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3次元金属微細構造体の製造方法

国内特許コード P08A013703
整理番号 20202
掲載日 2008年8月22日
出願番号 特願2005-257503
公開番号 特開2007-069406
登録番号 特許第4838556号
出願日 平成17年9月6日(2005.9.6)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
登録日 平成23年10月7日(2011.10.7)
発明者
  • 武安 伸幸
  • 田中 拓男
  • 河田 聡
出願人
  • 独立行政法人理化学研究所
発明の名称 3次元金属微細構造体の製造方法
発明の概要

【課題】真空中での処理を行うことを必要とせず、生産効率ならびに加工自由度を向上させた3次元金属微細構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】任意の立体形状を備えた3次元金属微細構造体の製造方法において、光硬化性樹脂に対して短パルスレーザー光を照射して2光子吸収微細造形法により3次元微細構造を備えたポリマー構造体を形成する第1の工程と、上記第1の工程により形成されたポリマー構造体に無電解めっきにより金属膜を形成する第2の工程とを有する3次元金属微細構造体の製造方法である。
【選択図】 図3

従来技術、競合技術の概要


一般に、3次元金属微細構造体を作製するにあたっては、主に集束イオンビーム装置が用いられている。



ここで、集束イオンビーム装置とは、金属イオン源から得られたイオンビームを電磁界レンズやアパーチャなどを用いてそのビーム径が数μm以下となるように絞ったイオンビームたる集束イオンビーム(Focused Ion Beam)を発生する装置である。



この集束イオンビームは、非常に高いエネルギーをもっており、金属表面に照射することにより金属を切削することができ、また、有機金属ガス雰囲気中で集束イオンビームを照射すると、ガスが分解されて物体表面に金属を成膜したり堆積したりすることができるものである。



従って、こうした集束イオンビームを発生する集束イオンビーム装置を用いると、約10nm程度の分解能で3次元微細構造体を作製することができるものであった(非特許文献1参照)。



しかしながら、上記した集束イオンビームを用いた3次元微細構造体の作製の手法においては、集束イオンビームの照射による金属の切削や物体表面における金属の成膜あるいは堆積などの処理は、真空中で集束イオンビームを照射することにより行う必要があるため装置の全体構成が大型化し、大きなスペースが必要になるとともにコストもかかることになるという問題点があった。



さらに、この集束イオンビームを用いた3次元微細構造体の作製の手法においては、集束イオンビームの照射により切削されたり成膜あるいは堆積などが行われる領域が極めて微小な領域(例えば、直径10nm程度の領域である。)であるため、生産効率に劣り一つの3次元微細構造体を作製するには処理時間が長時間(例えば、数時間である。)に及ぶようになるので、大量生産には不向きであり産業上における利用が制限されるという問題点があった。




なお、3次元微細構造を作製する他の手法としては、2光子吸収微細造形法も知られている(非特許文献2参照)。



この2光子吸収微細造形法とは、以下の原理によるものである。即ち、短パルスレーザー光を光硬化性樹脂中に集光すると、光強度が高い集光点でのみ2光子吸収が起こる。従って、そこで局所的に光硬化性樹脂の硬化反応が進行し、ポリマーが得られことになる。このとき、2光子吸収が集光点の中でも特に光強度の強い中心部のみで起こるため、その硬化スポットは光の回折限界を超えたサイズで作製することができる。そのため、光硬化性樹脂中で3次元的に集光点を走査することにより、任意形状の3次元ポリマー構造を作製することが可能である。



なお、上記した2光子吸収微細造形法によれば、例えば、波長800nmのフェムト秒チタンサファイアレーザーを用いて2光子吸収微細造形法を行った際に得られる最小スポットは約100nmであるため、こうした短パルスレーザーを用いることにより、約100nmの分解能で3次元微細構造を作製することができる。



ここで、図1(a)(b)(c)に示す体長8μmの牛の立体模型を作製する場合を例にして、2光子吸収微細造形法による処理手順を具体的に説明すると、まず、光硬化性樹脂に対して短パルスレーザー光を照射し、その集光点を3次元的に走査しながら、光硬化性樹脂中における硬化スポットを1点ずつ並べた体長8μmの牛の立体図を完成させる(図1(a)参照)。硬化スポットを1点ずつ並べた体長8μmの牛の立体図が完成したならば、エタノールなどにより未硬化の光硬化性樹脂を取り除くと(図1(b)参照)、体長8μmの牛の立体模型が得られることになる(図1(c)参照)。



なお、短パルスレーザー光を照射して2光子吸収微細造形法を実施するためのシステムとしては、例えば、図2(a)(b)に示すような短パルスレーザー光としてフェムト秒レーザー光を照射するシステムが提案されている。この図2(a)(b)に示すような短パルスレーザー光を照射して2光子吸収微細造形法を実施するためのシステムは、非特許文献2にも開示されているように既に周知のものであるため、その詳細な構成ならびに作用の説明は省略する。



しかしながら、上記した2光子吸収微細造形法においては、得られる3次元微細構造体がポリマー構造体に限定されるものであり、3次元金属微細構造を作製することができないという問題点があった。


【非特許文献1】Y.Hirayama,Y.Suzuki,S.Tarucha,H.Okamoto,J.J.Appl.Phys.Part2-Letter 24,L516(1985)

【非特許文献2】S.Kawata,H.-B.Sun,T.Tanaka,and K.Takada,Nature 412,697(2001)

産業上の利用分野


本発明は、3次元金属微細構造体の製造方法に関し、さらに詳細には、nmオーダーの分解能で3次元金属微細構造体、例えば、0.1~数μm程度の大きさの微細な金属立体構造体を作製する際に用いて好適な3次元金属微細構造体の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
任意の立体形状を備えた3次元金属微細構造体の製造方法において、
光硬化性樹脂に対して短パルスレーザー光を照射する2光子吸収微細造形法により3次元微細構造を備えたポリマー構造体を形成する第1の工程と、
前記第1の工程により形成されたポリマー構造体に無電解めっきにより金属膜を形成する第2の工程と
含み、
前記光硬化性樹脂の少なくとも一部には、
【化学式1】


により特定される組成物が混入されており、
前記親水基は、アミノ基、ニトロ基、チオール基またはシアノ基であり、
前記第2の工程は、前記ポリマー構造体を遷移金属と反応させた後にめっき液と反応させる
3次元金属微細構造体の製造方法。

【請求項2】
請求項1に記載の3次元金属微細構造体の製造方法において、
前記光硬化性樹脂は、前記組成物が混入されている第1種の光硬化性樹脂と前記組成物が混入されていない第2種の光硬化性樹脂を含んでおり
前記第2の工程において形成される前記金属膜が、前記ポリマー構造体の表面の前記第1種の光硬化性樹脂が配置された位置に選択的に形成される
3次元金属微細構造体の製造方法。

【請求項3】
任意の立体形状を備えた3次元金属微細構造体の製造方法において、
疎水性コーティングが表面に施されたガラス基板上に接して配置されている光硬化性樹脂に対して短パルスレーザー光を照射する2光子吸収微細造形法により3次元微細構造を備えたポリマー構造体を形成する第1の工程と、
前記疎水性コーティングにより前記ガラス基板の表面への金属のコートを防ぎながら、前記第1の工程により形成され、該ガラス基板の上に残されている前記ポリマー構造体の表面に無電解めっきにより選択的に金属膜を形成する第2の工程と
含む
3次元金属微細構造体の製造方法。

【請求項4】
請求項3に記載の3次元金属微細構造体の製造方法において、
前記ガラス基板は、疎水性コーティングとしてシラン化合物コーティングされたものである
ことを特徴とする3次元金属微細構造体の製造方法。

【請求項5】
請求項4に記載の3次元金属微細構造体の製造方法において、
前記シラン化合物は、ジクロロジメチルシランである
ことを特徴とする3次元金属微細構造体の製造方法。

【請求項6】
請求項1、2、3、4または5のいずれか1項に記載の3次元金属微細構造体の製造方法において、
前記第2の工程における無電解めっきの還元剤は、2,5-ジヒドロキシ安息香酸である
ことを特徴とする3次元金属微細構造体の製造方法。

【請求項7】
請求項6に記載の3次元金属微細構造体の製造方法において、
前記第2の工程は、
前記2,5-ジヒドロキシ安息香酸の飽和水溶液を50~100倍に薄めた第1の還元液と反応させる第1の処理と、
前記第1の処理の後に前記2,5-ジヒドロキシ安息香酸の飽和水溶液を5~10倍に薄めた第2の還元液と反応させる第2の処理と
を有することを特徴とする3次元金属微細構造体の製造方法。
産業区分
  • 高分子化合物
  • 表面処理
  • その他機械要素
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005257503thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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