラメータとして決定するように構成されていることを特徴とするPID制御装置。

【請求項2】
請求項1記載のPID制御装置において、
上記所定の条件は、上記制御誤差の分散が予め設定された所定値以下となる中で上記入力の差分の分散が最も小さくなるという条件であることを特徴とするPID制御装置。

【請求項3】
請求項1又は2記載のPID制御装置において、
上記制御手段による、上記PIDパラメータ決定手段により決定されたPIDパラメータを用いた上記制御対象への入力に対して、上記予測モデル構築手段により構築された予測モデルを用いた場合の出力と、該入力に対する該制御対象からの出力との差であるモデル化誤差が、予め設定された基準値よりも大きいか否かを判定する判定手段を更に備え、
上記予測モデル構築手段は、上記判定手段により上記モデル化誤差が上記基準値よりも大きいと判定されたときに、予測モデルを再構築して該再構築した予測モデルに更新するように構成されていることを特徴とするPID制御装置。

【請求項4】
PID制御対象への入力と該入力に対する該制御対象からの出力とに基づいて、該制御対象の予測モデルを構築するとともに、該予測モデルを構築する際の上記入力に対して、該構築された予測モデルを用いた場合の出力と、該入力に対する該制御対象からの出力との差である推定誤差を算出する予測モデル構築ステップと、該予測モデル構築ステップで構築された予測モデルに基づいて、上記入力の差分に、値を変更設定可能な係数を掛けた項を含む制御則を用いてPIDパラメータを決定するPIDパラメータ決定ステップと、該PIDパラメータ決定ステップで決定されたPIDパラメータを用いて、上記制御対象を制御する制御ステップとを備えたPID制御方法であって、
上記PIDパラメータ決定ステップは、上記予測モデルに基づいて、上記係数を変化させながら該各係数毎に上記PIDパラメータを算出しかつ該算出したPIDパラメータと上記推定誤差とを用いて、該各係数に対応した制御誤差の分散と上記入力の差分の分散とを計算して、上記制御誤差の分散と上記入力の差分の分散との2軸のグラフ上に上記計算値をプロットすることで、上記係数を変化させたときの、上記制御誤差の分散と上記入力の差分の分散とに関するトレードオフ曲線を描くとともに、該トレードオフ曲線上において、予め設定された所定の条件を満足する位置を求めかつ該位置に対応する係数及びPIDパラメータを求めて、該PIDパラメータを、上記制御ステップで用いるPIDパラメータとして決定するステップであることを特徴とするPID制御方法。

【請求項5】
請求項4記載のPID制御方法において、
上記制御ステップにおける、上記PIDパラメータ決定ステップで決定されたPIDパラメータを用いた上記制御対象への入力に対して、上記予測モデル構築ステップで構築された予測モデルを用いた場合の出力と、該入力に対する該制御対象からの出力との差であるモデル化誤差が、予め設定された基準値よりも大きいか否かを判定する判定ステップを更に備え、
上記判定ステップで上記モデル化誤差が上記基準値よりも大きいと判定されたときに、上記予測モデル構築ステップで予測モデルを再構築して該再構築した予測モデルに更新することを特徴とするPID制御方法。
産業区分
  • 制御調整
  • 計算機応用
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007017376thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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