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イネに耐虫性を付与するGrh2遺伝子及びその利用

国内特許コード P08A013602
整理番号 QP050061
掲載日 2008年8月22日
出願番号 特願2005-334948
公開番号 特開2007-135492
登録番号 特許第4399605号
出願日 平成17年11月18日(2005.11.18)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
登録日 平成21年11月6日(2009.11.6)
発明者
  • 安井 秀
  • 吉村 淳
  • 土井 一行
  • 武田 和宣
  • 久納 健司
  • 門脇 稔
出願人
  • 国立大学法人九州大学
発明の名称 イネに耐虫性を付与するGrh2遺伝子及びその利用
発明の概要

【課題】植物の耐虫性を制御する遺伝子であるGrh2を特定し、利用する。
【解決手段】Grh2を保有すると考えられるKasalath由来のBACクローンのゲノムシークエンスをもとに、候補ゲノム領域内のサブクローンを用いた相補性検定により,植物の耐虫性を制御するGrh2候補遺伝子を特定した。本発明は、Grh2a遺伝子及びGrh2b遺伝子を提供する。本発明はまた、耐虫性植物品種への改良方法を提供する。本発明により、改良される植物の好ましい例はイネである。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


ツマグロヨコバイ(英名:Green Rice Leafhopper, GRH、学名:Nephotettix cincticeps UHLER)等の吸汁性昆虫は、イネの重要害虫であり、イネの収量に大きな影響を与える。ツマグロヨコバイ類(Nephotettix)はアジア及びアフリカに広く分布しており、日本では、ツマグロヨコバイ、九州・沖縄のタイワンツマグロヨコバイ及びクロスジツマグロヨコバイ、並びに沖縄のマラヤツマグロヨコバイの4種が発見されている。



ツマグロヨコバイは、葉に群がって汁を吸う。吸汁は、多発すると虫の排泄物にすす病が発生して、葉が黒く汚れることがあるが、吸汁自体による実害は少ない。しかしながら、ツマグロヨコバイは、吸汁時にウイルスやマイコプラズマを媒介する。特に萎縮病(わい性症わい化病等と称されることもある。)のウイルスを媒介することによる被害が多大なものとなっている。萎縮病ウイルスに一旦感染すると防除する手段はないことから、萎縮病被害を防ぐためにはツマグロヨコバイを防除する必要がある。



これまで、イネ品種のいくつかが、イネ萎縮病を発病せず、耐虫性であることが知られていた。また、水稲品種DV85が示すツマグロヨコバイ抵抗性は、2つのツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子(Grh2及びGrh4)に支配され,両遺伝子が存在すると強い殺虫活性を示すことが知られていた(非特許文献1、2)。



他方、トビイロウンカ(英名:Brown Planthopper, BPH、学名:Nilaparvate lugens STAL)は、イネの最も重要な害虫であり、その名が示すとおり、茶褐色をした小さな虫である。ウイルスを媒介することもあるが、多く発生すると、吸汁により、夏の終わりから秋にかけて水田の中に穴があいたように突然イネが枯れ、一般に坪枯れと呼ばれる被害をもたらす。トビイロウンカは、イネの株元付近で吸汁することが多く、坪枯れがおこるまで発生に気がつかないこともある。南アジアの品種を中心にトビイロウンカに対する抵抗性が見出されており、これまでに19個以上のトビイロウンカ抵抗性遺伝子が同定されている(非特許文献3)ほか、いくつかの量的形質遺伝子座(QTL)が検出されてきた(非特許文献4)。

【非特許文献1】Breeding Science 48: 243-249 (1998)

【非特許文献2】Crop science 44: 389-393 (2004)

【非特許文献3】Adv. Agron. 45: 223-274(1991)

【非特許文献4】Plant Breeding 124: 93-95 (2005)

産業上の利用分野


本発明は、植物の新規遺伝子に関する。より詳細には、植物に耐虫性を付与する遺伝子及びその利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の(a)、(b)、(c)、(e)又は(f)のDNA:
(a)配列番号:1又は2に記載の塩基配列からなるDNA;
(b)配列番号:1又は2に記載の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ植物に耐虫性を付与する機能を有するDNA;
(c)配列番号:1又は2に記載の塩基配列において1~9個の塩基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加された塩基配列からなり、かつ植物に耐虫性を付与する機能を有するDNA
e)配列番号:3に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;
(f)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において1~9個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加したアミノ酸配列をコードし、かつ植物に耐虫性を付与する機能を有するDNA。

【請求項2】
イネ属植物由来である、請求項1に記載のDNA。

【請求項3】
下記の(h)、(i)、(j)、(l)又は(m)のDNA:
(h)配列番号:4又は5に記載の塩基配列からなるDNA;
(i)配列番号:4又は5に記載の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ植物に耐虫性を付与する機能を有するDNA;
(j)配列番号:4又は5に記載の塩基配列において1~9個の塩基が置換、欠失、挿入、及び/又は付加された塩基配列からなり、かつ植物に耐虫性を付与する機能を有するDNA
l)配列番号:6に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;
(m)配列番号:6に記載のアミノ酸配列において1~9個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加したアミノ酸配列をコードし、かつ植物に耐虫性を付与する機能を有するDNA。

【請求項4】
イネ属植物由来である、請求項3に記載のDNA。

【請求項5】
請求項1若しくは2及び/又は請求項3若しくは4に記載のDNAを含む組換えベクターの利用により形質転換された、形質転換植物体又はその一部。

【請求項6】
イネ属植物である、請求項5に記載の形質転換植物体又はその一部。

【請求項7】
請求項1若しくは2及び/又は請求項3若しくは4に記載のDNAを含む組換えベクターを用いることを特徴とする、植物の耐虫性を高める方法。

【請求項8】
イネ品種の耐虫性を高める方法である、請求項7に記載の方法。

【請求項9】
請求項1若しくは2及び/又は請求項3若しくは4に記載のDNAを含む組換えベクターを用いることにより改良された、耐虫性イネ品種。

【請求項10】
請求項9に記載の耐虫性イネ品種を利用することにより得られる、収穫物。

【請求項11】
植物における請求項1又は3に記載のDNAの全部又は一部の存在の有無を検出することを含む、植物の耐虫性を評価する方法。

【請求項12】
植物における請求項1又は3に記載のDNAの全部又は一部の存在の有無を検出することを含む、植物品種の判定方法。

【請求項13】
請求項1又は3に記載のDNAの塩基配列と、請求項1又は3に記載のDNAを機能可能に有さない植物の請求項1又は3に記載のDNAに対応するゲノム領域の塩基配列とを、コンピュータを用いて比較する工程を含む、植物の耐虫性評価又は植物品種の判定のためのオリゴヌクレオチドの、設計方法。

【請求項14】
下記の(e’)又は(f’)のタンパク質:
(e’)配列番号:3に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質;
(f’)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において1~9個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、かつ植物に耐虫性を付与する機能を有するタンパク質。

【請求項15】
下記の(l’)又は(m’)のタンパク質:
(l’)配列番号:6に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質;
(m’)配列番号:6に記載のアミノ酸配列において1~9個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、かつ植物に耐虫性を付与する機能を有するタンパク質。
産業区分
  • 微生物工業
  • 農林
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 権利存続中
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